自転車と原付が側面衝突 被害者は鎖骨骨折等を受傷

IT 2016年11月30日 | 鎖骨骨折
item 0823 28
認容額 1012万3468円
年齢 34歳
性別 男性
職業 不明
傷病名

左鎖骨骨折、左多発肋骨骨折、左外傷性血気胸等

障害名 左肩関節の機能障害、左鎖骨部痛、左鎖骨骨折後の左肩肥厚性瘢痕、左肩瘢痕部の疼痛、痒み 等
後遺障害等級 11級
判決日 平成24年1月18日
裁判所 東京地方裁判所

交通事故の概要

平成18年10月30日午後11時50分ころ、東京都新宿区の交差点において、加害者の原動機付自転車と被害者の自転車とが側面衝突する本件事故が発生した。
被害者は、被害車を運転して本件南北道路を北から南に向かい走行していたところ、本件交差点に差し掛かり、本件交差点を右折しようとした。他方、加害者は、加害車を運転して本件南北道路を南から北に向かい走行していたところ、本件交差点に差し掛かり、本件交差点を直進しようとした。そして、本件交差点内の南北中央付近、西よりの場所において、自転車横断帯を進行せずに右折していた被害車と、左折・直進用車線から本件交差点に進入し直進していた加害者とが衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者(本件事故時34歳)は、本件事故により左鎖骨骨折、左多発肋骨骨折、左外傷性血気胸等の傷害を負い、その治療のため、次のとおり入通院をした。
①K医療センター
平成18年10月31日から同年11月4日まで5日間入院
②H病院
平成18年11月14日から同月22日まで9日間及び平成20年3月4日から同月7日まで4日間それぞれ入院
平成18年11月6日から平成20年6月10日までの間に37日通院
なお、被害者は、平成18年11月15日に左鎖骨観血的整復内固定術を受け、平成20年3月5日に抜去されるまでの間、プレートで固定されていた。

後遺障害の内容

被害者の症状は平成20年6月10日に固定したが、被害者には、左鎖骨骨折に伴う左肩関節の機能障害、左鎖骨部痛、左鎖骨骨折後の左肩肥厚性瘢痕、左肩瘢痕部の疼痛、痒みの後遺障害が残存した。
そして、被害者は、自動車損害賠償責任の保険者から、左鎖骨骨折に伴う左肩関節の機能障害につき、その可動域が健側(右肩関節)の可動域角度の4分の3以下に制限されており、「1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」として自動車損害賠償保障法施行令別表第二第12級6号に該当すると認定した。また、左鎖骨部痛の症状については上記障害から派生するものとして上記の等級に含めて評価し、左鎖骨骨折後の左肩肥厚性瘢痕につき、左鎖骨部に14センチメートル×2センチメートルの瘢痕があるところ,胸部及び腹部の全面積の4分の1程度以上の範囲に瘢痕を残すものととらえることはできないが、裸体となったとき左鎖骨の変形が明らかに分かる程度のものととらえることができるので、「鎖骨に著しい変形を残すもの」として同第12級5号に該当すると認定した。さらに、左肩瘢痕部の疼痛、痒みの症状については上記症状から派生するものとして上記の等級に含めて評価し、以上を併合して同併合第11級と判断する内容の、後遺障害等級認定を受けた。

判決の概要

被害者が運転する自転車(被害車)と、加害者が運転する原動機付自転車(加害車)とが衝突して、被害者が損害を被ったとして、不法行為に基づく損害賠償を請求した。
事故の態様及び当事者の責任、損害額が争われた。被害車は、自転車横断帯のある本件交差点で、同横断帯を進行せず(道路交通法63条の6、63条の7第1項)、かつ自転車用信号機が赤色灯火になっていたにもかかわらず、道路左端から右折レーンに出て自動車用信号機の右折信号に従って右折進行した。そして、加害車は、対面する信号機が黄色の灯火に替わったことを確認し停止することができたのにそのまま進行して、反対方向から進行してきて右折する車両等に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行すべき注意義務(道路交通法36条4項)に違反する過失があったとして、双方の過失を5割とした。さらに、過失相殺及び損害填補後の損害額並びに弁護士費用の請求を認めた。

認容された損害額の内訳

治療関係費 40万7180円
入院付添費 3万2758円
入院雑費 2万7000円
通院交通費 2万6530円
休業損害 156万1098円
逸失利益 1971万5124円
慰謝料 620万円
物損 55万 5939円
損害の填補 - 505万 9346円
弁護士費用 92万円
過失相殺 - 1426万2815円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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