自転車事故で脊髄損傷|リハビリ・慰謝料・弁護士対応の必要性を紹介!

  • 自転車事故,脊髄損傷

自転車事故で脊髄損傷|リハビリ・慰謝料・弁護士対応の必要性を紹介!

自転車事故脊髄損傷してしまった場合、どんな治療リハビリが有効なの?」

「自転車事故で脊髄損傷してしまった場合、慰謝料損害賠償請求ができる損害の種類や金額相場はどうなっているの?」

「自転車事故による脊髄損傷の対応は、やはり弁護士に頼んだ方がいいのだろうか…」

自転車事故では、脊髄損傷のような重いケガが生じる場合もあり、その場合、リハビリ・慰謝料・弁護士に依頼する必要性など課題や疑問は山積みです。

そこで、このページでは、

  • 自転車事故による脊髄損傷につき、ブログなどから学ぶ有効な治療やリハビリ
  • 自転車事故による脊髄損傷に関する慰謝料
  • 自転車事故による脊髄損傷の対応を弁護士に頼むべき理由

についてご紹介していきたいと思います!

専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。

弁護士の岡野です。よろしくお願いします。

自転車事故により、不幸にも脊髄損傷をしてしまった場合、まずは治療・リハビリに励む必要があります。

もっとも、脊髄損傷した場合、被害者が受ける精神的苦痛等も大きいと考えられるため、その点に対する慰謝料等もしっかり受け取る必要があります。

そして、自転車事故による脊髄損傷には、様々な問題があるため、対応を専門家である弁護士に頼むことも視野に入れる必要があります。

こちらで、自転車事故による脊髄損傷についてしっかり理解し、リハビリ及び慰謝料等の請求のどちらでも適切な対応が取れるようにしましょう。

自転車事故による脊髄損傷というと、最近では、自民党総裁も務めた政治家谷垣禎一氏のケースをご存知の方も多いかもしれません。

自民党の谷垣禎一・前幹事長(72)が10月22日投開票となる方向の衆院選に立候補せず、政界を引退する意向を固めた。

(略)

谷垣氏は党幹事長だった昨年7月、東京都内で趣味のサイクリング中に転倒し、頸髄(けいずい)を損傷して療養を続けていた。

谷垣氏は、事故後、政界復帰に向けリハビリに励んでいたようですが、最終的には政界引退を決意されたようです。

また、ドラマの撮影中の自転車事故により、芸能人が脊髄損傷をしたというニュースもありました。

BSスカパー!のドラマ『弱虫ペダルSeason2』撮影中に自転車で転倒した俳優・滝川英治(38)が、脊髄損傷と診断されたことが明らかになった。所属事務所が18日、公式サイトで公表した。

(略)

