交通事故で足を骨折…後遺障害や慰謝料はどうなる!?|足の後遺障害完全ガイド
交通事故で足首や足指を骨折などの重傷を負ってしまうと、その後、まともに歩くことができるようになるのか、大変不安なことと思います。
関節などの足に機能障害が生じてしまうと、日常生活にも大きな影響が出てしまいます。
自由に移動ができないことは、精神的にも大きなストレスになりますよね。
このページでは、交通事故で足に後遺障害が残ってしまわれた方に向けて、代表的な後遺障害の種類や慰謝料の相場、弁護士に相談するメリットをご紹介いたします。
目次
足首・足指の外傷の基礎知識
足首・足指の構造
膝から足首までのすねの部分は、2本の長い骨により構成されています。この2本の長い骨のうち、すねの部分にある太い骨を脛骨(けいこつ)、細い方を腓骨(ひこつ)といいます。
太い脛骨が膝上からの全体重を支える役割をしており、外側にある細い腓骨は足首の微妙な動きを可能にしたり歩行や着地の際にショックを吸収したりする役割をはたしています。
▼ 脛骨(太い方)と腓骨(細い方)
足首の外傷
脛骨・腓骨遠位端骨折
以上のとおり、脛骨と腓骨の2本の骨が、いわゆる「すね」の部分を構成する骨です。そして遠位端とは、体の中心から離れている部分をいいますので、脛骨・腓骨の遠位端骨折とは、足首近くの脛骨・腓骨の骨折のことをいいます。
症状としましては、多くの場合、痛みや腫れが強く、足をつくこと、歩行することが困難となります。
足関節果部骨折
足関節果部とは、腓骨の遠位部にあたる外果、脛骨遠位端前側の内果と脛骨遠位端後側の後果のことであり、いわゆる「くるぶし」と呼ばれている部分です。
この部分は、足首を強く捻ったり衝撃が加わったりすることで骨折する場合が多いです。足首やくるぶしの部分は、細かな関節であり、多くの靭帯に支えられているため、足関果部骨折の場合、靭帯も損傷してしまうケースが多いです。
症状としては、多くの場合、強い痛みと腫れを伴い、体重をかけて足をついたり歩行したりするのが困難になります。
足指の外傷
骨折
距骨(きょこつ)とは、足首を構成する骨の一つで、脛骨遠位端と以下で説明する踵骨に挟まれて存在しています。
背屈状態(アキレス腱を伸ばす際の足首を曲げた状態)で衝撃が加わった際に、脛骨と踵骨に圧迫され骨折することが多いです。交通事故の場合、距骨骨折はバイクを運転中の事故でとっさに足を突いた際に発生する場合が圧倒的に多いです。
症状としては、激痛と激しいはれがあり、足をつくと脛骨と踵骨から挟まれて圧迫を受け更なる激痛が走ります。そのため、立つことはほぼ不可能です。
踵骨骨折
踵骨(しょうこつ)とは、かかとの部分にある骨で、距骨の下に位置しています。
直立のまま着地するなど、地面に対し垂直の力が加わると、主にかかとにその衝撃が集中するため、踵骨骨折が発生しやすいといえます。
症状としては、激しい痛みと腫れがあり、また、かかとに体重がかかった場合に痛みが強まります。なお、踵骨は足関節を構成する骨ではないため、関節の異常可動は生じません。
リスフラン関節脱臼骨折
リスフラン関節とは、足の甲の中央あたりにある、足首周辺の骨と指につながる骨の間の関節部分をいいます。足の甲中央の膨らんでいる部分の関節というとイメージがわきやすいでしょう。
この関節部分が脱臼・骨折し、又は周辺にある靭帯を損傷することをリスフラン関節脱臼骨折といいます。
交通事故による場合では、衝突時に足を強打したり、挟まれたり、踏まれたりすることの多いバイク運転中のケースで多発しています。
症状は、脱臼や骨折の場合、強い痛みと腫れが生じることが多いですが、軽度の損傷にとどまれば、打撲や捻挫と間違えられることもあります。
指の骨折
交通事故が原因で、足の指を骨折することも多く、特に足の外側に位置する親指と小指は骨折しやすいといえます。
交通事故による足指の骨折は、主にタイヤの下敷きになり、又は変形した車体に挟まれることで発生することが多いです。
症状としては、激痛と腫れを伴うことが多く、その場合、足の指に力が入らず、踏ん張ることができません。しかし、軽度の場合、歩けてしまうこともあり、打撲と勘違いされてしまうこともあります。
外傷の種類 | 特徴 |
---|---|
脛骨・腓骨 遠位端骨折 |
・激痛・腫脹・変形 ・歩行が困難 |
足関節果部骨折 | ・くるぶし部分の強い捻りで骨折 ・多くは靭帯損傷伴い、激痛・腫脹ある ・歩行困難 |
