交通事故の慰謝料、安い任意保険基準でいいの?実は増額できる方法があります!
交通事故の被害に遭ってしまった場合、慰謝料を受け取るために保険会社と交渉することになると思います。
しかし、
- 任意保険会社から提示された慰謝料の金額は適正なのだろうか?
- 任意保険基準の慰謝料相場はどれくらいなの?
- 任意保険会社から提示された慰謝料を増額させることは可能なの?
など、わからないこともたくさん出てくると思います。
そのようなお悩みをお持ちの方に向けて!
このページでは、慰謝料の基準について紹介しつつ、その中でも特に任意保険基準にスポットを当てて、慰謝料の相場を見ていきたいと思います。
なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
これまで、任意保険基準の慰謝料が適正なのかどうか、たくさんの相談を受けてきました。
それらの経験に基づき、具体例も交えながら、わかりやすく解説していきたいと思います。
目次
車を購入するに当たっては、自動車保険に加入していることが必須ですよね。
でも、もしも事故に巻き込まれてしまった場合、保険会社がどのような補償をしてくれるのかご存知でしょうか?
事故した、事故に巻き込まれた場合、任意保険会社から任意保険基準で算出されるととても安い金額で提示され、裁判基準で金額を提示させると高額を提示してくれると。
無知は損— ひろっぴー@ぐじら組🇯🇵🐳京都在住2児のパパ (@hiro08891) June 30, 2017
知らないと損してしまうことがあるかもしれません。
そうならないためにも、まずは慰謝料相場の基準に関する基礎知識から一緒に見ていきましょう。
慰謝料増額に向けて知っておきたい基礎知識~3つの慰謝料相場の基準~
ところで…ご存知の方も多いかと思いますが、慰謝料の基準と言っても、1つだけではないんですよね。
慰謝料には、
- 自賠責保険に請求する場合
- 任意保険会社が提示する場合
- 弁護士が相手側や保険会社に請求する場合
の3つの基準が存在しているそうなのです。
最低限の補償「自賠責基準」
自賠責保険会社の慰謝料とは、自賠法に基づく省令により設定されているものです。
自賠法は、交通事故の被害者が最低限の補償を受けるためのものであり、その金額は低く設定されています。
自賠責よりは高い「任意保険基準」
保険会社でも、任意保険会社による慰謝料基準も存在しています。
ただし、任意保険会社は営利企業のため、もちろん少ない金額で済ませたいと考えているハズですよね。
よって、自賠責の基準よりは高いものの、慰謝料の金額は少ないことが多いということです。
最も高い「弁護士基準」
保険会社の基準と検証して、最も高い基準となっているのが、裁判所や弁護士の基準です。
これは、裁判を行った場合や相手側と示談をする場合に用いられる基準のこと。
ただし、自分ひとりで裁判を起こし、相手側と争うのは、どう考えても難しいですよね…。
よって、高額の慰謝料を獲得するためには、弁護士に依頼をして示談や裁判を行うことが必要ということになるのです。
自賠責基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|---|
内容 | 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの | 営利企業の保険会社が支払うもの | 裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの |
金額 | 金額は低め | 自賠責基準よりは高いが、金額は低め | 自賠責基準や任意保険基準よりも高い |
ちょっと待って!任意保険基準の慰謝料では少ないかも!!
ここまでで、慰謝料の金額は、どの基準を用いるかで差があるということがおわかりいただけたかと思います。
では、ここからは、その中にも任意保険にスポットを当てて詳しく見ていきたいと思います。
大手の保険会社と言えば、就職ランキングでも上位に入る大企業ですよね。
大企業なのだから、交通事故のケガに対する慰謝料も、たくさん払ってくれるハズ…。
そう思っていた方も多いのではないでしょうか??
しかし、大企業だからといって100%信用して良い訳でもないんですね。
交通事故の被害者に冷たい?任意保険基準
保険会社はもちろん利益を上げなければいけません。
利益を上げるためには、保険料を安くして、多くの加入者を増やす必要がありますよね。
しかし、保険料が安いということは、支払える慰謝料も低くなってしまうワケで…。
そのために実は、弁護士をつけていない被害者には、非常に低い慰謝料しか払わないというマニュアルまで存在しているんだとか…。
つまり、保険会社が大手だからといって、慰謝料は高いだろうと安心してはいけないのです。
任意保険基準とは、交通事故の加害者側の任意保険会社が、被害者の方に対して提示する慰謝料の基準です。
任意保険会社は収益を上げるために、加入者を増やす必要があり、保険料を安く抑える必要があります。
そのためには、被害者側に支払う慰謝料も低額に抑える必要があります。
よって、裁判で認められる慰謝料の相場(弁護士基準)と検証すると、大幅に低くなっています。
自賠責保険の慰謝料よりは高いので、そのまま受け入れてしまうところでした…。
弁護士に頼むとケガの慰謝料が大幅に増額の可能性
と、最初から慰謝料という言葉が出てきていますが、慰謝料の中にも内訳がありますよね。
たとえば、交通事故が原因のケガに対しては、入通院慰謝料というものがあります。
その名の通り、ケガの治療のための通院や入院にかかった費用を補償してもらえるものです。
それぞれの期間によって、一定の金額が決まっているとのこと。
ここで、任意保険基準と弁護士基準の慰謝料相場を検証した表がありますのでご覧になってみてください。
経過月数 | 任意保険基準 | 弁護士基準 | 弁護士基準からの差額 |
---|---|---|---|
1ヶ月 | 12.6 | 28 | -15.4 |
2ヶ月 | 25.2 | 52 | -26.8 |
3ヶ月 | 37.8 | 73 | -35.2 |
4ヶ月 | 47.9 | 90 | -42.1 |
5ヶ月 | 56.7 | 105 | -48.3 |
6ヶ月 | 64.3 | 116 | -51.7 |
7ヶ月 | 70.6 | 124 | -53.4 |
※ 単位:万円
経過月数 | 任意保険基準 | 弁護士基準 | 弁護士基準からの差額 |
---|---|---|---|
1月 | 25.2 | 53 | -27.8 |
2月 | 50.4 | 101 | -50.6 |
3月 | 75.6 | 145 | -69.4 |
4月 | 95.8 | 184 | -88.2 |
5月 | 113.4 | 217 | -103.6 |
6月 | 128.5 | 244 | -115.5 |
7月 | 141.1 | 266 | -124.9 |
※ 単位:万円
まさか、こんなに違うとは…というほどの差があるんですね。
何も知らない被害者の方は、こんなにも損をしてしまうのかと驚きました。
しかし、弁護士に依頼すれば、弁護士基準に近い慰謝料で交渉してくれる保険会社がほとんどなんだそうです。
そうすれば、慰謝料を大幅にアップできますね!
