交通事故の赤本とは|青本との違いはどこ?慰謝料を赤本基準でもらう方法は?

  • 交通事故,赤本

交通事故の赤本とは|青本との違いはどこ?慰謝料を赤本基準でもらう方法は?

交通事故では赤本が重要になるって聞いたけどどんな本なの?」

「交通事故には赤本以外に青本っていうのもあると聞いたけど違いは何?」

「交通事故でしっかり示談金をもらうには赤本を購入しなければいけないの?」

交通事故にあわれた方は、「赤本」や「青本」の存在を耳にしたことはあっても、具体的な中身や両者の違いまではよく知らないかもしれません。

このページでは、そんな方のために

  • 交通事故の赤本とは何か
  • 交通事故の赤本と青本の違いはどこにあるか
  • 交通事故の示談金を赤本基準でもらうにはどうすればいいか

についてご紹介していきたいと思います!

専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。

弁護士の岡野です。よろしくお願いします。

交通事故において、赤本はとても重要な存在ですが、その具体的内容までご存じの一般の方は少ないかと思います。

また、交通事故には赤本以外に青本というこちらも重要な本もありますので、その内容や両者の違いについてもお伝えしていきたいと思います。

さらに、被害者の方が気になっているであろう適正な示談金を受け取る方法についてもご説明していきたいと思います。

まずは、交通事故赤本とは何かという基礎知識から確認していきましょう!

交通事故の赤本とは何か?

交通事故の赤本とは何か?

交通事故損害賠償金を計算する実務基準

日弁連交通事故相談センター東京支部が赤本を作成

赤本の正式名称

冒頭から「赤本」という名前を使っていますが、これは通称であり、正式名称が存在します。

上のツイートのとおり、赤本の正式名称は民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準といいます。

「赤本」が通称となっているのは、表面のカバー全体が赤色であることが由来になっています。

この赤本は、日弁連交通事故相談センター東京支部毎年発行している本になります。

赤本の役割

赤本は、東京地裁の実務に基づき、裁判例の傾向を考慮して作成された損害賠償金計算するための基準が掲載されています。

この赤本が交通事故における示談金・損害賠償金の基準として、実務で広く用いられています

赤本は法曹関係者向けの交通事故の専門書ですので、一般の方は通常ご存じないかと思います。

この赤本には、交通事故の損害項目ごとに、損害賠償金の相場が掲載されています。

交通事故の参考判例や過失割合の基準も赤本は掲載

それ以外にも、交通事故の参考になる判例過失割合の基準についても赤本には掲載されています。

具体的には、交通事故の損害項目ごとに参考になる裁判例の判旨が最新のものも含め、数多く掲載されています。

また、過失割合の基準には別冊判例タイムズというものが実務上用いられていますが、その基準を圧縮した形式で掲載されています。

交通事故の赤本は基準編と講演録編の上下巻セット

なお、交通事故の赤本は、損害賠償金の計算基準が掲載された上巻の基準編と講演録が掲載された下巻の講演録編のセットになっています。

下巻の講演録編には、東京地裁の交通事故専門部の裁判官が毎年行っている講演の内容が掲載されています。

下巻の講演録も、交通事故裁判における最新の問題についての裁判所の見解が掲載されているため、交通事故実務において重要な存在になります。

赤本の基礎知識
正式名称 民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準
発行 日弁連交通事故相談センター東京支部
役割 東京地裁の実務に基づき裁判例の傾向を考慮して作成された実務上広く用いられている損害賠償金の計算基準
内容 ・損害項目ごとに、損害賠償金の相場が掲載
・損害項目ごとに参考判例の判旨が最新のものも含め多数掲載
・別冊判例タイムズの過失割合の基準を圧縮したものも掲載
発行頻度 1

慰謝料を赤本基準で計算するといくら?

赤本には交通事故損害賠償金計算基準が損害項目ごとに掲載されていることがわかりました。

では、ここからは、実際に交通事故の損害項目の一つである慰謝料の計算を赤本の基準で行った場合にどうなるかを見ていきたいと思います!

交通事故の慰謝料は大きく

  • 入通院慰謝料傷害慰謝料
  • 後遺症慰謝料
  • 死亡慰謝料

に分けられますので、それぞれについて一つずつ確認していきましょう!

