交通事故で【くも膜下出血】や脳の損傷|手術費用が払えない場合の対策とは?

Q1.くも膜下出血の症状や治療法は?

くも膜下出血とは、脳にある「くも膜」の内側に出血が生じる症状のことです。
交通事故では、頭部を強く打ちつけることにより、「外傷性くも膜下出血」が発症する場合があります。
脳という重要な部位の近くで起こる症状のために、交通事故で頭を強く打ったら、すぐに病院に行ってくも膜下出血やその他の脳出血が起こっていないか、検査することが大切です。

くも膜下出血などの頭部の重傷は、道路を歩行していたり自転車・バイクに乗っていた被害者が自動車と衝突して、地面に頭から転倒した場合に負うことが多いです。
また、自動車の運転手も、衝突の際に衝撃により頭部が車体に叩きつけられると、くも膜下出血を発症するおそれがあります。

頭蓋骨と脳の間には「硬膜」「くも膜」「軟膜」という3層の膜があり、これらの膜が脳を守っています。
くも膜下出血になると、くも膜から出た血が脳との間に溜まってしまい、脳を圧迫しています。
これにより神経の異常が起こり、強烈な頭痛や吐き気を感じて、嘔吐が引き起こされることもあります。
また、頭部を打ち付けることにより「脳挫傷」を併発して、手足のまひや感覚障害、けいれん、意識障害などが引き起こされることもあります。
その他にも「急性硬膜下血腫」や「頭蓋骨骨折」などの症状を併発するおそれがあります。
ただし、脳挫傷による出血がくも膜下に及んだことが原因の、軽度な症状である場合も多いです。
いずれにせよ、「くも膜下出血」という仰々しい名前にひるまず、適切な検査と治療を実施することが重要になります。

他の傷病を併発せず、外傷性くも膜下出血のみを発症した場合は、基本的に手術の必要がありません。
溜まった血液が吸収されていくのを待って、自然治癒を目指します。
また、発生している症状に応じて、鎮痛薬や抗けいれん薬の投薬による対処療法が行われることも多いです。
他方で、他の傷害を併発しており命の危険性がある場合には、手術の必要性が生じます。
手術後にも長期のリハビリが必要となる場合も多々あります。

くも膜下出血や、併発した脳挫傷などの傷病の影響により脳にダメージを負った場合、治療が終わっても後遺症が残ることがあります。
全身の神経と意識を司る脳に関連した障害であるだけに、後遺症も様々であり、非常に深刻な後遺症が残るおそれもあります。
また、後遺症が残る場合にもリハビリを続けて、後遺症による生活への影響を緩和することを目指すことになります。

Q2.脳に損傷を受けた時に起こる後遺症とは?

外見性くも膜下出血などにより脳に損傷を受けることで発症する後遺症には、様々な種類があります。
最も重大な後遺症が「遷延性意識障害」となります。
一般的には「植物状態」と言われる症状であり、昏睡状態が長期間にわたって続き、介護や看護が常に必要となります。

また、脳の損傷が原因で「高次脳機能障害」が残る事例もあります。
高次脳機能障害には様々な症状があります。
記憶力が衰えて新しいことを覚えられなくなったり、行動を計画して実行するための遂行能力が低下する「認知障害」。
TPOに合わせた社会的行動ができなくなったり、複数のことを同時に処理することや社会ルールを守ることが困難になってしまう「行動障害」。
抑制が効かなくなり怒りっぽく衝動的な性格になったり、逆に無気力で自発的な活動ができなくなってしまう「人格変化」。
他にも、様々な種類の異常が起こる可能性があります。

高次脳機能障害の症状は、本人に自覚がない場合も多々あります。
また、高次脳機能障害になっても、外見上にあらわれることはほとんどありません。
そのため、高次脳機能障害を発症しているのに見過ごされてしまう、という事例もまれではないのです。
交通事故などでご家族の方が頭部を強打される被害にあったときは、その人の言動や様子を注意深く見守り、高次脳機能障害が発生していないか気を付けて確認するようにしましょう。

また、脳の損傷が原因で、四肢や顔面に麻痺が残ってしまうこともあります。
さらに、脳は視力を司る器官でもあるため、後頭部にくも膜下出血などの傷病が発生すると視力低下や失明などの「視力障害」が起こる恐れもあります。
また、生活の中で意識消失やけいれんが突発的に起こる「外傷性てんかん」の後遺症が残るおそれもあるのです。

Q3.後遺障害の等級が認定される方法とは?

