38歳男性の交通事故による骨折の慰謝料|8977万円の判例を弁護士が解説

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38歳男性の交通事故による骨折の慰謝料|8977万円の判例を弁護士が解説

このページでは、38歳男性が骨折した事故の判例についてご紹介します。

骨折は、部位や程度によって手術や入院をすることもあり、被害者にとって大きな負担となってしまいます。

また、骨折によって後遺障害が残ってしまうと仕事などにも大きな支障がでてしまうこともあります。

こちらの判例では、8977万円の損害賠償金が認められましたが、金額算定における争点とポイントについて、弁護士の先生とともにご説明いたします。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。

物品運送業務(男・症状固定時38歳)損害額8977万8163円の判例

物品運送業務(男・症状固定時38歳)損害額8977万8163円の判例

こちらは、神戸地方裁判所の第1民事部の判決、平成19年(ワ)第2859号事件です。

この事故での主な怪我の内容は、右大腿骨近位端粉砕骨折となっています。

交通事故の基本情報

事故の内容は「信号のある交差点で直進の加害普通乗用車と左方交差道路から右折しようとした被害原付自転車が衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 物品運送業務
性別
年齢 症状固定時38歳
事故の内容 信号のある交差点で直進の加害普通乗用車と左方交差道路から右折しようとした被害原付自転車が衝突。
傷害の内容 右大腿骨近位端粉砕骨折、右膝顆間隆起骨折、右膝半月板損傷、右大腿骨回旋変形
後遺障害等級 併合9級(下肢の三大関節の1つである膝関節の機能に著しい障害を残すものとして10級10号、腸骨採取後の骨盤に著しい変形を残すものとして12級5号)
入院 474日

右脚の傷害によって、500日近い入院が必要となったようです。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 8977万8163円
うち慰謝料 1240万円
うち休業損害 3834万2317円
うち逸失利益 2012万9656円

損害総額は8977万8163円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額8977万8163円になりました。

  • 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が600万円、後遺障害の慰謝料が640万円認められました。
  • 休業損害としては、3834万2317円が認められました。
  • 逸失利益は、骨盤骨の変形で12級5号に該当するが、骨盤骨変形自体は労働能力の喪失に直接結びつかないとして、後遺障害等級は併合9級であるが、労働能力の喪失割合については10級に相当する27%とされ、基礎収入は男性の高卒計全年齢平均賃金492万4000円、労働能力喪失期間は67歳までの29年とし、2012万9656円が認められました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの物品運送業務をしていた男性は、右足に大怪我を負って併合9級が認定されたようですが、この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件では、膝と大腿骨の骨折により、10級の膝関節の機能障害と、12級の骨盤骨の変形の後遺症が残りました。

最終的な認定等級は併合9級となり、その場合の標準的な労働能力喪失率は35%となります。

しかし、裁判所は骨盤骨の変形は労働能力に影響を与えないとして、被害者は労働能力を27%喪失したものと判断しました。

最終的な損害の計算においては、等級にとらわれずに実質的に将来の逸失利益を計算する傾向にあるようですね。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利

また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

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思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。

保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

弁護士に無料相談してみてはどうでしょう?

こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。

いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。

電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。

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仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

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骨折の慰謝料計算の特徴は?

骨折の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

骨折を伴うケガを負った場合、骨が癒合するまでに数ヶ月以上の期間がかかることが多いです。

ケースによっては、1年以上の治療を要することもあります。

交通事故の慰謝料は、治療期間によって比例的に増えていく傾向にありますが、実際の通院日数が少ないと、慰謝料の減額を主張されることがあります。

そのため、医師とよく話し合った上で、定期的に通院し、医師の指示があれば、リハビリもしっかりと行う必要があります。

なお、骨折の治療期間中にギプスで骨を固定し、自宅で安静にしていた期間は、入院と同視できる期間として慰謝料の算定の際に考慮されます。

ただし、上記したポイントはあくまで一般的であり、上に挙げられている裁判例のように、事故に遭われた方の事情は様々です。

そこで、事故での骨折の後遺症にお悩みの方は、まず専門家である弁護士に相談してみるのがおススメです。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、38歳男性の交通事故による骨折の慰謝料についての調査結果をお届けしました。

当サイト「交通事故弁護士カタログ」には、他にも皆さんのお役に立てるコンテンツが盛りだくさんです。

をぜひ活用してみてください。

困ったときに頼りたいのが弁護士。

まずは弁護士に相談して、あなたのお悩みを解決しましょう。

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