交通事故の死亡慰謝料・賠償金の相場|交通死亡事故は弁護士基準で増額&負担減
もしも大切なご家族が交通事故で亡くなってしまったら…。
ご遺族の方の悲しみや苦悩は非常に大きなもののはずです。
そのような中でも、損害賠償について加害者側の保険会社と交渉しなければなりません…。
- 死亡事故の慰謝料の相場はどの程度なのだろうか…
- 保険会社から提示された慰謝料の金額は適正なのだろうか…
など、不安なことも多く、精神的負担も非常に大きなものとなってくるでしょう。
そこで今回このページでは、死亡事故の慰謝料の相場について、お悩みの方と一緒に詳しく見ていきたいと思います。
なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
ご家族が交通事故で亡くなられてしまうのは突然のことで、お辛いことと存じます。
また、保険会社と連絡を取ることによる精神的な負担も非常に大きいものとお察しします。
そのような負担を少しでも軽減できるよう、具体例も交えながら、わかりやすく解説していきたいと思います。
目次
ご家族の方が死亡された場合、相手側の保険会社から示談金が提示されることになります。
しかし、その提示された金額が適正なのかどうか…検討もつきませんよね。
88歳の父親が横断歩道を渡っているときに車で跳ね飛ばされました。
過失割合は100:0です。
年金が少しもらえていたようですが慰謝料の相場はどのくらいですか?
保険会社の提示は1300万円は妥当ですか?
遺族は配偶者と子供2人です。
(略)
年齢は88歳ですが、農作業も十分に出来、元気で過ごしていました。
死亡事故の慰謝料の相場を知っていなければ、実は低い慰謝料しか受け取れないかもしれないのです。
しかし、家族を失った深い悲しみに対する慰謝料は適正なものを受け取るべきです!
【重要】死亡事故の慰謝料の相場について弁護士が解説
死亡事故による精神的苦痛の程度は人それぞれかと思います。
しかし、人の命の重さは皆同じはずです。
そのような中で、慰謝料の相場はどのように決まっているのでしょうか。
死亡事故に対する慰謝料は、被害者の方の家庭内での役割をもとに計算されています。
被害者とご遺族との愛着の強さや関係性などは、参考事情としてのみ考慮されることになります。
大切な家族が交通事故で亡くなった場合、遺族の悲しみや怒り、苦悩は想像もできないほどですが…。
関係性などはそこまで重視されないのですね。
確かに、年間約4000人の交通事故死亡者が発生している中で、すべての個別の事情を汲み取っていては、賠償額の公平性が保てなくなってしまうのかもしれません。
では実際に、慰謝料相場の金額について見ていきたいと思います。
その前に、慰謝料の相場には3つの基準があるってご存知でしたか?
適正な慰謝料獲得に向けて知っておきたい慰謝料の基準
では最初に、その3つの基準について教えてもらいましょう。
慰謝料には、
- 自賠責保険に請求する場合
- 任意保険会社が提示する場合
- 弁護士が相手側や保険会社に請求する場合
の3つの基準が存在しています。
自賠責基準
自賠責保険会社の慰謝料とは、自賠法に基づく省令により設定されているものです。
自賠法は、交通事故の被害者が最低限の補償を受けるためのものであり、その金額は低く設定されています。
任意保険基準
保険会社でも、任意保険会社による慰謝料基準も存在しています。
ただし、任意保険会社は営利企業のため、加入者を増やすために保険料を安く設定しています。
その分、被害者の方に支払う慰謝料も少ない金額で済ませたいと考えているはずですよね…。
よって、自賠責の基準よりは高いものの、慰謝料の金額は少ないことが多いということです。
弁護士基準
保険会社の基準と検証して、最も高い基準となっているのが、裁判所や弁護士の基準です。
これは、裁判を行った場合や相手側と示談をする場合に用いられる基準のこと。
ただし、自分ひとりで裁判を起こし、相手側と争うのは、どう考えても難しいですよね…。
よって、高額の慰謝料を獲得するためには、弁護士に依頼をして示談や裁判を行うことが必要ということになるのです。
自賠責基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|---|
内容 | 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの | 営利企業の保険会社が支払うもの | 裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの |
金額 | 金額は低め | 自賠責基準よりは高いが、金額は低め | 自賠責基準や任意保険基準よりも高い |
基準ごとの死亡慰謝料の相場を検証
