高次脳機能障害により後遺障害8級が認められた判例
認容額 | 1774万3935円 |
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年齢 | 34歳 |
性別 | 不明 |
職業 | 制作会社 |
傷病名 | 頭蓋骨骨折,急性硬膜下血腫,脳挫傷,外傷性くも膜下出血,外傷性てんかん,左副腎損傷,外傷性滑車神経麻痺 |
障害名 | 高次脳機能障害 |
後遺障害等級 | 8級 |
判決日 | 平成26年10月24日 |
裁判所 | 東京地方裁判所 |
交通事故の概要
平成18年12月29日午前5時45分頃、神奈川県川崎市宮前区平1丁目11番5号にあるおいて、加害者が運転する事業用普通貨物自動車が、道路を徒歩で横断中の被害者に衝突した。
被害者の入通院治療の経過
被害者は、本件事故により跳ね飛ばされ、頭蓋骨骨折等の傷害を負った。事故後は病院に救急搬送され、約2ヵ月の入院と約3ヵ月の通院により治療を行って、平成21年3月をもって症状が固定した。
後遺障害の内容
被害者は、症状固定後に後遺障害が残っており、高次脳機能障害による「神経系統の機能障害等により服することができる労務が相当な程度に制限がある」として9級10号、左滑車神経麻痺に伴う複視が正面を見た場合に複視の症状を残すものとして10級2号、併合して後遺障害等級表8級の認定を受けた。
判決の概要
本件事故の裁判では、被害者の過失割合及び損害額についてが争点となった。
被害者の過失割合について、被害者は夜間であったにもかかわらず自動車の有無を確認しないまま歩行したこと、信号機により交通整理の行われている横断歩道が近くにあったにもかかわらず利用しなかったこと、またその横断歩道では歩行者側の信号が赤であったこと、相当お酒に酔いながら歩行していたことなどが認められ、被害者に過失相殺すべき過失が45%あると判断された。
被害者の損害額については、逸失利益や休業損害、治療費などは全額認容されたが、慰謝料については一部のみ認容された。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 84万7940円 |
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入院付添費 | 24万1150円 |
入院雑費 | 7万9500円 |
通院交通費 | 32万0680円 |
休業損害 | 117万3795円 |
逸失利益 | 2134万8482円 |
慰謝料 | 960万円 |
既払金等 | - 234万 2415円 |
弁護士費用 | 340万円 |
過失相殺 | - 1512万5197円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。