車と自転車の接触事故。相手が立ち去って連絡先がわからない場合はどうする?
目次
Q1.接触した事故相手が立ち去ってしまったらどうする?
まずは警察に事故を報告するようにしてください。警察へ事故発生の報告を怠ると報告義務違反に該当し、刑罰が科される可能性があります。かならず警察を呼ぶか、交番などに行くようにしましょう。ドライブレコーダー、目撃証言、事故現場周辺の防犯カメラなど、証拠があるのであれば集めておくのが望ましいです。
また、病院を受診するようにしてください。一見、怪我がないようにみえても実は負傷しているということも珍しくありません。痛みや出血がなくても念のため、病院の医師による診察や検査を受けるようにしましょう。
さいごにご自身が加入する保険会社に連絡するようにしてください。通常、損害は損害を加えた人に対して請求することになりますが、相手がわからない場合は請求することができません。車や自転車の修理費用、怪我の治療費などが保険の対象になっているのであれば、ご自身の保険を使って補償が受けられる可能性があります。
Q2.事故相手がわからない時の車や自転車の修理費用はどうなる?
自己負担あるいはご自身が加入する車両保険を利用することになるでしょう。もっとも、ご自身が加入する保険を使用すると等級が下がって翌年以降の保険料が上がることになります。損害額が小さいような場合は保険を使わない方が結果的に支出をおさえられることがあります。値上がりする保険料と自己負担額を比べてどちらを使うか検討するのがいいでしょう。
Q3.事故相手がわからない時の治療費はどうすればいい?
自己負担あるいはご自身が加入する保険を利用することになるでしょう。具体的には、自動車保険の特約として付帯する無保険車傷害保険、人身傷害保険などがあげられます。
また、国(政府)がもうける政府保障事業から治療費などの補償が受けられる救済システムも存在します。もっとも、最終的な救済措置となるので、健康保険や労災から給付がある場合は控除されたり、補償額が最低限度であったり、支払いに時間がかかったりするなど、いくつか注意点があるので気をつけましょう。
Q4.立ち去った相手がもし負傷していたらどうなる?
刑罰に問われるかどうかは状況により、一概に断言することはできません。きちんと警察に事故の報告をしているのであれば、ひとまず警察からの連絡を待ってみるのがいいでしょう。
治療費などの損害については、過失割合によって変わってきます。ご自身に過失が全くないのであれば治療費などの損害を支払う必要はありませんが、少しでも過失があったのであれば過失割合に応じて損害賠償責任を果たす必要があります。
Q5.事故相手がわからない場合の時効はどうなる?
事故の翌日から20年で時効となり、時効成立後に事故相手が分かっても損害賠償請求することができません。事故相手が判明している場合の時効は3年となっています。
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。