3つの基準がわかったところで、基準ごとにおける死亡慰謝料の相場を見てみましょう。
まず、自賠責については、被害者が死亡した場合の支給額があらかじめ決められているそうです。
また、ご遺族に対しても決められた慰謝料が支払われることになります。
たとえば、亡くなられた被害者の方に、共働きの奥様とお子様が1人いた場合には、
本人慰謝料350万円+遺族2人の慰謝料650万円+被扶養者(子供)がいる場合の加算額200万円=1200万円
が慰謝料ということになるそうです。
被害者本人一律 | 遺族※ | 被扶養者がいる場合 | |
---|---|---|---|
350万円+ | 1人 | 550万円 | +200万円 |
2人 | 650万円 | ||
3人以上 | 750万円 |
※ 被害者の両親、配偶者、子のみ
続いて、任意保険と弁護士基準における死亡慰謝料の相場も見てみましょう。
死亡慰謝料は本来は誰に対しても同じ金額であるはずです。
しかし、たとえば、一家の大黒柱が亡くなってしまった場合、奥さんやお子様の今後の収入が失われてしまうことになります。
その分も考慮して、慰謝料の相場は高くなっているようです。
また、主婦が亡くなった場合にも、家事や育児など、家庭内での役割が大きい存在であるだけに、慰謝料の相場は高くなっているとのことです。
任意保険基準 | 弁護士基準 | 任意保険基準との差額 | |
---|---|---|---|
一家の支柱 | 1700 | 2800 | +1100 |
母親・配偶者 | 1400 | 2500 | |
その他 | 1250~1450 | 2000~2500 | +550~+1250 |
※1 単位:万円
※2 旧任意保険支払基準による
しっかりとした補償を受け取るためには、弁護士基準の慰謝料を受け取るべきですね。
しかし、ご遺族の方だけで保険会社と交渉しても、弁護士基準での支払いを受けるのは難しいそうなのです。
裁判をするか、弁護士に依頼して交渉してもらって初めて、高い基準での慰謝料の支払いを受けられるそうです。
適正な補償を受け取るためには、ぜひ弁護士に相談してください!
また、下記ページでは実際に弁護士相談により慰謝料が増額された事例がまとめられていますので、興味のある方はカテゴリ「死亡事故」をクリックしてご確認ください。
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ここまでお読みになって、自分の家族の死亡事故ではどれほどの慰謝料が受け取れるものなのか…。
今すぐに知りたいと思った方も多いのではないでしょうか。
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妊婦さんが交通事故に…胎児が死亡した場合の慰謝料の相場とは
胎児の死亡慰謝料は子供とは違う?
ここまで、死亡事故における慰謝料の相場を見てきました。
しかし、たとえば、妊娠中の女性が事故にあって流産してしまった場合などはどうなるのでしょうか…。
胎児であっても、ご両親やご家族の皆様から見たら大切な命に違いありません。
胎児も子供と同じ程度の慰謝料を受け取ることができるのでしょうか。
胎児は、出生前には法的な人格を持ちません。
つまり、胎児は出生前には権利能力がないため、胎児自身の慰謝料請求権は発生せず、ご両親が胎児の慰謝料を相続することはできません。
しかし、妊娠時期が進むにつれて人に近づいていき、両親の胎児への期待や希望も高まっていきます。
よって、交通事故で胎児が死亡した場合には、胎児の生命侵害について、ご両親に固有の慰謝料が認められることになります。
胎児に対する慰謝料は認められないけれど、その分、両親に対する慰謝料が増額されるということなんですね。
妊娠3ヶ月を過ぎると、胎盤が完成して自然流産をしにくくなります。
よって、この時期に胎児が事故で亡くなった場合、ご両親への慰謝料の相場は合計で100万円程度になると言われているそうです。
一方、出産直前の胎児が亡くなった場合は、新生児と紙一重の状態にあります。
よって、子供の死亡慰謝料の約1/2程度の慰謝料を認めてもらえることがあるそうです。
子供の死亡慰謝料は約2000万円が相場のため、胎児の死亡時の慰謝料は、両親合計で1000万円程度になるとのことでした。
裁判例で見る胎児の死亡慰謝料
ここで、実際の裁判例を見てみましょう。
確かに、ご両親への合計で800万円~1000万円の慰謝料が認められた例があります。
母親 | 父親 | ||
---|---|---|---|
① | 妊娠3ヶ月 | 合計100万円程度 | 合計100万円程度 |
② | 出産直前 | 400万円 | 400万円 |
③ | 出産直前 | 700万円 | 200万円 |
④ | 出産直前 | 800万円 | - |
