交通事故の慰謝料(示談金)に納得いかない…納得できない場合はどうする?

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交通事故の慰謝料(示談金)に納得いかない…納得できない場合はどうする?

交通事故の被害にあい、怪我の治療で入院や通院をしなければならない場合…。

怪我が完治せずに、後遺障害が残ってしまった場合…。

大切なご家族を事故で失ってしまった場合…。

その精神的苦痛に対する損害賠償である慰謝料を受け取る必要があります。

しかし、被害者の方だけで相手側の保険会社と示談交渉した場合、保険会社から提示される慰謝料は非常に低いことが多いそうなのです。

では、交通事故に対する慰謝料に納得できない場合にはどうすれば良いのでしょうか!?

今回このページで、

交通事故に対する慰謝料に納得できない場合の対処法

について、お悩みの皆さまと一緒に見ていきたいと思います。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

「保険会社から提示された慰謝料に納得できない」、「このまま示談してしまって良いのかわからない」といったお悩みをお持ちの方は多いのではないかと思います。

実際に、そのようにお悩みのご本人やご家族の方から多くの相談を受けてきました。

その経験に基づき、具体例も交えながら、わかりやすく解説していきたいと思います。

交通事故の示談交渉において、一番やってはいけないことは、納得できないのにそのまま示談してしまうことです。

納得できていなくても、一度示談書にサインしてしまうと、どんな方法であっても覆すことはほぼ不可能となってしまいます…。

よって、相手側の保険会社からの慰謝料に納得できない場合には、諦めず、以下のような方法があるということを知っておきましょう!

慰謝料に納得できない場合の対策「3選」

慰謝料に納得できない場合の対策「3選」

まず、交通事故で怪我をした場合、病院に入院もしくは通院することになります。

その精神的苦痛に対しては、入通院慰謝料が支払われます。

怪我が完治せず、後遺障害が残ってしまった場合には、後遺障害慰謝料が支払われます。

非常に残念なことですが、被害者の方が死亡してしまった場合には、死亡慰謝料が支払われます。

しかし、予想よりも金額が低く、納得できないとお困りの方がいらっしゃるのも事実です。

昨年末に車で停車中に、後ろから車で追突されました。

今、2ケ月程で5回程通院していますが、保険会社に慰謝料の金額を確認した結果、通院日数×8000円だと言われました。

2ケ月も辛い思いをしているのに、そんなに少ない金額の慰謝料しかもらえないのでしょうか。

納得できない場合に、何かできる対策があるのであれば、知っておきたいところですよね!

まずは知っておきたい慰謝料の3つの基準

ところで、慰謝料の相場を知るにあたっては、相場基準は1つだけではないということを知っておく必要があります。

慰謝料には、

  • 自賠責保険に請求する場合
  • 任意保険会社が提示する場合
  • 弁護士が相手側や保険会社に請求する場合

の3つの基準が存在しています。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

自賠責基準

自賠責基準の慰謝料とは、自賠法に基づく省令により設定されているものです。

自賠法は、交通事故の被害者の方が最低限の補償を受けるためのものであり、その金額は低く設定されています。

任意保険基準

次に任意保険基準による慰謝料も存在しています。

ただし、任意保険会社は営利企業のため、支払う金額を低く済ませたいと考えているはずですよね。

よって、自賠責の基準よりは高いものの、慰謝料の金額は少ないことが多いということです。

弁護士基準

保険会社の基準と比較して、最も高い基準となっているのが、弁護士基準です。

これは、弁護士を付けて裁判を行った場合や相手側と示談をする場合に用いられる基準のことになります。

よって、高額の慰謝料を獲得するためには、弁護士に依頼をして示談や裁判を行うことが必要ということになるのです。

慰謝料金額の基準
自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準
内容 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの 営利企業の保険会社が支払うもの 弁護士を付けて裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの
金額 金額は低め 自賠責基準よりは高いが、金額は低め 自賠責基準や任意保険基準よりも高い