入通院慰謝料(傷害慰謝料)の赤本の表は二種類

交通事故の入通院慰謝料(傷害慰謝料)について、赤本では二種類のが掲載されています。

軽症・むちうちの入通院慰謝料表

その内の一つである、むちうちや打撲などで他覚所見のない場合の入通院慰謝料(傷害慰謝料)の赤本の表は以下のとおりです。

軽症・むちうちの慰謝料算定表

軽症・むちうちの慰謝料算定表

表をご覧いただいてわかるかと思いますが、傷害慰謝料は、原則として入通院期間を基礎にして赤本の基準では計算されます。

例えば、交通事故による他覚所見のないむちうちで、入院1か月、通院5か月をされた方の入通院慰謝料を赤本の表で計算すると105万円になります。

ただし、通院が長期にわたる場合には、

  • 症状
  • 治療内容
  • 通院頻度

をふまえて、実通院日数の3倍程度を慰謝料計算のための通院期間の目安とすることもあるのでその点には注意しましょう。

例えば、むち打ちで10か月通院していた場合、赤本の基準ですと、傷害慰謝料は原則として113万円になります。

しかし、10か月通院していても、月に3日しか通っていなかった場合、慰謝料計算のための通院期間の目安は、症状や治療内容次第では

3日×10か月×3=90日(3か月)

としなり、53万円しかもらえない可能性があります。

重傷の入通院慰謝料

一方、先ほどの場合以外の通常の場合の入通院慰謝料(傷害慰謝料)の赤本の表は以下のとおりです。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

むちうちなどの場合同様、傷害慰謝料は、原則として入通院期間を基礎にして赤本の基準では計算されます。

例えば、交通事故による骨折で、入院2か月、通院4か月をされた方の入通院慰謝料を赤本の表で計算すると165万円になります。

ただし、通院が長期にわたる場合には、

  • 症状
  • 治療内容
  • 通院頻度

をふまえて、実通院日数の3.5倍程度を慰謝料計算のための通院期間の目安とすることもあるのでその点には注意しましょう。

例えば、骨折で10か月通院していた場合、赤本の基準ですと、傷害慰謝料は原則として145万円になります。

しかし、10か月通院していても、月に6日しか通っていなかった場合、慰謝料計算のための通院期間の目安は、症状や治療内容次第では

6日×10か月×3.5=210日(7か月)

としなり、124万円しかもらえない可能性があります。

交通事故の後遺症慰謝料の赤本基準

交通事故の後遺症慰謝料の計算の基準について、赤本では等級ごとに以下のように定められています。

弁護士基準による慰謝料の相場

なお、入通院慰謝料(傷害慰謝料)と後遺症慰謝料は別個に請求できるので、その点は忘れないようにしましょう。

交通事故の死亡慰謝料の赤本基準

そして、交通事故の死亡慰謝料の計算の基準について、赤本では、被害者の立場ごとに以下のように定められています。

死亡慰謝料の赤本基準
被害者の立場 金額
一家の支柱 2800万円
母親、配偶者 2500万円
その他 2000万円~2500万円

なお、死亡慰謝料は

  • 死亡してしまった被害者本人の慰謝料
  • 遺族の慰謝料

の二種類が考えられるところ、上の赤本基準の金額は二種類を合計した金額である点には注意しましょう。

ここまでお伝えしてきた慰謝料の赤本基準での金額を簡単に計算できるサービスが以下の慰謝料計算機になります。

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登録手続きなども不要で、項目をいくつか入力するだけの簡単な手続きですので、ぜひご利用ください!

任意保険基準と赤本基準の慰謝料の差額

これで、交通事故慰謝料計算赤本基準で行った場合の金額についてはお分かりいただけたかと思います。

しかし、気になるのは、以下のツイートのようなことかと思います。

はたして、加害者側の保険会社の示談金提示の根拠となる任意保険基準と赤本基準とでは慰謝料にどれ位の差があるのでしょうか?

入通院慰謝料(傷害慰謝料)の差

現在では、任意保険基準は保険会社によって異なり、その基準は一般には公開されていません。

しかし、以前には保険会社は統一の任意保険基準を利用していました。

その旧統一任意保険基準の入通院慰謝料(傷害慰謝料)のは以下のようになっています。

旧任意保険支払基準による入通院慰謝料

旧任意保険支払基準による入通院慰謝料

先ほどの赤本基準の表に比べるとだいぶ金額が少ないですね・・・。

なお、こちらの表は通院日数や症状によって、減額や増額の補正がなされます。

お伝えしてきた表に基づき、赤本基準との入通院慰謝料(傷害慰謝料)の差額を調査した結果は以下のとおりになります!

任意保険基準と赤本基準との入通院慰謝料の差額
月数 通院慰謝料 入院慰謝料
6.4 9.8
10.8 15.6
15.2 16.4
19.1 20.2
22.3 21.6
24.7 23.5
26.4 23.9

※他覚所見のないむち打ち症を想定

割合軽症なむち打ちの通院でも、5ヶ月を超えると20万円以上も任意保険基準と赤本基準とでは差があるんですね!

