交通事故で記憶喪失に…|事故の記憶がないだけでなく、記憶障害・物忘れも!?
交通事故で記憶喪失になってしまったり、物忘れがひどくなってしまったり…。
韓国ドラマや映画でよくあるストーリーです。
50回目のファーストキス
アダムサンドラー
ドリューバリモア短期記憶障害という記憶が1日しか保たなく1日経つと事故を起こした、5年前の自分に戻ってしまう。
そんな彼女に1人の男性が一目惚れをする。
『何回も何回でも伝える。』 pic.twitter.com/yWTnhaIbo7
— @movie.. (@eigaeiga127) January 6, 2016
たとえば、「50回目のファーストキス」という映画。
ドリュー・バリモア演じる主人公は、短期記憶障害という事故の後遺症により、24時間しか記憶が持たず、アダム・サンドラー扮する恋人が何とかして記憶を留めようとします。
しかし、主人公は夜になると記憶がリセットされて、翌日にはすっかり昨日のことを忘れてしまうのです。
これは映画ですが、実際に交通事故に遭い、毎日が記憶喪失状態になってしまう方もいらっしゃるようです。
交通事故で記憶を失ったGOMA、絵画展で光の世界を描く
(略)
GOMAは2009年11月26日夕方に首都高速で追突事故に遭遇。当日は特に目立った外傷がなかったため頸部外傷性症候群(むち打ち症)と診断され帰宅したが、翌日から家族との話が噛み合わず、その後の生活において記憶が断片的であることが発覚し、外傷性脳損傷による高次脳機能障害を発症していたことが判明した。
最初はディジュリドゥが楽器であることすらわからないほど記憶を失っていた彼だが、楽器の鳴らし方を体で覚えていたため、自分の演奏する映像を観ながら何も考えずに口を付けたら吹くことができたという。
(略)
記憶を失うという、先の見えない孤独と戦う彼を勇気づけたい、家族や周囲の人々の強い思いから今回の個展は実現。(以下省略)
ドラマや映画では、記憶が戻りハッピーエンドになることも多いですが、現実の世界では回復するのでしょうか?
また、もしも大切な家族が交通事故で記憶喪失、物忘れがひどくなってしまった場合…。
- そのことに対する損害賠償は請求できるのだろうか!?
- 交通事故の後遺症として認めてもらえるのか?
また、記憶喪失や物忘れがひどくなってしまった被害者の方ご本人は、加害者や保険会社との交渉が難しいかもしれません。
そんなとき被害者家族の方はどうすれば良いのでしょうか?
そこでそこで今回このページでは、交通事故の被害者の方が記憶喪失や物忘れの後遺症が残ってしまった場合の対応や慰謝料の相場などについて、詳しく見ていきたいと思います!
目次
なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
大切なご家族の方が交通事故の被害に遭われ記憶喪失の後遺症が残ってしまった場合、心身ともにお辛い日々を送られているとお察しします。
また、記憶喪失や物忘れの後遺症では、ご本人だけでなくご家族への負担も非常に大きいものと考えられます。
それに加え、相手側の保険会社との交渉にストレスを感じてしまう方も多いようです。
そのような負担を少しでも軽減できるよう、具体例も交えながら、わかりやすく解説していきたいと思います。
ところで、交通事故が原因で記憶喪失や物忘れが激しくなってしまうというのは、どのような原因があるのでしょうか。
そして、回復はするのでしょうか?
気になることも多いと思いますので、そこから調べていきたいと思います。
交通事故で記憶喪失。その原因は?回復する可能性は?
最初に紹介した映画も然り、韓国ドラマでも交通事故と記憶喪失は鉄板ネタなのだそうです。
「ショッピング王ルイ」面白いー。韓ドラお馴染みの、交通事故、記憶喪失、御曹司、貧乏な地方出身女子が頑張る、な話なんだけど。とにかく面白いっ。もう、ソ・イングクが捨てられた子犬のような目をするとこが、可愛くてな。 pic.twitter.com/vmjhlTF5n7
— おがっち(フリーアナウンサー&エッセイスト♪) (@ogataetsuko) September 10, 2017
このドラマでは、主人公の記憶が回復したそうなのですが、現実には…??
