後遺障害に対する損害賠償|自賠責や労災、等級による損害賠償金の違いとは?

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後遺障害に対する損害賠償|自賠責や労災、等級による損害賠償金の違いとは?

交通事故で大怪我を負ってしまった場合…。

怪我が完治すれば良いですが、残念ながら後遺障害が残ってしまうこともあります。

もしもそうなった場合、事故の加害者側からしっかりと損害賠償を受け取るべきですよね!

しかし、いざ損害賠償請求をするにあたっては、

  • 後遺障害が残ったことに対する損害賠償の内容は?
  • 後遺障害に対する損害賠償金計算はどうなっているの?
  • 自賠責労災では損害賠償の内容が違う?
  • 14級など、後遺障害の等級によって金額が違う?

など、わからないこともたくさんあるはずです。

そこで今回このページでは、交通事故による後遺障害が残った場合の損害賠償について、お悩みの皆さまと一緒に見ていきたいと思います。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

交通事故や労災により後遺障害が残ってしまった場合、ご本人はもちろん、ご家族の方への負担も非常に大きいものと考えられます。

実際に、事故による後遺障害でお悩みのご本人やご家族の方から多くの相談を受けてきました。

今回はその経験に基づき、損害賠償請求に関して、わかりやすく解説していきたいと思います。

辛い事故の経験や後遺障害が残ってしまったことに対しては、確実に損害賠償を受け取るべきです!

しかし、保険会社から言われたままに示談してしまうと、適正ではない損害賠償の内容となってしまう可能性があります。

交通事故被害者です。本日(略)から示談金の提示があったのですが悲しいほど提示金額が少ないです。

(略)

予想していたより低いのと計算式が複雑なのですが、、、普通でしょうか?

今回ここで、後遺障害認定のポイントや保険金の相場などについて知っておきましょう!

後遺障害に対する損害賠償

後遺障害に対する損害賠償

交通事故により後遺障害が残った場合、自賠責任意保険、労災から損害賠償を受け取れる可能性があります。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

自賠責保険による損害賠償

まず、自賠責から後遺障害に対する損害賠償を受け取ることができます。

ただし、自賠責保険は、被害者の方が最低限の補償を受けられるよう国が加入を強制している保険です。

よって、支払われる損害賠償金には限度額が設けられています。

自賠責による後遺障害に対する損害賠償
慰謝料
後遺障害が残ったことによる精神的・肉体的な苦痛に対する補償。
【支払い基準】
下記の表参照※
逸失利益
身体に残った障害による労働能力の減少で、将来発生するであろう収入減。
【支払い基準】
収入および障害の各等級に応じた労働能力喪失率で、喪失期間などによって算出。

ところで、後遺障害に対する損害賠償を受け取るためには、1級~14級に分けられた等級認定を受ける必要があります。

等級認定については、以下の記事をご覧になってみてください。

後遺障害慰謝料

そして、具体的な等級ごとの限度額は以下の表のようになるそうです。

逸失利益の計算に必要となる労働能力喪失率も等級ごとに示してありますので、併せてご覧になってみてください。

※ 等級ごとの後遺障害の限度額と労働能力喪失率
等級 限度額 労働能力喪失率
1
(別表第1
4000万円 100
2
(別表第2
3000万円
1
(別表第2
2
(別表第2
2590万円
3 2219万円
4 1889万円 92
5 1574万円 79
6 1296万円 67
7 1051万円 56
8 819万円 45
9 616万円 35
10 461万円 27
11 331万円 20
12 224万円 14
13 139万円 9
14 75万円 5

逸失利益

また、逸失利益の計算方法については、以下のようになっています。

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

労働能力喪失期間(後遺障害によって減収が発生する期間)に対応するライプニッツ係数は、以下のように定められています。

逸失利益についてより詳しく知りたい場合は、こちらの記事もご覧ください。

任意保険による損害賠償

ただし、自賠責はあくまでも最低限の補償ということでした。

よって、限度額を超える場合には、任意保険からの損害賠償を受け取る必要があります。

任意の自動車保険と自賠責の関係

ただし、被害者の方だけで保険会社と交渉した場合、低い損害賠償しか支払ってもらえないというのです…。

後遺障害慰謝料

特に慰謝料については、自賠責基準のほかに、任意保険基準弁護士基準というものが存在しています。

慰謝料金額の基準
自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準
内容 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの 営利企業の保険会社が支払うもの 弁護士を付けて裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの
金額 金額は低め 自賠責基準よりは高いが、金額は低め 自賠責基準や任意保険基準よりも高い

詳しくは、こちらの記事もご覧になってみてください。

そして、任意保険基準と弁護士基準では、後遺障害慰謝料は以下のように異なっています。

等級ごとの後遺障害慰謝料(単位:万円)
後遺障害等級 任意保険基準※ 弁護士基準
1 1300 2800
2 1120 2370
3 950 1990
4 800 1670
5 700 1400
6 600 1180
7 500 1000
8 400 830
9 300 690
10 200 550
11 150 420
12 100 290
13 60 180
14 40 110

一目瞭然ですが、弁護士基準での慰謝料を獲得するべきですよね。

しかし、被害者ご本人だけで保険会社と交渉しても、低い示談金しか提示してもらえないことがほとんどということです。

一方、弁護士に依頼して交渉してもらうと、弁護士基準の慰謝料を回収できることがほとんどです。

弁護士基準の慰謝料を獲得するためにも、ぜひ弁護士に相談いただければと思います!