今後は回復の状態をみてリハビリに移行するとし(略)ている。

こちらは、人気漫画が原作のドラマの撮影中であったことや、俳優の方がアナウンサーの滝川クリステル氏のいとこであること等から話題になりました。

また、一般の方でも自転車事故で脊髄損傷してしまい、その後のリハビリなどの様子をブログに公開されていらっしゃる方がいます。

そこで、自転車事故による脊髄損傷の特徴やリハビリ・治療につき、実際に脊髄損傷された方のブログも参考にしつつお伝えしたいと思います。

自転車事故による脊髄損傷につきブログから学ぶリハビリ

自転車事故による脊髄損傷につきブログから学ぶリハビリ

自転車事故により脊髄損傷をされた方のブログ

まずは、実際に自転車事故により脊髄損傷をされた方が、その後のリハビリ等の様子を記載しているブログをいくつかご紹介します。

最初にご紹介するのは、自転車事故発生からリハビリを経て退院されるまでの様子を詳細に記載されているこちらのブログです。

このブログを書かれた方は、転倒して顔面を道路コンクリートに強打し、「頚髄損傷による四肢麻痺」と診断されたようです。

当初は、医師から寝たきりの可能性も指摘されていたようですが、リハビリにより、徐々に体が動かせるようになっていった過程がよくわかります。

また、その間のお気持ちや周囲の人々の協力に対する感謝も記載されており、自転車事故により脊髄損傷をされた方のお気持ちの一端が知れます。

次にご紹介するのは、自転車事故により脊髄損傷したものの、リハビリや手術により、マラソンを完走できるまでになった方のブログです。

こちらは、今までご紹介してきたものと異なり、転倒事故ではなく、車と出会い頭に衝突し、脊髄損傷したというケースです。

なお、ブログに詳細は記載されていませんが、この自転車事故に関して裁判もしていたようです。

脊髄損傷という重いケガを負っても、リハビリや手術によりマラソンや再び自転車に乗れるまで回復できる場合もあるということがわかります。

最後にご紹介するのは、自転車事故により、中心性脊髄損傷と診断された方のリハビリや症状回復の経過が詳細に書かれたブログです。

こちらのブログでは、水に手が触れると痛いなど、受傷後の症状が詳しく記載されており、参考になります。

また、実際にリハビリを行った患者目線から、嬉しかった医師の対応なども記載されており、こちらも参考になります。

自転車事故による脊髄損傷に多いレベル・特徴

ここまで自転車事故により脊髄損傷された方のブログをご紹介しましたが、脊髄損傷とは何かよくご存じでない方もいるかもしれません。

脊髄損傷:

骨の中を通る太い神経である脊髄が障害されて、感覚機能や運動機能に障害がおこる

脊髄神経は、体中のいたるところにつながっているため、脊髄を損傷すると損傷部位以外の箇所にも障害が発生します。

360px Blausen 0822 SpinalCord

脊髄損傷の原因としては、強い外力により背骨が骨折したり、首や背中が後ろに曲がったりすることが考えられます。

特に、交通事故や高所から転落した場合に脊髄損傷を負ってしまうことが多いようです。

また、脊髄損傷は大きく

  • 脊髄が横断的に断裂し、神経伝達機能が完全に失われる「完全損傷」
  • 脊髄の一部だけが損傷する「不完全損傷」

の2つに分けられます。

では、脊髄損傷してしまった場合、具体的にはどのような症状が現れるのでしょうか。

●症状は損傷した部位による

〇基本的に高い位置で脊髄損傷が起こると、重症になる

〇首の位置で損傷が起こると(頚髄損傷)、首から下の感覚や運動などに障害がでる(部位によっては呼吸ができなくなり植物状態や死に至ることがある)

〇場所によっては下半身のみの症状になったりする

●しばしば出る症状は以下である

〇運動麻痺

〇感覚障害

〇排尿

〇排便障害

●その他に自律神経障害が起こり、血圧や体温が一定に保たれなくなることもある

その他、少ないですが、運動麻痺ではなく、痛みに悩まされる方もいらっしゃるようです。

診断方法としては、背骨などが骨折していないかを調べる画像検査として、

  • レントゲン検査
  • CT検査
  • MRI検査

などが行われるということです。

脊髄そのものが損傷していないかを調べるためには、MRI検査が一番重要となってくるようです。

実際に脊髄損傷している場合のMRI画像が以下のものになります。

Cervical Spine MRI %28T2W%29

また、人間の脊髄は上から

  • 8対の頚髄(C1~8)
  • 12対の胸髄(T1~12)
  • 5対の腰髄(L1~5)
  • 5対の仙髄(S1~5)
  • 1対の尾髄(Co1)