記憶喪失と物忘れの診断名|前向性健忘と逆向性健忘
まず記憶喪失とは、その名の通り、記憶が失われてしまうことです。
多くの場合、脳の側頭葉内側を損傷してしまった場合に起こりやすい障害なのだそうです。
大きく分類すると、
- 前向性健忘:新しいことを記憶できなくなる、もしくはしにくくなる
- 逆向性健忘:過去の記憶を思い出せなくなる、もしくは思い出しにくくなる
という2つに分類されます。
◇前向性の健忘
怪我を負った後の学習機能に障害を持つ、つまり、新しく学んだり、知ったことを記憶できない状態のことになります。
頭部外傷など急激な中枢神経系の損傷に伴って意識障害を生じ,このため新しい出来事が登録されず,回復した後になっても追想できない期間を残すことがある.この脳損傷時点より後に生じた健忘期間を脳損傷によるそれより以前の出来事の追想障害(逆向健忘)と区別するため前向健忘と呼ぶ.これに対し,最近は健忘症候群で新しいことが覚え込めなくなること,それ自体を前向健忘と呼ぶのが一般的になっている.(略)新しい情報をいったんは脳に取り込むことができるにもかかわらず,これを把持できない状態.
出典:南山堂医学大辞典第20版
具体的には、
- 今日の日付がわからない
- 自分のいる場所を理解できない
- 物をどこに置いたのか場所を忘れる
- 新しい出来事が覚えられず何度も同じことを質問する
- 一日の予定を覚えられない
- 自分のしたことを忘れてしまう
- 作業中に声をかけられると、直前まで何をしていたか忘れてしまう
- 人の名前や作業の手順が覚えられない
などの症状が現れるようです。
いわゆる、物忘れが激しい状態ですね。
◇逆向性の健忘
怪我を負う前の記憶を喪失し、過去の記憶が思い出せない状態のことになります。
こちらの方が、多くの方が想像する典型的な記憶喪失の状態と言えるかもしれません。
大脳起因性の健忘で,脳損傷発症時点より以前の出来事を思い出せなくなる状態.前向健忘に対応する概念.時間勾配を示すことが多い.すなわち,発症時点に近い時期の記憶(近時記憶)ほど障害を受けやすく,発症から遠い時期の記憶(遠隔記憶)ほど保存される.追想できる部分と追想できなくなる部分との境界は鮮明に決められるわけではなく,あいまいである.(略)逆向健忘と前向健忘は同時にみられるのが普通であるが,まれに逆向健忘だけが孤立性にみられる場合がある(孤立性逆向健忘).
出典:南山堂医学大辞典第20版
以上のように、
- 記憶喪失
- どこに何がしまってあるかを思い出せない
- 曜日や日付の感覚がわからない
- 簡単な約束が守れない
- 同じことを何度も質問する
などの記憶障害の症状がある場合、高次脳機能障害の後遺症である疑いがあるそうなのです。
記憶喪失に物忘れ…「高次脳機能障害」の原因とは
高次脳機能障害とは、脳の神経回路が傷つくことが原因で起こる障害です。
皆さまご存知の通り、脳は人間の行動や臓器を安定して動かすために非常に重要な部分です。
脳が正常に働くことによって、日常生活で感情の抑制ができたり、周囲を確認した上での正しい判断などが行えるのです。
しかし、交通事故や脳の病気などで脳を損傷した場合、その神経回路を作っている神経線維が引き裂かれてしまいます。
そうなれば…脳が正常に働かなくなってしまうのは容易に想像できますよね…。
交通事故による「脳の損傷」
脳の損傷と言えば、脳卒中など生活習慣病が思い出されますが、交通事故でも脳を損傷してしまうことが多くあります。
交通事故で起こり得る脳の外傷には、以下のようなものが挙げられます。
それぞれの症状などについて詳しく知りたい場合は、病名をクリックしてみてください!
たとえばくも膜下出血などで脳の血管が傷ついてしまった場合には、脳への血流が無くなり、栄養となる酸素を失うことで細胞が死んでしまいます。
そうなった場合に、高次脳機能障害を発症する恐れがあります。
脳挫傷などで脳の神経線維が傷ついてしまった場合には、損傷が広範囲に及びます。
そのため、他の症状と合わせて、高次脳機能障害を発症してしまうことが多いそうです。
心的原因による記憶喪失|解離性健忘
脳に損傷を負う以外に、事故によるショック、うつ病や統合失調症などの心的原因で記憶喪失になってしまう場合もあるそうです。
EXILE・MAKIDAIが復帰 交通事故で重傷、ショックによる記憶喪失を生告白!
