追突事故の示談金は一体いくらになるの?慰謝料相場や判例を徹底調査!

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追突事故の示談金は一体いくらになるの?慰謝料相場や判例を徹底調査!

追突事故は交通事故の種類の中でも最もよく起こるものの1つです。

信号待ち右折・左折待ち渋滞待ちなどをしている際に追突されてしまうケースが多いようです。

もし追突事故に遭ってしまった場合、

  • 追突事故ってどんな事故?過失割合ってどうなるの?
  • 追突事故に遭った場合の示談金・慰謝料相場は?
  • 裁判では追突事故の示談金はどのくらい認められてるの?
  • 追突事故で納得できる示談金を受け取るにはどうしたらいいの?

など、さまざまな疑問が出てきますよね。

ここでは、追突事故に関する知識や示談金について詳しくご紹介していきます。

法律的な部分や実務的な部分については、テレビや雑誌でお馴染みの岡野弁護士に解説をお願いしています。

弁護士の岡野です。よろしくお願いします。

追突事故は一番身近に起こりうる交通事故ですが、被害者お一人で対応しなければいけないことも多いです。

たとえ軽い追突事故であったとしても、示談までにはある程度お時間がかかり、理解しておくべきことも数多くあります。

ここでは、追突事故に関する正しい知識を学んで、示談までの道筋を立てられるようにしましょう!

追突事故に遭われた被害者の方にとって、早く示談して煩わしい手間から解放されたいと思うのは当然ですよね。

早期解決のためにも、まずは追突事故や示談金の基礎知識について詳しく見ていきましょう!

そもそも追突事故ってどういう事故?

そもそも追突事故ってどういう事故?

追突事故は最も件数が多くむちうちの症状が多い交通事故

追突事故とは、

停止または低速で前進している車両の後部に、後続の車両が前進して衝突する類型の交通事故

定義される事故で、一般的にはおかまほられたともいわれます。

警察庁交通局が公表している「平成30年中の交通事故の発生状況」によると、平成30年の交通事故発生件数は430,601件で、そのうち追突事故は149,561件。

交通事故全体の34.7%を占めており、交通事故の1/3以上が追突事故ということになります。

追突事故は最も件数の多い類型の交通事故

以上より、追突事故は最も件数の多い類型の交通事故となっています。

そして、追突事故は、追突した側は無傷、追突された側は軽症なことがほとんどです。

しかし、大型トラックに追突したような場合は、追突した側が重傷を負うケースも有るようです。

また、追突事故の発生原因としては他のものに注意を取られたり、脇見をしたことにより、先行者を見ていなかったものが最も多いようです。

最近でも、芸能人が追突事故を起こしてしまったニュースが何件か報道されていたかと思います。

車を運転されている方にとって、非常に身近な交通事故といえます。

追突事故はむちうちの症状が多い

そして、追突事故の際に発症する症状としては、いわゆるむちうちが多いようです。

「交通事故によるいわゆる“むち打ち損傷”は車両間の追突による事故形態を中心として発症することが多い」

むちうち症

頸部に急激に外力が加わることによる鞭打ち運動を原因として、

頸部筋、項部筋の筋繊維の生理的可動域を超える過伸展、過屈曲が生じたことにより現れる種々の症状

のことをいいます。

そして、追突事故の場合は、後方からの強い衝撃により、この鞭打ち運動が起こりやすいため、むちうち損傷が発生しやすいようです。

Whiplash

むちうちの具体的症状は主に、

  • 首の痛み
  • 腰痛
  • 頭痛

などがありますが、その他にもめまい、手足のしびれ、耳鳴り、難聴、吐き気などの症状が出ることもあるようです。

先ほどもお伝えしたとおり、追突事故の場合は軽症であることがほとんどですが、まれに重い症状が残ることもあります。

重い症状が残る方の中には脳脊髄液減少症と診断される方がいらっしゃいます。

脳脊髄液減少症

脳や脊髄を覆う硬膜内の脳脊髄液が何らかの原因で減少することにより発生する、頭痛やめまいなどの症状のことをいいます。

そして、むちうちでも髄液が漏出することがあると主張されるようになり、裁判などで因果関係が争われるようになりました。

また、国の研究班は以下のような脳脊髄液漏出症画像判定基準・画像診断基準を作成しました。

裁判では、事故と脳脊髄液減少症との因果関係が認めれらないことがほとんどでしたが、最近追突事故による脳脊髄液減少症を認めた判決が出されました。

追突事故の被害者が脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)になったかが争われた訴訟で、名古屋高裁(藤山雅行裁判長)が、1審・名古屋地裁判決を変更して髄液漏れとした診断の妥当性を認め、約130万円だった賠償額を約2350万円増額する判決を言い渡していたことが分かった。

