交通事故で受傷し手術受け、輸血でC型肝炎に罹患
認容額 | 764万1365円 |
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年齢 | 36歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 市職員 |
傷病名 | 頸部・胸・腹部打撲、出血性ショック、肝破裂、膵・腎損傷等 |
障害名 | 肝機能障害 |
後遺障害等級 | 6級 |
判決日 | 平成10年3月26日 |
裁判所 | 岡山地方裁判所 |
交通事故の概要
平成4年3月11日午前8時13分頃、岡山市門田屋敷二丁目の県道において、被害者が、自動二輪車を運転して右県道を西進中に、進路前方の三叉路交差点に北上してきた加害者が普通乗用自動車を運転して、同交差点から右県道に左折進入した。その際に、被害者の車両の進行を妨害したため、被害者は、加害者の車両との衝突を避けるため急ブレーキを踏んだが、被害者の車両がスリップして、交通渋滞で停止していた車両二台に衝突した上で、転倒し、被害者が負傷した
被害者の入通院治療の経過
被害者は、本件事故により、頸部・胸・腹部打撲、出血性ショック、肝破裂、膵・腎損傷、右肺挫傷、血気胸、右第四・五・六肋骨骨折の傷害を受けた。また、被害者は、これらの傷害の治療及び、そのために受けた手術あるいは出血性ショック死防止のための輸血によって、C型肝炎に罹患した。
被害者は、本件事故後、310日間入院して治療を受けた。また、328日間通院して治療を受けた。
後遺障害の内容
被害者は、治療の結果、平成9年2月18日頃に、症状が固定したが、次のとおりの後遺障害が残った。
(1)胆のうの全摘出、肝臓の膿の摘出不能、腹壁ヘルニアによるネット挿入。
(2)慢性C型肝炎
胆のうの全摘出、肝臓の膿の摘出不能、腹壁ヘルニアによるネット挿入は、少なくとも「胸腹部臓器に障害を残すもの」として後遺障害別等級表11級に該当する。また、慢性C型肝炎は、「胸腹部臓器に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」として後遺障害別等級表7級に該当する。
したがって、これらの後遺障害を併合すれば、被害者の後遺障害は6級に相当する。
判決の概要
被害者が車両を運転して県道を西進中に、進路前方の三叉路交差点に北上してきた加害者が、同交差点から県道に左折進入する際、被害者の車両の進行を妨害したため、加害者の車両との衝突さけるため急ブレーキを踏んだ被害者の車両がスリップして、交通渋滞で停止していた車両2台に衝突、転倒して、被害者が負傷した。本件事故について、加害者に対して、その損害賠償を請求した。
本件事故は、第一次的には加害者の右方の安全確認義務違反の過失によって生じたものであるが、他方、被害者は本件事故発生直前に、三叉路交差点の左方道路の停止線付近にいる加害者の車両を発見したのである。被害者が加害者の動向を十分に注視して、加害者の車両が左折を開始したら直ちに停止できるように減速するなどすべきであった。そうすれば、本件事故の発生を回避できたものと認められることから、双方の過失割合は、加害者を7とし、被害者を3とするのが相当であるとして、被害者の請求を一部認容した。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 2257万3276円 |
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入院付添費 | 78万3000円 |
入院雑費 | 40万3000円 |
通院交通費 | 3万7200円 |
休業損害 | 581万円 |
逸失利益 | 1319万6155円 |
慰謝料 | 1000万円 |
損害の填補 | - 2962万 0476円 |
弁護士費用 | 30万円 |
過失相殺 | - 1584万0790円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。