(略)
事故が起きたのは2016年12月24日。EXILEを中心とした芸能事務所LDHに所属するクリエイティブユニット「PKCZ(R)」のメンバー(DJ MAKIDAI、VERBAL、DJ DARUMA)を乗せたワゴン車が、「三代目J Soul Brothers」(以下三代目JSB)のライブツアー札幌ドーム公演に向かう途中、大型トラックと衝突した。
(略)
MAKIDAIは肋骨骨折や肺挫傷をなどの大けがを負い、1か月以上に及ぶ療養生活を送った。(略)
また、ショックのために事故前後の記憶がないというMAIDAI。激しい胸の痛みで意識が回復し、気づいたら担架で運ばれていたとのこと。
出典:https://www.excite.co.jp/News/matome/entertainment/M1485830765941/
このように、心的なストレスにより記憶喪失に陥ってしまうことを「解離性健忘」というそうです。
ストレスや外傷体験を契機として突然に生じる,自己生活史に限定した一種の選択的逆向健忘である.一般的知識や社会的出来事の記憶や言語機能は保たれており,だいたいの日常生活動作もできるが,自分自身の氏名・年齢・生年月日・住所・生い立ち・生活歴・家族情報など自分に関する事柄が自分ではわからず,思い出せない.家族や友人・知人などの名前や顔もわからず,写真を見ても同定できず,教えられても実感がわかない.
出典:南山堂医学大辞典第20版
簡単に言うと、非常に強いストレスの原因となった過去のできごとや感情などの一部、もしくは全てを忘れ、思い出そうとしても思い出せなくなってしまう状態のことになります。
以下の3つの種類があるそうです。
◇限局性健忘
ある限定的な期間に起こったできごとを思い出せない状態です。
事故の記憶がないものの、それ以外の記憶には問題がないような状態です。
解離性健忘の中で、もっとも一般的であると考えられているそうです。
◇選択的健忘
限定的な期間に起こったできごとの一部が思い出せるだけで、他の部分は覚えていない状態です。
戦場の兵士が、連日の激しい戦闘の一部しか思い出せず、それ以外のできごとについては思い出せないといった例があるそうです。
◇全般性健忘
自分が今まで体験してきたこと全てを忘れてしまう状態です。
自分が誰であるのかを忘れてしまうこともあるそうです。
これまでのことは全て忘れてしまっていても、現時点からの新しい記憶は覚えていられるのが特徴なようです。
交通事故で記憶喪失になった場合に行くべきは脳神経外科?神経内科!?
ところで、記憶喪失や激しい物忘れなどの症状が現れた場合、病院の何科を受診すれば良いのでしょうか?
わからないという方が多いのではないかと思います。
記憶喪失って何科受診ですか?脳外科?精神科?
(略)何だか方法が全く分からなくなってしまったというか仕事が思うように出来ていない気はしていたんですが、(略)記憶を失っていたことに気付きました。親からも「あの時あなたこんなこと言っていたけど」と言われても「ハテ?私はそんなこと言ったかな」他人のことのようで全く覚えていませんでした。(略)病院に行けば記憶は戻るのでしょうか。
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10157913350
まずは「神経内科」に行くのがベスト
先ほどお伝えした通り、交通事故による記憶喪失には、「外傷性」のものと「心因性」のものがあります。
その原因を見極めるためには、まず神経内科を受診するのが良いということです。
神経内科であっても、画像診断などで脳の損傷部位を確認することができるそうです。
そして、脳の損傷が小さい場合には、そのまま神経内科で治療を続けることも可能なようです。
脳損傷では「脳神経外科」、心因性では「心療科」
一方、損傷の程度が大きい場合には、脳神経外科や脳外科を紹介される場合もあるそうです。
もっとも、交通事故で頭を強く打った場合には、救急車で脳神経外科に運ばれることがほとんどでしょう。
神経内科で検査した結果、脳に損傷がない場合には、心因性であることが疑われます。
心因性の場合は、心療内科や精神科を受診することになるそうです。
高次脳機能障害は「脳神経外科」??
ちなみに、高次脳機能障害であると判明した場合には、どの医療機関で治療を受けるのでしょうか?