という31対の髄節で構成されており、先ほどお伝えしたとおり、その損傷レベル(部位)により、症状は異なります。

そして、交通事故が原因の場合は、頸髄損傷が圧倒的に多く、特に自転車事故の場合にはほぼ頸髄損傷である点が特徴のようです。

交通事故の種類別の高位分布はいずれも頸髄損傷が圧倒的に多く見られたが自転車事故では全員頸髄損傷であり、事故原因による差異が存在するものと思われる

実際、先ほどご紹介したニュースやブログの事例はいずれも頚髄損傷でした。

また、脊髄損傷は、脊髄を保護している脊椎の骨折(骨傷)などの合併症を伴うことも多くなります。

しかし、自転車事故による脊髄損傷は、脊椎の骨傷を伴わないことも多いという特徴もあるようです。

脊椎の骨傷を伴わない脊髄損傷は、脊髄の中心部のみを損傷するいわゆる「中心性脊髄損傷」になる場合が多いようです。

実際、先ほど最後にご紹介したブログの方は、「中心性脊髄損傷」と診断されています。

このように、自転車事故による脊髄損傷は

  • 損傷レベル(部位)は頚髄損傷がほとんど
  • 脊椎の骨傷を伴わないことも多い

という特徴があります。

なお、脊椎の骨傷を伴わない場合になりやすい「中心性脊髄損傷」については、以下の記事に詳しく記載されていますので、ぜひご覧下さい!

自転車事故による脊髄損傷の特徴
損傷レベルは頚髄がほとんど
脊椎の骨傷を伴わないことも多い

自転車事故で脊髄損傷した際の治療・リハビリ

自転車事故による脊髄損傷の治療

では、自転車事故による脊髄損傷に対する治療法にはどのようなものが考えられるのでしょうか?

後遺症を残さずに治る可能性はあるのでしょうか…。

調べてみたところ、治療法としては、以下のようなものが考えられるようです。

●治療

○手術:関節固定術(背骨の固定を行い、リハビリテーションを早期から行えるようにするため、あるいはそれ以上症状の進行を起こさないために行う)

○薬物療法:ステロイド薬が使用されることもあるが、それを含め、確実に有効とされる治療薬はない

○筋弛緩薬:脊髄損傷を起こすと筋肉は過剰に固くなってしまうため、それを柔らかくするための対症療法

○鎮痛薬:手術後の痛みを軽減する

○リハビリテーション:生活に必要な動作の獲得、体の働きを一部改善する

●長期的な経過

○長期的にリハビリを行い、残った体の中での働き(動く筋肉や感覚)を使って生活や職業復帰ができるようにすることが必要

○下半身麻痺で車いす生活になることもあるため、必要に応じて生活しやすいように生活環境を調整すること(家の改修など)が必要

非常に残念なことですが、脊髄が損傷してしまった場合、脊髄は元に戻ることはありません。

また、再生医療臨床試験が進められているものの、現状では人工的に再生させる方法もまだありません。

このように根本的な治療法が無いため、脊髄損傷による身体の麻痺が、そのまま後遺症として残ってしまう可能性が高いということになります。

ただし、さきほどのブログの方のように手術リハビリにより、日常生活に支障のないレベルまで回復する可能性はあります。

中心性脊髄損傷の治療法

先ほどお伝えしたとおり、自転車事故の場合、中心性脊髄損傷になる場合も多くあります。

では、中心性脊髄損傷に対する治療法はどのようになっているのでしょうか?

