高次脳機能障害で後遺障害認定可能性のある等級|後遺障害診断書記載の注意点は?

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  • 50|14571文字

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この記事のポイントをまとめると

高次脳機能障害で、後遺障害認定がされる可能性のある等級は原則1~9級だが、12級14級の可能性もある

高次脳機能障害で適切な後遺障害の等級が認定されるには、後遺障害診断書などの提出書類の記載が重要になる

高次脳機能障害で後遺障害認定された場合、等級ごとに受け取れる金額は異なり、労災や障害年金から一定の金額が受け取れる場合もある

高次脳機能障害後遺障害認定の可能性のある等級後遺障害診断書記載上の注意点などについて知りたい方はぜひご一読下さい。

岡野武志弁護士
交通事故と刑事事件を専門とするアトム法律事務所の代表弁護士。

交通事故により高次脳機能障害と診断された場合には、後遺障害診断書を医師に記載してもらい、後遺障害認定の申請を通常行います。

高次脳機能障害とは

脳卒中や交通事故などによる脳の損傷が原因で、脳の機能のうち、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる障害

申請の結果、後遺障害認定されると、認定等級に応じて受け取れる慰謝料などの金額が大きく変わるため、等級が何級かはとても重要です。

では、高次脳機能障害で後遺障害認定される可能性のある等級は何級になるのでしょうか?

高次脳機能障害で後遺障害認定可能性のある等級は何級?

高次脳機能障害で後遺障害認定可能性のある等級は何級?

自賠責上は高次脳機能障害の後遺障害は9級まで

自賠責保険における神経系統又は精神の障害の等級

まず、自賠責保険後遺障害認定においては、高次脳機能障害

「神経系統の機能又は精神の障害」

の系列(一種)として認定が行われています。

そして、「神経系統の機能又は精神の障害」の系列における後遺障害の等級として定められているものは以下の等級です。

1級1号

2級1号

3級3号

5級2号

7級4号

9級10号

自賠責保険における高次脳機能障害認定システムについて

このように自賠責の後遺障害認定基準上、高次脳機能障害により後遺障害認定可能性のある等級として明示されているものは1級~9級になります。

そして、自賠責保険では、高次脳機能障害認定システム確立検討委員会が平成12年12月18日付

「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムについて」

という報告書の「等級認定にあたっての考え方」という項目の中で、認定基準を補足する考え方というものを公表しています。

お伝えした自賠責保険の高次脳機能障害として後遺障害認定の可能性がある各等級の基準とその認定基準を補足する考え方をまとめたのが以下の表です。

自賠責の高次脳機能障害の後遺障害認定基準その①
自賠責の等級
11
認定基準
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
補足する考え方
身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、 生活維持に必要な身の回り動作に全面的介助を要するもの
自賠責の高次脳機能障害の後遺障害認定基準その②
自賠責の等級
21
認定基準
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
補足する考え方
著しい判断力の低下や情動の不安定などがあり、1人で外出することができず、日常活の範囲が自宅内に限定されている。
身体動作は排泄、食事などの活動を行うことができても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの声掛けや看視を欠かすことができないもの
自賠責の高次脳機能障害の後遺障害認定基準その③
自賠責の等級
33
認定基準
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
補足する考え方
自宅周辺を一人で外出できるなど、日常の生活範囲は自宅に限定されていない。
また声掛けや、介助なしでも日常の動作を行える。
しかし記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、 一般就労が全くできないか、困難なもの
自賠責の高次脳機能障害の後遺障害認定基準その④
自賠責の等級
52
認定基準
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
補足する考え方
単純くり返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。
ただし新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。
このため一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことができないもの
自賠責の高次脳機能障害の後遺障害認定基準その⑤
自賠責の等級
74
認定基準
神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
補足する考え方
一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの
自賠責の高次脳機能障害の後遺障害認定基準その⑥
自賠責の等級
910
認定基準
神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
補足する考え方
一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題があるもの

