後部座席に同乗して受傷、胸腹部臓器に障害残る

IT 2016年9月7日 | 内臓の機能障害
medical 23
認容額 2145万4384円
年齢 52歳
性別 女性
職業 アルバイト
傷病名

顔面外傷、胸部大動脈損傷、左血気胸、左多発助骨骨折、骨盤骨折、左橈・尺骨骨折、歯牙外傷性亜脱臼など

障害名 胸腹部臓器に障害
後遺障害等級 9級
判決日 平成11年3月26日
裁判所 東京地方裁判所

交通事故の概要

平成7年4月27日午後6時50分ころ、東京都中央区の交差点において、加害者Kが運転し、被害者Uが同乗していた自家用普通乗用自動車が、本件交差点を右折しようとしたところ、加害者Iが所有して運転していた自動二輪車が対向して直進して、衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故により顔面外傷、胸部大動脈損傷、左血気胸、左多発助骨骨折、骨盤骨折、左橈・尺骨骨折、歯牙外傷性亜脱臼などの傷害を負い、次のとおり入通院して治療を受けた。
(1)T大学医学部附属病院整形外科
入院 平成7年4月27日から同年6月2日(合計37日)
通院 平成7年6月3日から平成9年4月17日(実日数11日)
(2)T病院整形外科
入院 平成7年6月2日から同年7月20日(合計49日)
通院 平成7年7月21日から同年10月24日(実日数2日)
(3)T大学医学部附属病院胸部外科
通院 平成7年7月18日から平成9年2月25日(実日数6日)
(4)H歯科医院
通院 平成7年7月31日から平成9年4月11日(実日数70日)
(5)A病院
通院 平成7年10月27日から平成9年3月28日(実日数191日)
(6)T大学医学部附属病院形成外科
通院 平成7年11月2日から平成9年3月26日(実日数5日)
入院 平成8年1月26日から同年2月9日(合計15日)
(7)T大学医学部附属病院分院
通院 平成8年12月17日から平成9年2月18日(実日数4日)
入院 平成9年1月14日から同年1月27日(合計14日)

後遺障害の内容

被害者は、自動車保険料率算定会の調査事務所において、各後遺障害が、次のとおり自賠法施行令二条別表の各等級に該当し、併合して第9級の認定を受けた。
(1)左第五助骨の不全骨折及び第六、第七助骨の完全骨折後の変形治癒が「助骨に著しい変形を残すもの」として第12級5号
(2)左胸部左動脈の人工血管置換が、助骨骨折、左横隔膜挙上等と併せて呼吸機能の低下をもたらしていることは否定しがたく、「胸腹部臓器に障害を残すもの」として第11級11号
(3)左橈骨中央部、尺骨遠位部三分の一の骨折部が整復固定された後の肥厚癒合、手根骨部の不整面が母指の可動域へ影響を与えていることが「一手の母指の用を廃したもの」として第10級7号
(4)事故前に八歯存在した歯牙障害(第12級3号)が一六歯(第10級3号)に増加した点で加重障害第10級(既存障害第12級3号)

判決の概要

信号機の設置された交差点において、右折しようとした普通乗用自動車の左後側部に対向車線を直進してきた自動二輪車が衝突した交通事故(乙事件)につき、自動車の後部座席に同乗していて重傷を負った甲事件の被害者が自動二輪車の運転者である加害者(兼乙事件の被害者)に対し損害の賠償を求めた。また、甲事件の被害者が自動車の運転者である乙事件の加害者に対し、それぞれ損害の賠償を求めた。
さらに、甲事件の加害者と自動車保険契約を締結していた保険会社が、甲事件の被害者に対して、保険契約に基づき保険金を支払ったとして、乙事件の加害者に対し、求償金の支払を求めた。
乙事件の加害者は、対向車両の動向を十分に確認することなく漫然と右折進行し、自動二輪車の進路を妨害して本件事故を発生させた過失がある一方、甲事件の加害者も、制限速度を上回る速度で、かつ、前方を十分注視することなく本件交差点に進入し、自動車の発見が遅れて衝突を回避できなかった過失があり、両者の過失割合は、75対25が相当である等として、請求の一部を認容した。

認容された損害額の内訳

入院付添費 38万2500円
入院雑費 6万3200円
休業損害 853万3479円
逸失利益 1569万3955円
慰謝料 720万円
損害のてん補 - 1282万 円
車両損害及びレッカー代 40万 1250円
弁護士費用 200万円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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