調べてみたところ、まずは頚椎カラーなどで固定し、安静にする保存療法がとられるようです。

もっとも、脊髄の中心部には、中心動脈から分岐した毛細血管しか通っておらず、そこから栄養分を受け取っているため、回復しにくいという話も…。

それ以外には、通常の脊髄損傷同様、ステロイド薬の使用や手術・リハビリなどが行われるようです。

自転車事故の脊髄損傷のリハビリ

お伝えしたとおり、自転車事故により脊髄損傷した場合、多かれ少なかれ、後遺症が残ることがほとんどのため、リハビリが必要になります。

麻痺してしまったことの精神的ショックも大きいと思いますが、なるべく早い段階でリハビリを行うことが望ましいようです。

というのも、長く動かしていないほど筋肉が落ち、循環機能も低下してしまうため、復帰までの時間が長期化してしまうからです。

脊髄損傷の場合、事故後に救急車で運ばれ、集中治療室(ICU)に入ることが多いと考えられます。

そこから一般病棟に移ったら、まずはベッドのリクライニング角度を上げていく訓練が行われるそうです。

というのも、長時間寝ていたことで、血圧が低下しているため、急に体を起こすと脳貧血を起こす恐れがあるということです。

ベッド上でのリクライニングに慣れた後は、車椅子に移る訓練となります。

車椅子上でも脳貧血を起こさないようになれば、本格的なリハビリが開始となります。

理学療法

基本的には、

  • 関節の可動域を広げるための訓練
  • 筋力を強化する訓練
  • 指先の細かい動作の訓練
  • 歩行器などの装具を使った歩行訓練
  • 日常生活の動作訓練

などが行われます。

また、排尿障害直腸障害がある場合には、排尿や排便の技術についても指導されるそうです。

心のケア

また、身体の麻痺により、以前はできていたことができなくなる精神的負担により、うつ状態になってしまう方も多いようです。

リハビリでは、そういった状態からの克服に向けて、心のケアも行われるそうです。

心が回復しなければ、他のリハビリ効果も得られないため、重要な訓練の1つとなっているそうです。

自転車事故による脊髄損傷には、他の発生原因とは異なる特徴があるということを覚えておくとよいでしょう。

脊髄損傷してしまった場合、残念ながら現在のところは、後遺症を全く残さずに治る可能性はほとんどないのが現実です。

もっとも、ブログの方のように日常生活に支障がない程度まで回復する可能性もありますので、前向きにリハビリに励めるようにしましょう。

自転車事故による脊髄損傷に関する慰謝料

自転車事故による脊髄損傷に関する慰謝料

自転車事故による脊髄損傷につき、お伝えしてきたような治療リハビリ病院で受けるには当然お金が掛かります。

被害者の方は、加害者に対し、治療費のような自転車事故による財産的損害の損害賠償請求することができます。

もっとも、自転車事故の被害者の方は、事故により、財産的損害だけでなく、様々な精神的苦痛を受けることになります。

自転車事故を含む交通事故においては、そのような被害者の精神的苦痛に対しても慰謝料という形で損害賠償の請求を認めています。

では、具体的な慰謝料の種類や金額相場はどうなっているのでしょうか?

脊髄損傷のリハビリ及び治療についての慰謝料

自転車事故により脊髄損傷した場合、被害者は、手術治療リハビリなどのため病院への入通院を余儀なくされます。

交通事故では、このようなケガにより入通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する入通院慰謝料請求を認めています。

入通院慰謝料の金額相場は、入通院の期間に応じ、以下のように定められています。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

ただし、入通院慰謝料の金額は通院の日数や頻度が影響する場合もあります。

具体的には、以下のような場合には、入通院期間どおりの慰謝料が払われないこともあります。

通院頻度と慰謝料の関係
  1. ① 通院が1年以上にわたり、通院頻度が1ヶ月あたり2~3回程度にも達しない場合
  2. ② 通院を継続しているものの、治療よりも検査や治癒経過観察の意味合いが強い場合

