身体障害者手帳交付における障害程度等級表「肝臓機能障害」
肝臓機能障害は内部障害であり、1級、2級、3級、4級の等級が認定されます。
「肝臓機能障害」の身体障害者障害程度等級表
肝臓機能障害の身体障害者の等級認定表は以下の通りになります。
1級 |
---|
肝臓の機能の障害により日常生活活動がほとんど不可能なもの |
2級 |
肝臓の機能の障害により日常生活活動が極度に制限されるもの |
3級 |
肝臓の機能の障害により日常生活活動が著しく制限されるもの(社会での日常生活活動が著しく制限されるものを除く。) |
4級 |
肝臓の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
肝臓機能障害の等級表の解説
ではここからは、等級表の内容について、より詳しく解説していきたいと思います。
等級の判定に必要なChild-Pugh分類とは、以下のようなものになります。
1点 | 2点 | 3点 | |
---|---|---|---|
肝性脳症 | なし | 軽度(I・II) | 昏睡(III以上) |
腹水 | なし | 軽度 | 中程度以上 |
血清アルブミン値 | 3.5g/dl超 | 2.8~3.5g/dl | 2.8g/dl未満 |
プロトロンビン時間 | 70%超 | 40~70% | 40%未満 |
血清総ビリルビン値 | 2.0mg/dl未満 | 2.0~3.0mg/dl | 3.0mg/dl超 |
また、等級の判定に必要となる(a)~(j)の項目は以下の通りになります。
(a)血清総ビリルビン値が5.0mg/dl以上
(b)血中アンモニア濃度が150μg/dl以上
(c)血小板数が50,000/mm3以下
(d)原発性肝がん治療の既往
(e)特発性細菌性腹膜炎治療の既往
(f)胃食道静脈瘤治療の既往
(g)現在のB型肝炎又はC型肝炎ウイルスの持続的感染
(h)1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労感が月7日以上ある
(i)1日に2回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある
(j)有痛性筋けいれんが1日に1回以上ある
1級に該当する障害
等級表1級に該当する障害は、次のいずれにも該当する場合になるそうです。
① | Child-Pugh分類の合計点数が10点以上であって、血清アルブミン値、プロトロンビン時間、血清総ビリルビン値の項目のうち1項目以上が3点の状態が、90日以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続くもの。 |
---|---|
② | (a)~(j)の項目のうち、5項目以上が認められるもの。 |
2級に該当する障害
等級表2級に該当する障害は、次のいずれにも該当する場合になるそうです。
① | Child-Pugh分類の合計点数が10点以上であって、血清アルブミン値、プロトロンビン時間、血清総ビリルビン値の項目のうち1項目以上が3点の状態が、90日以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続くもの。 |
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② | (a)~(j)の項目のうち、(a)から(g)までの1つを含む3項目以上が認められるもの。 |
3級に該当する障害
等級表3級に該当する障害は、次のいずれにも該当する場合になるそうです。
(ア)
(イ)ア(イ)の項目(a~j)のうち、
① | Child-Pugh分類の合計点数が10点以上の状態が、90日以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続くもの。 |
---|---|
② | (a)~(j)の項目のうち、(a)から(g)までの1つを含む3項目以上が認められるもの。 |
4級に該当する障害
等級表4級に該当する障害は、次のいずれにも該当する場合になるそうです。
① | Child-Pugh分類の合計点数が10点以上の状態が、90日以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続くもの。 |
---|---|
② | (a)~(j)の項目のうち、1項目以上が認められるもの。 |
肝臓移植を行った方に関しては、抗免疫療法を要しなくなるまでは、障害の除去や軽減状態が固定したわけではありません。
よって、抗免疫療法を必要とする期間中は、当該療法を実施しないと仮定して、1級に認定されるそうです。
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
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