このように、高次脳機能障害の後遺障害認定基準は、介護の要否・程度や労務への支障の程度に応じて等級を定めています。

労災の認定基準では高次脳機能障害12・14級も

また、自賠責保険の各等級後遺障害認定基準は、労災保険の「障害認定必携」に記載されている基準を準拠しています。

そして、高次脳機能障害につき、上記の認定基準では、認定可能性のある等級が先ほどの1級~9級に加え12級14級もあります。

具体的な高次脳機能障害の労災での後遺障害認定の可能性のある等級と「障害認定必携」記載の認定基準は以下の表のとおりです。

高次脳機能障害の労災の認定基準
労災保険の等級
(対応する自賠責の等級)
認定基準※1
1級の3
11号)
「高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの」

重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要するもの
又は
高次脳機能障害による高度の痴ほうや情意の荒廃があるため、常時監視を要するもの
2級の22
21号)
「高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するもの」
以下のいずれかに該当するもの
・重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要するもの
・高次脳機能障害による認知症、情意の障害、幻覚、妄想、頻回の発作性意識障害等のため随時他人による監視を必要とするもの
・重篤な高次脳機能障害のため自宅内の日常生活動作は一応できるが、1人で外出することなどが困難であり、外出の際には他人の介護を必要とするため、随時他人の介護を必要とするもの
3級の3
33号)
「生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、高次脳機能障害のため、労務に服することができないもの」

4能力(※2)のいずれか1つ以上の能力が全部失われているもの
又は
4能力のいずれか2つ以上の能力の大部分が失われているもの
5級の12
52号)
「高次脳機能障害のため、きわめて軽易な労務のほか服することができないもの」

4能力のいずれか1つ以上の能力の大部分が失われているもの
又は
4能力のいずれか2つ以上の能力の半分程度が失われているもの
7級の3
74号)
「高次脳機能障害のため、軽易な労務にしか服することができないもの」

4能力のいずれか1つ以上の能力の半分程度が失われているもの
又は
4能力のいずれか2つ以上の能力の相当程度が失われているもの
9級の72
910号)
「通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」

4能力のいずれか1つ以上の能力の半分程度が失われているもの
12級の12
1213号)
「通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、多少の障害を残すもの」

4能力のいずれか1つ以上の能力が多少失われているもの
14級の9
149号)
「通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、軽微な障害を残すもの」

MRI、CT等による他覚的所見は認められないものの、脳損傷のあることが医学的にみて合理的に推測でき、高次脳機能障害のためわずかな能力喪失が認められるもの

※1 労災保険「障害認定必携」に記載されている基準

※2 表中の4能力とは以下の能力のことを指す
✔意思疎通能力
✔問題解決能力
✔作業負荷に対する持続力・持久力
✔社会行動能力

なお、先ほどお伝えした自賠責保険における高次脳機能障害認定システムには

「最終的な認定では、「神経系統の機能又は精神の障害」の系列のなかで、…脳・脊髄・末梢神経由来の神経症状を含めた等級認定が行われる」

との記載があるところ、自賠責の後遺障害認定基準において、神経症状で認定される可能性のある等級としては

12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」

14級9号 「局部に神経症状を残すもの」

があります。

そのため、自賠責においても後遺障害として高次脳機能障害で12級・14級の等級が認定される可能性があることになります。

高次脳機能障害整理表上の後遺障害認定の基準

ご覧頂いたとおり、高次脳機能障害労災における認定は、3級以下の等級につき以下の4能力の喪失の程度で判断しています。

① 意思疎通能力

② 問題解決能力

③ 作業負荷に対する持続力・持久力

④ 社会行動能力

そして、労災の高次脳機能障害整理表には、上記の4能力の喪失の程度を判断するためのより具体的な基準が記載されています。

その高次脳機能障害整理表記載の具体的な基準を各能力ごとに分けて表にまとめたものが以下のものになります。

①意思疎通能力(記銘・記憶力、認知力、言語力等)
喪失の程度
A「多少の困難はあるが概ね自力でできる」
①特に配慮してもらわなくても、職場で他の人と意思疎通をほぼ図ることができる。