そもそも、高次脳機能障害の後遺症が残る原因となる外傷性脳損傷の診断や治療は、脳外科や脳神経外科ということでしたね。
しかし、高次脳機能障害の治療としては、基本的にリハビリが重要となってくるのだそうです。
よって、リハビリ専門の病院に転院することになるそうです。
ちなみに、高次脳機能障害に対応できる医療機関は限られているようで、東京都の場合には以下の病院だと対応可能だということです。
なお、交通事故の治療は転院の手続きなど様々なポイントをおさえる必要がありますので、注意しましょう。
交通事故で記憶喪失に…その後に残る後遺症の等級認定は!?
以上、交通事故で記憶喪失や物忘れの症状が現れることがあるということがわかってきました。
そのような症状が残ってしまった場合、交通事故の後遺症として認定される可能性があります。
ちなみに後遺症には、1級~14級までの等級が定められており、等級ごとに認定基準が定められているということです。
「高次脳機能障害」の後遺症等級認定
先ほどお伝えした高次脳機能障害は、そのまま後遺症として認定される可能性があります。
高次脳機能障害の場合、以下のような後遺症の等級が認定される可能性があるということです。
14級 |
---|
・画像などで脳損傷が推測可能 ・4能力※のうち1つ以上の能力が困難だが概ね可能 |
12級 |
・画像などで脳挫傷、脳出血などが確認可能
・4能力のうち1つ以上の能力が困難はあるが概ね可能 |
9級 |
・一般就労は可能だが、作業効率や作業持続力などに問題あり |
7級 |
・一般就労は可能だが、一般人と同等の作業は不可能 |
5級 |
・就労の維持には、職場の理解と援助が必要不可欠
・作業を限定すれば、一般就労も可能 |
3級 |
・一般就労が困難 ・日常の生活範囲は自宅に限定されていない ・周りの介助なしに日常の動作を行える |
2級 |
・著しい判断力の低下や情動の不安定 ・日常の生活範囲が自宅内に限定される ・周りの介助なしには日常の動作を行えない |
1級 |
・生活維持に必要な身の回りの動作に全面的介護を要する |
※意思疎通能力 問題解決能力 持続力・持久力 社会適合性
とはいえ、記憶喪失や物忘れの症状があれば、即座に認定されるというワケでもないそうです。
後遺症認定に向けた3つのポイント
では、高次脳機能障害が後遺症と認定されるためにはどうしたら良いのでしょうか…。
認定審査の中では、以下の3つが重視される傾向にあります。
①事故直後の意識障害の程度と時間
②事故時の脳外傷の診断があるかどうか
③脳損傷の画像所見があるかどうか
というのも、意識障害の程度が大きく時間も長ければ、その分、脳組織が損傷している可能性が高いと考えられます。
また、事故時の診断名に脳挫傷やくも膜下出血と書かれていれば、脳に外傷があることが明確になります。
それ以上に、最も重要なのは、脳損傷の画像所見があることなのだそうです。
意識障害 記憶障害 |
脳損傷の 診断 |
画像所見 | 認定の 可能性 |
---|---|---|---|
〇 | 〇 | 〇 | →大 |
〇 | 〇 | × | →中 |
× | 〇 | × | →小 |
× | × | × | →難 |
とはいえ、実際に高次脳機能障害と認定してもらえるかどうか…自分では判断が難しそうですね。
そんなときは、弁護士などの専門家に関係資料を見せながら相談してみるのが良いのではないかと思います。
「心的原因」の場合の後遺症等級認定は?
ところで、心的ストレスによっても記憶喪失に陥ることがあるという話でしたね。
脳には損傷がなく、それでも記憶喪失の症状が残ってしまった場合でも、ちゃんと後遺症の認定がなされるのでしょうか?
心的原因による記憶喪失については、非器質性精神障害として、障害の程度により9級10号、12級13号又は14級9号の認定の可能性があります。
脳に損傷がない場合でも、ケースによっては後遺症の等級が認定されるのですね!
しかし、こちらについてもご自身だけで認定の可否を判断するのは難しいはずです。
やはり、弁護士などの専門家に相談してみるのが良いのではないかと思います。
交通事故の被害者が記憶喪失の場合…慰謝料は誰が加害者に請求する?
記憶を失うという大きな後遺症が残った場合、そのことに対する損害賠償を請求する必要があります。
しかし、被害者ご本人が記憶喪失や激しい物忘れに陥っている場合、保険会社と交渉するのは難しいのではないかと思ってしまいます。
明確な意思表示ができなければ、直接賠償交渉ができないはずです。
そのような場合、なにか良い解決策はあるのでしょうか?