の場合には、通院期間を限度にして、実治療日数の3.5倍程度の日数を基準として慰謝料を計算する。

後遺障害が脊髄損傷により残れば別個に慰謝料

また、自転車事故により脊髄損傷した場合、先ほどお伝えしたとおり、麻痺などの後遺症が残ってしまうことがほとんどです。

そのような後遺症が残ってしまうと、被害者は、今後、生活上の不便を強いられるなどの精神的苦痛を負うことになります。

交通事故では、このような後遺症により今後、生活上の不便を強いられるなどの精神的苦痛に対する慰謝料請求を認めています。

ただし、後遺症の程度は様々であるところ、その慰謝料の金額をすべて一から判断するのでは、迅速かつ公平な損害賠償が実現できません。

そこで、交通事故では、後遺症のうち、一定の後遺障害として認定されたものだけに慰謝料の請求を認めることにしました。

その後遺障害は症状の程度に応じて等級に分けられ、慰謝料の金額の相場はその等級ごとに定められています。

具体的な等級ごとの後遺障害慰謝料の金額の相場は以下のとおりです。

弁護士基準による慰謝料の相場

そして、後遺障害の等級が認定された場合、被害者は、逸失利益という損害賠償の項目も請求できることになります。

逸失利益

後遺症により労働能力が失われてしまった場合に、本来得られるはずだった収入の減額分を補償するための損害賠償

後遺障害の逸失利益の金額の相場については、以下の記事に詳しく記載されていますので、ぜひご覧になってみて下さい!

脊髄損傷の等級は麻痺の範囲と程度により認定

では、自転車事故により脊髄損傷した場合には、どのような後遺障害等級が認定される可能性があるのでしょうか?

脊髄損傷では、主に

  • 麻痺の範囲
  • 麻痺の程度

によって、後遺障害の等級が認定されることになります。

麻痺の範囲の点

まず、麻痺の範囲については

  • 両側の上肢と下肢が麻痺する四肢麻痺
  • 片側の上肢と下肢が麻痺する片麻痺
  • 両下肢が麻痺(下半身麻痺)または両上肢が麻痺する対麻痺
  • 片側の上肢または下肢だけが麻痺する単麻痺

があります。

イラストで表示すると以下のとおりです。

麻痺の種類

ただし、脊髄損傷の場合には、通常片麻痺が生じることはないようです。

麻痺の程度の点

「麻痺の程度」については、厚生労働省の通達により、後遺障害等級基準よりもさらに具体的な基準が定められています。

麻痺の程度は「高度」・「中等度」・「軽度」に分けられています。

具体的には、以下の表のとおりです。

厚生労働省の通達による「麻痺の程度」
麻痺の程度:高度
障害のある部位の運動性・支持性がほぼ失われ、その部位の基本動作ができない。
【具体例】
・完全硬直
・物を持ち上げられない
・歩けない
・その他上記のものに準ずる場合など
麻痺の程度:中等度
障害のある部位の運動性・支持性が相当程度失われ、基本動作にかなりの制限がある。
【具体例】
・約500gの物を持ち上げられない
・字が書けない
・足の片方に障害が残り、杖や歩行具なしでは階段を上れない又は両足に障害が残り、杖や歩行具なしでは歩行が困難
麻痺の程度:軽度
障害のある部位の運動性・持続性が多少失われ、基本動作に制限がある。
【具体例】
・文字を書くことが困難
・足の片方に障害が残り、歩行速度が遅く、不安定又は両足に障害が残り、杖や歩行具なしでは階段を上れない

脊髄損傷の等級

上記の麻痺の範囲及び程度を前提に、脊髄損傷により認められる後遺障害の等級は以下のように定められています。

脊髄損傷での後遺障害等級認定基準
11号(別表1
・高度の四肢麻痺
・高度の対麻痺
・中等度の四肢麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要する
・中等度の対麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要する
21号(別表1
・中等度の四肢麻痺
・中等度の対麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要する
・軽度の四肢麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要する
33号(別表2
・軽度の四肢麻痺(21号に該当するものは除く)
・中等度の対麻痺(11号、21号に該当するものは除く)
52号(別表2
・一下肢の高度の単麻痺
・軽度の対麻痺
74号(別表2
・一下肢の中等度の単麻痺
910号(別表2
・一下肢の軽度の単麻痺
1213号(別表2
・軽微な麻痺など

ここまで、自転車事故により脊髄損傷した場合の慰謝料の種類や金額相場についてお伝えしてきました。

被害者の方の中には、具体的にどれ位の金額が受け取れる見込みがあるのか今すぐに知りたいと思った方も多いのではないでしょうか。

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自転車事故により脊髄損傷した場合には、病院への入通院を余儀なくされますから、それに対する精神的苦痛である慰謝料を請求できます。

