後遺障害2級の慰謝料ガイド 等級別の慰謝料(1級~7級)
交通事故や弁護士の情報を検索中の方へ。このページでは、「後遺障害2級の慰謝料」について徹底調査した結果を報告しています。
目次
後遺障害2級が認定される条件・基準は?
後遺障害2級というのはどういう場合に認定されるんでしょうか?
例えば、高次脳機能障害によって常にではないけれども、必要に応じて特に時間等を限定さされずに介護が必要になった場合などに認定されます。
なるほど。ほかにはどういう場合がありますか?
自賠責における後遺障害等級の第2級については、別表第1の第2級と別表第2の第2級があり、自賠責の保険金額も異なります。
ここでは、別表第1と第2のそれぞれの第1級が認定される基準や条件についてご説明します。
別表第1の第2級について
神経系統 や胸腹部臓器の機能 に障害が残った場合は、その障害により、生命維持に必要な身のまわりの処理の動作について、随時介護を要する場合に別表第1の第1級と認定されます。
神経系統の機能に障害が残った場合の具体例は、高次脳機能障害、 脳の損傷による身体性障害(四肢麻痺、片麻痺)、脊髄損傷による障害 が残った場合をいいます。
胸腹部臓器の機能に障害が残った場合で第1級の認定がされるのは呼吸器の障害が残った場合です。
高次脳機能障害
高次脳機能障害の場合は、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護が必要な場合、および、 認知症、情意の障害、幻覚、妄想、頻回の発作性意識障害等のため随時他人による監視が必要な場合が基準となります。
脳の損傷による身体性障害
脳の損傷による身体性障害の場合は、
-
a 高度の片麻痺が認められる
-
b 中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要する
が基準になります。
脊髄損傷による障害
脊髄損傷による障害の場合は、
-
a 中等度の四肢麻痺
-
b 軽度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要する
-
c 中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要する
という基準になります。
呼吸器の障害
呼吸器に障害が残った場合で、
-
a 動脈血酸素分圧が50Torr以下で、呼吸機能の低下により随時介護が必要な場合、
-
b 動脈血酸素分圧が50Torrを超え60Torr以下で、動脈血炭酸ガス分圧が37Torr以上43Torr以下、かつ、 呼吸機能の障害により随時介護が必要な場合
がそれぞれ第2級が認定されることになります。
別表第2の第2級について
別表第2の場合は、以下の場合に第2級と認定されます。
1 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になった
「失明」とは、眼球を摘出した場合や、明暗が弁別できない場合及び明暗をようやく弁別できる程度の視力になった場合をいいます。
2 両眼の視力が0.02以下になった
3 両上肢を手関節以上で失った
両上肢をひじ関節以上で失ったとは、以下の場合をいいます。
-
a ひじ関節と手関節の間において上肢を切断した
-
b 手関節において、橈骨及び尺骨と手根骨とを離断した
4 両下肢を足関節以上で失った
両下肢を足関節以上で失ったとは、以下の場合をいいます。
-
a ひざ関節と足関節との間において切断した
-
b 足関節において、脛骨及び腓骨と距骨を離断した
障害の内容 |
基準 |
高次脳機能障害 |
○食事・入浴・用便・更衣等に随時介護が必要 ○認知症、情意の障害、幻覚、妄想、頻回の発作性意識障害等のため随時他人による監視が必要 |
脳の損傷による 身体障害 |
○高度の片麻痺が認められる ○中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要する |
脊髄損傷による 障害 |
○中等度の四肢麻痺 ○軽度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要する ○中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要する |
呼吸器の障害 |
○動脈血酸素分圧が50Torr以下で、呼吸機能の低下により随時介護が必要 ○動脈血酸素分圧が50Torrを超え60Torr以下で、動脈血炭酸ガス分圧が37Torr以上43Torr以下、かつ、呼吸機能の障害により随時介護が必要 |
1眼の失明、他眼の視力低下 |
○1眼について眼球を摘出した場合や、明暗が弁別できない場合及び明暗をようやく弁別できる程度の視力になり、他眼の視力が0.02以下となった |
両眼の視力低下 |
○両眼の視力が0.02以下になった |
両上肢の手関節以上での喪失 |
○ひじ関節と手関節の間において上肢を切断した ○手関節において、橈骨及び尺骨と手根骨とを離断した |
両下肢を足関節以上で失った |
○ひざ関節と足関節との間において切断した ○足関節において、脛骨及び腓骨と距骨を離断した |
後遺障害2級の慰謝料の相場は?
後遺障害2級の場合も慰謝料は認められるんでしょうか?
はい。もちろん、後遺障害等級2級の場合にも後遺障害慰謝料は認められますよ。
どのくらいの金額になるんでしょうか?
後遺障害慰謝料
後遺障害が認められた場合、後遺障害慰謝料 が認められます。これは簡単にいうと後遺障害が残ってしまったことで被った精神的苦痛に対する慰謝料です。
後遺障害2級の慰謝料の相場
2級の場合の慰謝料は自賠責の基準では別表1と別表2とで金額が異なります。
自賠責の基準では別表1の2級は1163万円、別表2の2級では958万円となります。
裁判基準 では、2級の場合には2370万円となります。
なお、後遺障害2級のような重度後遺障害の場合には、近親者(親、配偶者、子等)にも慰謝料が認められる場合があります。
基準 |
相場 |
自賠責基準 |
別表1 1163万円 別表2 958万円 |
裁判基準 |
2370 万円 |
後遺障害2級の逸失利益の計算方法は?
後遺障害等級2級の場合の後遺障害逸利益は、どうやって計算するのですか?
2級の場合でも基本的には他の等級の場合と一緒ですが、喪失率が他の等級とは変わりますね。
2級の場合の喪失率でどのくらいでしたっけ?
後遺障害の逸失利益
後遺障害が認められた場合、後遺障害慰謝料以外にも、後遺障害逸失利益というものが損害として認められます。
後遺障害逸失利益 とは、後遺障害が原因で事故以前に持っていた働く能力(労働能力)を全部または一部失ってしまったことによって、 将来発生すると認められる収入の減少のことをいいます。
逸失利益の計算方法
後遺障害逸失利益は計算方法が決まっており、以下のように計算します。
基礎収入 ×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に応じた ライプニッツ係数 |
基礎収入
基礎収入は、原則として事故前の現実の収入ですが、収入がなかった場合でも平均賃金等で認定される場合もあります。
労働能力喪失率は後遺障害等級に応じて決まっており、2級の場合の喪失率は 100パーセントです。
労働能力喪失期間
労働能力喪失期間は、原則として67歳までの年数となりますが、高齢者については平均余命の2分の1となります。
ライプニッツ係数
ライプニッツ係数とは、簡単にいうと、将来にわたって受け取るはずの金銭を前倒しで一括して受け取ることで得られる利益を控除するために用いる指数です。
ライプニッツ係数は年数ごとで決まっており、一覧表で確認することができます。
基礎収入 |
事故前の現実の収入 ※ただし、収入がなかった場合でも0円にならない場合あり |
喪失率 |
等級によって異なる。 2級の場合は100パーセント |
喪失期間に応じたライプニッツ係数 |
喪失期間は原則67歳まで期間 高齢者については平均余命の2分の1 |
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いかがだったでしょうか?
この記事をお読みの方には、「後遺障害2級の慰謝料ガイド 等級別の慰謝料(8級~14級)」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないでしょうか。
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