自律神経症状悪化で肩に後遺障害。1007万円認定
認容額 | 1007万4560円 |
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年齢 | 36歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 病院事務職 |
傷病名 | 右前額部打撲、頸椎捻挫等 |
障害名 | 局部に頑固な神経症状を残す後遺障害 |
後遺障害等級 | 12級 |
判決日 | 平成23年2月1日 |
裁判所 | 京都地方裁判所 |
交通事故の概要
(第一事故)平成19年7月23日、被害者が運転するワンボックスカーを停止させていたところ、大型観光バスに追突された。
(第二事故)第一事故による通院中の平成20年2月24日、追突事故に遭う。
(本件事故)平成21年4月29日午前10時52分頃、京都市山科区小山中ノ川町3番地先路上において、加害者運転の車両が先行車両に追突し、その衝撃により同先行車両が更に先行する被害者運転車両に追突した。玉つき事故。
被害者の入通院治療の経過
被害者は、第一事故の後、19日間入院治療を行い、その後は通院治療を続けた。
被害者は、第一事故による通院中に、追突事故に遭い(第二事故)、右前額部打撲、頸椎捻挫等の傷害を負い、通院治療を行った。
第一事故及び第二事故につき、平成20年12月25日を症状固定日と診断した。
本件事故による傷害については、平成22年3月5日を症状固定日と診断した。
原告は、本件事故後、次のとおり通院した。
〔1〕武田総合病院(甲二)
平成二一年四月二九日(実通院日数一日)
診断名・頚椎捻挫、胸椎捻挫、腰椎捻挫
〔2〕十条リハビリテーション病院(甲三ないし五、一八の一、一八の二の一ないし四、一九の
一、一九の二の一ないし三、二〇の一、二〇の二の一・二)
平成二一年四月三〇日ないし平成二二年三月五日(実通院日数一四〇日)
診断名・頚椎捻挫、腰椎捻挫、頚椎椎間板ヘルニア、バレ・リュー症候群
(4)後遺症診断等
〔1〕十条リハビリテーション病院の医師は、平成二二年三月五日、同日をもって原告につき症
状固定の診断をした(甲三三)。
〔2〕損害保険料率算出機構は、平成二二年七月二二日ころ、原告につき後遺障害非該当との判
断をし、これに対する原告の異議申立てに対し、同年一二月七日ころ、同様の判断をした(丙
五、一二)
後遺障害の内容
第一事故及び第二事故による後遺障害に関し、両事故による受傷に伴う頸部痛、めまい、上肢のしびれ脱力感、手指のしびれ等の症状につき後遺障害等級14級9号、第一事故による受傷に伴う腰背部痛等の症状につき同級同号にそれぞれ該当するものと認定した。
被害者は本件玉突追突事故(平成21年4月19日)の前に第一事故、第二事故に遭い、いずれも症状固定され後遺障害等級各14級9号と認定されていたところ、その症状固定時と比較すると、本件事故による傷害の症状固定時にはバレ・リュー症状が強く現れ、その症状が頑固に残存しているとして12級13号と認められた。
判決の概要
本件のように、既存障害と同一部位に加重障害が生じた場合、逸失利益の算定は、当該事故前の実収入を基礎収入とし、当該事故自体による労働能力喪失率及びライプニッツ係数をそれぞれ乗じて算出するのが相当であり、被害者は、本件事故自体により、その労働能力の10パーセントを喪失したものと認めるのが相当であり、その喪失期間を15年と認めるとし、請求を一部認容した事例。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 61万8200円 |
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休業損害 | 8万1346円 |
逸失利益 | 616万3734円 |
慰謝料 | 334万円 |
文書料 | 4万 7750円 |
薬剤費 | 41万 2620円 |
装具費 | 1万 8282円 |
車両損害額 | 36万 5000円 |
代車料 | 84万円 |
既往症減額 | - 181万 2372円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。