(略)

画像には、髄液漏れの診断基準を満たしていない部分もあったが、研究が進展中であることを踏まえて「(画像の証拠価値を)全て否定する方向で診断基準を用いるのは相当でない」と判断した。

(以下略)

レポートにあるとおり、追突事故によるむちうちの症状は軽いものであることが多いですが、重い症状が残る場合にはしっかり検査してもらいましょう。

検査の結果、脳脊髄液減少症と診断された場合、因果関係などが争いになることがほとんどです

追突事故をされたら過失割合は10対0が原則

そして、追突事故されたら、追突された被害者の過失割合は0%が原則です。

被害者にも過失があったといわれる場合は、被害者が注意すれば、事故を避けられたといえることが必要です。

しかし、駐車や停車をしている車の後方から突然追突される場合には、被害者は事故を避けようがないため、過失割合は認められません。

しかし、追突をした加害者から「追突してしまったのは、前の車が急ブレーキをかけたからだ」と主張されることがあります。

確かに、急ブレーキをかけなければ追突事故は起きなかったとして、この場合、被害者にも過失割合が認められそうです。

しかし、被害者が急ブレーキをかけた場合も原則として被害者に過失は認められません

道路交通法は、後続車両に前方車両が急停止しても追突を避けられる距離を保つ車間距離保持義務を負わせているからです。

車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

ただし、道路交通法は、やむを得ない場合を除き、急ブレーキを禁止しています。

車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。

そのため、前方車両が道路交通法第24条に違反する理由のない急ブレーキをかけたことにより、追突事故が発生した場合、被害者にも30%程度の過失が認められます。

さらに、道路交通法は、駐停車禁止の場所を定めたり、不適切な方法での駐停車を禁止したり、夜間の非常点滅灯の灯火を義務付けたりしています。

車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分(略)においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。

(以下略)

車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分(略)においては、駐車してはならない。

(以下略)

1 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。

2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。

(以下略)

車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。

そのため、

  • 駐停車禁止場所の駐停車
  • 不適切な方法での駐停車
  • 夜間に非常点滅灯を灯火させていなかった

という事情がある場合には、被害者にも10〜20%の過失が認められます。

さらに、道路交通法には記載されていませんが、視界の悪い場所に駐停車していた場合にも被害者に10%の過失が認められます。

追突事故の過失割合についてより詳しく知りたい方は「追突事故の過失割合は信号待ちと走行中で違う!玉突き・スリップ事故なら?」の記事をご覧ください。

なお、今お伝えしたのは、あくまで目安であり判例ではこの目安とは違う過失割合が認められていることもある点には注意が必要です。

レポーターの方がお伝えしたとおり、追突事故をされたら、過失割合は100:0が原則ですが、一定の状況では被害者に過失が認められる可能性があります。

その場合の過失割合も、一定の目安はありますが、あくまで個別の事案によって変わってきます。

追突事故で過失割合に争いが生じている場合には、ひとまず弁護士に相談してみるとよいでしょう。

追突事故では被害者の保険会社は示談交渉してくれない

お伝えしたとおり、追突事故の場合、被害者に過失割合は通常認められません。

その場合、被害者の方は、自分の保険会社から示談交渉を相手方とはできないと言われ、不満や疑問を持った方もいるかもしれません。

しかし、保険会社は意地悪で言っているわけではなく、弁護士法との関係から、被害者(契約者)に過失割合がない場合は示談交渉できないのです。

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

(以下略)