⑤ | 出産直前 | 700万円 | 300万円 |
しかし、これも裁判で争った場合にのみ認められるもののようです。
非常に残念ですが、保険会社にご遺族の方だけで請求しても認められないことが多いようです。
お辛い状況かとは思いますが、その場合にはぜひ弁護士に相談してください。
死亡事故の慰謝料について弁護士に依頼するメリット
ここまで、適正な慰謝料の獲得や、慰謝料の増額に向けては、弁護士に相談した方が良いという話が出てきました。
よって、ここで改めて、死亡事故について弁護士に相談するメリットをまとめてみたいと思います。
メリット①心理的負担を軽減できる
交通死亡事故のご遺族は、最愛の家族を失ったことだけでも、非常に大きな精神的苦痛を負います。
死亡事故の場合、加害者の刑事裁判、保険会社との交渉、遺族による民事裁判の提起など、対応すべきことが多くあります。
よって、ご遺族の方の心理的負担は大きく、弁護士なしで乗り切るには相当な困難があるそうです。
また、加害者側の不誠実な態度や、責任転嫁の主張を受けることで、非常に辛い思いをされる方もいらっしゃるようです。
そんなとき、弁護士に依頼するメリットは、加害者や保険会社との交渉を弁護士が一手に引き受けてくれることです。
ご遺族の皆様の心理的負担が、少しでも軽くなるはずです。
メリット②加害者の刑事裁判への積極的関与
交通事故の加害者は、刑事裁判を受けることになります。
しかし、加害者と検察官が法廷の中心となり、被害者のご遺族はうまく関与できないことも多いのだそうです。
弁護士に依頼して被害者参加制度を利用すれば、刑事裁判への積極的関与も期待できるとのことです。
メリット③慰謝料を大幅に増額できる
また、何度も話に出てきましたが、ご遺族のみで保険会社と交渉している場合、慰謝料の相場水準を大幅に下回る金額しか提示してもらえません。
しかし、弁護士を介して交渉すれば、慰謝料を弁護士基準まで大きく増額できる可能性が非常に高くなります。
裁判に持ち込めば、相場を上回る慰謝料を認めてもらえることも少なくないようです。
弁護士相談のメリット
- 加害者や保険会社との交渉を一任することで、心理的負担が軽減できる
- 慰謝料を大幅に増額できる
- 弁護士が被害者参加制度の代理人として活動し、刑事手続に十分関与できる
- 弁護士が代理人として対応し、保険会社などとの煩雑な手続きから解放される
このように、死亡事故について弁護士に依頼するメリットは多くあり、逆に弁護士に相談せずに死亡事故を乗り切ることは非常に困難なはずです。
最近では、無料相談を行っている法律事務所も多いです。
また、任意保険で弁護士費用特約に加入していれば、着手金・報酬を保険会社が負担してくれることも多いです。
まずは、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
しかし、弁護士費用が心配でなかなか踏み出せないという方もいらっしゃると思います。
以下の記事で、弁護士費用についてまとめられていますので、参考までにご覧になってみてください。
死亡事故の慰謝料相場について弁護士に無料相談したい方はこちら
ここまでで、死亡事故による慰謝料の相場について理解を深めていただけましたでしょうか。
心理的負担を軽減し、スムーズに交渉を進めるためには、弁護士に相談した方が良いと思われた方も多いはずです。
しかし、弁護士はたくさんいるわけで…いったいどういった基準で弁護士を選べば良いのでしょうか。
答えは、「被害者に近い存在で、気軽に相談でき、迅速・丁寧に回答してくれる弁護士」のが良いということです。
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最後に一言アドバイス
それでは、最後になりますが、死亡事故の慰謝料の相場についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。
交通事故で大切なご家族を亡くされ、さらに保険会社との交渉で辛い思いをされていることと思います。
そんなときは、迷わず弁護士に相談することをおすすめします。
なぜなら、非常に辛い思いをした分、適正な金額の補償を受けるべきだからです。
しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。
そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。
心理的負担も大きい面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。
まとめ
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。