大切な我が子の交通事故による死…被害者に対する損害賠償やサポートは?
交通事故による愛しい我が子の死…。
考えたくもないかもしれませんが、お子様が巻き込まれる死亡事故が発生してしまっているのも事実です。
お金ですべてが解決できるわけではありませんが、相手側からは十分な損害賠償を受け取る必要があります。
しかし、
保険会社から提示された損害賠償金は適正なのだろうか…
など、わからないことも多く、保険会社との交渉でも精神的に追い詰められてしまうかもしれません。
また、お金以外の精神的なショックなどは、同じ体験をされた方としかわかり合えないこともあると思います。
そこで今回このページでは、交通事故でお子様が亡くなってしまった場合の損害賠償や支援・サポートに関して、詳しく見ていきたいと思います。
なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
大切なお子様がお亡くなりになり、非常にお辛いことと存じます。
また、加害者側の保険会社と連絡を取ることによる精神的な負担も非常に大きいものとお察しします。
そのような負担を少しでも軽減できるよう、具体例も交えながら、わかりやすく解説していきたいと思います。
目次
大切な我が子を失ってしまう悲しみや苦しみは想像を絶するものだと思います。
その悲しみや苦しみを共有するという点では、事故でお子様を亡くされた方の手記などをご覧になってみるのも一つの方法なのかもしれません。
そのような悲しみの中、加害者側に損害賠償請求などを行う気力も出てこないかもしれません…。
しかし、お金で全てが解決できるわけではありませんが、加害者への戒めの意味も込めて、損害賠償請求はしっかりと行うべきです。
まずは、お子様の死に対する損害賠償請求について見ていきましょう。
交通事故による我が子の死に対する損害賠償
自賠責保険からの損害賠償
死亡に対する損害賠償としては、以下のような内容の補償が、まず自賠責保険から支払われます。
葬儀費 |
---|
通夜、祭壇、火葬、墓石などの費用(墓地、香典返しなどは除く)。 【支払い基準】 60万円まで。 立証資料などにより60万円を明らかに超える場合は100万円までで妥当な金額。 |
逸失利益 |
被害者が死亡しなければ将来得られたはずの収入から、本人の生活費を控除したもの。 【支払い基準】 収入および就労可能期間、そして被扶養者の有無などを考慮のうえ算出。 |
慰謝料 |
事故で被害者の方を亡くしたことによる精神的・肉体的な苦痛に対する補償。 【支払い基準】 下記の表参照※ |
死亡慰謝料については、亡くなられたご本人に対する350万円に加え、残されたご家族に対しても支払われることになるそうです。
お子様 | 被害者のご両親※ | |
---|---|---|
350万円+ | 1人 | 550万円 |
2人 | 650万円 |
限度額としては、被害者1名につき、死亡に対する損害賠償の合計3000万円までとなっているそうです。
なお、亡くなられるまでに入院などで治療を受けたことに対する補償は、「傷害に対する補償」の規定が準用されるそうです。
治療費 |
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診察代や手術代、投薬代や入院代の費用など。 【支払い基準】 治療のためにかかった必要かつ妥当な実費。 |
看護料 |
原則として12歳以下のお子様に近親者の方が付き添った場合や、医師が看護の必要性を認めた場合の、入院中の看護料や自宅看護料、通院看護料。 【支払い基準】 ・入院の場合:4100円/日 ・自宅看護もしくは通院の場合:2050円/日 ・それ以上の収入減の立証で近親者の場合:19000円 ・それ以外:地域の家政婦料金が限度 |
諸雑費 |
入院中に要した雑費。 【支払い基準】 原則として1100円/日。 |
通院交通費 |