少し分かりにくいかもしれませんが、要は弁護士法第72条は、弁護士以外が報酬目的で他人の法律事務を扱う業務をしてはいけないと定めています。

そして、保険料を得る(保険契約を結ぶ)ため、保険の内容として、示談交渉という法律事務を保険会社が行うと、この条文違反となってしまいます。

保険会社が相手方と示談交渉を行えるのは、自分の会社が保険金を相手方に払うためだからと考えられているのです。

そうすると、過失割合がない場合、相手方に払う保険金がないので、相手方と示談交渉は行えないということになります。

細かい理屈は覚えなくても結構ですので、覚えておくべきことは、

過失割合の認められない追突事故では、被害者の保険会社は加害者側との間に入って示談交渉してくれない

ということです。

レポーターがお伝えしたとおり、追突事故の場合、被害者の保険会社は加害者側と示談交渉してくれず、ご自身で加害者側と対応しなければなりません。

そんな場合、弁護士特約に加入していれば、ご自身の負担なく、弁護士に加害者側との示談交渉を任せることができます。

そのため、弁護士特約は、ご自身の保険会社に代わりに加害者側と示談交渉してもらえない追突事故の場合に特に有効といえます。

追突事故の示談金に相場はあるの?

追突事故の示談金に相場はあるの?

そもそも示談金とは?

追突事故に遭ってしまった場合、保険会社と示談金額を決める交渉をすることになります。

そもそも示談金とは何なのか、実はよく分からない・・・という方もいらっしゃるかと思います。

示談金とは、簡単に言うと被害者に発生した損害を加害者が支払う損害賠償金のことをいいます。

最終的に支払われる金額は、被害者側と加害者側(保険会社)の話し合いによって決められ、双方が納得したものとなります。

それでは、示談金にはどのような種類があるのか詳しく見ていきましょう。

財産的損害と精神的損害

交通事故における示談金は大きく2つに分けることができます。

1つ目が財産的損害、2つ目が精神的損害です。

財産的損害とは、その名のとおり交通事故によって財産に損害を被ることをいいます。

たとえば、事故によって車が破損した場合、車という財産に損害が発生したことになるので財産的損害に分類されます。

一方で、精神的損害とは、肉体的あるいは精神的に苦痛を受けたことをいいます。

交通事故でケガをしてしまった場合、治療入院・通院により、被害者に大きな負担やストレスがかかってしまいます。

つまり、精神的損害とは慰謝料のことを指します。

積極損害と消極損害

財産的損害は、さらに積極損害消極損害に分けることができます。

積極損害とは、交通事故によって支出しなくてはならなくなってしまった損害のことをいいます。

たとえば、交通事故でケガをしてしまった場合、治療費通院交通費などが発生してしまいますよね。

これらは、事故に遭わなければ発生しなった支出です。

積極損害にあてはまる項目として、主に以下のものが挙げられます。

  • 治療費、入院費用
  • 付添看護費
  • 入院雑費
  • 通院交通費
  • 通院付添費
  • 装具、器具の購入費用
  • 自宅、車の改造費用
  • 文書料
  • 葬儀費用

一方で、消極損害とは、交通事故に遭わなければ本来得られていたはずの利益のことをいいます。

たとえば、交通事故によるケガの治療などで仕事を休まなくてはならなくなった場合、休んだ分の給与が減ってしまいます。

給料が減額あるいは無くなってしまうと、生活費等をまかなうことも出来ず困ってしまいます。

これを消極損害といい、以下の2つがあてはまります。

まとめ

示談金の分類

分類① 分類② 当てはまるもの
財産的損害 積極損害 治療費・入院費、付添看護費、入院雑費、通院交通費、将来介護費、自宅・車改装費、葬儀費用、弁護士費用など
財産的損害 消極損害 休業損害、逸失利益
精神的損害 慰謝料

慰謝料には3つの種類がある

精神的損害にあてはまるものが慰謝料であるとお話しましたが、交通事故で支払われる慰謝料には3つの種類があります。

入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、交通事故でケガを負ってしまった場合、入院や通院をしなければならなくなったことに対する慰謝料のことをいいます。

治療期間入院日数・通院日数をもとに金額が算定されます。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故でケガを負ったことによって後遺障害が残ってしまったことに対する慰謝料のことをいいます。

金額は、後遺障害の等級によって異なります。

死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、交通事故で亡くなってしまったことに対する慰謝料であり、本人だけでなく近親者に対しても支払われることもあります。

追突事故の物損の慰謝料はもらえない

「交通事故で、幸いケガをすることはなかったものの、大事な愛車が破損してしまった・・・。

追突事故では、このようなケースも多く発生しています。

大切にしていた車が壊れてしまうと、価値が下がってしまったり、修理に出したりと多くの支障が出てしまうことがありますよね。

被害者のお気持ちとしては、当然愛車を傷つけられた精神的苦痛に対しても慰謝料を払ってほしいといいたいところです。

このような場合、被害者は慰謝料をもらえるのでしょうか?

