専門学生の交通事故慰謝料|1億8569万円の判例を弁護士が解説

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専門学生の交通事故慰謝料|1億8569万円の判例を弁護士が解説

このページでは、専門学校生の事故の判例についてご紹介します。

学生にとって、交通事故は学業や将来の仕事の選択肢などにも大きな影響を与えることになってしまいます。

こちらの専門学生は、事故による後遺症によって将来への道を閉ざされてしまいました。

損害総額としては 1億8569万円が認められたようですが、慰謝料や逸失利益はどのようにして計算がされたのでしょうか。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。

専門学生(女・症状固定時19歳)損害額1億8569万1756円の判例

専門学生(女・症状固定時19歳)損害額1億8569万1756円の判例

こちらは、名古屋地方裁判所の民事第3部の判決、平成13年(ワ)第2568号事件です。

この事故での主な怪我の内容は、脳挫傷や右大腿開放性骨折となっています。

交通事故の基本情報

事故の内容は「片道1車線の道路と交差する信号機のないY字路交差点で、制限速度の2倍近い速度で右折進入した加害車(普通自動車)とその対向車線を直進進行してきた被害車(普通自動車)が正面衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 歯科衛生士専門学校生
性別
年齢 症状固定時19歳
事故の内容 片道1車線の道路と交差する信号機のないY字路交差点で、制限速度の2倍近い速度で右折進入した加害車(普通自動車)とその対向車線を直進進行してきた被害車(普通自動車)が正面衝突した。
傷害の内容 脳挫傷、右大腿開放性骨折、右血気胸、両膝挫創
後遺障害等級 1級3号
入院 120日

頭部外傷によって、後遺障害として四肢痙性麻痺と高度意識障害が残ってしまいました。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 1億8569万1756円
うち慰謝料 3200万円
うち将来介護料 6592万6300円
うち逸失利益 6795万1997円

損害総額は1億8569万1756円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額1億8569万1756円になりました。

  • 慰謝料としては、傷害慰謝料が200万円、後遺障害の慰謝料が2600万円、両親の慰謝料が各200万円認められました。
  • 将来看護料としては、被害者母が67歳になる24年間については、家族看護分につき1日当たり8000円、その後被害者の平均余命までは職業看護人による看護につき1日1万3000円と認めるのが相当とされました。
  • 逸失利益は、被害者は事故に遭わなければ平成13年3月に専門学校を卒業後歯科衛生士として就労し収入を得ていたはずであり、労働能力は100%喪失したものと認め、症状固定時である年の女子の高専・短大卒の全年齢平均賃金377万9100円を基礎収入とし、67歳になるまでの約47年間就労が可能であったものとして、6795万1997円が認められました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの専門学生は正面衝突の事故によって大怪我を負われたようですが、この判例のポイントはどのような点になりますか?

やはり大けがを負ったことによる後遺症の程度が酷く、将来にわたって介護が必要であると判断されました。

本件では、職業付添人による介護費用が認定されただけでなく、介護サービスによる訪問介護費用も認定された点が特徴的といえます。

被害者の基礎収入については、専門学校の卒業を前提として、同種の学歴を持つ女性の平均賃金により算定されました。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利

また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

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思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。

保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

弁護士に無料相談してみてはどうでしょう?

こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。

いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。

電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。

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学校・仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

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学生の慰謝料計算の特徴は?

学生の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

学生といっても、活動内容や将来的な就職分野は様々です。

ポイントとしては、活動内容や将来就職する可能性が高い分野等を具体的に主張していくことです。

事故の影響で、留年してしまったり、受験を受けられなかったこと等が証明できれば、賠償額が増額できる余地があります。

また、内定が決まっていたり、予備校生であっても大学に進学できる可能性が高いことを証明できれば、内定先の会社や大卒の平均賃金が将来の収入減をカバーする逸失利益の計算の基礎となり、賠償額が増額する余地があります。

ただし、今申し上げたポイントはあくまで一般論であり、上記の判例のように、事故に遭われた方の事情は様々ですので、まずは弁護士等の専門家に相談してみるのがよろしいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、専門学生の交通事故慰謝料についての調査結果をお届けしました。

当サイト「交通事故弁護士カタログ」には、他にも皆さんのお役に立てるコンテンツが盛りだくさんです。

をぜひ活用してみてください。

困ったときに頼りたいのが弁護士。

まずは弁護士に相談して、あなたのお悩みを解決しましょう。

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