距骨骨折 | ・脛骨と踵骨の圧迫で骨折 ・激痛・腫脹により歩行は不可能 |
踵骨骨折 | ・つぶれるように骨折 ・激痛・腫脹でかかとを地面につけられない |
リスフラン関節脱臼 骨折 |
・脱臼・骨折の場合には激痛・腫脹 ・軽度の損傷の場合、捻挫と間違われることあり |
足指の骨折 | ・重傷の場合、激痛・腫脹 ・程度によっては歩行可能で、打撲や捻挫と間違われることあり |
機能障害だけじゃない?足首・足指の後遺障害と等級
足首・足指の欠損障害
交通事故による足首・足指への外傷により、足首や足指の全部又は一部を失ってしまうことがあります。原因としては、直接失ってしまう場合や感染症・血行不順により切断する場合があります。
このような場合、足首・足指の欠損障害として後遺障害の認定がされることになります。
足首の欠損
足首の場合は、失った(切断・離断した)箇所がどこか及び失った足が両方か片方かにより異なる等級認定がされます。
具体的には、足関節以上(ひざ関節と足関節との間において切断又は足関節において、脛骨及び腓骨と距骨とを離断)を両方失った場合は2級4号、片方の場合は5級5号が、リスフラン関節以上を両方失った場合は4級7号、片方の場合は7級8号が認定がされます。
足指の欠損
足指を指の根元から失ってしまった場合は、足指の欠損障害として、失った指の本数や失った指の種類により異なる等級の認定がされることになり、認定基準としては5級から13級まで存在します。
具体的には、両足の全ての指を失った場合に5級8号、片足の全ての指を失った場合に8級10号と認定されます。ここで指を失うとは、根元から失うことを意味し、先端を失った場合は含みません。
また、足指全てを失っていないケースでは、失った足指の組み合わせにより細かく基準が設けられており、以下の様になります。
片足の第1の足指を含み2本以上指を失った場合に9級14号、片足の第1の足指を失った場合か他の4本の指を失った場合のいずれかであれば10級9号にあたります。
また、片足の第2の足指を失った、第2の足指を含み2本の足指を失った、又は第3から第5までの3本の足指を失った場合のいずれかにあたれば12級11号です。
これ以外で、片足の第3~第5までの足指のうち、1又は2本を失った場合には、13級9号に認定されます。
以上に示した基準に該当しない場合には、基準に照らして個別的に準用等級を認定されることになります。
足首・足指の機能障害
交通事故による足首・足指への外傷により、足首や足指の可動域が制限されることがあります。このような場合、足首・足指の機能障害として後遺障害等級認定がされることになります。
足首の機能障害
足首の場合は、可動域の範囲や程度、人工関節等への置換の有無により8級から12級で認定されることになります。
具体的には、片足の足関節が強直したもの、又は人工関節へ置換したもので健康な方と比べ1/2以下に可動域が制限された場合には、8級7号が認定されます。
次に、片足の足関節の動きが、健康な方と比べ1/2以下に制限されたもの、又は人工関節へ置換したものについて上記8級7号に該当しないものは、10級11号が認定されます。
これ以外に、片足の足関節の動きが健康な方と比べ3/4以下に制限されたものについては12級7号にあたります。
可動域が制限された程度が重要ですので、自賠責保険において定められた基準にしたがい、正確に測定する必要があります。
足指の機能障害
足指の場合、機能障害が残った指の種類・本数により異なる等級の認定がされることになります。この場合、認定の基準は、7級から14級まで存在しています。
なお、足指の動きが制限された場合の他、足指の欠損障害(根元から失うもの)に該当しない足指の一部の欠損の場合でも、この機能障害として認定されることがあります。
足首・足指の神経障害
交通事故による足首・足指の外傷が回復しても、痛みや痺れが残るケースも多いです。このような状態を神経障害といい、後遺障害として認定されることがあります。
この場合、その症状が、足首や足指の外傷によるものと医学的に証明できるか、又は医学的に説明可能な(矛盾しない)程度にとどまるかにより、12級か14級という異なる後遺障害等級認定がなされます。
ただし、同一部位に他の障害(欠損障害、変形障害、機能障害その他)を残し、これに伴ってその神経症状が発生しているケースでは、神経障害は独立して認定されません。