被害者が記憶喪失の場合、誰が請求するの?
代理請求制度を利用する
自賠責の後遺症等級の申請にあたっては、代理請求制度という制度を利用することができるそうです。
この制度を利用すれば、被害者の方の配偶者や、親族の方などが被害者ご本人に代わって後遺症の等級申請を行うことができるようになります。
もっとも、上記の代理請求制度は、交通事故の被害者の方が早期に自賠責の保険金を取得するための例外的な制度です。
示談交渉や訴訟を起こす場合には、やはり被害者ご本人が意思表示を行うことが必要となります。
成年後見人の申し立て
とはいっても、記憶喪失や激しい物忘れの症状がある場合、被害者ご本人が保険会社と交渉する意思表示を行うことは難しいかもしれません。
そこで、家庭裁判所に対して成年後見人の申立てを行い、本人に代わって意思表示をする成年後見人を選任して貰うことがベストな対応となるようです。
成年後見人の申し立ての際に、被害者ご家族の方を成年後見人の候補者として申し立てすれば、多くの場合ご家族の方が成年後見人に選任されます。
その後、成年後見人に選任されたご家族が、被害者ご本人に代わって弁護士に委任するなどの手続きを行うことになります。
ちなみに、被害者が未成年の場合には、両親が法定代理人として損害賠償交渉を行う権利があるそうです。
よって、特に上記のような手続きを行わなくても問題ないということになります。
基本的には被害者の方のご家族やご親族の方が成年後見人となるケースが多く、手続きは家庭裁判所に申し立てて選任されることになります。
しかしその場合、交通事故の損害賠償請求に限らず、日常生活のすべての契約を行わなくてはなりません。
よって、被害者の方に適当な親族がいない場合も含め、弁護士を成年後見人にすることが良い手段となります。
弁護士が手続きを行った方がより迅速かつ確実に示談を進め、適切な補償を受け取れる可能性が高まるでしょう。
弁護士を成年後見人にすることも可能なのですね。
大切なご家族が交通事故で記憶喪失に陥っているときに、保険会社との示談交渉を行うのは非常にストレスになるのではないかと思います。
そんなとき、弁護士に色々な手続きを依頼できるのであれば非常に心強いですね!
保険会社との示談交渉にお困りの場合は、ぜひ一度弁護士に相談してみた方が良いかもしれません。
記憶喪失や物忘れの後遺症に対する慰謝料や示談金の相場とは?
以上、記憶喪失に関する後遺症の等級認定について見てきました。
では、後遺症が残ってしまったことに対する補償や賠償はどのようになっているのでしょうか?
後遺症に対する「後遺症慰謝料」
まず、認定された等級に応じて、後遺症慰謝料が支払われます。
その前に、慰謝料には3つの基準があるってご存知でしたか?
慰謝料増額に向けて知っておきたい基礎知識~3つの慰謝料相場の基準~
慰謝料には、
- 自賠責保険に請求する場合
- 任意保険会社が提示する場合
- 弁護士が相手側や保険会社に請求する場合
の3つの基準が存在しているそうなのです。
自賠責基準
自賠責保険会社の慰謝料とは、自賠法に基づく省令により設定されているものです。
自賠法は、交通事故の被害者が最低限の補償を受けるためのものであり、その金額は低く設定されています。
任意保険基準
保険会社でも、任意保険会社による慰謝料基準も存在しています。
ただし、任意保険会社は営利企業のため、もちろん少ない金額で済ませたいと考えているハズですよね。
よって、自賠責の基準よりは高いものの、慰謝料の金額は少ないことが多いということです。
弁護士基準
保険会社の基準と比較して、最も高い基準となっているのが、裁判所や弁護士の基準です。
これは、裁判を行った場合や相手側と示談をする場合に用いられる基準のこと。
ただし、自分ひとりで裁判を起こし、相手側と争うのは、どう考えても難しいですよね…。
よって、高額の慰謝料を獲得するためには、弁護士に依頼をして示談や裁判を行うことが必要ということになるのです。
自賠責基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|---|
内容 | 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの | 営利企業の保険会社が支払うもの | 弁護士を付けて裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの |
金額 | 金額は低め | 自賠責基準よりは高いが、金額は低め | 自賠責基準や任意保険基準よりも高い |
では、それぞれの基準ごとの後遺症慰謝料の相場について、以下の表に示しました。
後遺症等級 | 自賠責基準※2 | 任意保険基準※3 | 弁護士基準 |
---|---|---|---|
1級 | 1100 (1600) |
1300 | 2800 |
2級 | 958 (1163) |
1120 | 2370 |
3級 | 829 | 950 | 1990 |
5級 | 599 | 700 | 1400 |
7級 | 409 | 500 | 1000 |
9級 | 245 | 300 | 690 |
12級 | 93 | 100 | 290 |
14級 | 32 | 40 | 110 |
※1 単位:万円
※2 被扶養者がいる場合や要介護の場合には金額が異なるケースがある。
()内は要介護の場合の金額。
※3 旧任意保険支払基準による。
一目瞭然ですが、しっかりとした補償を受けるためには、弁護士基準での慰謝料を受け取るべきですよね。
ただし、被害者ご本人だけで保険会社と交渉しても、低い示談金しか提示してもらえないことがほとんどということです。
加害者が任意保険に入っている場合には、弁護士に依頼して交渉してもらうと、弁護士基準の慰謝料を回収できることがほとんどだということです。
弁護士基準の慰謝料を獲得するためにも、ぜひ弁護士に相談いただければと思います!
