右鎖骨の変形等で後遺障害7級 労働能力約5割減

IT 2016年11月18日 | 鎖骨骨折
medical 0830 3
認容額 2560万3548円
年齢 44歳
性別 不明
職業 会社員(事務職)
傷病名

左上腕骨骨幹部骨折、右鎖骨骨折等

障害名 右鎖骨の変形障害
後遺障害等級 7級
判決日 平成27年4月28日
裁判所 大阪地方裁判所

交通事故の概要

平成19年5月16日午後11時30分頃、大阪府泉南市内の信号機のある交差点において、被害者の普通乗用自動車が青信号に従って、交差点に進入したところ、交差道路から加害者の普通乗用自動車が赤信号を無視して、交差点に進入して、出合い頭に衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、左上腕骨骨幹部骨折、右鎖骨骨折等の傷害を負い、以下のとおり入通院して治療を受けた。
入院 平成19年5月17日~同年6月21日まで(36日間)
通院 平成19年6月22日~平成24年8月9日まで(実通院日数195日間)

後遺障害の内容

被害者は、本件事故により後遺障害が残存したとして、自賠責保険において、自動車損害賠償法施行令別表第二併合7級と判断された。

①左上腕骨骨幹部骨折後の変形障害については、提出の画像・治療経過等を勘案すると、左上腕骨の骨幹部等に癒合不全を残すものと捉えられるが、髄内釘の挿入により一定程度保持機能が確保されているものと認められ、常に硬性補装具を必要とするものとは捉えられないことから、「1上肢に偽関節を残すもの」として8級8号に該当するものと判断する。
なお、左上肢の鈍痛、左上肢動作時や力を入れた際の疼痛あり、特に左上肢天候不順時の鈍痛等の訴え症状については、前記障害と通常派生する関係にある障害と捉えられることから、前記等級に含めての評価となる。

②左上腕骨骨幹部骨折後の左肩関節の機能障害については、後遺障害診断書上、その可動域が健側(右肩関節)の可動域角度の4分の3以下に制限されていることから、「1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」として12級6号に該当するものと判断する。

③右鎖骨骨折後の右鎖骨の変形障害については、提出の画像から、裸体となったとき、変形が明らかに分かる程度のものと捉えられることから、「鎖骨に著しい変形を残すもの」として12級5号に該当するものと判断する。
なお、右鎖骨部骨折部癒合部があたると痛いとの訴え症状については、前記障害と通常派生する関係にある障害と捉えられることから、前記等級に含めての評価となる。

判決の概要

信号機のある交差点で、被害者の車両が青信号に従って交差点に進入したところ、交差道路から加害者の車両が赤信号を無視して交差点に進入し、出合い頭に衝突した事故で、受傷し左上腕骨骨幹部骨折後の変形障害等の後遺障害(併合7級)を残した被害者がの賠償訴訟を提起した。裁判所は、後遺障害の内容等について、左上腕の偽関節と右鎖骨骨折後の変形障害が残存し、併合7級に相当するとした上、治療関係費、休業損害、傷害慰謝料の全額を認めた。また、逸失利益については、併合7級に対応する労働能力喪失は認め難いとして相当額を認め、骨粗鬆症による素因減額をして請求の一部を認容した。

認容された損害額の内訳

治療関係費 390万4004円
入院付添費 5万4000円
通院交通費 9万2040円
休業損害 422万8345円
逸失利益 963万5759円
慰謝料 1242万円
眼鏡代 4万 9800円
損害の填補 - 710万 0400円
弁護士費用 232万円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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