25歳調理師の交通事故によるむちうちの高額慰謝料|1573万円の判例を弁護士が解説
このページでは、25歳調理師の事故によるむちうちの判例についてご紹介します。
交通事故によるケガでおいて、むちうちで悩まれている被害者の方は非常に多いです。
こちらの25歳の調理師は、むちうちによる後遺障害に苦しむ被害者の1人です。
この判例では、総額1573万円の損害賠償金が認められましたが、算定においてどのような点がポイントになったのでしょうか?
法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。
目次
それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。
調理師(男・症状固定時25歳)損害額1573万2844円の判例
こちらは、京都地方裁判所の第4民事部の判決、平成20年(ワ)第3096号事件です。
この事故での主な怪我の内容は、頚椎捻挫となっています。
交通事故の基本情報
事故の内容は「右折のため、被害普通自動二輪車が停止していたところへ、普通乗用車が追突した。」というものです。
交通事故の基本情報は?
属性 | 調理師 |
---|---|
性別 | 男 |
年齢 | 症状固定時25歳 |
事故の内容 | 右折のため、被害普通自動二輪車が停止していたところへ、普通乗用車が追突した。 |
傷害の内容 | 頚椎捻挫、背部・腰部打撲、右膝打撲など |
後遺障害等級 | 併合11級(腰痛、左下腿しびれ等について12級、腸骨からの採骨について12級) |
入院 | 86日 |
被害者は事故の衝撃で、腰椎分離症の症状が出てしまったようです。
判例で認められた賠償金・慰謝料
それでは、認められた損害額を見てみましょう。
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 | 1573万2844円 |
---|---|
うち慰謝料 | 670万円 |
うち休業損害 | 248万9047円 |
うち逸失利益 | 545万0069円 |
損害総額は1573万2844円でした。
ざっくりまとめると…
被害者の損害額は総額1573万2844円になりました。
- 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が270万円、後遺障害の慰謝料が400万円認められました。
- 休業損害としては、248万9047円が認められました。
- 逸失利益は、基礎収入を高卒男性25歳~29歳の平均賃金である375万0500円、労働能力喪失割合を14%、労働能力喪失期間を15年として算定し、545万0069円が認められました。
弁護士による解説
弁護士先生、こちらの男性は神経症状や変形障害によって併合11級の後遺障害が認められました。
この判例のポイントはどのような点になりますか?
この判例は、治療の過程で腸骨を採骨したことによる後遺症と、神経症状12級が認定された事例です。
被害者は、事故後の入院中に腰椎分離症の治療のため、脊椎固定術の手術を受けました。
このような手術が施行された後の腰椎のしびれや痛みが残存したからこそ、12級が認定されたといえるでしょう。
交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい
はじめての慰謝料計算
交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。
ポイントを整理すると、
- 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
- 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
- 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。
の三点が重要です。
慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。
記事の構成は、
- 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
- 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
- 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?
となっています^^
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むちうちの慰謝料計算の特徴は?
むちうちの慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?
むちうちの慰謝料は、通院期間と通院日数によって金額が変わります。
たとえば、通院期間が6か月の場合で、通院日数が60日以上ある場合には、慰謝料の相場は89万円となります。
一方、同じ期間でも通院日数が10日間しかない場合には、約20万円ほどの慰謝料しか請求できない場合もあります。
むちうちは、痛みや違和感といった自覚症状しか認められないことも多いので、客観的な情報として通院日数が重視されているのでしょう。
むちうちの慰謝料相場は、通院にかかった期間だけではなく、通院の頻度も影響する場合があるということを覚えておきましょう。
もっとも、あくまで、通院期間を基礎とするのが原則ですので、保険会社から通院日数が少ないことを理由に慰謝料の減額を主張されたとしても安易に示談には応じない方がいいでしょう。
ただし、今申し上げたポイントは一般的な話であり、上記の裁判例のように、事故に遭われた方の事情によって妥当な金額も変わることがあります。
事故でのお怪我に関する賠償金の妥当な金額につきお悩みの場合、まずは弁護士等の専門家に相談してみるのがよいでしょう。