身体障害者手帳交付における障害程度等級表「聴覚又は平衡機能障害」
聴覚又は平衡機能の障害では、2級、3級、4級、6級の等級が認定されます。
「聴覚又は平衡機能障害」の身体障害者障害程度等級表
聴覚又は平衡機能障害の身体障害者の等級認定表は以下の通りになります。
2級 | |
---|---|
聴覚障害 | 平衡機能障害 |
両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの(両耳全ろう) | - |
3級 | |
聴覚障害 | 平衡機能障害 |
両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの) | 平衡機能の極めて著しい障害 |
4級 | |
聴覚障害 | 平衡機能障害 |
①両耳の聴力レベルが80デシベル以上のもの(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの) ②両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50パーセント以下のもの |
- |
5級 | |
聴覚障害 | 平衡機能障害 |
- | 平衡機能の著しい障害 |
6級 | |
聴覚障害 | 平衡機能障害 |
①両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの(40センチメートル以上の距離で発声された会話語が理解し得ないもの) ②一側耳の聴力レベルが90デシベル以上、他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの |
- |
聴覚又は平衡機能障害の等級表の解説
ではここからは、等級表の内容について、より詳しく解説していきたいと思います。
聴覚障害
まず、聴覚障害についてです。
聴力測定には、純音による方法と言語による方法とがあるそうですが、聴力障害の測定には主にオージオメータが採用されているそうです。
聴力測定は、補聴器を装着しない状態で、防音室で行うことが原則となっているとのことです。
純音オージオメータ検査
純音オージオメータ検査には、JIS規格が用いられます。
聴力レベルは会話音域の平均聴力レベルとし、周波数500、1000、2000ヘルツの純音に対する聴力レベルをそれぞれa、b、cとして、次の算式により算出した数値となります。
聴力レベル(dB)=(a+2b+c)÷4
周波数500、1000、2000ヘルツの純音のうち、いずれか1つ、もしくは2つにおいて100dBの音が聞き取れない場合は、その値を105dBとして算出することになります。
なお、この検査を短期間のうちに数回行った場合には、最小の聴力レベルが採用されるそうです。
言語による検査
語音明瞭度を検査するにあたっては、以下の語集を用いるそうです。
イ | シ | タ | オ | ノ |
ニ | ク | コ | ワ | デ |
ラ | モ | ル | ア | ツ |
ミ | レ | エ | ソ | ヤ |
バ | ジ | メ | ヒ | フ |
マ | ナ | カ | ト | テ |
ガ | ス | キ | サ | ウ |
リ | ダ | ヨ | チ | ハ |
ネ | ド | ケ | セ | ロ |
ム | ゴ | ホ | ユ | ズ |
通常の会話音の強さでマイクや録音機により発声し、その音量を適度に調節しながら、被検査者に最も適した状態で検査が行われるとのこと。
検査語集の配列を適宜変更しながら、2~3秒に1語の割合で発声し、それを被検査者が書き取り、正解した語数を検査語の総数で割った値を「普通話声の最良の語音明瞭度」とするそうです。
聴取距離の測定にあたっては、上記で良く聞き取れた単語を用いるそうです。
大声もしくは話声にて発声し、遠くからだんだん近づいて、正しく聴こえた距離が聴取距離となるそうです。
平衡機能障害
続いて平衡機能障害についてです。
「平衡機能の極めて著しい障害」とは
四肢体幹に器質的異常はないものの、他覚的に平衡機能障害を認め、
- 眼を開いた状態で起立することができない
- または眼を開いた状態で直線を歩いたときに、10m以内に転倒もしくは著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ない
ような状態が該当します。
「平衡機能の著しい障害」とは
眼を開いた状態で直線を歩いたときに、10m以内に転倒もしくは著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ないような状態が該当します。
具体的には、
- 末梢迷路性平衡失調
- 後迷路性および小脳性平衡失調
- 外傷または薬物による平衡失調
- 中枢性平衡失調
が挙げられます。
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。