自分で慰謝料を計算してみたい
ここまで読んで、自分の事故ではどれほどの慰謝料が受け取れるものなのか…。
今すぐに知りたいと思った方も多いのではないでしょうか。
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失った将来の収入「逸失利益」
後遺症が残った場合、慰謝料の他に逸失利益というものも請求できるそうです。
逸失利益
後遺症により労働能力が失われてしまった場合に、本来得られるはずだった収入の減額分を補償するための損害賠償。
まず、逸失利益で最初に争いになるのは、現在、現実に収入の減額が発生しているかどうからしいですね。
後遺症認定の時点ですでに減収が発生している場合には、将来的にもその減収の継続が見込まれるため、逸失利益は認められやすいです。
また、交通事故による怪我の後遺症が原因で、
- 会社の部署を異動させられた
- 職業選択の幅が狭くなった
- 積極的な対人関係や対外的な活動が不可能になった
など、労働環境や能力に支障が出ていることが認定されれば、逸失利益が認められることになります。
一方で、実際に後遺症が残っていても、労働能力に与える影響が小さく、逸失利益が十分に得られないこともあるそうです。
すると、被害者の方は逸失利益を得られず、実際に残っている後遺症に対する補償として明らかに不十分になってしまいます。
そのような場合には、後遺症の慰謝料を相場よりも増額させることで、賠償のバランスが取られることもあるそうです。
ただし、そのような証明や交渉を自分ひとりで行うのは難しいですよね。
この場合も、弁護士に相談すれば、適切なアドバイスをもらえると思います!
交通事故による怪我の治療に対する慰謝料や治療費は?
ところで、幸い記憶喪失などの後遺症が残らなかったとしても、そこまでに入院や通院をして治療を受けているはずです。
その場合、生活費や治療費、仕事を休まなければならないことに対して、不安ばかりですよね。
その間の補償はどのようになっているのでしょうか!?
「治療費」の支払いは誰が?
まずは、入通院中の治療費についてです。
交通事故による怪我の治療をする場合であっても、病院との関係では、治療費の支払義務は患者である被害者の方にあることになるそうです。
よって、原則的な治療費の支払い方法としては、被害者の方が病院に治療費を立替え、立替えた治療費を加害者側に請求するという形になります。
ただし、加害者側が任意保険会社に加入している場合、治療費を相手側の保険会社から治療機関に直接支払うという一括対応という手続きがあります。
この場合、被害者の方は病院の窓口で治療費を立て替える必要がなくなります。
交通事故でも健康保険で通院できる!?
また、交通事故の治療に健康保険などの保険を使用するかどうかを決める必要があります。
ところで、交通事故では健康保険を使用できないと誤解されていらっしゃる方も多いようですね。
https://twitter.com/Kagiroi21/status/948741605384642560
しかし、厚生労働省は、以下のように交通事故でも健康保険を使えるという通達(通知)を出しています。
犯罪や自動車事故等の被害を受けたことにより生じた傷病は、医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律)において、一般の保険事故と同様に、医療保険の給付の対象とされています
ただし、健康保険を使用する場合には、病院に対して健康保険証を呈示し、健康保険を使用する意思を伝える必要があるとのことです。
健康保険証の呈示だけではなく、使用の意思をはっきりと伝えるのがポイントということです。
ここで、健康保険を使わない自由診療と、健康保険診療との違いをまとめてみましたので、良ければ参考にしてみてください。
自由診療 | 健康保険診療 | |
---|---|---|
費用 | 高額 | 低額 |
治療方法 | 制限なし | 制限有り |
病院によっては、健康保険の使用を拒否したり、一括対応に応じてくれないところもあります。
そういった場合に、弁護士が介入することにより、病院の対応が変わった事例もあります。
病院での対応にお困りの方は、弁護士に相談だけでもしてみた方が良いかもしれませんね!
