後遺障害13級の交通事故慰謝料|506万円の判例を弁護士が解説
このページでは、後遺障害13級の判例についてご紹介します。
後遺障害13級が認定された場合、慰謝料は裁判基準で180万円、労働能力喪失率は9%となっています。
後遺症で苦しむ被害者にとって、納得のいく慰謝料はもらえるのか気になるところだと思います。
この判例は、どのような事故で、どのように示談金が計算されたのか、弁護士の先生の解説とともに見ていきましょう。
法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。
目次
それではまず、交通事故の内容から見てみましょう。
障害等級13級(男・56歳)損害額506万3641円の判例
こちらは、大阪地方裁判所の判決、平成17年(ワ)第2511号事件です。
灯油販売自営業の男性が右第三、四趾断裂のケガを負った事故となります。
交通事故の基本情報
事故の内容は「原動機付自転車を運転して府道を進行していたところ、設置されていた歩道柵の端部に被害者の右前足部が衝突した。」というものです。
交通事故の基本情報は?
属性 | 灯油販売自営業 |
---|---|
性別 | 男 |
年齢 | 56歳 |
事故の内容 | 原動機付自転車を運転して府道を進行していたところ、設置されていた歩道柵の端部に被害者の右前足部が衝突した。 |
傷害の内容 | 右第三、四趾断裂 |
後遺障害等級 | 13級10号 |
入院 | 0日 |
被害者は、足指の断裂によって欠損障害が残ってしまったようです。
判例で認められた賠償金・慰謝料
それでは、認められた損害額を見てみましょう。
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 | 506万3641円 |
---|---|
うち慰謝料 | 250万円 |
うち休業損害 | 0円 |
うち逸失利益 | 256万3641円 |
損害総額は506万3641円でした。
ざっくりまとめると…
被害者の損害額は総額506万3641円になりました。
- 慰謝料としては、通院に対する慰謝料が50万円、後遺障害の慰謝料が200万円認められました。
- 逸失利益としては、各種商品小売業者全労働者の平均賃金の7割を得られる見込みが高いと認められ、基礎収入は459万1200円の7割である321万3840円として、労働能力喪失期間を12年間、労働能力喪失率を9%として算定されました。
弁護士による解説
弁護士先生、こちらの男性は足指の欠損によって13級の後遺障害が認定されたようです。
この判例のポイントはどのような点になりますか?
本件は、原付バイクを運転していた被害者が、歩道柵の端に衝突して足を負傷したため、道路の設置管理に不備があったとして地方公共団体に対して損害賠償を請求した事件です。
歩道柵から道路上にはみ出していたパイプの切断面が、通行車両にとって危険であると判断され、道路の設置管理に不備があったと認められました。
今回のような自損事故であっても、道路に不備があったことが原因でケガをした場合には、道路管理者を相手として損害賠償を請求することができます。
必ずしも自損事故だからといって諦める必要はないということがわかりますね。
交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい
はじめての慰謝料計算
交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。
ポイントを整理すると、
- 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
- 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
- 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。
の三点が重要です。
慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。
記事の構成は、
- 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
- 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
- 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?
となっています^^
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- 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
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後遺障害13級の慰謝料計算の特徴は?
13級の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?
一口に13級と言っても各号ごとに症状は様々ですが、原則として慰謝料は等級に応じて定められ、13級の場合、裁判基準では180万円となっております。
特に争いになりやすいのは逸失利益の項目であり、13級5号の歯科補綴の場合、仕事には支障がないとして、逸失利益を保険会社が否定してくることも多いです。
そのような場合には、職務内容や職務にどのような支障が出ているかを具体的に主張する必要があることがポイントです。
ただし、これらのポイントは一般的な話であり、事故に遭われた方の事情は様々です。
そこで、妥当な慰謝料金額をお知りになりたい場合、まずは専門家である弁護士に相談してみるのがおススメです。