一生残る後遺症…任意保険基準での慰謝料は適正なの!?
ところで、ケガが完治すれば良いですが、後遺症が残ってしまうことも考えられます…。
交通事故で負ったケガのせいで、
関節が曲がらなくなった…
しびれが消えなくなった…
そんな後遺症が残ってしまった場合、それに対する補償もして欲しいですよね!
後遺症が残ってしまった場合、ケガとは別に、後遺症に対する慰謝料も請求することができます。
ただし、被害者の方ご本人だけで保険会社と交渉した場合、任意保険基準の非常に低い金額の慰謝料を提示されることになります。
非常に低いとは、どれほどの差があるのでしょうか。
後遺症の等級は、1級~14級まで定められており、等級毎に認定基準が定められているそうです。
ここで、後遺症に対する任意保険基準と弁護士基準の慰謝料相場をまとめた表がありますので、ご覧ください。
後遺症認定等級 | 任意保険基準 | 弁護士基準 | 弁護士基準からの差額 |
---|---|---|---|
1級 | 1300 | 2800 | -1500 |
2級 | 1120 | 2370 | -1250 |
3級 | 950 | 1990 | -1040 |
4級 | 800 | 1670 | -870 |
5級 | 700 | 1400 | -700 |
6級 | 600 | 1180 | -580 |
7級 | 500 | 1000 | -500 |
8級 | 400 | 830 | -430 |
9級 | 300 | 690 | -390 |
10級 | 200 | 550 | -350 |
11級 | 150 | 420 | -270 |
12級 | 100 | 290 | -190 |
13級 | 60 | 180 | -120 |
14級 | 40 | 110 | -70 |
※1 単位:万円
※2 旧任意保険支払基準による
これまた、任意保険基準と弁護士基準でこんなに違うなんて!
しかし、後遺症についても、弁護士に依頼すれば、弁護士基準の慰謝料獲得が期待できます。
あと、後遺症の等級によっても大きな差があることにも驚きました…。
等級が1つ違うだけで、50~250万円も金額が変わってしまうようなので、これは見過ごせないですね!
これについても、弁護士に依頼すれば、
- 主治医への診断書の依頼の仕方
- 等級認定の申請方法
などについてアドバイスを受けられ、適切な(=より高い)等級が認定される可能性が高まるハズです。
保険に弁護士特約がついていれば、弁護士費用も0円になる場合も多いし、交渉で解決できればそんなに時間もかからない。
弁護士特約については、こちらの記事もご覧になってみてください。
なにはともあれ、ぜひ一度、弁護士に相談することを検討してみてください。
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この記事を読んで、自分の事故ではどれほどの慰謝料が受け取れるものなのか…。
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弁護士基準の慰謝料を獲得できれば、保険会社から提示された慰謝料よりも大幅に増額する可能性があることはわかりました。
とはいえ、その交渉は自分ひとりでは難しいですよね…。
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また、弁護士に依頼すれば、煩雑なやりとりから解放されて、ケガの治療に専念できるのも大きなメリットですね。
弁護士に依頼した場合のメリット
弁護士に依頼した場合 | 弁護士に依頼しない場合 | |
---|---|---|
慰謝料の相場 | 弁護士基準 | 任意保険基準 |
慰謝料の金額 | 任意保険基準よりも大幅にアップ | 非常に低い |
交渉の手間 | 保険会社との煩雑なやりとりから解放 | 保険会社とのやりとりが煩雑でストレスもかかる |
とはいえ、弁護士費用について不安をお持ちの方もいらっしゃるハズ…。
こちらの記事では、弁護士費用などがわかりやすくまとめられていますので、良ければご覧になってみてください。
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ここまでで、任意保険基準と弁護士基準の慰謝料相場の違いについて理解いただけましたでしょうか。
より適正な慰謝料を獲得するためには、弁護士に相談するのが良いということもおわかりいただけたと思います。
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最後に一言アドバイス
それでは、最後になりますが、交通事故の慰謝料についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。
交通事故の被害に遭われ、さらに保険会社との交渉で辛い思いをされていることと思います。
そんなときは、迷わず弁護士に相談することをおすすめします。
なぜなら、辛い思いをした分、適正な金額の補償を受けるべきだからです。
しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。
そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。
面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
このページを最後までお読みの方は、
- 交通事故の慰謝料相場の3つの基準
- 任意保険基準と弁護士基準の違い
- 慰謝料増額に向けては弁護士に依頼した方が良い
という点について、理解が深まったのではないでしょうか。
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皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。