22歳男の居眠り運転死亡事故|加害者が問われる3つの責任とは

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12月7日午後7時すぎ、大阪府枚方市で車5台が絡む事故が発生し、7歳の女の子が死亡し9人が重軽傷を負いました。

信号待ちをしていた車の列に乗用車が追突し、4台の車が巻き込まれた事故です。

追突した車を運転していた人物は過失運転致傷の現行犯で逮捕されており、本人は「眠気があり、事故を起こしてしまった」と述べています。

上記の事故の場合、どのような法的問題があるのでしょうか。アトム法律事務所の岡野武志弁護士に聞いてみました。

author okano
岡野武志弁護士
交通事故と刑事事件を専門とするアトム法律事務所の代表弁護士。

通常、加害者側の任意保険会社に慰謝料などを支払ってもらう

通常、加害者側の任意保険会社に慰謝料などを支払ってもらう

居眠り運転で死亡事故が起こった場合、民事上の責任はどうなるのでしょうか。

加害者は自らの不法行為によって他人に損害を与えてしまっているため、損害を賠償する責任を負うことになります。

そのため、死亡した方の遺族と事故で重軽症を負った被害者の方々は加害者に対して損害賠償請求をすることが可能です。

加害者が任意保険会社に加入している場合、通常は任意保険会社の担当者と示談交渉をした後、賠償金として慰謝料を受け取ることになります。

加害者が任意保険会社に加入していない場合、加害者の自賠責保険から慰謝料を受け取ります。

もし自賠責から受け取った慰謝料額に不服があるときは、加害者本人に直接損害賠償請求を行うケースもあります。

居眠り運転事故は『過失運転致死傷罪』に該当し得る

居眠り運転事故は『過失運転致死傷罪』に該当し得る

刑事上の責任はどうなるのでしょうか。居眠り運転で事故を起こすと、量刑はどの程度になるのでしょうか。

冒頭で記載されている通り、居眠り運転で人を死傷させた場合は自動車運転死傷行為処罰法の過失運転致死傷罪に該当し得ます。

過失運転致死傷罪が適用されると、『7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金』に処されます。

また、睡眠障害などによって正常な運転ができないことを認識していながら運転し、人を死傷させてしまった場合、危険運転致死傷罪が適用される可能性もあります。

危険運転致傷罪が適用されると、『人を負傷させた者は十五年以下の懲役』、『人を死亡させた者は一年以上の有期懲役』に処されます。

居眠り運転は『安全措置義務違反』なら基礎点数2点加算

居眠り運転は『安全措置義務違反』なら基礎点数2点加算

行政上の責任はどうなるのでしょうか。居眠り運転をした場合、基礎点数はいくつ加算されるのでしょうか。

居眠り運転は道路交通法70条違反で処理されるケースが大半で、この場合は『安全措置義務違反』として基礎点数2点が加算されます。

しかし、居眠り運転が道路交通法66条に抵触する過労運転と判断された場合は、『過労運転等の禁止違反』として基礎点数25点が加算されます。

加えて、死亡事故を起こした場合なら、違反者の不注意が大きいと判断されると20点が、それ以外の場合は13点が加算されます。

まとめ

最後に、居眠り運転をしてしまった場合に問われる可能性がある『民事』『刑事』『行政』上の責任を以下にまとめます。

居眠り運転で問われる責任
民事上の責任 損害賠償
刑事上の責任 過失運転致死傷罪
危険運転致死傷罪
行政上の責任* 安全措置義務違反
過労運転等の禁止違反

行政上の責任…居眠り運転に加えて交通事故を起こした場合、影響の大きさに応じて点数が加算される

もしも居眠り運転の被害に遭ってしまった場合は、法律の専門家である弁護士などに相談し、その後の対応についてアドバイスをもらうことを推奨します。

以下の法律事務所では、LINE無料相談電話相談にも対応しているため、慰謝料の増額や通院に関する疑問などを気軽に問い合わせることができます。

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