それだけでなく、脊髄損傷の場合には、後遺障害が残ったことに対する慰謝料も請求できる場合が多いので忘れずに請求しましょう。

その場合の金額は、症状に見合った適切な投球が認定されるかどうかで変わってきますので、お悩みがあれば弁護士に相談してみましょう。

自転車事故による脊髄損傷の対応を弁護士に頼むべき理由

自転車事故による脊髄損傷の対応を弁護士に頼むべき理由

お伝えしてきたとおり、自転車事故により脊髄損傷した場合には、リハビリ慰謝料など様々な問題に対応しなければいけません。

そして、そのような自転車事故により脊髄損傷した場合の対応は、弁護士に依頼すべき必要性が高いといえます。

そこで、最後は、自転車事故により脊髄損傷した場合の対応を弁護士に依頼すべき理由についてお伝えしていきたいと思います!

自転車事故の対応を弁護士に頼むべき理由

自転車事故の場合、通常の交通事故以上に弁護士に依頼すべき必要性が高いと考えられます。

まずは、その理由についてご説明していきたいと思います。

加害者が無保険の場合が多いから

加害者が車の交通事故の場合、車は自賠責保険への加入が、以下の条文のとおり法律上義務付けられています。

自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(略)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。

そして、車の所有者の多くは、強制加入である自賠責保険に加えて、任意の自動車保険にも別途加入しています。

損害保険料率算出機構が発表している統計によると、2017年3月末時点の自動車の対人・賠償保険の加入率は87.9%となっています。

一方、加害者が自転車の場合、車の自賠責保険のような強制的に加入が義務付けられている保険は存在していません

また、高額な賠償金が命じられたニュース等により、徐々に認知度は高まっているものの、実際の自転車保険の加入率は2割程度のようです。

全体(1,000人)でみると、自転車保険に加入しているのは176人(17.6%)となり、まだ加入者は少ないという傾向が明らかになった。

このように、加害者が自転車の場合は、加害者が保険未加入の場合が多いため

  • 交渉相手が保険会社の担当者ではなく、加害者本人となり感情論が先立ち知識にも乏しいため、冷静かつ建設的な話し合いが困難になる
  • 加害者の資力の問題があることから、賠償金の支払方法での合意が困難になる

結果、弁護士に依頼して、加害者と交渉してもらい、場合によっては裁判を起こしてもらう必要があるのが理由の一つです。

過失割合が問題になりやすいから

また、自転車事故の場合、

  • 自転車が車両として扱われるという意識に乏しく、車両であることを前提とした過失割合に納得しないことが多い
  • 車両同士の事故に比べて判例の集積に乏しく、過失割合の基準が定まっていない部分も多い

