逸失利益とは?わかりやすく用語の意味、計算方法、誰がもらえるかを解説!
Q1. 「逸失利益」とは何?
交通事故における逸失利益には、「後遺障害逸失利益」と「死亡逸失利益」があります。
後遺障害逸失利益とは
交通事故で後遺障害が残ったことで異動や転勤、退職を余儀なくされたり、出世に影響が出たりして得られなくなった将来の収入に対する補償。
交通事故で後遺障害が残らなければ得られていたはずの収入に対する補償が、後遺障害逸失利益なのです。
死亡逸失利益とは
交通事故によって死亡したことで得られなくなった収入・利益に対する補償
交通事故によって被害者の方が亡くなると、本来ならこれからも働き続けて得られていたはずの収入・利益が得られなくなります。
死亡逸失利益は、そうした損害に対する補償なのです。
Q2. 逸失利益は主婦や学生でももらえる?
後遺障害逸失利益や死亡逸失利益は、収入に対して生じた損害を補償するものです。しかし、実際には収入のない主婦の方や学生の方でも、会社員や自営業の方と同じく逸失利益を請求することはできます。
主婦の方も逸失利益がもらえるのは、交通事故では主婦業も賃金労働と同じように扱われるからです。
学生の方も逸失利益がもらえるのは、後遺症が残ったり死亡したりしなければ、卒業後働いて収入を得ていたと考えられるからです。
Q3. 逸失利益の金額の計算方法は?
逸失利益の計算方法は、以下の通りです。
✓後遺障害逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×ライプニッツ係数
✓死亡逸失利益=基礎年収×(1‐生活費控除率)×ライプニッツ係数
計算式の中に出てくる用語をそれぞれ確認していきます。
基礎収入
基礎収入は、原則として事故前年の収入のことを指します。
・会社員:賞与を含む事故前年の収入
・自営業者:事故前年の確定申告所得額
・主婦:女性の全年齢平均
・大学生:大卒の男女別労働者全年齢平均
・高校生以下:学歴計の男女別労働者全年齢平均
労働能力喪失率
労働能力喪失率は、後遺障害等級に応じて決まっています。
労働能力喪失率 | |
---|---|
1級 | 100% |
2級 | |
3級 | |
4級 | 92% |
5級 | 79% |
6級 | 67% |
7級 | 56% |
8級 | 45% |
9級 | 35% |
10級 | 27% |
11級 | 20% |
12級 | 14% |
13級 | 9% |
14級 | 5% |
ライプニッツ係数
ライプニッツ係数とは、逸失利益を預金したり運用したりすることで生じる利息をあらかじめ差し引くための数値です。
これは労働能力喪失期間に応じた数値を用います。労働能力喪失期間は基本的に、後遺障害が残ったり死亡したりした年齢~67歳までの年数となります。
就労可能年数 | ライプニッツ係数 |
---|---|
1 | 0.95 |
5 | 4.33 |
10 | 7.72 |
20 | 12.46 |
30 | 15.37 |
ただし、まだ働いていない学生の方の場合は、
・後遺障害が残ったり死亡したりした年齢~67歳までの年数に応じた係数
から、
・後遺障害が残ったり死亡したりした年齢~高校卒業または大学卒業の年齢までの年数に応じた係数
を差し引きます。
生活費控除率
生活費控除率は、死亡逸失利益から、被害者の方本人が死亡していなければ消費したであろう金額を差し引くための数値です。
被害者 | 控除率 |
---|---|
一家の支柱 (扶養家族1名) |
40% |
一家の支柱 (扶養家族2名以上) |
30% |
その他女性 | 30% |
その他男性 | 50% |
以下の計算機では、後遺障害逸失利益や死亡逸失利益を簡単に計算することができます。
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ただし加害者側は、基礎収入を低く見積もったり、労働能力喪失期間を実際よりも短くしたりして逸失利益を計算することがありますので、ご注意ください。
Q4. 逸失利益の請求は弁護士に相談するべき?
逸失利益を加害者側に請求する場合は、弁護士に相談することがおすすめです。
示談交渉の際、加害者側保険会社は逸失利益を低めに計算して提示してくる可能性があります。
この時、被害者ご自身で正しい金額を主張しても、聞き入れてもらえない可能性が高いです。加害者側保険会社は交渉のプロであり、交渉を有利に進めることに長けているからです。
これに対抗するためには、同じように交渉のプロである弁護士を立てることが重要です。
アトム法律事務所では、LINEや電話で無料相談を受け付けています。
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代表岡野武志(第二東京弁護士会)
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。