支払いが困難な場合には…
しかし、交通事故による怪我の治療が長引いた場合、支払いが困難になってしまうことも考えられます。
そういった場合には、どうすれば良いのでしょうか?
被害者ご本人が傷害保険に加入している場合、過失割合に関係なく契約に応じた保険金が支払われます。
また、加害者が加入している自賠責保険の仮渡金制度を利用するという方法もあります。
仮渡金制度とは、
損害賠償金の確定前に、被害者の方が相手側の自賠責保険会社に前もって治療費を請求できる
という仕組みのことです。
ただし、最終的な賠償額よりも多い金額を受け取ってしまった場合には、差額を返却する必要がある点には注意が必要です。
治療に対する「入通院慰謝料」
治療費の他に、怪我の痛みや治療による苦痛に対する補償である入通院慰謝料というものも支払われます。
この入通院慰謝料は、治療にかかった期間が、慰謝料のほぼ唯一の基準となっているということです。
以下に、入通院慰謝料の相場を示しましたので、ご覧になってみてください。
表の見方としては、たとえば入院を5ヶ月、通院を6ヶ月した場合には、262万円の入通院慰謝料が支払われることになります。
入通院慰謝料についても、弁護士基準と保険会社の基準には大きな差があります。
ちなみに、自賠責保険からの入通院慰謝料の計算方法は、以下のいずれか短い方に、4200円をかけるという方法になるそうです。
- 入院日数と、実通院日数の2倍の合計
- 総治療期間
自分の慰謝料が適切なものなのか、弁護士に相談だけでもしてみた方が良いかもしれませんね!
また、内臓破裂ほどの重要の場合、通院頻度が極端に短くなるということはないと思いますが、慰謝料の算定には例外ルールなどもあり、被害者ご本人だけではわからないことも多くあると思います。
適正な慰謝料獲得に向けて、少しでも不明点がある場合には、ぜひ弁護士に相談してみてください。
治療中に失った収入「休業損害」
また、治療により仕事を休んだ場合には、休業損害というものも請求できます。
休業損害
交通事故により本来得られるはずであった収入や利益を失うこと。
では、休業損害の計算方法について見ていきたいと思います。
自賠責保険での計算方法
自賠責保険に対して、休業損害を請求する場合の計算方法は、5700円×休業日数ということです。
ただし、1日の休業損害が5700円を超えることを資料などで証明できれば、19000円までは日額の増額が認められています。
上限がありますが、日額が5700円以下の方でも、休業による収入の減収さえあれば、日額5700円で計算されるので、収入の低い人にとっては有利となりますね。
任意保険での計算方法
一方、任意保険や裁判所に対して、休業損害を請求する場合の計算方法は以下の通りということです。
1日あたりの基礎収入×休業日数
1日あたりの基礎収入をどうやって割り出すかは職業別に異なります。
日額5700円未満の人は実際の日額で計算される反面、証明できれば、19000円を超える日額も認められるので、収入の高い人にとって有利となります。
この話の中で誤解されがちですが、休業損害の請求において、日額が最低5700円になるわけでは必ずしもないということは注意しましょう。
よく自賠責保険は最低限の補償をする保険と言われるため、日額が自賠責で定められた5700円以下になるのはおかしいとおっしゃる方がいます。
しかし、自賠責保険の基準が用いられるのは、治療費や慰謝料などを合わせた損害賠償の総額が120万円以内の場合のみとなります。
損害賠償の総額が120万円を超えた場合には自賠責保険の基準は用いられなくなり、任意保険基準や弁護士基準が用いられることになるそうです。
「他の項目では任意保険基準や弁護士基準を用い、休業損害の項目だけ自賠責保険の基準を用いる」というように、良い基準だけ採用することはできないので注意が必要です。
自賠責保険 | 任意保険 | |
---|---|---|
原則 | 5700円 | 1日あたりの基礎収入 |
上限 | 19000円 |
なお、休業損害は仕事別に計算方法が異なる部分があるので注意しましょう。
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以上、交通事故で被害者の方が記憶喪失になってしまった場合の対応の仕方や、慰謝料の相場などについて理解を深めていただけたでしょうか。
しっかりとした補償を受け取るため、今すぐ弁護士に相談したい!と思われた方もいらっしゃるはずです。
しかし、弁護士の知り合いなんていないし、全国に約4万人いる弁護士の中から、誰に相談すれば良いのかなんてわかりませんよね。
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広告主:アトム法律事務所弁護士法人
代表岡野武志(第二東京弁護士会)
スマホで無料相談をやっているのは交通事故や事件など、突然生じるトラブルの解決を専門とする弁護士事務所です。
また、交通事故による後遺症などが原因で、弁護士事務所に訪問できない方を対象に、無料出張相談も行っているそうです。
まずは、電話してみることから始まります。
きっと、被害者の方が取るべき対応について、適切なアドバイスをしてくれるはずです。
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最後に一言アドバイス
それでは、最後になりますが、交通事故による記憶喪失に関してお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!