通院に要した交通費。 【支払い基準】 通院のためにかかった必要かつ妥当な実費。 |
診断書等の費用 |
診断書や診療報酬明細書などの発行手数料。 【支払い基準】 発行に要した、必要かつ妥当な実費。 |
文書料 |
交通事故証明書や印鑑証明書、住民票などの発行手数料。 【支払い基準】 発行にかかった必要かつ妥当な実費。 |
慰謝料 |
事故で怪我をしたことによる精神的・肉体的な苦痛に対する補償。 【支払い基準】 4200円/日。 対象日数は被害者の怪我の状態や実治療日数などを考慮して治療期間内で決められる。 |
任意保険からの損害賠償
ところで、自賠責保険は、被害者の方の損害を最低限補償するものとなっています。
よって、その自賠責保険ではカバーしきれない損害の補償として、加害者の加入している任意保険からの損害賠償金も受け取ることができます。
葬儀費用に関しては、基本的には60万円までですが、立証資料などにより妥当な金額であれば100万円以上でも支払われる可能性があります。
また、死亡慰謝料については、自賠責保険では金額が一定でしたが、任意保険ではある程度の相場が決められているようです。
任意保険基準 |
---|
1250~1450 |
ただし、弁護士を付けて交渉した場合、弁護士基準での死亡慰謝料を受け取れる可能性が高くなります。
弁護士基準 | 任意保険基準との差 |
---|---|
2000~2500 | +550~1250 |
また、逸失利益に関しては、被害者が死亡しなければ将来得られたはずの収入を計算することになります。
しかし、亡くなられたのがお子様の場合、将来の収入額を算出するのが難しくなります。
よって、保険会社からの提示額が適正なものなのか、ご家族の皆さまだけでは判断が難しい面もあるかと思います。
そういった点も含め、適正な損害賠償金の獲得に向けては、ぜひ弁護士に相談してみてください。
大切な我が子の死の原因となった加害者の処分に対する働きかけ
以上、お子様を失った場合に支払われる損害賠償について見てきました。
しかし、それだけで許されるものではないはずです。
大切な我が子を失う原因となった事故の加害者には、しっかりと処分を受けて欲しいですよね。
一方で、加害者の刑事裁判に関して、被害者のご家族の対応が、加害者が刑務所に入るかどうかや刑期に影響を与える可能性もあるそうなのです。
被害者家族への手紙に対する対応
まず、加害者が謝罪の意思を伝えるため、死亡した被害者の家族宛てに手紙を送ってくることがあるそうです。
この手紙を受け取った場合、加害者が刑務所に入るかどうかや、刑期の判断において有利に働くことになってしまうのでしょうか?
手紙を受け取るかどうかは、お子様を亡くされたご家族のお気持ち次第でどちらでも構わないかと思います。
死亡した被害者のご家族の中でも考え方は様々で、加害者の話なんて聞きたくないという方もいれば、謝罪の言葉が欲しいという方もいらっしゃいます。
また、手紙を受け取っただけでは、加害者が刑務所に入るかどうかや刑期の判断において特に有利に働くことにはならないかと思われます。
謝罪の手紙があればすべて許されるわけではありませんが、加害者の反省の気持ちを知れるのは少しでも救いになるはずです。
刑期への影響も少ないようなので、受け取っても良いと思われる場合には受け取ってください。
嘆願書に対する被害者家族の対応
また、交通事故の加害者から、加害者への寛大な処分を求める嘆願書の作成を求められることもあるそうです。
加害者が非常に反省していることがうかがえたり、非常に良い方だった場合など、嘆願書を提出しても構わないと考えるご家族の方もいらっしゃるかもしれません。
では、嘆願書を刑事裁判に提出した場合、加害者が刑務所に入るかどうかや刑期の判断においてどれ位の効果があるのでしょうか?
また、交通事故の加害者からそのような嘆願書の作成を求められた場合、お子様を亡くされたご家族はどのように対応すべきなのでしょうか?