逸失利益

また、逸失利益については、慰謝料の場合と異なり、自賠責保険の計算方法と同じになっているそうです。

とはいえ、任意保険は、その計算方法の各項目の数字を低く抑えることで、結果的に逸失利益の金額を低額にすることがあります。

任意保険会社が計算式に入る数字を低く抑えている場合、その主張が正当なものかどうかを判断する必要があります。

その判断は経験のない方ですと、難しいことも多いので、交通事故の経験豊富な弁護士に相談してみることをおすすめします。

逸失利益についてもやはり、金額が適正なものなのかどうか、ぜひ弁護士に相談してみてください!

その他の損害賠償

また、場合によっては、将来の介護費家屋改造費といった損害賠償金も請求できる場合があるそうです。

後遺障害に対するその他の損害賠償
将来の介護費
1級や2級の重度の後遺障害が残った場合
・もしくは医師の指示や症状により、将来、介護費が必要であると判断された場合
に請求可能。
【支払い基準】
8000円/日※1
家屋改造費
1級や2級の重度の後遺障害が残った場合
・もしくは必要性が認められた場合
に請求可能。※2

※1 職業付添人の場合は全額支払い。

※2 改造によってほかの家族も利益を得ている場合などには全額支給されない。

ただし、これらの損害賠償についても、必要性妥当性などを明確に示す必要があります。

うまくいかない場合には、やはり弁護士に相談してみてくださいね。

労災保険による損害賠償

最後に、勤務中や通勤途中に交通事故に巻き込まれた場合には、労災からの損害賠償を受け取れる可能性もあります。

ただし、労災保険の場合、後遺障害が認定された場合に受け取れる金額に、慰謝料は含まれないそうなのです。

そのため、労災保険において後遺障害が認定された場合、慰謝料は別途自賠責保険や任意保険・加害者本人に請求する必要があります。

また、勤務中や仕事中の労災事故で、後遺障害が残ったことに対し会社に責任がある場合には、会社に慰謝料請求することも考えられます。

慰謝料については受け取れないということでしたが…。

慰謝料以外に、労災から受け取れる損害賠償は以下のようになります。

労災による後遺障害に対する損害賠償
障害(補償)給付
業務上の傷病が治癒した後、障害が残った場合に支給される保険給付。
通勤災害の場合は、障害給付(障害年金・障害一時金)と言う。
障害補償年金障害年金
障害等級1級~7級までの障害が残った場合に支給される年金。
障害補償一時金障害一時金
障害等級8級~14級までの障害が残った場合に支給される一時金。
障害特別支給金
障害補償給付の受給権者に対して、障害等級に応じて支給される一時金。
通勤災害である障害年金・障害一時金の受給権者に対しても支給される。
介護(補償)給付
障害補償年金又は傷病補償年金受給者のうち1級もしくは2級で、現に介護を受けている場合に支給される。
【支払い基準】
・常時介護:介護の費用として支出した額(104,730円上限)※1
・随時介護:介護の費用として支出した額(52,370円上限)※2

※1 ただし、親族などにより介護を受け、介護費用を支出していない又は支出した額が56,790円を下回る場合は56,790円上限。

※2 ただし、親族などにより介護を受け、介護費用を支出していない又は支出した額が28,400円を下回る場合は28,400円上限。

介護(補償)給付以外の詳しい金額や計算方法については、こちらの記事もご覧になってみてください。

また、忘れてはいけませんが、後遺障害が残ったということは、入院通院が必要な怪我を負ったということです。

交通事故の被害に遭われた場合、後遺障害に対する損害賠償の他に、怪我の治療などに対する損害賠償も忘れずに請求する必要があります。

怪我の治療など、その他に受け取れる損害賠償については、こちらの記事もご覧になってみてください。

後遺障害に対する損害賠償について弁護士に無料相談したい方はコチラ!

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以上、後遺障害に対する損害賠償について理解を深めていただけたでしょうか。

適正な損害賠償を受け取るためには、ぜひ弁護士に相談してみたいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

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また、被害者の方の自動車保険に弁護士費用特約がついていれば、保険から弁護士費用が支給されます。

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まずは、電話してみることから始まります。

きっと、被害者の方が取るべき対応について、適切なアドバイスをしてくれるはずです。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、交通事故による後遺障害に対する損害賠償についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!

まずは、医師の診断を受け、じっくり療養し、お大事になさってください。

それでも残念なことに後遺障害が残ってしまった場合は、弁護士に相談することをお勧めします。

なぜなら、日常生活に支障が及ぶような後遺障害が残るような場合、適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社から提示された損害賠償金に合意し、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

  • 後遺障害が残ったことに対する自賠責労災による損害賠償の内容
  • 後遺障害に対する損害賠償金計算方法や相場

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

また、適正な損害賠償を受け取るためには、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

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また、このホームページでは、交通事故に対する損害賠償に関するその他関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください!

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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