それぞれの基準で、慰謝料がどれほど違うのかは、以下の記事をご覧になってみてください。

結論としては、適正な慰謝料を獲得するためには、弁護士基準での慰謝料を獲得する必要があります。

そのためには…。

対策①弁護士に相談する

慰謝料に納得できない場合、弁護士に相談するという対策が考えられます。

というのも、お伝えの通り、被害者の方だけで示談交渉を行った場合、任意保険基準の低い慰謝料しか支払ってもらえません。

弁護士を付けて交渉すれば、弁護士基準の慰謝料を獲得できることになります。

その理由としては、弁護士を付けると裁判になる恐れがあるため、裁判を避けたい保険会社が譲歩してくるからなのだそうです。

対策②裁判を起こす

しかし、弁護士を付けても保険会社が応じない場合だったり、適正な慰謝料の8~9割程度にしかならない場合もあるそうです。

それでは納得できないという場合には、裁判をすることになります。

交通事故の流れ

交通事故の裁判では、解決までに12.3ヶ月ほどかかることが一般的のようです。

裁判になれば時間もお金もかかってしまうことにはなりますが、明確な主張立証を行えば、10割の慰謝料を獲得できます。

また、裁判で勝訴すれば、弁護士費用の一部もしくは全部についても相手側から回収できたり、遅延損害金も受け取れる可能性はあります。

遅延損害金についてはこちらの記事で詳しく解説されていますので、ご覧になってみてください。

対策③ADRに相談する

慰謝料に納得できないけれど、裁判にかかる時間やコストが心配という方は、ADRに相談するという方法もあるそうです。

ADRとは、第三者が間に入って紛争の解決点を探る、裁判以外の解決方法のことです。

交通事故分野における代表的なADRとしては、交通事故紛争処理センター日弁連交通事故相談センターなどが挙げられます。

どちらも、無料弁護士が対応してくれるだけでなく、示談の斡旋なども行ってくれるそうです。

ただし、あくまでも中立の立場であったり、電話がつながりにくい相談所もある、解決できないケースもあるなどのデメリットもあるようです。

詳しくは、こちらの記事をご覧になってみてください。

交通事故紛争処理センター
日弁連交通事故相談センター

そもそも慰謝料に納得できない事態を防ぐための対策「2選」

そもそも慰謝料に納得できない事態を防ぐための対策「2選」

以上、相手側の保険会社から提示された慰謝料納得できない場合には、弁護士基準の慰謝料を獲得する必要があり、そのための対策について見てきました。

その前に、そもそも納得できないという事態を防ぐために重要なポイントもいくつかあるようです。

ここから一緒に見ていきましょう。

対策①通院の頻度に注意

まず、入通院慰謝料に関しては、治療にかかった期間がほぼ唯一の基準となっているそうなのです。

しかし、それならば通院の頻度を少なく、期間を長めに通えば良いのか…というと、そういうことでもありません。

実際に長期間の通院が必要な怪我をしていたとしても、

通院頻度少ない場合

には、慰謝料が減額されてしまうケースもあります。

それは大変ですね…!!

通院頻度慰謝料の関係については、むちうちとそれ以外の怪我の場合で異なるようなので、それぞれについて見ていきましょう。

通常の怪我における通院頻度と慰謝料の関係

まず、むちうち以外の怪我の場合はどうなのでしょうか。

調べてみたところ、以下の2パターンに当てはまる場合には、

通院期間を限度にして、実治療日数の3.5倍程度の日数を基準として慰謝料が計算される

ことになるようです。

通院慰謝料が減額されるケース
  1. ① 通院が1年以上にわたり、通院頻度が1ヶ月あたり2~3回程度にも達しない場合
  2. ② 通院を継続しているものの、治療よりも検査や治癒経過観察の意味合いが強い場合

むちうちにおける通院頻度と慰謝料の関係

また、他覚所見のないむちうちの場合も、通常の怪我の場合同様、上記のパターンに当てはまる場合には通院慰謝料が減額されることになるようです。

ただし、むちうちの場合には、3.5倍ではなく

通院期間を限度にして、実治療日数の3倍程度を基準にして慰謝料を計算する

ことになります。

以上、通院頻度と慰謝料の関係についてまとめてみましたのでご覧ください。

通院慰謝料の算定ルール
原則 例外
通常の怪我の場合 むちうちの場合
通院期間により算定 通院期間を限度として、実治療日数の3.5倍程度により算定 通院期間を限度として、実治療日数の3倍程度により算定

ということで、入通院慰謝料について納得できないケースを事前に防ぐためにも、通院頻度には注意しましょう!

