事故で腹部に重傷を負い緊急手術 後遺障害9級認定

IT 2016年11月4日 | 内臓の機能障害
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認容額 5165万8467円
年齢 35歳
性別 男性
職業 会社員(製造業)
傷病名

腹部多発性交通外傷、腸壁創し開等

障害名 人工肛門造設
後遺障害等級 9級
判決日 平成22年5月12日
裁判所 大阪地方裁判所

交通事故の概要

平成15年1月9日午前8時0分ころ、兵庫県尼崎市高田町の信号機により交通整理の行われている変型交差点において、加害者は普通乗用自動車を運転して、本件交差点手前道路を南から北へ進行して本件交差点に進入した。加害者は、本件交差点を東方向へ右折進行しようとするにあたり、先行車両が右折することから、対向直進車両がないものと軽信し、その有無を確認することなく、漫然右折を開始した。そのため、加害者は、加害者の車両と対向して本件交差点を北から南へ直進進行する被害者の普通自動二輪車に気づかず、被害車両の右側面部を加害車両の右前部に衝突させた。そして、被害者を車両もろとも路上に転倒させ、滑走させた上、本件交差点南東歩道上の信号柱に衝突させた。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故により、腹部多発性交通外傷、腸壁創し開等の傷害を負い、K病院に救急搬送され、同病院において緊急手術が行われた。そして、1か月半の間、集中治療室における治療を受けるなどした。
また、平成19年8月3日まで、医療機関において、交通外傷、腎結石等に対する治療を受けた。
①K病院に入院 139日 平成15年1月9日~同年5月27日
②M市立病院(リハビリテーション科、皮膚科)に入院 24日 平成15年5月27日~同年6月20日
③M市立病院外科に入院 26日 平成15年10月27日~同年11月21日
 同年10月30日に下向結腸直腸吻合術施行するが、肛門側の腸管血流不良にて腫脹瘻温存)
④M市立病院(特記以外はリハビリテーション科)に通院 149日 平成15年5月~平成19年8月

後遺障害の内容

被害者は、本件事故による自賠責保険における後遺障害につき、平成20年1月23日、損害保険料率算出機構より、頻回の排便とのことについては、医証上、下腸間膜動脈断裂、脾損傷による大量腹腔内出血、腸管損傷による腹膜炎、他、多発交通外傷とされ、本件事故によるものと捉えられた。自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書上、他覚症状及び検査結果は「なし」とされているものの、医証上、肛門側腸管の虚血が認められ、現在狭窄あり、現在も虚血状態は継続しているとされた。人工肛門造設については、医療照会回答によれば、閉鎖できる可能性50%とされ、その時期は不明とされていることから永久性について否定しがたいと捉えられること、また、その症状は、頻回の排便、水様性下痢等とされていることから、その障害の程度は「胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」として自動車損害賠償保障法施行令(以下「後遺障害等級」という。)別表第二第9級11号に該当する旨の認定を受けた。

判決の概要

交差点を直進進行する被害者が運転する普通自動二輪車と、同交差点を右折する加害者が運転する普通乗用自動車が衝突したため、被害者が傷害を負い、損害が生じたとして、被害者が加害者に対して、不法行為責任に基づき、損害賠償金の支払を求めた。
過失割合について、判決は、加害者には信号機により交通整理の行われている交差点において、対面信号が青であるにもかかわらず、車両を右折させるにあたり、対向直進車両の有無動静を確認せず、被害者の車両の直前で、車両を右折させた過失があるとした。また、被害者には、信号機により交通整理の行われている交差点において、対面信号が青であるとはいえ、交差点内に右折待ちの車両があり、現に一台の車両が加害者の車両の前に右折したのであるから、後続車両である加害者の車両の動静に十分注意を払って、交差点を直進すべきであったとして、被害者5%:加害者95%の過失割合を認めた。

認容された損害額の内訳

治療関係費 1629万7552円
入院付添費 113万4000円
入院雑費 28万3500円
休業損害 1314万3146円
逸失利益 4553万1108円
慰謝料 1420万円
器具等購入費用 253万 7600円
損害のてん補 - 4057万 6183円
弁護士費用 380万円
過失相殺 - 459万2256円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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