交通事故における損害賠償の項目は、傷害部分と後遺障害部分に分けられます。
傷害部分とは、事故による怪我が原因で発生した損害に対する賠償を指します。
傷害部分に含まれる具体的な項目は、治療費、休業損害、入通院慰謝料などになります。

後遺障害部分の損害賠償とは、事故による怪我が原因の後遺症による損害に対する賠償となります。
障害を負ったことにより生じた精神的苦痛に対する賠償金が、後遺障害慰謝料です。
また、障害のために失われる将来の収入に対する賠償金である逸失利益を請求することもできます。
逸失利益の金額は、被害者の年齢・職業・収入や、障害ごとの労働能力喪失率から算出されます。

後遺傷害部分の損害賠償を請求するためには、後遺障害等級の認定が必要となります。
等級を認定してもらうためには、損害保険料率算出機構に申請を行う必要があります。
申請方法は二種類あり、加害者側の任意保険会社が書類を提出する方法は事前認定と呼ばれます。
もう一つの申請方法である被害者請求では、被害者側が書類を提出して申請します。
被害者請求では被害者本人が申請するほか、弁護士に依頼して申請を代行してもらうこともできます。

後遺障害の等級は、「後遺障害等級表」 に記載されている1級から14級までに分類されます。
ただし、後遺障害のなかでもとりわけ重度な障害である「遷延性意識障害」の等級は別表第1の1級・2級として分類されています。
慰謝料の基準も、通常(別表第2)の第1級や第2級の後遺障害より高額になることがあります。
また、「後遺障害慰謝料」の金額は、弁護士基準で請求できた場合は自賠責基準よりも大幅に上がります。
等級を認定するための申請書類の提出と併せて、示談交渉に付いても弁護士に相談することをおすすめします。

Q4.くも膜下出血の手術費用が払えない場合の対策は?

交通事故の加害者は、被害者が負った損害に対する賠償責任を負います。
そのため、被害者が事故により負った傷病を治療するための「治療費」や「手術費用」、入院にかかる部屋代や通院にかかる交通費なども、加害者が負担する責任を持つことになります。
ただし、被害者にも過失がある事故では、加害者が被害者に追う賠償責任は「過失相殺」されることになるので、注意してください。
また、通常の場合は、加害者からの損害賠償は示談交渉が終了した段階に、示談金という形で支払われます。

基本的に、示談交渉は「被害者が負った損害の額」がすべて判明した段階で始まります。
一般的には、病院での治療が終了して後遺障害の有無が判明した後で、ようやく示談交渉が始まります。
また、示談が始まっても、交渉自体に期間がかかります。
弁護士に依頼した場合は示談交渉の期間が短くなることが多いですが、最短で2ヶ月は3ヶ月はかかると認識しておきましょう。

治療費や手術費用が加害者から支払われるのは示談交渉後ということは、それまでは被害者がその費用を負担しなければなりません。
自分で立て替えて後日に保険会社に請求する、という形になりますので、「領収書」などを紛失せずに保管するように注意しましょう。
また、負担を減らすために、できるだけ「健康保険」を使用しましょう。
「交通事故では健康保険は使えない」と言われる場合もありますが、実際には大半の場合で健康保険が使用できます。

外傷性くも膜下出血やその他の脳の損傷では、手術が必要な重症となる場合も多々あります。
脳の手術は高額になりやすく、被害者には手術費用が払えないおそれもあります。

病院によっては、交通事故による怪我に関する費用の請求を、被害者にではなく加害者側の保険会社に直接請求する場合があります。
そのため、「自分の怪我は交通事故の被害にあったことが原因なので、治療費や手術費用は加害者側の保険会社に直接請求してほしい」と病院に相談してみてください。
また、加害者側が任意保険会に加入している場合は、治療費や手術費用の支払いについて任意保険会社が先に病院に連絡してくれる場合もあります。

ただし、病院によっては加害者側の保険会社への請求を行わない場合もあります。
また、事故状況に争いがある場合や被害者側の過失が大きい事故では、示談交渉が終結して過失割合が定まるまで、治療費や手術費用の支払いについて加害者側の保険会社が消極的になることがあります。

加害者側の任意保険会社からの支払いがすぐには望めない状況では、「自賠責保険」への請求を検討しましょう。
自賠責保険には、被害者が治療費の請求をすることで、病院に直接治療費を支払う制度があります。
ただし、この制度を利用するためには、被害者の側から書類を提出するなどの煩雑な手続きを行う必要があります。

被害者自身が任意保険に加入している場合、ほとんどの場合では弁護士特約が付いています。
手術費用が払えないような困窮した状況でも、弁護士特約を利用することにより、安価に弁護士を利用することができます。
自賠責保険への治療費支払いを要求する手続きの申請のほか、後遺障害等級の認定書類の提出など、様々な煩雑な手続きを弁護士に代行してもらうことができるのです。
また、慰謝料も高額な弁護士基準で請求できます。
最終的に被害者が得られる賠償金は、弁護士費用の分を差し引いても増額する場合が大半です。

後遺障害の認定を相談するならこちら

交通事故の被害にあって脳に損傷を負ってしまい、治療費や手術費用の支払いに不安がある方は、弁護士に連絡しましょう。
弁護士特約を利用すれば、保険会社への治療費の請求から加害者との示談交渉まで、金銭面の不安なく弁護士に相談することができます。

アトム法律事務所では電話やLINEによる無料相談を受け付けています。
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示談交渉や後遺障害等級の認定が不安な方は、まずは弁護士にご相談ください。

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交通事故による怪我の治療費や手術費用の支払いについて不安な方は、ぜひ、ご相談ください。

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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