②必要に応じ、こちらから電話をかけることができ、かかってきた電話の内容をほぼ正確に伝えることができる。
喪失の程度
B「困難はあるが概ね自力でできる」
①職場で他の人と意思疎通を図ることに困難を生じることがあり、ゆっくり話してもらう必要が時々ある。
②普段の会話はできるが、文法的な間違いをしたり、適切な言葉を使えないことがある。
喪失の程度
C「困難はあるが多少の援助があればできる」
①職場で他の人と意思疎通を図ることに困難を生じることがあり、意味を理解するためにはたまには繰り返してもらう必要がある。

②かかってきた電話の内容を伝えることはできるが、時々困難を生じる。
喪失の程度
D「多少の困難はあるがかなりの援助があればできる」
①職場で他の人と意思疎通を図ることに困難を生じることがあり、意味を理解するためには時々繰り返してもらう必要がある。
②かかってきた電話の内容を伝えることに困難を生じることが多い。
③単語を羅列することによって、自分の考え方を伝えることができる。
喪失の程度
E「困難が著しく大きい」
①実物を見せる、やってみせる、ジェスチャーで示す、などのいろいろな手段と共に話しかければ、短い文や単語くらいは理解できる。

②ごく限られた単語を使ったり、誤りの多い話し方をしながらも、何とか自分の欲求や望みだけは伝えられるが、聞き手が繰り返して尋ねたり、いろいろと推測する必要がある。
喪失の程度
F「できない」
職場で他の人と意思疎通を図ることができない。
②問題解決能力(理解力、判断力等)
喪失の程度
A「多少の困難はあるが概ね自力でできる」
①複雑でない手順であれば、理解して実行できる。
②抽象的でない作業であれば、1人で判断することができ、実行できる。
喪失の程度
B「困難はあるが概ね自力でできる」
AとCの中間
喪失の程度
C「困難はあるが多少の援助があればできる」
①手順を理解することに困難を生じることがあり、たまには助言を要する。
②1人で判断することに困難を生じることがあり、たまには助言を必要とする。
喪失の程度
D「多少の困難はあるがかなりの援助があればできる」
CとEの中間
喪失の程度
E「困難が著しく大きい」
①手順を理解することは著しく困難であり、頻繁な助言がなければ対処できない。

②1人で判断することは著しく困難であり、頻繁な指示がなければ対処できない。
喪失の程度
F「できない」
課題を与えられてもできない。
③作業負荷に対する持久力・持続力
喪失の程度
A「多少の困難はあるが概ね自力でできる」
概ね8時間支障なく働ける。
喪失の程度
B「困難はあるが概ね自力でできる」
AとCの中間
喪失の程度
C「困難はあるが多少の援助があればできる」
障害のために予定外の休憩あるいは注意を喚起するための監督がたまには必要であり、それなしには概ね8時間働けない。
喪失の程度
D「多少の困難はあるがかなりの援助があればできる」
CとEの中間
喪失の程度
E「困難が著しく大きい」
障害により予定外の休憩あるいは注意を喚起するための監督を頻繁に行っても半日程度しか働けない。
喪失の程度
F「できない」
持続力に欠け働くことができない。
④社会行動能力(協調性等)
喪失の程度
A「多少の困難はあるが概ね自力でできる」
障害に起因する不適切な行動はほとんど認められない。
喪失の程度
B「困難はあるが概ね自力でできる」
AとCの中間
喪失の程度
C「困難はあるが多少の援助があればできる」
障害に起因する不適切な行動がたまには認められる。
喪失の程度
D「多少の困難はあるがかなりの援助があればできる」
CとEの中間
喪失の程度
E「困難が著しく大きい」
障害に起因する非常に不適切な行動が頻繁に認められる。
喪失の程度
F「できない」
社会性に欠け働くことができない。

そして、高次脳機能障害整理表の「喪失の程度」と高次脳機能障害の等級の認定基準における「能力の喪失の程度」の対応関係は以下の表のとおりです。

整理表と認定基準の喪失の程度の対応関係について
整理表の喪失の程度 認定基準の喪失の程度
A「多少の困難はあるが概ね自力でできる」 わずかな能力喪失
B「困難はあるが概ね自力でできる」 多少喪失
C「困難はあるが多少の援助があればできる」 相当程度喪失
D「困難はあるがかなりの援助があればできる」 半分程度喪失
E「困難が著しく大きい」 大部分喪失
F「できない」 全部喪失

では、最初にお伝えした自賠責の後遺障害認定基準(+補足された考え方)と、自賠責が準拠する労災の認定基準との整合性はどうなるのでしょうか?

