小学生が交通事故により高次脳機能障害を負った判例

SIJ 2016年7月21日 | 高次脳機能障害
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認容額 1 億 2133万1842円
年齢 8歳
性別 男性
職業 小学生
傷病名

急性硬膜下血腫,脳挫傷,外傷性くも膜下出血,右後頭骨骨折等

障害名 高次脳機能障害
後遺障害等級 1級
判決日 平成25年10月3日
裁判所 東京地方裁判所

交通事故の概要

平成20年12月11日午後3時14分頃、神奈川県川崎市宮前区有馬6丁目7番にある交通整理の行われていない交差点において、加害者運転の普通乗用自動車が直進しようとした際に、加害者と交差するように本件交差点を進行しようとした被害者運転の自転車と衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故により自転車とともに路上に転倒し、急性硬膜下血腫等の傷害を負った。事故後病院へと搬送され、約6か月の入院と約1年の通院をして治療を受け、平成22年6月に症状固定の診断を受けた。

後遺障害の内容

被害者は、症状固定後に記憶障害・失語・感情コントロール低下などの重度な障害が残っており、高次脳機能障害における「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し常に介護を要するもの」として、後遺障害等級1級の認定を受けた。

判決の概要

本件時事故の裁判では、事故態様及び被害者の損害額についてが主な争点となった。
事故態様では、被害者が事故時8歳であったことを勘案すると、被害者がヘルメットを着用していなかったことや本件自転車を一時停止することなく本件交差点に進入したことを考慮しても、過失相殺するほどの過失はないと判断された。
被害者の損害額については、高次脳機能障害の症状がひどく、労働能力喪失率100%・喪失期間57年間として逸失利益を算定した。

認容された損害額の内訳

治療関係費 409万1224円
入院付添費 110万5000円
入院雑費 25万5000円
通院交通費 7万2229円
通院付添費 382万円
将来介護費 7726万4295円
逸失利益 6768万3109円
慰謝料 3493万円
介護器具代等 28万 6843円
既払保険金等 - 7857万 0532円
弁護士費用 1040万円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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