残念ながら、基本的には、追突事故の被害者が、愛車が傷ついたことに対する慰謝料を受け取ることはできません。

慰謝料は、精神的苦痛を金銭で填補するものですが、通常、財産権侵害に伴う精神的苦痛は、財産的損害の填補により同時に填補されるものと考えられているからです。

追突事故では、修理代が払われて修理ができれば、愛車を傷つけられた精神的苦痛も同時に回復したと考えられるということです。

例外的に裁判で認められているものもあるにはありますが、極めて限定的です。

示談金・慰謝料算定における3つの基準

示談金と慰謝料の種類についてはお分かりいただけたかと思います。

しかし、やはり気になるのはその金額ですよね。

慰謝料には、相場となる3つの基準が存在します。

ここでは、3つの基準について詳しく説明していきましょう。

自賠責基準

まず1つ目が自賠責基準です。

自賠責基準は、加入が強制されている自賠責保険が定めている基準です。

自賠責保険は、交通事故の被害者救済のための保険であるため、被害者が最低限の補償を受けられるように金額が設定されています。

そのため、3つの基準の中で最も低い金額となっています。

任意保険基準

2つ目が 任意保険基準です。

任意保険基準は、任意保険会社が独自で定めている基準であり、金額は非公開とされています。

なお、平成10年まで各保険会社で使用されていた旧任意保険支払基準というものがあり、今でもこの基準を参考にしているといわれています。

弁護士基準(裁判基準)

最後が弁護士基準(裁判基準)です。

弁護士基準は、弁護士が保険会社と交渉する際に用いる基準であり、3つの基準の中でももっとも高い金額が設定されています。

過去の裁判例をもとに金額が設定されているため、裁判基準ともいわれており、裁判所もこの基準を採用しています。

金額については、通称赤い本とよばれる「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」に記載されています。

以下の慰謝料計算機では、いくつかの項目を入力するだけで弁護士基準での示談金を計算することができます!

あなたの示談金はいったいいくらになるのか、こちらの計算機で一度計算してみてはいかがですか?

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各基準で計算すると、最低限度の保障であるはずの自賠責基準の慰謝料の方が高くなる場合があります。

しかし、自賠責の支払基準による慰謝料が全額払われるのは、傷害による損害の総額が120万円の限度額の範囲内の場合のみです。

自賠責基準で計算した慰謝料の金額が最低限もらえるわけでは必ずしもない点は注意しておきましょう。

追突事故の大きさで慰謝料の相場基準が変わる!?

慰謝料の相場には3つの基準があることが分かりました。

では、追突事故に遭ってしまった場合、どのようにして示談金・慰謝料が算定されるのでしょうか?

追突事故とは言っても、数台が絡む大きな追突事故から衝撃の小さい軽い追突事故までさまざまです。

軽い追突事故の場合、慰謝料の相場は変わってくるのでしょうか?

