後遺障害13級の交通事故慰謝料|676万円の判例を弁護士が解説
このページでは、 後遺障害13級の判例についてご紹介します。
もし交通事故により後遺障害が残ってしまった場合、被害者は仕事や日常生活にも支障が出てしまい、つらい思いをしてしまうことになります。
事故による慰謝料や示談金はいったいどのくらいになるのか気になりますよね。
こちらの判例の損害総額は約676万円となったようですが、事故の状況とともに詳しく見ていきましょう。
法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。
目次
それではまず、交通事故の内容から見てみましょう。
障害等級13級(女・症状固定時57歳)損害額676万6235万円の判例
こちらは、京都地方裁判所の第4民事部の判決、平成22年(ワ)4091号事件です。
この事故での主な怪我の内容は、右膝関節内側側副靱帯捻挫となります。
交通事故の基本情報
事故の内容は「信号機のある交差点を西進する加害者運転の普通自動車と同交差点を南進する被害者運転の原付自転車が出会い頭に衝突した。」というものです。
交通事故の基本情報は?
属性 | パートタイム |
---|---|
性別 | 女 |
年齢 | 症状固定時57歳 |
事故の内容 | 信号機により交通整理の行われている交差点を西進する加害者運転の普通自動車と同交差点を南進する被害者運転の原付自転車が出会い頭に衝突した。 |
傷害の内容 | 右膝関節内側側副靱帯捻挫、腰部打撲傷、右母指MP関節尺側側靱帯、左肩関節打撲傷 |
後遺障害等級 | 併合13級(右母指欠損傷害とそれに伴う右母指CM関節運動痛:13級7号、右膝関節自発痛:14級9号、腰背部痛:14級9号) |
入院 | 14日 |
被害者は、手指の欠損や右ひざの関節痛などの後遺症が残ってしまったようです。
判例で認められた賠償金・慰謝料
それでは、認められた損害額を見てみましょう。
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 | 676万6235万円 |
---|---|
うち慰謝料 | 300万円 |
うち休業損害 | 198万3896円 |
うち逸失利益 | 70万1609円 |
損害総額は676万6235万円でした。
ざっくりまとめると…
被害者の損害額は総額676万6235万円になりました。
- 慰謝料としては、傷害慰謝料が120万円、後遺障害の慰謝料が180万円認められました。
- 休業損害としては、症状固定までについては日額3672円の412日分、症状固定後から退職までについては日額3672円の262日分の半分を休業損害として認められ、合計198万3896円となりました。
- 逸失利益としては、70万1609円が認められました。
弁護士による解説
弁護士先生、こちらの女性は事故によって後遺障害13級が認定されてしまったようです。
この判例のポイントはどのような点になりますか?
本件は、交差点での出会い頭での衝突事故であったため、被害者側に2割の過失が認められました。
幸い、被害者は人身傷害保険に加入していたため、自己の過失相当分については人身傷害保険金から補償を受けることができました。
交通事故で親指の骨を失うという重大な後遺症を残してしまった以上、様々な保険を利用して最大限の補償を受けられるようにすべきでしょう。
交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい
はじめての慰謝料計算
交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。
ポイントを整理すると、
- 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
- 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
- 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。
の三点が重要です。
慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。
記事の構成は、
- 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
- 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
- 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?
となっています^^
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また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。
計算ソフトの利用をおすすめするのは、
- 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
- 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
- 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい
といった人たちです。
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保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。
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後遺障害13級の慰謝料計算の特徴は?
13級の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?
一口に13級と言っても各号ごとに症状は様々ですが、原則として慰謝料は等級に応じて定められ、13級の場合、裁判基準では180万円となっております。
特に争いになりやすいのは逸失利益の項目であり、13級5号の歯科補綴の場合、仕事には支障がないとして、逸失利益を保険会社が否定してくることも多いです。
そのような場合には、職務内容や職務にどのような支障が出ているかを具体的に主張する必要があることがポイントです。
ただし、今申し上げたポイントは一般的・総論的なお話ですので、より具体的なアドバイスがお聞きになりたい場合は、まずは一度弁護士等の専門家に相談してみることをおすすめします。