後遺障害5級の交通事故慰謝料|1億1191万円の判例を弁護士が解説

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後遺障害5級の交通事故慰謝料|1億1191万円の判例を弁護士が解説

このページでは、後遺障害5級の判例 についてご紹介します。

突然の交通事故は、被害者の人生を一変させてしまいます。

長期間の入院や通院は被害者にとって、身体的にも精神的にも大きな負担となります。

保険会社から慰謝料や示談金は十分に支払われるのか心配になりますよね。

この判例では、 総額1億1191万円の損害賠償金が認められましたが、算定においてどのような点がポイントになったのでしょうか。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。

障害等級5級(男・18歳 症状固定時23歳)損害額1億1191万2688円の判例

障害等級5級(男・18歳 症状固定時23歳)損害額1億1191万2688円の判例

こちらは、大阪地方裁判所の判決、平成24年(ワ)140号・平成24年(ワ)3358号事件です。

この事故での主な怪我の内容は、顔面広範囲皮層骨欠損となります。

交通事故の基本情報

事故の内容は「被害普通自動二輪車の前方で、加害普通乗用自動車が転回したため、衝突し、加害車が被害者を車底部に巻き込んだまま走行し、約340mにわたって引きずった。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 専門学校生
性別
年齢 18歳(症状固定時23歳)
事故の内容 被害普通自動二輪車の前方で、加害普通乗用自動車が転回したため、衝突し、加害車が被害者を車底部に巻き込んだまま走行し、約340mにわたって引きずった。
傷害の内容 顔面広範囲皮層骨欠損、四肢体幹皮層欠損、右目眼球ろう、歯牙破折など
後遺障害等級 併合5級(外貌醜状:7級、右眼視力障害:8級、右まぶた運動障害:12級)
入院 528日

被害者は、事故によって右目が失明してしまったようです。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 1億1191万2688円
うち慰謝料 1790万円
うち休業損害 989万3000円
うち逸失利益 7298万1007円

損害総額は1億1191万2688円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額1億1191万2688円になりました。

  • 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が350万円、後遺障害の慰謝料が1440万円が認められました。
  • 休業損害は、基礎収入は高専短大卒男子20歳~24歳平均賃金296万7900円、本来の就労開始時である平成19年4月から症状固定の前である平成22年8月まで約40か月分の休業損害が認められました。
  • 逸失利益としては、基礎収入を学歴計男子全年齢平均賃金523万0200円、労働能力喪失率は79%、労働能力喪失期間は44年として算定されました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの男性は、顔に大きな後遺障害が残ってしまったようですが、この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件では、顔面の醜状痕が7級、右眼の視力障害で併合5級に認定されております。

通常醜状障害では、等級の基準よりも労働能力に与える影響は低く認定されることが多いですが、本件では5級の基準である79%で認められています。

本件では、醜状自体が重度で被害者が学生であったこともさることながら、当事者間で醜状痕の喪失率に争いがなかった比較的レアなケースといえるでしょう。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

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また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

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思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。

保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

弁護士に無料相談してみてはどうでしょう?

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電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。

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※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。

仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

後遺障害5級の慰謝料計算の特徴は?

5級の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

一口に5級と言っても各号ごとに症状は様々ですが、原則として慰謝料は等級に応じて定められ、5級の場合、裁判基準では1,400万円となっております。

特に争いになりやすいのは逸失利益の項目であり、5級の場合、自賠責基準では計算の基礎となる労働能力喪失率を79%としていますが、実際にはそこまでの仕事への支障がないとして、保険会社が自賠責基準よりも低く主張してくることもあります。

そのような場合には、職務内容や職務にどのような支障が出ているかを具体的に主張する必要があることがポイントです。

なお、5級2号の高次脳機能障害については、後遺障害申請の際に提出する書類の記載内容によっては、実際に残存する障害に見合った等級よりも低い等級として認定されている可能性があるので、注意が必要です。

また、5級2号の高次脳機能障害であっても、症状により、家族等による看視が必要な場合には、看視費用を請求する余地があります。

ただし、これらのポイントは一般的・総論的なお話であり、被害者の方それぞれの事情によって変わってくることがあります。

もし、交通事故についてのお悩みがある場合は、まずは一度弁護士等の専門家に相談してみるとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

後遺障害5級の交通事故慰謝料について、弁護士の岡野先生と一緒にお送りしました。

当サイト「交通事故弁護士カタログ」には、他にもお役立ちコンテンツが盛りだくさんです。

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