結論からいうと、軽い追突事故でも、慰謝料の基準は変わりませんが、通院期間が短い分、慰謝料の相場も下がることになります。

先ほどお伝えしたとおり、慰謝料は通院期間や日数が影響してきます。

しかし、軽い追突事故の場合、けがも軽く、けがが治ったとか通院の必要がないと判断され、早期に治療が打ち切りされることになります。

その結果、もらえる慰謝料の相場も下がることになります。

軽い追突事故であれば、長くても3ヶ月程度で通院は打ち切りになることが多いかと思います。

判例で見る!追突事故の示談金・慰謝料4選

判例で見る!追突事故の示談金・慰謝料4選

追突事故による示談金・慰謝料の相場や計算方法はご理解いただけたのではないでしょうか。

しかし、実際の事故では事故の大きさケガの重さなど、それぞれ事情は異なりますよね。

ここでは、裁判ではどのくらいの損害額が認められているのか、詳しく見ていきましょう。

①追突事故・後遺障害5級

こちらは、大阪地方裁判所の判決、平成18年(ワ)第11752号の判例です。

事件番号:平成18年(ワ)第11752号
被害者 給与所得者(男・症状固定時43歳)
事故の内容 赤信号待ちのため、停止していたところ、加害者が酒気帯び運転で追突し、被害車は更に前車に追突。
ケガの内容 頚髄損傷
入院・通院 入院207日間、通院約6か月
後遺障害 5級2号
金額の内訳
損害総額 6931万4856円
入通院慰謝料 290万円
後遺障害慰謝料 1700万円
後遺障害逸失利益 4164万1415円
休業損害 474万8860円
その他(治療費など) 302万4581円
  • 加害者は、呼気1リットル中に0.55mgものアルコール保有量で追突事故を起こしたものであるから、この事実は慰謝料の増額事由とされたようです。
  • 休業損害については、事故前1年間の年収額は451万3891円であり、症状固定までの384日間まったく働くことができない状態と認められたため、474万8860円となりました。
  • 後遺障害逸失利益については、基礎収入382万円、労働能力喪失率79%、就労可能年数24年として4164万1415円が認められたようです。

②追突事故・後遺障害14級

こちらは、大阪地方裁判所の判決、平成20年(ワ)第5980号の判例です。

事件番号:平成20年(ワ)第5980号
被害者 会社代表取締役(男・症状固定時66歳)
事故の内容 赤信号で停止中の被害車に加害車が追突。
ケガの内容 頚椎捻挫、頚椎椎間板ヘルニア
入院・通院 実通院日数185日
後遺障害 14級
金額の内訳
損害総額 760万2008円
入通院慰謝料 144万円
後遺障害慰謝料 110万円
後遺障害逸失利益 44万6256円
休業損害 360万円
その他(治療費など) 101万5752円
  • 後遺障害逸失利益については、症状固定時66歳であるから就労可能年数は2年、労働能力喪失率は5%として、44万6256円が認められました。
  • 休業損害については、休業損害期間は9か月間、事業実態から労働の対価は役員報酬である600万円の8割である480万円が相当として360万円が認められました。

③追突事故・後遺障害12級

こちらは、神戸地方裁判所の判決、平成14年(ワ)第538号の判例です。

事件番号:平成14年(ワ)第538号
被害者 会社員(女・年齢不明)
事故の内容 加害車が被害車に追突した。
ケガの内容 頚椎捻挫
入院・通院 入院2日、実通院日数381日
後遺障害 12級相当
金額の内訳
損害総額 1355万4859円
入通院慰謝料 200万円
後遺障害慰謝料 290万円
後遺障害逸失利益 284万3467円
休業損害 467万7391円
その他(治療費など) 113万4001円
  • 後遺障害逸失利益については、症状を前提にすると、その労働能力喪失期間は10年と認められ、被害者の3か月の収入が65万7578円であること、労働能力の喪失割合を14%として計算され、284万3467円が認められました。
  • 休業損害については、被害者は平成9年11月16日から平成10年7月15日までの間に27日と42.5時間欠勤(遅刻を含む)し、この間の休業により40万3135円の収入を失い、平成10年7月16日以降は就業がまったく不可能であったとまでは認められず、この間の休業損害はその得べかりし額の5割と認めるのが相当とされました。

④追突事故・後遺障害なし

こちらは、東京地方裁判所民事第27部の判決、平成16年(ワ)第27835号の判例です。

事件番号:平成16年(ワ)第27835号
被害者 会社役員(男・29歳)
事故の内容 信号待ちのため停止した被害車(普通乗用車)に、加害車(普通乗用車)が追突。
ケガの内容 頸椎捻挫ないし外傷性頸部症候群、腰椎捻挫
入院・通院 実通院日数256日
後遺障害 なし
金額の内訳
損害総額 485万1010円
入通院慰謝料 120万円
後遺障害慰謝料
後遺障害逸失利益
休業損害 167万6712円
その他(治療費など) 197万4298円
  • 被害者は、事故により低髄液圧症候群を発症したとは認められず、後遺障害は非該当となりました。
  • 休業損害について、基礎収入は事故前年の年収360万円、症状固定日までの340日間にわたって平均して50%の就労制限を受ける状態であったと認められ、167万6712円となりました。

追突事故の被害者が適正な示談金を受け取るためのポイント

追突事故の被害者が適正な示談金を受け取るためのポイント

ここまで、追突事故についての知識は十分得られたのではないかと思います。

では、実際に追突事故の被害者が適正な示談金を受け取るためには具体的にどうすればよいのか?