ことなどから、過失割合が問題になりやすいといえます。

その結果、過失割合について、事故状況を正確に分析し、それに基づき的確な主張をする必要があり、場合により裁判まで起こす必要があります。

そして、事故状況の正確な分析・それに基づく的確な主張や裁判での適切な対応をするには、弁護士に依頼する必要性が高いといえます。

後遺障害認定する機関がないから

加害者が車の場合被害者後遺症が残った場合には、加害者の加入する自賠責保険会社を通じて、

損害保険料率算出機構が後遺障害の有無及び等級を認定

することになります。

一方、加害者が自転車の場合、車の損害保険料率算出機構のような中立的な立場から後遺障害の有無及び等級を認定する機関は存在しません

そのため、被害者は、

医療記録などの資料を根拠に自身の後遺障害の有無や程度を主張

する必要がありますが、的確に自身の後遺障害の有無や程度を主張するためには、医療や後遺障害に関する正確な知識が必要となります。

もっとも、自転車事故の被害者は通常そのような知識を有していないので、そのような知識を有する弁護士に依頼する必要性が高いといえます。

このような理由から、自転車事故の場合には、その他の類型の交通事故以上に弁護士に依頼する必要性が高いといえます。

自転車事故を弁護士に依頼すべき必要性が高い理由
理由 詳細
加害者が保険未加入の場合が多い ・交渉相手加害者本人となり交渉困難
・加害者の資力の問題から交渉困難
過失割合問題になりやすい ・事故状況の分析やそれに基づく的確な主張は本人では困難
・裁判になる可能性高く、その場合本人での適切な対応困難
後遺障害認定機関がない ・自身で後遺障害の有無や程度を主張する必要
・医療や後遺障害に関する知識が必要

脊髄損傷の対応を弁護士に頼むべき理由

そして、自転車事故による怪我脊髄損傷の場合には、さらに弁護士に依頼すべき必要性が高いと考えられます。

続いては、その理由についてご説明していきたいと思います。

慰謝料などの賠償金が高額になる

自転車事故により脊髄損傷してしまった場合、治療リハビリは長期に及ぶことも多くあります。

そして、重い後遺障害が残ってしまい、上位の等級が認定されることもあります。

その結果、慰謝料などの損害賠償金高額になる可能性があります。

そして、損害賠償金が高額な場合、加害者側は少しでも支払額を減らそうと被害者の請求に中々応じず、交渉が難航することが予想されます。

そのため、加害者側との交渉を成立させるために、対応弁護士に依頼すべき場面が多くなると考えられます。

過失割合などが争いになりやすい

また、慰謝料を含む損害賠償の金額が高額になればなるほど、過失割合分の減額幅も大きくなることになります。

そのため、加害者側は少しでも支払額を減らそうと過失割合について争い、その結果、交渉が難航することが予想されます。

この点、交渉を弁護士に依頼すれば、

  • 事故の状況にあった別冊判例タイムズの事故類型が選択されているか
  • 修正要素が正確に適用されているか

などについての適切な検討を行える可能性が高まり、受け取れる損害賠償の金額も大きく変わる可能性があります。

そのため、経験豊富な保険会社の担当者と過失割合につき対等に交渉し、適切な損害賠償を受けるには弁護士に代理人を任せるのが望ましいといえます。

将来介護費用が問題になりやすい

さらに、脊髄損傷により、重い後遺障害が残ってしまった場合には、介護が必要な状態になってしまう場合も考えられます。

その場合、被害者は、将来介護費用を損害賠償として請求できます。

もっとも、高額になることが多いため、加害者側は少しでも支払額を減らそうと被害者の請求に中々応じず、交渉が難航することが予想されます。

そのため、経験豊富な保険会社の担当者と対等に交渉し、適切な介護費用を受け取るには弁護士に代理人を任せるのが望ましいといえます。

なお、交通事故の介護費用については、以下の記事に詳しく記載されていますので、ぜひご覧になってみて下さい!

脊髄損傷の対応を弁護士に依頼したほうがいい理由
理由 詳細
慰謝料等の賠償金が高額になる 加害者側が高額な支払を避けるため、被害者の請求に中々応じないことが予想
過失割合問題になりやすい
介護費用問題になりやすい

脊髄損傷なら弁護士費用を払っても頼むべき!?

自転車事故に弁護士特約使用は?

交通事故被害者の方の中には、万が一の場合に備えて、ご自身のお車の保険に弁護士費用特約を付けている方もいるかと思います。

しかし、被害者の所有する車についている弁護士費用特約は

加害者が車の類型では使用できますが、自転車同士の事故や歩行者と自転車の事故の類型の自転車事故には原則として使用できません

自動車保険各社の弁護士費用特約の約款上、「弁護士費用特約」の適用対象の事故は自動車が関与する事故に限定しているからです。

ただし、保険の内容として、弁護士費用特約の範囲を日常事故にまで広げる

日常事故弁護士費用特約(名称は保険会社によって異なる場合もあります)