後遺症慰謝料の差

続いて、後遺症慰謝料についても特別に旧統一任意保険基準を確認させてもらい、任意保険基準と赤本基準との差額を調べてみました!

その調査結果が以下の表になります。

後遺症慰謝料の任意保険基準と赤本基準との差額
等級 任意保険基準 赤本基準との差額
1 1300 1500
2 1120 1250
3 950 1040
4 800 870
5 700 700
6 600 580
7 500 500
8 400 430
9 300 390
10 200 350
11 150 270
12 100 190
13 60 120
14 40 70

ほとんどの等級で倍以上、等級によっては3倍も金額が変わってくるんですね!

死亡慰謝料の差

最後に、死亡慰謝料についても特別に旧統一任意保険基準を確認させてもらい、任意保険基準と赤本基準との差額を調べてみました!

その調査結果が以下の表になります。

死亡慰謝料の任意保険基準と赤本基準との差額
被害者の立場 任意保険基準 赤本基準との差額
一家の支柱 1500万〜2000 800万~1300
母親、配偶者 1200万〜1500 1000万~1300
その他 1300万〜1600 400万〜1200

被害者の立場にもより、幅もありますが、大体倍近くも金額が変わってくるんですね!

このように、任意保険会社が通常示談金として提示してくる慰謝料の金額と赤本基準で計算した金額とでは大きな差があります。

そして、実務に基づき、裁判例の傾向を考慮して作成された赤本基準が適正な損害賠償金の相場の基準といえます。

どうすれば赤本基準の適正な損害賠償金が受け取れるかについては、後ほど詳しくご紹介していきたいと思います。

交通事故の赤本と青本の違いはどの部分?

交通事故の赤本と青本の違いはどの部分?

ここまでで、交通事故赤本についてはご理解いただけたのではないかと思います。

これで一安心・・・かと思いきや、こんな声もtwitterでは聞かれます。

なんと、交通事故では赤本だけでなく青本というものもあり、それも重要だということのようです。

そこで、続いては交通事故の青本とは何かについて確認していきたいと思います!

交通事故の青本とは?

赤本同様、青本というのも通称であり、正式名称は「交通事故損害額算定基準ー実務運用と解説ー」といいます。

「青本」が通称となっているのは赤本同様、表面のカバー全体が青色であることが理由になっています。

この青本は、日弁連交通事故相談センター本部が発行している本になります。

青本にも、実務の運用に基づいた損害項目ごとの損害賠償金計算するための基準と全国の参考判例が赤本同様掲載されています。

https://twitter.com/I23I7AA46eyec/status/770633462222983168

上記のツイートのとおり、青本の損害賠償額の計算基準は、赤本と並んで、有力な基準であると考えられています。

交通事故慰謝料の赤本と青本の違いは?

交通事故青本は、実務の運用に基づいた損害項目ごとの損害賠償金計算するための基準である点で赤本と共通しています。

では、交通事故の赤本と青本の違いはどこにあるのでしょうか?

まず慰謝料に関しては、赤本と青本の違いは金額に幅を持たせているかどうかという点になります。

先ほどご覧いただいたとおり、赤本の慰謝料の基準は基本的に金額が明確に記載されており、幅を持たせない形になっています。

それに対し、青本の慰謝料の基準は金額に幅を持たせ、症状や被害者の個別事情によって、その範囲内で金額を調整する形になっています。

赤本と青本の入通院慰謝料の違い

具体的に、入通院慰謝料の青本の基準を抜粋したものは以下のようになっています。

青本基準の入通院慰謝料(抜粋)
月数 通院慰謝料 入院慰謝料
1629 3260
3157 63117
4684 92171
57105 115214
67123 135252
76139 153284
84153 168312

※特に症状が重い場合、上限額の2割増しまで考慮

目安としては、他覚所見のないむち打ち症や軽い打撲の場合は下限を、通常の損害については上限の7~8割程度とされています。

かかる目安に基づくと、赤本基準よりも青本基準で計算した入通院慰謝料はやや安くなることになります。

赤本と青本の後遺症慰謝料の違い

続いて、交通事故の後遺症慰謝料につき、赤本と青本の基準の金額を比較したものが以下の表になります。

赤本と青本の後遺症慰謝料の比較
後遺障害等級 赤本 青本
1 2800 27003100
2 2370 23002700
3 1990 18002200
4 1670 15001800
5 1400 13001500
6 1180 11001300
7 1000 9001100
8 830 750870
9 690 600700
10 550 480570
11 420 360430
12 290 250300
13 180 160190
14 110 90120