ここからは、追突事故の被害者が納得できる示談金を受け取るためのポイントを見ていきたいと思います!

追突事故にあったらすぐに病院に行こう!

まず、追突事故に遭ってしまったら、すぐに病院で診察を受け、診断書を書いてもらうことが大事です。

ここでのポイントは、痛みがある場合は通院するでしょうが、痛くなくても病院に行って検査を受けるということです。

交通事故による痛みは、事故直後は自覚がなくても、少し経ってから痛みを感じるようになることがあります。

特にどこも痛くないし病院に行かなくてもいいかな、と思い事故後に病院に行かなかった方もいらっしゃいます。

しかし、事故から時間が経って通院すると、痛みの原因は本当に事故によるものなのか?と保険会社に因果関係を疑われ、通院費用が支払われない可能性があります。

事故後すぐに病院に行き、医師に診断書を書いてもらっていれば、そういったことを疑われる可能性を減らすことができます。

病院へは事故当日に行くのが一番ですが、遅くても2〜3日以内には行くようにしましょう。

継続して通院する場合には人身事故扱いにしよう!

軽い追突事故の場合、事故直後に病院に搬送されることは少ないため、物損事故扱いになっていることがほとんどです。

その場合、追突事故で継続して通院することになったのであれば、警察署に診断書を持参し、人身事故扱いに切り替えてもらいましょう。

交通事故証明書上、物損事故扱いのままでも、一定の書類を添付すれば、自賠責保険に治療費通院費を請求できます。

そのことを前提として、加害者側の保険会社も、物損事故扱いのまま、治療費や通院費の支払いに応じてくれることもあります。

ただし、あくまで事故とケガとの因果関係が認められることが前提です。

軽症の多い追突事故の場合、他の事故よりも、事故とケガとの因果関係が否定され、治療費・通院費を請求できない可能性が高くなります。

加害者側から物損事故扱いのままにしてもらいたいと依頼される場合がありますが、ご自身が適正な示談金を受け取ることを考えるのであれば、人身事故扱いに切り替えておいたほうがいいでしょう。

人身事故扱いへの切り替えは時間が経過すると警察が中々応じてくれなくなる可能性があるので、できるだけ早く行いましょう。

医師にケガの症状や後遺症をしっかりと正確に伝えよう!

ケガの治療中は、症状や後遺症を医師にしっかりと正確に伝えるよう心がけましょう。

追突事故ではむちうちとなる方が多いですが、むちうちはMRIなどの画像などでは異常が判断できないことが多いのが現状です。

そのため、むちうちにおいては、治療経過が重視されます。

しかし、症状が日によって違ったり、突然新たな症状が現れたりすると、相手から痛みがあることや事故との因果関係を疑われる可能性があります。

それに対し、症状や後遺症を医師にしっかりと正確に伝え、一貫した主張がされていれば、そういったことを疑われる可能性を減らすことができます。

また、症状の一貫性や連続性は後遺障害の認定にあたっても重要な判断基準となりますので、その意味でも医師への正確な報告を心がけましょう。

追突事故での治療期間や通院の頻度を確保しよう!

慰謝料治療期間(通院期間)を基礎に計算されることになります。

そのため、治療期間や通院の頻度を確保することが適正な示談金を得るためにはとても重要です。

むちうちであっても適正な頻度で半年通院すれば、通院慰謝料だけで、弁護士基準では89万円となります。

とはいえ、むちうちは軽症であることが多く、画像での異常が判断しにくいこともあり、相手方から早期の通院の打ち切りを迫られることもあります。

そのような場合には、医師に相談し、病院で適切な検査をしてもらうことが重要となります。

軽い追突事故の示談の際は特に注意!