ご自身の通院頻度が適正なものなのかどうか不安な場合は、弁護士に相談してみても良いかもしれません。

対策②適正な後遺障害等級認定を受ける

また、後遺障害慰謝料については、1級~14級に分けられる後遺障害の等級に応じて金額が決まっているそうなのです。

各等級については、こちらの記事で詳しく解説されていますので、ご覧になってみてください。

そして、その認定される等級が納得できるものでなければ、慰謝料も納得できるものとはなりません。

では、納得できる等級認定を受けるためには、どうすれば良いのでしょうか…。

「被害者請求」で後遺障害等級の申請を行う

交通事故の場合、後遺障害の申請は原則として、自賠責保険に対して行うことになるそうです。

その後、自賠責保険会社は、損害保険料率算出機構という第三者機関に後遺障害認定の等級を含む全ての損害調査を委託することになります。

自賠責保険への申請方法としては、

  • 事前認定
  • 被害者請求

の2通りの方法があります。

事前認定

簡単に言うと、

相手側の任意保険会社が窓口となって被害者の方の後遺障害の等級認定を事前に確認する

方法のことになります。

事前認定の流れ

事前認定についてより詳しく知りたいという場合は、こちらの記事もご覧になってみてください。

被害者請求

簡単に言うと、

被害者ご本人が直接相手の自賠責保険に後遺障害の等級認定を請求する

方法のことです。

被害者請求の流れ

被害者請求についてより詳しく知りたいという場合は、こちらの記事もご覧になってみてください。

以上のような2つの方法ですが、事前認定の場合、「手続きが不透明」というデメリットが挙げられるそうです。

つまり、保険会社が提出した書類の内容や時期を被害者が把握できないということです。

具体的には、事案によってですが、

後遺障害が認められにくい方向に働く内容の顧問医の意見書

を付けて被害者の後遺障害の等級の認定を損害保険料率算出機構に依頼することがあるようです。

また、保険会社の担当者は多くの案件を抱えているため、申請を後回しにされてしまうケースもあるようです。

事前認定の場合、相手側の任意保険会社は必要最低限の書類しか提出してくれません。

一方の被害者請求の場合、必要資料以外に認定に有利な医療関係の資料や意見書の添付も可能となっています。

そのため、後遺障害の等級認定に争いのあるケースでは、被害者請求の方が望ましいと言えます。

つまり、納得できる慰謝料獲得に向けて適正な等級認定を受けるためには、被害者請求で申請を行うことが重要なのですね。

とは言っても、ご本人だけで被害者請求を行うことはなかなか難しいですよね。

そのような場合には、ぜひ弁護士に相談してみてください!

認定に有利となる医療関係の資料や意見書の収集やアドバイスを受けられるかもしれません。

それでも等級に納得できない場合には…

それでも等級認定結果に納得できない場合は、以下のような流れとなります。

後遺障害の認定結果通知後の流れ

異議申立て

まずは、自賠責保険に対して後遺障害認定の再判断を求める不服申立てをすることができます。

それが、異議申立てという方法です。

詳しくは、こちらの記事をご覧になってみてください。

ただし、やはり初回の認定手続きが非常に重要であり、弁護士であっても一度出た認定結果を覆すことはなかなか難しいそうです。

しかし、納得できない場合にはやってみる価値はあります。

紛争処理手続き

他には、自賠責保険・共済紛争処理機構に紛争処理申請書及び必要書類を提出するという方法があるそうです。

書類の提出を受けた場合、

  • 弁護士
  • 医師
  • 学識経験者

が紛争処理委員を務める紛争処理委員会が、提出された書面などで審査を行い、調停結果を通知するそうです。

紛争処理申請の費用は無料であり、原則として書面のみで判断され、当事者の出席は不要です。

ただし、異議申立てと異なり、紛争処理申請は1度だけしか行えません。

裁判

最終手段としては、裁判を起こすことになります。

裁判になれば、お金や時間もかかるという話がありましたが、後遺障害認定の明確な主張立証ができれば、認定結果が変わる可能性もあります。

裁判を被害者の方やご家族だけで起こすのはなかなか難しいはずなので、お困りの場合はぜひ弁護士に相談してみてくださいね!

慰謝料に納得できない事態を防ぐポイント
入通院慰謝料 後遺障害慰謝料
通院頻度に注意 適正な後遺障害等級認定を受ける

慰謝料に納得できないので弁護士に無料相談したい方はコチラ!

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以上、交通事故慰謝料納得できない場合の対策について理解を深めていただけたでしょうか。

納得できる慰謝料を受け取るためには、ぜひ弁護士に相談してみたいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

最近では、無料相談を行っている弁護士事務所も多いです。

また、被害者の方の自動車保険に弁護士費用特約がついていれば、保険から弁護士費用が支給されます。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、交通事故の慰謝料が納得できない場合の対応についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!

交通事故で被害に遭われた場合、相手側の保険会社と示談交渉するにあたっては、納得できない慰謝料などを提示されることが多くあります。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、改めて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

納得できるまで話し合い、適正な慰謝料を受け取りましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

交通事故慰謝料納得できない場合の対策

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

また、納得できる慰謝料を受け取るためには、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

自宅から出られない方や、時間のない方は、便利なスマホで無料相談を利用するのがおすすめです!

そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。

また、このホームページでは、交通事故の慰謝料に関するその他関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください!

慰謝料に納得できない場合についてのQ&A

慰謝料に納得できない場合はどうしたらいい?

慰謝料の金額に納得できない場合は、①弁護士に相談する②裁判を起こす③ADRに相談するという対処法をとることができます。①の場合は弁護士が被害者側に立ち再交渉してくれます。②の場合は裁判所が、③の場合は弁護士などの第三者が、中立的な立場として加害者との間に入ってくれます。ただしどの方法も、メリットがある一方で注意点もあるため、よくご確認ください。 慰謝料に納得できない場合の対処法

ADRとは?

ADRとは、裁判所以外の場所で弁護士などの第三者が間に入って紛争の解決点を探る解決方法のことを言います。この方法を使えば、加害者との間に無料で弁護士などが入ってくれます。ただし、第三者はあくまで中立的な立場であること、ADRでは解決に至らない可能性もあることに注意が必要です。 ADRの詳細とADR機関のご紹介

慰謝料に納得できない!とならないためには?

そもそも納得できない慰謝料なることを避けるには、①通院の頻度に気を付けること②適切な後遺障害等級を認定されることが重要です。通院期間が長くても通院頻度が低かったり、検査や経過観察の意味合いが強い場合には、入通院慰謝料が減額されてしまう可能性があります。また、後遺障害慰謝料は等級に応じて決まっているので、適切な等級よりも低い等級に認定されてしまうと、その分後遺傷害慰謝料も少なくなってしまうのです。 納得のいく慰謝料になるためのポイント

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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