足首・足指の 欠損障害 |
足首や足指の全部又は一部を喪失すること。 等級の認定は、 ・足首の場合、失った箇所、失ったのが片足か両足か、 ・足指の場合、失った指の本数や種類により 異なる。 |
---|---|
足首・足指の機能障害 | 足首や足指の可動域が制限されること。 等級の認定は、 ・足首の場合、可動域制限の範囲・程度や人工関節等への置換の有無により ・足指の場合、機能障害が残った指の種類や本数により 異なる。 |
足首・足指の 神経障害 |
足首や足指に痛みや痺れといった神経症状が残ること。 等級の認定は、 その症状が外傷によることが医学的に証明できるか否かにより異なる。 |
弁護士相談のメリット
足首・足指の後遺障害慰謝料の相場
後遺障害の慰謝料は、後遺障害の等級によりおおよその金額が決まります。この等級は、1級から14級まであり、1級が最も重い障害ということになります。
足首・足指の後遺障害について、その慰謝料相場(裁判での基準)は下にまとめた通りですが、一言で後遺障害といっても足首や足指を失ってしまうものから、神経障害を残すものまで、具体的なケースによって様々です。
また、足首・足指に後遺障害を残している場合、足首・足指以外の後遺障害を併発している場合もあり、その場合、より高額な慰謝料が請求できる可能性があります。
後遺障害の慰謝料相場
障害の分類 | 裁判における相場水準 |
---|---|
足首の欠損障害 | 1000~2370万円 |
足指の欠損障害 | 180~1400万円 |
足首の機能障害 | 290~830万円 |
足指の機能障害 | 110~1000万円 |
足首・足指の神経障害 | 110~290万円 |
弁護士相談のメリット
交通事故で足首・足指に後遺障害が残ってしまった場合、日常生活での基本動作の一つである歩くことに支障が出て、移動の自由に大きな制約が加わります。
そのため、足首・足指の後遺障害に対して、せめて少しでも多く慰謝料を受け取りたいというのは自然な考えです。
それにもかかわらず、保険会社等からの提示額は、以上にまとめた弁護士の基準(裁判での基準)の半分以下であることがほとんどです。
弁護士に依頼すれば、まず適切な後遺障害等級認定をされるようにサポートを受けることが可能です。
そして、そのあるべき等級の認定の他、被害者が仕事やプライベート等の日常生活でどれほどの支障をきたしているかを、裁判で適切に主張・立証することが可能です。
特に、足首や足指は、同じ可動域制限の症状でも、それが少し違うように認定されるだけで慰謝料の額もかなり変わってくる等、裁判所での具体的な事実認定が慰謝料の額に大きく影響する可能性があり、そのために、裁判所で適切な主張・立証を要することも多いため、専門家である弁護士に依頼するメリットが大きいといえます。
このように適正な慰謝料額への増額をするためには、交通事故に強い弁護士に依頼し、裁判で必要十分な主張・立証を行うことが重要といえるでしょう。
弁護士に 依頼する メリット |
・適正な等級認定をサポート ・裁判での基準により保険会社提示額をはるかに上回る水準の慰謝料を期待できる ・等級以外にも、裁判で被害者の精神的苦痛を具体的に主張・立証することで、適正な慰謝料額に増額する活動が可能(交通事故に強い弁護士) ・被害者の不安が和らぐ |
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慰謝料額に影響する 要素の例 |
・後遺障害等級 ・労働能力への影響 ・日常生活上の不利益 ・精神的苦痛の程度 |
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いかがでしたか?
この記事をお読みの方には、「交通事故で足を骨折…後遺障害や慰謝料はどうなる!?|足の後遺障害完全ガイド」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないかと思います。
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この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
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