を付帯させていた場合、自転車同士の事故や歩行者と自転車の事故でも弁護士費用特約が使用できることになります。

弁護士費用特約の補償対象※
補償タイプ 自動車事故のみ 自動車事故+日常事故
自転車対車
自転車同士 ×
歩行者対自転車 ×

※被害者が所有している車両の弁護士費用特約

金額面では弁護士費用払っても得

もっとも、脊髄損傷の場合、弁護士費用を支払っても、損害賠償金額の面では被害者に得があることがほとんどになります。

先ほどお伝えした、慰謝料などの金額は、裁判を提起したり、弁護士に依頼した場合の相場になります。

被害者自身で交渉した場合には、先ほどの相場の金額を大きく下回る金額しか受け取れない可能性が高くなります。

一方、脊髄損傷につき、弁護士に依頼した場合、弁護士費用を差し引いた金額でも、ご自身で交渉した場合の金額を上回ることが多いといえます。

なお、被害者自身で任意保険会社に請求した場合と弁護士に依頼した場合とでどれくらい金額に違いがあるかについては、以下の記事が参考になります。

自転車事故は回収見込みに要注意

ただし、自転車事故の場合には、上記の金額実質的な回収見込みについて注意する必要があります。

先ほどお伝えしたとおり、加害者が自転車の場合は、請求できる加害者側の保険が存在しない場合があります。

その場合には、加害者本人に賠償金を支払ってもらうしかありませんが、脊髄損傷による高額な賠償金を加害者に支払う資力がない場合も考えられます。

その場合、弁護士に依頼したとしても、加害者から賠償金を受け取れない可能性があり、弁護士費用の分被害者が損をしてしまうことになります。

このように、自転車事故の対応を弁護士に依頼すべきかどうかは、加害者側からの賠償金の回収見込みを考慮した上で決める必要があります。

自転車事故により脊髄損傷した場合の対応は基本的に弁護士に依頼した方がいいと考えられます。

ただし、加害者側に請求できる保険がない場合には、加害者本人からの回収見込みを慎重に検討した上で、弁護士に依頼する必要があります。

自転車事故により脊髄損傷された方で、弁護士に依頼すべきかどうかよくわからない場合には、その点も含め、まずは弁護士に相談してみましょう。

自転車事故の脊髄損傷につき弁護士に相談したい方へ!

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ここまで自転車事故の脊髄損傷についてお伝えをしてきましたが、読んだだけではわからないことがあった方もいるのではないでしょうか?

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  1. ① 交通事故専門のサイトを設け交通事故解決に注力している
  2. ② 交通事故の無料相談のサービスを行っている

弁護士を特選して、47都道府県別にまとめています。

何人かの弁護士と無料相談したうえで、相性が良くて頼みやすい弁護士を選ぶ、というのもお勧めの利用法です。

最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、交通事故でお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

自転車事故により、脊髄損傷された方はまず、有効な治療・リハビリに励み、少しでも日常生活に支障のない状態にできることが望ましいといえます。

それでも、麻痺などの症状が残ってしまった場合、今後の生活や治療・介護のため、適切な慰謝料等の損害賠償の金額を受け取れるようにしましょう。

自転車事故による脊髄損傷の対応は、弁護士に依頼すべき必要性が高いので、依頼すべきかどうかを含めまずは弁護士に相談してみましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

このページを最後までお読みの方は、

  • 自転車事故による脊髄損傷は、完全に元には戻らないが、治療やリハビリにより日常生活に支障がない状態まで回復する可能性はある
  • 自転車事故による脊髄損傷に関する慰謝料
  • 自転車事故による脊髄損傷の対応を弁護士に頼むべき理由

について理解を深めていただけたのではないかと思います。

これを読んで弁護士に相談した方が良いと思った方も多いハズです。

自宅から弁護士と相談したい場合には、スマホで無料相談の機能を利用してみて下さい!

そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。

また、このホームページでは、交通事故に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!

皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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