交通事故で被害者を死亡させた加害者を起訴するかどうかや、どのような刑罰を求めるかは、最終的には検察官が決定します。
その一方で、検察官がそういった判断をする場合、死亡した被害者のご家族の処罰感情は判断に大きく影響すると考えられます。
よって、加害者が刑務所に入ることや重い刑期を望んでいるのであれば、嘆願書の作成の求めには応じないほうが良いでしょう。
大切な我が子を失ったご両親やご家族の場合、加害者の重い刑罰を望む方がほとんどのはずです。
よって、嘆願書の作成をお願いされても、応じないことが望ましいですね。
被害者参加制度に対する被害者家族の対応
また、交通事故などで被害者の方が死亡した場合の刑事裁判においては、被害者参加制度というものが設けられているそうです。
被害者参加制度の概要は、以下のようになっています。
被害者参加制度とは,一定の事件の被害者やご遺族等の方々が,刑事裁判に参加して,公判期日に出席したり,被告人質問などを行うことができるというものです。
では、交通事故でお子様をなくされたご家族は、被害者参加制度に対し、どういった対応をすれば良いのでしょうか?
被害者参加制度を利用すれば、交通事故などでお子様を亡くされたご家族の気持ちを刑事裁判の場で伝えることができます。
そのため、大切なお子様を亡くされたご家族が、加害者に対する強い処罰感情を訴えれば、加害者が刑務所に入る可能性や刑期が長くなる可能性があると言えます。
ただし、希望すれば必ず参加できるというわけではなく、裁判所が様々な事情を考慮して参加を許可するかを決定します。
一方で、被害者のご家族と加害者である被告人が直接顔を合わせるため、双方感情的になりトラブルが発生する場合もあるようです。
そういったトラブルや出廷の負担を回避するための手段として、弁護士に代理人として出席してもらうという対応も可能なのだそうです。
加害者の重い処罰を望む場合には、弁護士に相談し、被害者参加制度をぜひ利用してみていただきたいです。
対応 | 刑期※ |
---|---|
被害者家族への手紙の受領 | 受領だけでは通常刑期に影響ない |
嘆願書の提出 | 加害者にとって刑期に有利な影響 |
被害者参加 | 加害者にとって刑期に不利な影響の可能性 |
※一専門家の見解にすぎず、絶対的なものではない。
被害者の会などによる支援やサポート
損害賠償や加害者の処分については、一定の終わりがあります。
しかし、我が子を失った精神的な悲しみや苦しみは、一生消えることはないはずです。
そしてその辛さは、同じ経験をされた方にしかわからないこともあるかもしれません。
被害者の会
そのような方々のため、「被害者の会」というものが存在しています。
「被害者の会」とは、同一の人物や事件により被害を受けた方々の集まりのことになります。
交通事故に関して言えば、交通事故の被害に遭われた方やそのご家族、大切な家族を失ったご遺族の方々の集まりということになります。
交通事故の「被害者の会」については、こちらの記事で紹介されていますので、良ければご覧になってみてください。
交通事故に関しては、加害者の罪が正当に裁かれない、被害者の知らないうちに裁判が終わっているといった事態も発生しているそうです。
そのような許されない事態を防ぐためにも、裁判や裁判の傍聴支援、捜査のやり直しに向けた活動などを行っている団体もあります。
被害者の会に相談してみることで、同じ境遇の方と話せたり、経験者からのアドバイスなどももらえるかもしれません。
交通事故による我が子の死について弁護士に無料相談したい方はこちらへ
以上、交通事故による我が子の死に対する損害賠償やサポートについて理解を深めていただけたでしょうか。
精神的なサポートについては、被害者の会などに参加してみるのも良いかもしれません。
一方、損害賠償請求に関しては、弁護士に相談してみたいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
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きっと、被害者の方が取るべき対応について、適切なアドバイスをしてくれるはずです。
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最後に一言アドバイス
それでは、最後になりますが、交通事故によるお子様の死亡についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!
交通事故で大切なお子様を亡くされ、さらに保険会社との交渉で辛い思いをされていることと思います。
そんなときは、迷わず弁護士に相談することをお勧めします。
なぜなら、非常に辛い思いをした分、適正な金額の補償を受けるべきだからです。
しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。
そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。
精神的負担の大きい面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。