この点、自賠責保険における高次脳機能障害認定システム検討会が平成19年2月2日付で発表した報告書では

自賠責保険基準で認定したのち、労災保険で使用している「高次脳機能障害整理表」に当てはめて検証し、最終結論とする

としています。

労災の「高次脳機能障害整理表」の基準は自賠責の基準より具体的なため、自賠責で認定した後遺障害等級が適正かの検証に適しているといえます。

ただし、自賠責保険における解釈は、必ずしも厳密に「高次脳機能障害整理表」と対応関係にある必要はないという考え方もあるようです。

高次脳機能障害の後遺障害診断書の記載の注意点について

高次脳機能障害の後遺障害診断書の記載の注意点について

高次脳機能障害後遺障害認定申請を行い適切な等級が認定されるためには、後遺障害診断書の記載が非常に重要になります。

自賠責保険における後遺障害の認定は、原則として提出された資料のみで判断するいわゆる書面主義を採用しているからです。

特に、高次脳機能障害においては

① 高次脳機能障害の認定のための特有の要件

② 脳が器質的(物理的)に損傷していること

③ 第三者には判断しにくい精神の障害(認知機能の低下や人格変化など)

などを証明しなければならず、それを証明できるような後遺障害診断書やその他の書面の記載になっているかが適切な等級認定のカギになります。

①頭部外傷後の意識障害についての所見の記載

高次脳機能障害後遺障害認定されるための特有の要件として

交通事故直後に意識障害や健忘があること

が必要となります。

この要件を証明するために、後遺障害診断書の別紙として

頭部外傷後の意識障害についての所見

という書式に記載をしてもらう必要があります。

具体的な書式は以下のものになります。

具体的な要件としては、以下のいずれかの場合となります。

ⅰ当初の意識障害(半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態:JCSが3~2桁、GCSが12点以下)が少なくとも6時間以上