対処法としては以上となりますが、軽い追突事故示談の際には特にこれらの点に注意する必要があります。

追突事故で車に傷なしの場合、けがが生じるような衝撃が発生していないとして、治療をしても因果関係を争われる可能性が高いです。

この場合は、事故から2〜3日後の通院でも因果関係を疑われることが多いので、必ず事故当日に病院行きましょう。

まとめ

追突事故に遭ったときに適正な示談金を受け取るためのポイント

1 追突事故に遭ったらすぐに病院に行き、診断書をもらう。
2 継続して通院する場合には人身事故扱いにする。
3 医師にケガの後遺症や症状を正確に伝える。
4 治療期間や通院の頻度を確保する。

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最後に一言アドバイス

では、岡野先生、最後にまとめの一言をお願いします。

追突事故ではご自身の保険会社に間に入ってもらえず、被害者ご自身で対応しなければいけないことが多いです。

しかし、事故直後から適切な対応をしなければ、慰謝料はおろか、最悪の場合、治療費も一切支払ってもらえない事態になりかねません。

たとえ軽い追突事故であったとしても、まずは病院に行き、わからないことがあればすぐに弁護士に相談しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

このページを最後までご覧になってくださった方は

  • 追突事故の過失割合は100:0が原則だが例外もある
  • 追突事故の慰謝料には相場がある
  • 追突事故の4つの判例から見る示談金・慰謝料
  • 適正な示談金を受け取るためのポイント

についてお分かりいただけたのではないでしょうか?

交通事故の対応は専門的なことが多く、このページだけでは分からなかったこともあるかもしれません。

そんなときは、先ほどもご紹介したスマホで無料相談全国弁護士検索などを活用して、実際に弁護士にご相談してみてください。

こちらの記事が、すべての交通事故被害者の方々にとって納得できる解決のためのお力になれましたら幸いです。

追突事故の示談金についてのQ&A

追突事故とはどんな事故ですか?

追突事故とは、停止または低速で前進している車両の後部に、後続の車両が前進して衝突する類型の交通事故のことです。「おかまほられた」と言われることもあります。交通事故発生件数の約1/3以上を占めており、最も発生件数の多い事故とされています。 そもそも追突事故ってどういう事故?

追突事故で気を付けるべき怪我は?

追突事故では、むちうちの症状を発症することが多いとされています。むちうちとは、首(頸部)に対して急激に外力が加わることが原因で起こります。追突事故は後方からの強い衝撃が加わるため、むちうち損傷が発生しやすいようです。 追突事故関連が深い「むちうち」

追突事故の被害者は示談金や慰謝料はもらえる?

受けとることができます。追突事故をされた被害者の場合、示談金は、①財産的損害(車の修理代など)②精神的損害(肉体的あるいは精神的に苦痛を受けたこと)の2つに分かれます。精神的損害に対する補償のことを慰謝料とよんでいます。慰謝料の金額には、通院期間や日数が大きく影響します。 追突事故の示談金に含まれるものは?

裁判で認められた追突事故の示談金の判例は?

示談金額は、怪我の程度・後遺障害等級などの被害者の状況、そして現場での加害者の態度や事故態様などを考慮して算定されます。例えば、加害者が酒気帯び運転で追突事故を起こした場合、裁判で慰謝料が増額されたケースもあります。 判例で見る!追突事故の示談金・慰謝料4選

追突事故の適正な示談金を受け取るには?

適正な示談金を受け取る為にはいくつかポイントがあります。①追突事故にあったらすぐに病院で診断書をもらいましょう。たとえ痛みがなくても検査しを受けてください。②通院する場合は、警察署に診断書を持参し、人身事故扱いに切り替えてもらいましょう。③医者に症状や後遺症を正確に伝えることも必要です。また後遺障害の認定で重要な判断基準となります。④適正な頻度での通院を継続してください。 適正な示談金を受け取るための4ポイント

追突事故について相談したい

もっと追突事故の示談金について知りたい場合、ページに記載されている弁護士無料相談のフリーダイヤルのご利用をおすすめします。24時間365日専属のスタッフが受け付けております。また地元の弁護士に直接相談をされたい方向けの全国弁護士検索サービスも記載されてます。 弁護士に相談して適切な示談金獲得を目指す

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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