女子学生の交通事故慰謝料|1億6691万円の判例を弁護士が解説
このページでは、女子学生の事故の判例についてご紹介します。
交通事故は、いつどこで巻き込まれてしまうか予測することはできませんが、自分自身で被害を最小限にとどめることも可能です。
こちらの判例の被害者は、シートベルトを装着していなかったことが問題の1つとなっているようです。
事故の内容を踏まえながら、専門の先生とともに判例解説をいたします。
法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。
目次
それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。
高校生(女・症状固定時18歳)損害額1億6691万8169円の判例
こちらは、名古屋地方裁判所の判決、平成13年(ワ)第1713号事件です。
この事故での主な怪我の内容は、第五頸椎脱臼骨折となっています。
交通事故の基本情報
事故の内容は「加害者の居眠り運転により、助手席に同乗していた被害者(シートベルト不装着)が負傷した。」というものです。
交通事故の基本情報は?
属性 | 高校生 |
---|---|
性別 | 女 |
年齢 | 症状固定時18歳 |
事故の内容 | 加害者の居眠り運転による事故で、助手席に同乗していた被害者(シートベルト不装着)が負傷した。 |
傷害の内容 | 第五頸椎脱臼骨折、外傷性頸髄損傷 |
後遺障害等級 | 1級3号 |
入院 | 532日 |
助手席に乗車していた被害者はシートベルトを装着していなかったようです。
判例で認められた賠償金・慰謝料
それでは、認められた損害額を見てみましょう。
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 | 1億6691万8169円 |
---|---|
うち慰謝料 | 1740万円 |
うち将来の付添費 | 6160万9518円 |
うち逸失利益 | 5975万7982円 |
損害総額は1億6691万8169円でした。
ざっくりまとめると…
被害者の損害額は総額1億6691万8169円になりました。
- 慰謝料としては、傷害慰謝料が340万円、後遺障害の慰謝料が1000万円、両親固有の慰謝料が各200万円認められました。
- 将来の付添費としては、被害者母が67歳になるまでは近親者による介護料として1日当たり6000円、それ以降平均余命までの間は職業介護人による介護として1日当たり1万2000円とするのが相当されました。
- 逸失利益は、症状固定時である年の女子の全年齢平均賃金である345万3500円を基礎収入とするのが相当とし、5975万7982円が認められました。
弁護士による解説
弁護士先生、、事故により後遺障害1級が認定されたようです。
この判例のポイントはどのような点になりますか?
本件では、被害者がシートベルトを装着しなかった点を1割の過失に当たると判断されました。
被害者は、事故当時にダッシュボードに激突して大けがを負いましたが、シートベルトを装着していればけがの程度は小さかった可能性があります。
裁判所はこれらの事情を重視して、被害者側にも一定の過失を認めました。
シートベルトの装着義務違反が過失相殺の対象になるとした一例として参考になりますね。
交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい
はじめての慰謝料計算
交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。
ポイントを整理すると、
- 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
- 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
- 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。
の三点が重要です。
慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。
記事の構成は、
- 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
- 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
- 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?
となっています^^
慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利
また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。
計算ソフトの利用をおすすめするのは、
- 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
- 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
- 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい
といった人たちです。
かんたん1分!慰謝料計算機
通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!あなたが保険会社から提示されている慰謝料は正しいですか?
思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。
保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。
弁護士に無料相談してみてはどうでしょう?
こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。
いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。
電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。
※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。
広告主:アトム法律事務所弁護士法人
代表岡野武志(第二東京弁護士会)
仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。
地元で無料相談できる弁護士を探すなら
弁護士に会って、直接相談したい方には、こちらの全国弁護士検索のご利用をおすすめします。
当サイトでは、交通事故でお悩みの方に役立つ情報をお届けするため、
- ①交通事故専門のサイトを設け交通事故解決に注力している
- ②交通事故の無料相談のサービスを行っている
弁護士を特選して、47都道府県別にまとめています。
頼りになる弁護士ばかりを紹介しているので、安心してお選びください。
何人かの弁護士と無料相談した上で、相性が良くて頼みやすい弁護士を選ぶ、というのもおすすめの利用法です!
学生の慰謝料計算の特徴は?
学生の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?
学生といっても、活動内容や将来的な就職分野は様々です。
ポイントとしては、活動内容や将来就職する可能性が高い分野等を具体的に主張していくことです。
事故の影響で、留年してしまったり、受験を受けられなかったこと等が証明できれば、賠償額が増額できる余地があります。
また、内定が決まっていたり、上に書かれている判例のように、高校生であっても大学に進学できる可能性が高いことを証明できれば、内定先の会社や大卒の平均賃金が将来の収入減をカバーする逸失利益の計算の基礎となり、賠償額が増額する余地があります。
ただし、今申し上げたポイントは一般的な話であり、上に挙げられている判例のように、事故に遭われた方のご事情は様々で、それによって妥当な金額も増減します。
そこで交通事故の後遺症でお悩みの方は、まず専門家である弁護士に相談してみるのがよいでしょう。