ⅱ健忘あるいは軽度意識障害(JCSが1桁、GCSが13~14点)が少なくとも1週間以上

脳外傷があるようなケースでは重傷であることが多く、救命処置が優先されるため、意識障害についての記録・記憶が不十分な場合も多いです。

そのため、治療中であっても「頭部外傷後の意識障害についての所見」の記載は早期に依頼するのが重要といえます。

記憶が比較的残っている早期の段階であればあるほど、記載に誤りや不足があった場合の修正に応じてもらいやすいといえるからです。

②神経系統の障害に関する医学的所見について

また、高次脳機能障害後遺障害認定されるためには、脳が器質的(物理的)に損傷していることを証明する必要があります。

そのためにはまず、初診時の診断書に頭部外傷の診断があり、後遺障害診断書

脳挫傷

びまん性軸索損傷

びまん性脳損傷

などの診断がされていることが必要となりますが、それだけでは足りず

ⅰ頭部画像所見

ⅱ認知機能の低下を証明する神経心理学的検査の結果

を記載してもらう必要があります。

そして、上記の記載は、以下の「神経系統の障害に関する医学的意見」という書式に記載してもらうことになります。

ⅰ頭部画像所見

具体的には、脳のCTMRI画像によって

脳萎縮

脳室拡大

脳内出血

などが確認できることが必要となります。

ⅱ神経心理学的な検査の検査結果

神経心理学的検査とは、以下のような検査をいいます。

神経心理学的検査とは,脳の損傷や認知症等によって生じた知能,記憶,言語等の高次脳機能の障害を評価するための検査である。

脳の損傷による、言語や記憶、注意、情緒といった能の認知機能が低下していることを客観的に明らかにするための検査になります。

神経心理学的検査はさまざまなものがありますが、代表的な検査については、以下の記事に詳しく記載されています。

後遺障害診断書(頭部外傷後の意識障害についての所見)には検査報告書を添付してもらい、認知機能の低下を示す所見を記載してもらうのが重要です。

なお、お伝えしたとおり、神経心理学的検査にはさまざまなものがありますが、そのすべての検査を行わなければならないわけではありません。

数多くある神経心理学的検査の中から必要な検査の組み合わせを考えて、脳神経外科医や言語聴覚士に検査を依頼する必要があります。

この点、交通事故に強い弁護士などの専門家に後遺障害認定の手続を依頼すれば、どの検査をすべきかにつき、アドバイスがもらえるかと思います。

③日常生活状況報告書の記載

高次脳機能障害の症状には、交通事故と人格が変化し

日常生活に支障が出る

感情がうまくコントロールできなくなる

周囲との人間関係が上手くいかなくなる

などの社会的行動障害などを引き起こすというものもあります。

もっとも、そのような人格の変化は外見からは判断できず、交通事故後にはじめて被害者を診ることになる医師や病院の関係者にも判断が困難です。

そのため、人格変化による社会的行動障害の証明には、交通事故前から被害者を知っている近親者が記載する

「日常生活状況報告」

という書類の記載内容が非常に重要になります。

「日常生活状況報告」の書式は以下のようなものになります。

上記の後遺障害診断書をはじめとする記載が不十分であると、以下の方のように納得のいかない等級の認定にとどまってしまう可能性が高くなります。

高次脳機能障害の後遺障害認定で、適切な等級が認定されるための後遺障害診断書などの書類の記載のポイントはどこにあるのでしょうか?

高次脳機能障害の後遺障害診断書などの書類は、後遺障害認定基準を踏まえ、認定基準を満たせるように記載するのがポイントになります。

もっとも、後遺障害認定基準の正確な理解や実際にどのように記載すればよいかなどは、はじめてのことで経験が通常ない被害者の方には困難です。

そのため、高次脳機能障害の後遺障害認定申請の経験豊富な弁護士に依頼することが、適切な等級認定を獲得する方法として望ましいといえます。

最後に、お伝えしてきた高次脳機能障害の後遺障害診断書関連の書類の記載の注意点を表にまとめてみましたので、ご参照ください。

高次脳機能障害の後遺障害診断書関連書類の注意点
頭部外傷後の意識障害についての所見 なるべく早期に記載してもらう
神経系統の障害に関する医学的意見 ・画像所見を必ず記載してもらう
・神経学的検査結果の記載が重要
日常生活状況報告書 認定基準を踏まえ近親者が詳細に記載する

高次脳機能障害で等級が認定された場合に受け取れる金額

高次脳機能障害で等級が認定された場合に受け取れる金額

高次脳機能障害後遺障害認定されると、認定された等級、認定機関や請求先・方法に応じて一定の金額が受け取れることになります。

交通事故の高次脳機能障害等級認定時の慰謝料

まず、交通事故自賠責から高次脳機能障害後遺障害認定されると、認定等級に応じた一定金額慰謝料を受け取れます。

もっとも、同じ等級が認定されても

自賠責保険から支払われる慰謝料(自賠責基準

任意保険が提示してくる慰謝料(任意保険基準

弁護士が任意保険に請求する際の慰謝料(弁護士基準

の金額の相場には違いがあります。

具体的な金額としては、以下の表のような違いがあります。

高次脳機能障害の等級・基準別慰謝料の金額の相場
後遺障害等級 自賠責基準※1 任意保険基準※2 弁護士基準
1 1100
1600
1300 2800
2 958
1163
1120 2370
3 829 950 1990
5 599 700 1400
7 409 500 1000
9 245 300 690
12 93 100 290
14 32 40 110

