【こども】被害者に対する過失相殺なしの事故の事例

HYS 2016年7月28日 | 幼児・こども
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認容額 3808万2935円
年齢 4歳
性別 男性
職業 幼児
傷病名

外傷性頸髄損傷、環軸関節脱臼、外傷性クモ膜下出血、脳挫傷

障害名 四肢麻痺
後遺障害等級 1級
判決日 平成5年2月22日
裁判所 大阪地方裁判所

交通事故の概要

本件事故は、昭和61年3月24日午後4時15分ころ、大阪府豊中市豊南町西1丁目6番2先市道において発生した。被害者が本件道路を横断中、加害者の運転する車と衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故による受傷の治療のため、事故当日から現在(平成5年時点)まで入院している。

後遺障害の内容

被害者は本件事故のため、高位の頸髄(頸髄の上部)を損傷したため、呼吸が止まり、四肢が動かないという障害を負うことになった。意識は鮮明であり、意思の疎通もできるから、いわゆる植物状態にあるわけではなく、知能的には普通の発育をすると思われる状態にある。しかし無呼吸は、遷延性のものであり、常に呼吸ができない状態であるから、呼吸をさせるための補助器具の継続使用が必要であり、これらの後遺症は1級に該当する。

判決の概要

本件事故は、交通事故の被害者の親族であるが、加害車の運転者に対し損害の賠償を求めた事案において、交通事故により頸髄損傷等の傷害を負った幼児は、生存可年数につき15年程度とみられ、その後の逸失利益について最低限の認定として死者と同一の利益喪失を認め、将来の医療器具費、療養物品費、付添看護費につき定期金請求を認めることが出来るとして、請求を一部認容した事例。

認容された損害額の内訳

治療関係費 237万7575円
入院付添費 2217万2175円
逸失利益 2475万9551円
慰謝料 2200万円
入院関係器具費 83万 8086円
被害者の弟の損害 416万 2752円
被害者の家族固有の慰謝料 400万円
損害の填補 - 4572万 7204円
弁護士費用 350万円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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