身体障害者手帳交付における障害程度等級表「ぼうこう又は直腸機能障害」
ぼうこう又は直腸の機能障害は内部障害であり、1級、3級、4級の等級が認定されます。
「ぼうこう又は直腸障害」の身体障害者障害程度等級表
ぼうこう又は直腸障害の身体障害者の等級認定表は以下の通りになります。
1級 |
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ぼうこう又は直腸の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
3級 |
ぼうこう又は直腸の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの |
4級 |
ぼうこう又は直腸の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
ぼうこう又は直腸障害の等級表の解説
ではここからは、等級表の内容について、より詳しく解説していきたいと思います。
1級に該当する障害
等級表1級に該当する障害は、次のいずれかに該当し、かつ、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される場合になるそうです。
① | 腸管のストーマに尿路変向(変更)のストーマを併せもち、かつ、いずれかのストーマにおいて排便・排尿処理が著しく困難な状態があるもの |
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② | 腸管のストーマをもち、かつ、ストーマにおける排便処理が著しく困難な状態及び高度の排尿機能障害があるもの |
③ | 尿路変向(変更)のストーマに治癒困難な腸瘻を併せもち、かつ、ストーマにおける排尿処理が著しく困難な状態又は腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態があるもの |
④ | 尿路変向(変更)のストーマをもち、かつ、ストーマにおける排尿処理が著しく困難な状態及び高度の排便機能障害があるもの |
⑤ | 治癒困難な腸瘻があり、かつ、腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態及び高度の排尿機能障害があるもの |
※ ストーマ:消化管や尿路の疾患などにより、腹部に便又は尿を排泄するために増設された排泄口のこと。。
「ストマにおける排尿・排便処理が著しく困難な状態」とは
治療により、
- 軽快の見込みのないストーマ周辺の皮膚の著しいびらん
- ストーマの変形
- 不適切なストーマの造設個所
などにより、長期間にわたってストーマ用装具の装着が困難な状態のことになります。
「高度の排尿機能障害」とは
- 先天性疾患による神経障害
- 直腸の手術や自然排尿型代用ぼうこう(新ぼうこう)による神経因性ぼうこう
が原因で、カテーテル留置もしくは自己導尿の常時施行を必要とする状態のことになります。
「治癒困難な腸瘻」とは
腸管の放射線障害などによる障害であって、ストーマ造設以外の瘻孔(腸瘻)から腸内容の大部分の洩れがあり、手術などでも閉鎖の見込みのない状態のことになります。
3級に該当する障害
等級表3級に該当する障害は、次のいずれかに該当する場合になるそうです。
① | 腸管のストーマに尿路変向(変更)のストーマを併せもつもの |
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② | 腸管のストーマをもち、かつ、ストーマにおける排便処理が著しく困難な状態又は高度の排尿機能障害があるもの |
③ | 尿路変向(変更)のストーマに治癒困難な腸瘻を併せもつもの |
④ | 尿路変向(変更)のストーマをもち、かつ、ストーマにおける排尿処理が著しく困難な状態又は高度の排便機能障害があるもの |
⑤ | 治癒困難な腸瘻があり、かつ、腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態又は高度の排尿機能障害があるもの |
⑥ | 高度の排尿機能障害があり、かつ、高度の排便機能障害があるもの |
※1 ストーマ:消化管や尿路の疾患などにより、腹部に便又は尿を排泄するために増設された排泄口のこと。。
※2 障害認定の対象となるストーマは、排尿・排便のための機能を持ち、永久的に造設されるものに限る。
「腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態」とは
腸瘻においてストーマ用装具などによる腸内容の処理が不可能なため、軽快の見込みのない腸瘻周辺の皮膚の著しいびらんがある状態のことになります。
「高度の排便機能障害」とは
先天性疾患(先天性鎖肛を除く)が原因の神経障害、もしくは先天性鎖肛に対する肛門形成術または小腸肛門吻合術に起因し、かつ、次のいずれかに該当する場合になります。
ちなみに「小腸肛門吻合術」とは、小腸と肛門歯状線以下(肛門側)とを合わせる手術のことになります。
① | 完全便失禁を伴い、治療によって軽快の見込みのない肛門周辺の皮膚の著しいびらんがある状態 |
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② | 1週間に2回以上の定期的な用手摘便を要する高度な便秘を伴う状態 |
4級に該当する障害
等級表4級に該当する障害は、次のいずれかに該当する場合になるそうです。
① | 腸管又は尿路変向(変更)のストーマをもつもの |
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② | 治癒困難な腸瘻があるもの |
③ | 高度の排尿機能障害又は高度の排便機能障害があるもの |
※1 ストーマ:消化管や尿路の疾患などにより、腹部に便又は尿を排泄するために増設された排泄口のこと。。
※2 障害認定の対象となるストーマは、排尿・排便のための機能を持ち、永久的に造設されるものに限る。
障害の認定の時期
障害の認定時期については、以下のようになっているそうです。
腸管のストーマ、もしくは尿路変向(変更)のストーマを持つ場合 |
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ストーマの造設直後 |
「ストーマにおける排尿・排便処理が著しく困難な状態」の合併によって上位等級に該当する場合 |
申請日がストーマ造設後 ・6か月を経過:その時点で該当する等級の認定が可能 ・6か月を経過していない:6か月を経過した日以降、再申請により再認定が可能 |
治癒困難な腸瘻 |
治療が終了し、障害が認定できる状態になった時点 |
高度の排尿・排便機能障害 |
先天性疾患(先天性鎖肛を除く)による場合を除き、直腸の手術や自然排尿型代用ぼうこうによる神経因性ぼうこうに起因する障害、先天性鎖肛に対する肛門形成術、小腸肛門吻合術に起因する障害発生後6か月を経過した日以降※ |
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
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