青本基準では、特段の事情がない限り下限付近の後遺症慰謝料が認定されることが多いようです。

そのため、赤本基準よりも青本基準で計算した後遺症慰謝料の方がやや安くなる傾向にあるようです。

赤本と青本の死亡慰謝料の違い

最後に、交通事故の死亡慰謝料につき、赤本と青本の基準の金額を比較したものが以下の表になります。

赤本と青本の死亡慰謝料の比較
被害者の立場 赤本 青本
一家の支柱 2800万円 2700万~3100
母親、配偶者 2500万円 2400万~2700
その他 2000万円~2500万円 2000万〜2500

青本基準では、特段の事情がない限り下限付近の死亡慰謝料が認定されることが多いようです。

そのため、赤本基準よりも青本基準で計算した死亡慰謝料の方がやや安くなる傾向にあるようです。

以上のことから、基本的には赤本基準の方が損害賠償金が高額になる可能性が高いといえるでしょう。

ただし、慰謝料増額を主張できる特別な事情がある場合には、青本基準の方がかえって損害賠償金が高額になる可能性もあります。

慰謝料以外の赤本と青本の違いはどこ?

では、慰謝料以外の赤本青本違いはどんなところにあるのでしょうか?

解説部分の記載

まず、挙げられるのは、各損害項目ごとの冒頭に記載されている解説部分の記載です。

赤本は、解説部分はシンプルで、基本的に結論部分のみが記載されています。

それに対して、青本は、赤本よりも解説部分が詳しく記載されているという違いがあります。

https://twitter.com/Bibendum65/status/851047003035279361

そのため、交通事故の損害賠償についての理解を深めたいという方は青本を読んだ方がいいと考えられます。

過失割合の基準

赤本の基礎知識でお伝えしたとおり、赤本には別冊判例タイムズの過失割合の基準を圧縮したものが掲載されています。

それに対して、青本には過失割合の基準は掲載されていないという違いがあります。

発行の頻度

赤本の基礎知識でお伝えしたとおり、赤本は毎年発行されています。

それに対して、青本は隔年で発行されているという違いがあります。

適用の地域

赤本は、日弁連交通事故センターの東京支部が東京地裁の実務に基づき作成したものであり、元々の適用は東京地裁を想定しています。

それに対して青本は、日弁連交通事故センターの本部が作成したものであることからもわかるとおり、適用は全国の裁判所を想定しています。

先ほどお伝えした青本の慰謝料に幅を持たせているのは、物価など地域ごとの差に対応するためというのが理由の一つであるともいわれています。

ただし、赤本が広く実務で用いられるようになったことから、東京以外の地域でも赤本の基準が用いられることも比較的多いようです。

なお、赤本、青本以外にも、大阪地裁で用いられる緑本名古屋地裁で用いられる黄色本という損害賠償の基準も存在します。

もっとも、大阪や名古屋以外にお住まいの方はひとまず、赤本と青本についてだけ理解しておけば十分でしょう。

赤本と青本の違い
赤本 青本
慰謝料の幅 (原則)なし あり
解説部分の記載 シンプル 詳細
過失割合の基準 掲載されている 掲載されてない
発行の頻度 毎年 隔年
適用地域 東京地裁
(全国の裁判所)
全国の裁判所

交通事故の示談金を赤本基準でもらうには

交通事故の示談金を赤本基準でもらうには

ここまでで、交通事故の適正な示談金損害賠償金は、赤本基準計算された金額であることがお分かりかと思います。

では、実際に交通事故の示談金を赤本の基準で受け取るにはどうすればいいのでしょうか?

交通事故の示談に際し赤本購入は必須?

まず、交通事故示談交渉に際し、示談金損害賠償金赤本基準で受け取るには、赤本の購入が必須なのでしょうか?