※1 被扶養者がいる場合や要介護の場合は金額が異なる場合がある。

  ()内は要介護の場合の金額。

※2 旧任意保険支払基準による。

さらに、交通事故で自賠責から高次脳機能障害が後遺障害認定された場合、認定等級に応じ、慰謝料だけでなく一定の金額の逸失利益も受け取れます。

後遺障害逸失利益とは

被害者に後遺障害が残存しなければ、被害者が得られたであろう経済的利益を失ったことによる損害

交通事故で高次脳機能障害が後遺障害認定されたことにより受け取れる金額は、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益の合計金額になります。

そして、高次脳機能障害が後遺障害認定された場合の弁護士基準での損害賠償金・示談金総額の相場は、以下の慰謝料計算機で確認できます。

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なお、上記の慰謝料計算機で確認できるのは、あくまで弁護士に依頼した場合の相場になります。

実際に弁護士に依頼した場合に受け取れる金額がどれ位増額するかは、個々の事案の事情や弁護士の力量によっても違いが出る可能性があります。

具体的な高次脳機能障害で弁護士に依頼した場合の損害賠償金・示談金の増額事例は以下で確認できますので、興味のある方はぜひご覧ください。

高次脳機能障害が労災で認定された場合の金額

また、業務中や通勤中の交通事故や転落事故などで脳損傷を負い、高次脳機能障害が残った場合、労災にも後遺障害認定申請できます。

そして、実際に認定を受けた場合には、認定された等級に応じ、労災から金額を受け取れます。

障害(補償)給付

障害特別金

障害特別支給金

といった金額を受け取れます。

交通事故と違い、高次脳機能障害が労災で認定された場合に受け取れる金額には、慰謝料が含まれないのが特徴になります。

また、高次脳機能障害が後遺障害として労災で7級以上の等級の認定を受けた場合、一定の金額は年金払いになるのも特徴です。

なお、勤務中・通勤中の交通事故により、高次脳機能障害となり、後遺障害認定を受けた場合、自賠責からも労災からも一定の金額を受け取れます

ただし、あくまで対象は一つの交通事故のため、公平の観点から、いわゆる二重取りを避けるため、受給金額の調整が行われる点は注意が必要です。

なお、労災の後遺障害については、以下の記事に詳しく記載されていますので、ぜひご覧になってみて下さい。

障害年金を受け取れる障害者の等級別認定基準

また、高次脳機能障害となった場合、日本年金機構の定める障害者として認定されれば、障害年金を受け取ることもできます。

障害年金とは?

障害年金とは、病気や怪我によって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」という二つの種類があります。

障害年金の各種類別の支給対象者
障害基礎年金
初診日に国民年金に加入していた方
障害厚生年金
初診日に厚生年金に加入していた方

そして、障害年金を受給するためには、おおまかにいうと2つの条件を満たしている必要があるそうです。

障害年金を受給するための条件
初診日の前日時点で、初診日の月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること。
もしくは、初診日において65歳未満であり、初診日の月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。
障害の程度が日本年金機構の定める基準に該当していること。

① の要件を満たしていなければ、どんなに症状が重くても障害年金を受給することはできないそうです。

ご自身が保険料の納付要件を満たしているかどうかは、お近くの年金事務所で確認することができます。

① の要件を満たしていることがわかった場合には、②の要件を満たしているかどうかが重要となってきます。

それでは、実際どのくらいの症状であれば認定されるのでしょうか。

ここからは高次脳機能障害の認定基準についてご説明します。

高次脳機能障害の障害年金の等級

高次脳機能障害に関する、日本年金機構の定める障害等級は以下の通りになっています。

高次脳機能障害の障害年金の基準
等級 障害の状態
1 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、 常時の援助が必要な場合
2 認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受ける場合
3 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働 が制限を受けるもの 認知障害のため、労働が著しい制限を受ける場合
障害手当金※ 認知障害のため、労働が制限を受ける場合

