後遺障害5級の高次脳機能障害を負った歩行者の判例
認容額 | 5914万5126円 |
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年齢 | 39歳 |
性別 | 不明 |
職業 | 株式会社取締役 |
傷病名 | 脳挫傷 |
障害名 | 高次脳機能障害 |
後遺障害等級 | 5級 |
判決日 | 平成26年3月26日 |
裁判所 | 東京地方裁判所 |
交通事故の概要
平成22年5月25日午後8時15分頃、茨城県潮来市前川1787番地にある市道において、加害者運転の普通乗用自動車が前方不注意により、被害者に車両右前側部を衝突させた。
被害者の入通院治療の経過
被害者は、本件事故により路上に飛ばされ、脳挫傷等の傷害を負った。事故後すぐに医療機関へと搬送され、約3ヵ月の入院と約1年の通院による治療を受けた結果、平成23年12月に症状が固定した。
後遺障害の内容
被害者は、症状固定後に後遺障害が残っており、高次脳機能障害による「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」として、後遺障害等級5級の認定を受けた。
判決の概要
本件事故の裁判では、事故態様及び過失割合並びに被害者の損害及びその損害額にが主な争点となった。
過失割合については、被害者が夜間の交差点に進入する際に、十分な自動車の有無確認と自動車の動静注意を行っていれば本件事故は回避することができたとし、ある程度の過失が認められ、過失相殺すべき過失が25%あると判断された。
損害額については、被害者側は労働能力喪失率100%を主張したが、後遺障害の内容やその程度を照らし合わせた結果、簡単な仕事であれば作業することは可能であるとして、労働能力喪失率は79%と認めるのが相当であると判断された。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 1960万1279円 |
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入院付添費 | 128万0500円 |
入院雑費 | 29万5500円 |
通院交通費 | 533万2881円 |
通院付添費 | 42万2400円 |
将来介護費 | 1262万4912円 |
休業損害 | 857万7520円 |
逸失利益 | 6375万3022円 |
慰謝料 | 1690万円 |
症状固定までの介護費 | 126万 5000円 |
装具・器具等購入費 | 62万 3640円 |
損害賠償請求費用 | 2万 3100円 |
既払保険金等 | 4424万 9689円 |
過失相殺 | - 3267万4939円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。