19歳、下肢切断で義足着用。賠償額3920万円
認容額 | 3920万4843円 |
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年齢 | 19歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 理容師 |
傷病名 | 左下腿骨折、左下腿切断、左膝拘縮 |
障害名 | 下肢切断 |
後遺障害等級 | 5級 |
判決日 | 平成16年8月23日 |
裁判所 | さいたま地方裁判所 |
交通事故の概要
平成10年12月27日午前1時15分頃、さいたま市北区宮原町4丁目において、道路上の交差点にて、被害者運転の被害車両が右折しようとしていたところ、加害者運転の加害車両が対向車線から直進して上記交差点に進入し、被害車両に衝突した。
加害者は、同交差点に進入して初めて前方の横断歩道付近に被害車両がいるのを発見し、直ちにブレーキをかけたが間に合わず、上記衝突地点において、被害車両の後部に加害車両の左前部を衝突させた。
加害車両は、衝突地点から約17.3メートル走行して停止し、路上には、加害車両のスリップ痕が、右前側21.2メートル、左前側17.9メートル残った。
被害者の入通院治療の経過
被害者は、本件事故により、合計176日間入院し、実通院日数159日通院治療を行った。
また被害者は、左膝関節から10cmの部分の切断による欠損障害、左膝関節機能障害、左下肢変形障害、左下肢の醜状障害の各後遺障害を負い、現在は、義足で生活していることが認められる。
後遺障害の内容
被害者は、以下のとおり、欠損傷害の他に機能障害、左下肢変形障害および左下肢醜状障害があること、立ち仕事が中心の理容師であることを考慮しても、一下肢の膝関節以上の欠損による後遺障害等級第4級5号よりも軽いと言わざるを得ないから、第5級が相当だと判断された。
・左膝関節と足関節との間を切断したことが認められるから、一下肢を足関節以上で失ったもの(第5級5号)
・膝関節の運動可能領域が、二分の一以下に制限されているものと認められ、一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの(第10級11号)
・大腿骨骨折に起因する変形障害が認められ、左下肢の長管骨に変形を残すもの(第12級8号)
・左下肢の露出面に手のひらの大きさを超える瘢痕が残り、特に著しい醜状といえる(第12級)
判決の概要
加害者は前方不注視により右折車両の確認を怠り交差点手前でスピードを減速することなく交差点に進入した過失がある。
他方、被害者は直前に相当程度のアルコールを摂取し、その影響もあり直進車両の動静について十分な注意をしないまま本件交差点を本来の右折方法によらずに早回りをすれば右折できるものと軽信して右折を開始した過失があるとして、60%の過失相殺を認めた事例。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 359万9200円 |
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入院付添費 | 17万5000円 |
入院雑費 | 26万4000円 |
通院交通費 | 3万2400円 |
休業損害 | 279万8516円 |
逸失利益 | 7377万0774円 |
慰謝料 | 1672万円 |
義足代 | 207万 4923円 |
物損費 | 20万円 |
既払い金 | - 414万 9082円 |
弁護士費用 | 350万円 |
過失相殺 | - 5978万0888円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。