※ 障害基礎年金の場合は障害手当金は支給されない

障害厚生年金では、障害等級の3級よりも軽い障害が残った場合に、一時金として障害手当金が支給されるそうです。

また、障害基礎年金については、3級の場合には障害年金が支給されません。

障害年金の種類別の支給対象等級
障害基礎年金
1級~2
障害厚生年金
1級~3

障害年金の金額

そして、高次脳機能障害となった場合の障害年金は、認定された等級により、以下のとおり受け取れる金額に違いがあります。

障害基礎年金の場合

障害基礎年金については、以下の計算式で算出された定額の金額になります。

障害基礎年金額の等級別の計算式
等級 計算式
1 779,300円×1.25+子の加算
2 779,300円+子の加算
子の加算 第一子 224,300
第二子
第三子以降 74,800
障害基礎年金の場合

一方、障害厚生年金については、厚生年金に加入していた期間や納めた保険料などで、受け取れる金額は変わります。

障害厚生年金額の等級別の計算式
等級 計算式
1 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1 +配偶者の加算
2 報酬比例の年金額+障害基礎年金2
3 報酬比例の年金額(最低保障額585,100円)
配偶者の加算 224,500

障害年金の申請手続きに関しては、被害者の方ご自身で動くことも多くなってしまうかもしれません。

とはいえ、交通事故により高次脳機能障害の後遺障害が残った場合、今後の生活を考えれば、受けとれる金額が多いに越したことはないはずです。

年金の形で継続的に一定の金額が受けとれることは、今後の生活の大きな安心材料になりますので、申請を検討してみてください。

お伝えしたとおり、交通事故による高次脳機能障害で、後遺障害認定された場合、自賠責や加害者側以外からも一定の金額を受け取れることがあります。

もっとも、具体的な申請手続きや受け取れるかどうかの見込みがよくわからないため、本来受け取れる金額を受け取れていない場合もあるのが実情です。

高次脳機能障害で後遺障害等級が認定された場合に、適正な補償が漏れなく受け取れるよう、まずは弁護士に相談してみるのがよいでしょう。

高次脳機能障害の後遺障害等級を弁護士に相談したい方へ

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ここまで、高次脳機能障害の後遺障害等級についてお伝えしてきましたが、読んだだけではわからないことがあった方もいるのではないかと思います。

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人身事故にあわれた方は、お手元のスマホで弁護士に直接無料相談してみることができます

24時間365日、専属スタッフが待機するフリーダイヤル窓口で受付しているので、いつでも電話できるのは非常に便利ですね。

また、夜間土日も、電話やLINEFacebookで弁護士が無料相談に順次対応しています。

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※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。

また、交通事故によるケガが重症で、弁護士事務所に訪問できない方を対象に、無料出張相談も行っているそうです。

まずは、電話してみることから始まります。

きっと、被害者の方が取るべき対応について、適切なアドバイスをしてくれるはずです。

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一方で、スマホを持っていない方や直接弁護士と会って相談されたいという方も当然いらっしゃると思います。

また、既に弁護士へのご依頼を決めていて、交通事故に強い地元の弁護士をお探しの方もいらっしゃるかもしれません。

そんなときには、以下の全国弁護士検索サービスがおすすめです。

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何人かの弁護士と無料相談したうえで、相性が良くて頼みやすい弁護士を選ぶ、というのもお勧めの利用法です。

最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、高次脳機能障害の後遺障害等級についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

高次脳機能障害で、自賠責から後遺障害認定がされる可能性のある等級は原則1~9級ですが、12級や14級が認定される可能性もあります。

そして、高次脳機能障害で適切な後遺障害の等級が認定されるには、後遺障害診断書などの提出書類の記載が非常に重要になります。

高次脳機能障害となってしまった場合、今後の生活に大きな支障が出るため、それに備え、適正な補償を漏れがないように受けられるようにしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

このページを最後までお読みの方は、

高次脳機能障害後遺障害認定の可能性のある等級後遺障害診断書記載上の注意点

などについて理解を深めていただけたのではないかと思います。

これを読んで弁護士に相談した方が良いと思った方も多いハズです。

自宅から弁護士と相談したい場合には、スマホで無料相談の機能を利用してみて下さい。

そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。

また、このホームページでは、交通事故に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください。

皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。

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