大切なご家族が記憶喪失に陥り、さらに保険会社との交渉で辛い思いをされていることと思います。
そんなときは、迷わず弁護士に相談することをおすすめします。
なぜなら、日常生活に支障が及ぶような後遺症が残るような場合、適正な金額の補償を受けるべきだからです。
しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。
適正な補償を受けるために、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。
面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただけた方には、
- 交通事故で記憶喪失となってしまう原因
- 記憶喪失に対する後遺症の等級や認定基準
- 記憶喪失となった場合の治療費や慰謝料などの示談金の相場
について、理解を深めていただけたのではないかと思います。
また、保険会社との交渉にあたっては、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるでしょう。
自宅から出られない方や、時間のない方は、便利なスマホで無料相談を利用するのがおすすめです!
そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。
また、このホームページでは、交通事故の後遺症に関するその他関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください!
交通事故での記憶喪失についてのQ&A
記憶喪失にも種類があるの?
記憶喪失には大きく分けて①前向性の健忘②逆向性の健忘 の2つの種類があります。「前向性の健忘」に分類されるのは、人の名前が覚えられない、物を置いた場所を忘れてしまうなどの新しいことを記憶できない症状です。「逆向性の健忘」に分類されるのは、人の名前が思い出せない、どこに何がしまってあったか思い出せないといった映画などでよくあるイメージの記憶喪失です。 記憶喪失の種類
脳の損傷で引き起こる高次脳機能障害とは?
「高次脳機能障害」とは、事故によって脳が損傷し、神経が傷つくと生じる可能性のある脳の傷害です。この障害になってしまうと脳が正常に働かなくなり、計画や判断、感情の抑制などが難しくなり、日常生活が困難となります。高次脳機能障害は後遺症として認められ、画像診断などによって後遺症等級認定が行われることが多いです。 外傷で引き起こる高次脳機能障害
ストレスやトラウマでも記憶喪失になるの?
交通事故による脳の損傷以外にも、事故に対するストレスやトラウマが原因で「解離性健忘」という心因性の記憶障害になることがあります。解離性健忘には3種類あり、①トラウマの後、その記憶だけが思い出せない「限局性健忘」②トラウマになった出来事の一部が思い出せて、他のことが思い出せない「選択的健忘」③今までの記憶を全てを忘れてしまう「全般性健忘」 があります。 心因性による記憶障害の種類
記憶喪失になったら何科を受診すべき?
事故による記憶障害が疑われた場合は、まず神経内科を受診しましょう。記憶障害が「外傷性」か「心因性」かを検査で調べることが出来ます。脳の損傷が小さければ、神経内科での治療となりますが、損傷がひどい場合は脳神経外科、心因性だった場合は心療内科や精神科を受診します。 記憶喪失になったときの診療科選択
被害者が記憶喪失していたら誰が請求する?
後遺障害等級認定および自賠責保険会社への保険金請求は、「代理請求制度」を利用することで被害者の代理人が行うことができます。任意保険会社との示談交渉や訴訟は、家庭裁判所に申し立てて選ばれた「成年後見人」が行います。もし被害者が未成年だった場合、特に手続きをしなくても、両親が代理人として損害賠償の交渉が行います。 記憶喪失になった被害者の代理請求方法
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。