高次脳機能障害により賠償金総額が1億円超の判例
認容額 | 1 億 0014万2660円 |
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年齢 | 30歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 医療事務 |
傷病名 | 左前頭葉脳挫傷,左肩打撲,頭部挫創 |
障害名 | 高次脳機能障害 |
後遺障害等級 | 3級 |
判決日 | 平成25年12月25日 |
裁判所 | 東京地方裁判所 |
交通事故の概要
平成20年8月4日午後5時30分頃、神奈川県座間市入谷4丁目1881番地にある信号機等により交通整理の行われていない交差点において、加害者運転の普通乗用移動者が本件交差点を右折進行する際に、前方不注視の過失により、横断歩道中の被害者に車両前部を衝突させた。
被害者の入通院治療の経過
被害者は、本件事故により路上に転倒し、頭部挫創等の傷害を負った。事故後すぐに病院へと搬送され、約6か月の入院と約2年の通院を行って治療を受け、平成22年9月に症状が固定した。
後遺障害の内容
被害者は、症状固定後に後遺障害が残っており、情報処理速度の低下や計算力の低下等のほか、感情面のコントロールが困難となっていることが認められ、高次脳機能障害による後遺障害等級3級の認定を受けた。
判決の概要
本件事故の裁判では、過失割合と被害者の損害額についてが主な争点となった。
過失割合について事故態様から考えるに、被害者は横断歩行する際に自動車の有無及び動静に注意すべきだったにもかかわらず、この注意義務に違反した過失があると認められ、被害者に過失相殺すべき過失が5%あると判断された。
被害者の損害額については、加害者は症状固定後の介護料について高すぎるとの主張をしたが、被害者の後遺障害の症状を考えると、声掛けや介助等の介護は必要であり、そのための介護用の額としては適切あるとの判断を受けた。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 413万7013円 |
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入院雑費 | 24万500円 |
通院交通費 | 9430円 |
休業損害 | 530万0632円 |
逸失利益 | 4624万8856円 |
慰謝料 | 2240万円 |
文書料 | 2万 2700円 |
症状固定前介護料 | 2729万 9810円 |
症状固定後介護料 | 2729万 9810円 |
既払保険金等 | - 1223万 2734円 |
弁護士費用 | 910万円 |
過失相殺 | - 543万5547円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。