14歳の子供の交通事故慰謝料|3億3163万円の判例を弁護士が解説

  • 交通事故,子供,慰謝料

14歳の子供の交通事故慰謝料|3億3163万円の判例を弁護士が解説

このページでは、男子中学生の事故の判例についてご紹介します。

こちらの男子中学生は、飲酒運転の事故に巻き込まれてしまい、一生介護が必要な状態となってしまいました。

非常に痛ましい事故であり、ご家族としては被害者の将来のことを考えると不安を抱いてしまわれるかと思います。

こちらの判例では、3億3163万円超という高額の損害賠償金額が認められましたが、算定においてどのような点がポイントとなったのでしょうか。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。

中学生(男・14歳)損害額3億3163万6919円の判例

中学生(男・14歳)損害額3億3163万6919円の判例

こちらは、仙台地方裁判所の第2民事部の判決、平成20年(ワ)第321号事件です。

この事故での主な怪我のないようは、肺挫傷や骨盤骨折となっています。

交通事故の基本情報

事故の内容は「加害者が運転前に飲んだ酒の影響で運転が困難な状態で自家用普通貨物車を走行させ、道路左側歩道上に立っていた被害者に衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 中学生
性別
年齢 14歳
事故の内容 運転前に飲んだ酒の影響で運転が困難な状態で自家用普通貨物車を時速60kmで走行させ、道路左側歩道上に佇立していた被害者に衝突。
傷害の内容 肺挫傷、右血気胸、出血性ショック、心肺停止、肝損傷、骨盤骨折、蘇生後脳症(低酸素血症)および脳挫傷など
後遺障害等級 併合1級(全脳萎縮による意思伝達不能、四肢・体幹の痙性麻痺による常時臥床等により1級1号、右下肺葉の部分切除による胸腹部臓器の障害により11級11号)
入院 505日

この事故の加害者は、飲酒運転だったとのことです。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 3億3163万6919円
うち慰謝料 4300万円
うち将来看護費 1億1913万1255円
うち逸失利益 9101万6830円

損害総額は3億3163万6919円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額3億3163万6919円になりました。

  • 慰謝料としては、傷害慰謝料が500万円、後遺障害の慰謝料が3000万円、両親固有の慰謝料が各400万円認められました。
  • 将来看護費としては、被害者は常時介護を要するのであり、被害者母が67歳に達するまで16年は)日額1万5000円、被害者母67歳以降は全面的に職業介護人によらざるを得ないので、日額2万円として計算されました。
  • 逸失利益は、基礎収入を男子の学歴計全年齢平均賃金552万3000円とし、労働能力喪失率を100%、67歳までの51年から18歳に達するまでの2年を控除して計算し、9101万6830円が認められました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの男子中学生は500日以上も入院をされたようですが、ポイントはどのような点になりますか?

本件のように入院が長期化した場合に、子供に付き添っていた両親の付き添い費用が損害として認められるかが問題となります。

今回のケースでは、被害者側は1200万円の付き添い費用を請求していましたが、加害者側は完全看護体制の病院であったとして、付き添いの必要性を否定する主張を行いました。

裁判所は、完全看護体制の病院であったとしても、被害者が14歳と年少であり、母親が入院中ほぼつきっきりで看病していたことを考慮して、事故から退院までのすべての期間について総額957万円の付き添い費用を認める判断を行いました。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利

また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

慰謝料計算機

かんたん1分!慰謝料計算機

開く

通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!あなたが保険会社から提示されている慰謝料は正しいですか?

慰謝料計算機

慰謝料計算機 通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!

慰謝料計算機はこちら

思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。

保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

弁護士に無料相談してみてはどうでしょう?

こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。

いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。

電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。

弁護士に無料相談はこちら

※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。

仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

地元で無料相談できる弁護士を探すなら

弁護士に会って、直接相談したい方には、こちらの全国弁護士検索のご利用をおすすめします。

当サイトでは、交通事故でお悩みの方に役立つ情報をお届けするため、

  1. ①交通事故専門のサイトを設け交通事故解決に注力している
  2. ②交通事故の無料相談のサービスを行っている

弁護士を特選して、47都道府県別にまとめています。

サーチアイコン弁護士を探す5秒で完了
都道府県から弁護士を探す
北海道
東北
北陸
甲信越
関東
東海
関西
中国
四国
九州
沖縄

都道府県をお選びください

都道府県をお選びください

都道府県をお選びください

都道府県をお選びください

頼りになる弁護士ばかりを紹介しているので、安心してお選びください。

何人かの弁護士と無料相談した上で、相性が良くて頼みやすい弁護士を選ぶ、というのもおすすめの利用法です!

子供の慰謝料計算の特徴は?

子供の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

子供が小学生以下の場合、保護者による通院時の付き添いが必要であるとして、保護者が通院に付き添った場合、慰謝料とは別に、別途通院付添費も請求することができます。

なお、付添のためにお仕事を休まなければいけなくなった場合には、保護者の休業損害を請求できる可能性もあります。

そして、子供の体は柔らかく、怪我をしにくい体ということで、お医者様があまり通院しなくてもよいとおっしゃることがあります。

また、お医者様がそのようにおっしゃらなくても、子供は病院に行くのを嫌がったり面倒臭がったりして、実際の通院日数が通院期間に比べて極めて少ないことがあります。

慰謝料の金額には通院日数が影響するため、保護者の方は、お子様のお怪我の程度に見合った通院日数を確保する必要があります。

さらに、後遺障害が残った場合、将来の収入の減少をカバーする逸失利益は、将来どれくらいの収入が見込めるか不明確なため、計算にも工夫が必要となります。

例えば、女の子の場合、将来男の子の場合よりも見込める収入が低いと言われることがありますが、子供の場合、年齢が低いほど反論の余地が大きくなります。

なお、通常、示談後に治療の必要性があったとしても、その治療費相当額は請求できませんが、子供、特に年齢の低い子供の場合、体の成長と共に将来的な治療や手術が必要になる可能性が大人より大きいため、大人の場合に比べて、将来的な治療費を請求できる余地が大きいといえます。

ただし、今申し上げたポイントは一般的・総論的なお話であり、上に挙げられている裁判例のように、事故に遭われた方のご事情は様々ですので、まずは弁護士等の専門家に相談してみるのが良いかと思います。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、14歳の子供の交通事故慰謝料についての調査結果をお届けしました。

当サイト「交通事故弁護士カタログ」には、他にも皆さんのお役に立てるコンテンツが満載です。

の活用がポイントです。

弁護士に相談した方々は、納得のいく慰謝料をもらっています。

次はあなたの番。弁護士に相談して、適正な慰謝料を受け取りましょう。

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

こどもの関連記事