赤本や青本は法律関係者向けの専門書であり、一般の書店では購入できないものです。

もっとも、一般の方でも、赤本や青本を日弁連交通事故相談センターから購入することは可能です。

そして、赤本や青本を購入しておけば、保険会社との示談交渉の際、提示してきた示談金が適正かを判断するためには、有用であるとはいえます。

しかし、一般の方が赤本基準で損害賠償金を請求しても、示談の段階で赤本基準の示談金を受け取ることは通常できないことになっています。

そして、単純に赤本の基準の損害賠償金を計算したいだけであれば、先ほどの慰謝料計算機の利用や弁護士への相談により目的を達成できます。

以上からすれば、交通事故の示談に際し、赤本は購入すれば参考にはなるものの必須ではないと考えられます。

賠償金を赤本基準でもらうには原則裁判

先ほど、一般の方が損害賠償金赤本基準計算して請求しても、任意保険会社は示談には応じないとお伝えしました。

それは、あくまで赤本の基準は東京地裁の実務に基づき、裁判例の傾向を考慮して作成された基準であり、裁判を前提にしたものだからです。

そのため、一般の方が損害賠償金を赤本の基準で受け取りたいのであれば、原則として裁判を起こさなければいけないということになります。

ただし、裁判においても、損害賠償金を赤本の基準で受け取るには、適切な主張・立証が必要になってきます。

そして、事案にもよりますが、一般の方だけでは、裁判の場において適切な主張・立証をすることが難しい場合もあります。

弁護士に頼めば赤本基準での示談が可能

賠償金赤本基準で受領するために裁判をするのは時間も掛かり、適切な主張・立証が必要なため、ためらわれる方もいると思います。

しかし、ある方法であれば、裁判をせずに示談の段階で赤本の基準に基づく示談金・損害賠償金を受け取れる可能性が高まります。

それは、弁護士に依頼するということです。

しかし、なぜ弁護士に依頼すれば、示談を赤本基準ですることが可能になるのでしょうか?

弁護士に依頼した場合、任意保険会社との示談が成立しなけければ、弁護士は裁判を起こします。

そして、弁護士なら裁判の場で適切な主張・立証ができる可能性が高く、結局保険会社は赤本基準での賠償金を払う義務を負う可能性が高くなります。

そのため、保険会社は、早期に解決でき、遅延損害金の支払わなくてよい示談の段階での赤本基準に基づく支払に応じようと合理的に判断するからです。

このように、交通事故の損害賠償金を赤本の基準で受け取りたいのであれば、弁護士に依頼するという方法が一番早期かつ確実と考えられます。

弁護士への依頼は、通常弁護士費用が掛かりますが、弁護士費用より赤本基準で受領することによる賠償金の増額幅の方が大きいことも多いです。

また、弁護士特約により、ご自身の負担なく弁護士に依頼できる場合もありますので、まずは弁護士に相談していることをおすすめします。

交通事故の賠償金を赤本の基準で受け取れる確率
方法\弁護士 依頼なし 依頼あり
示談 極めて低い かなり高い
訴訟 高め 高い

※あくまで一般的な傾向

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、交通事故でお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

交通事故の赤本の損害賠償金の計算基準を知っておくことは、保険会社との示談交渉においてとても重要です。

もっとも、赤本の損害賠償金の計算基準を知っているだけで、実際に赤本の損害賠償基準に基づく賠償金を受け取れるようになるわけではありません。

適正な賠償金相場である赤本の基準での損害賠償金を受け取りたいのであれば、弁護士への依頼の検討も含め、まずは弁護士に相談してみて下さい。

まとめ

いかがだったでしょうか。

このページを最後までお読みの方は、

  • 交通事故の赤本とは何か
  • 交通事故の赤本と青本の違いはどこにあるか
  • 交通事故の示談金を赤本基準でもらうにはどうすればいいか

について理解を深めていただけたのではないかと思います。

これを読んで弁護士に相談した方が良いと思った方も多いハズです。

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また、このホームページでは、交通事故に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!

皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。

交通事故の赤本に関するQ&A

交通事故の赤本の役割って何?

赤本の正式名称は「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」です。交通事故における示談金・損害賠償金の基準として広く利用されています。裁判例の傾向を考え、作成された損害賠償金を計算するための基準が掲載されています。また、交通事故裁判における最新の問題についての裁判所の見解も掲載されているため実務では重要な存在です。 交通事故の赤本とは何か?

交通事故の青本は赤本と何が違うの?

青本は、損害賠償額の計算基準と全国の判例が参考として掲載されています。日弁連交通事故相談センター本部が発行しています。違いのひとつに、慰謝料の表記方法があります。青本の慰謝料の基準は症状や被害者の個別事情によって慰謝料などの金額が変わるので金額に幅を持たせて記載されています。一方の赤本では慰謝料の明確な金額が基準として掲載されています。 交通事故の赤本と青本の違いはどの部分?

赤本にある慰謝料はそのままもらえる?

赤本の損害賠償金の計算基準を知っているだけでは難しいかもしれません。もちろん交通事故の赤本に記載された計算基準を知っておくことは保険会社との示談交渉の場面で大変重要です。ですが、実際に赤本の計算基準そのまま受け取れるとは限りません。そのため弁護士に一度相談することをおすすめいたします。 赤本水準の慰謝料獲得を目指したい

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