交通事故で歯・口の後遺症|一本でも歯が欠けたら慰謝料請求可能

  • 交通事故,

交通事故で歯・口の後遺症|一本でも歯が欠けたら慰謝料請求可能

交通事故による外傷が原因で、に障害が生じてしまったとします。

生活の中での楽しみである食事が苦痛となったり、仕事などで必要不可欠な会話が困難になったり…。

想像するだけで大変ですよね。

しかし、交通事故で口や歯に障害を負ってしまった場合、

  • 口や歯に残った障害は、交通事故の後遺症として認定されるの!?
  • その場合の等級慰謝料相場は?
  • 保険会社から提示された示談金の額は適正なの?

など、たくさんの疑問やお悩みが出てくるのではないでしょうか。

そんな疑問やお悩みをお持ちの方のために、このページでは、

  • 交通事故で生じる口や歯の障害の種類
  • 交通事故の相手方への慰謝料請求の相場

などについて紹介していきたいと思います。

タレントの益若つばささんが交通事故で歯がぐちゃぐちゃになり、歯を見せて笑うのが苦手…。

とTwitterで言ったことも一時話題になりましたね。

つまり、食事や会話が困難といった機能障害以外にも、見た目への影響も考えられるワケですが…。

交通事故で口に障害を負った場合、どのような症状が後遺症として認定されるのか?

そもそも後遺症として認定されるのか?

一緒に詳しくみていきましょう。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

口や歯に障害が残ってしまった場合、日常生活への影響も大きく、ご本人への負担は非常に大きいものです。

実際に、交通事故による口の障害でお悩みの方から、これまでに相談を受けてきた経験があります。

その経験から、具体的な事例も紹介しながら解説していきたいと思います。

後遺症認定のその前に!交通事故による口・顎・歯の外傷に関する基礎知識

後遺症認定のその前に!交通事故による口・顎・歯の外傷に関する基礎知識

口を怪我するのは、スポーツよりも交通事故によるものが多いようですね!?

では、交通事故による口周辺の外傷には、どのようなものが多いのでしょうか。

後遺症認定の前に、まずは怪我の種類を知っておいた方が良さそうです。

交通事故による口周辺の外傷の種類

一番に挙げられるのは、やはり顎の骨の骨折ということです。

他には、顎の関節の脱臼や、歯の破損などのケースも多いとのこと。

では詳しく見ていきましょう。

症状は痛みだけではない…交通事故による「顎骨骨折」

></p>
<p>交通事故の最も一般的な外傷とも言える<strong>顎骨骨折</strong>。</p>
<p>一般的ではありますが、顎の骨を骨折した場合、単にその部分が痛むだけではありません。</p>
<ul class=

  • 上下の歯の噛み合わせが変わってしまう
  • 口が思うように開かなくなってしまう

といった症状も考えられるのです。

高齢者じゃなくても起こりやすい!?交通事故による「顎関節脱臼」

14597715878 3f386455f1 b

また、交通事故の衝撃で、顎の骨の関節が外れてしまう顎関節脱臼になるケースもあります。

顎関節脱臼になると、突発的に顎の激痛が起こるだけでなく、口が開いたままになり、閉じることができなくなってしまいます。

  • 以前に顎の脱臼を経験している場合
  • 頻繁に顎を動かしている場合

など、顎の関節が緩んでいるほど、起こりやすいようです。

顎だけではない…交通事故による「歯」の破折・動揺・脱臼

Frontzahntrauma Zahn 11 Behandlungsschritte 20091203 005

最初に紹介した益若つばささんのように、交通事故により、に外傷が生じる場合も非常に多いということです。

ちなみに医療用語では、

  • 歯が欠けてしまった状態を破折
  • ぐらつきがある状態を動揺
  • 歯が抜けてしまった状態を脱臼

と言うそうです。

特に問題なのは脱臼の場合。

30分以内に歯を埋め込まなければ、時間が経過するにつれて、健康な歯に戻る可能性が低くなってしまうそうです。

後遺症と認定される口・歯に残る「5つ」の障害|その等級とは?

後遺症と認定される口・歯に残る「5つ」の障害|その等級とは?

交通事故による口周辺の外傷についてわかってきましたね。

では、交通事故で口周辺に外傷を受けた場合、その後残る可能性のある後遺症にはどのようなものがあるのでしょうか。

また、自賠責保険で用いられている認定基準では、後遺症の等級が1級~14級まで定められており、等級毎に認定基準が定められています。

残存する症状が重ければ重いほど、数字の低い等級に該当する可能性が高くなります。

その等級の認定基準なども知りたいところです。

一番考えられるのは、そしゃく機能障害です。

固形物を自ら食べることができなくなってしまう場合もあり、日常生活に極めて大きな支障を引き起こすものと言えます。

それ以外にも、言語機能障害などが挙げられます。

食事は人生の中で非常に大切なもの…。

流動食以外の食事ができなくなるなんて、辛すぎます><

では、ここから詳しく見ていきましょう。

①咀嚼(そしゃく)機能障害

交通事故の外傷が原因で、噛むという動作に支障が出る場合があります=そしゃく機能障害

そしゃく機能障害と言っても、

  • 全ての固形物を摂取できなくなる場合
  • そしゃくは可能だが、固形物の摂取に長時間かかる場合

など、様々なケースがあるということです。

ちなみに、最近気になったニュースもありました。

成長期に食べ物をよくかまないと記憶力が低下、そしゃくは認知症予防にも
東京医科歯科大学は、成長期におけるそしゃく刺激の低下が記憶をつかさどる海馬の神経細胞に変化をもたらし、記憶・学習機能障害を引き起こすことをマウスモデルで示した。

おいしいものが食べれないだけでなく、成長期であれば記憶力などにも影響が出てしまうかもしれない…。

これは、後遺症として認定してもらわないといけませんよね。

②言語機能障害

交通事故の外傷が原因で、一定の発音ができないなど、言語機能障害が出る場合もあります。

言語障害にも様々なケースがありますが、後遺症の等級を認定する際には、

  • 口唇音(ま行音、ぱ行音など)
  • 歯舌音(な行音、た行音など)
  • 口蓋音(か行音、が行音など)
  • 喉頭音(は行音)

4種類の語音のうち、何種類の語音が発声可能かによって、認定が行われるということです。

そしゃく機能障害と言語機能障害の後遺症等級の認定基準を下の表にまとめてあります。

良ければご覧ください。

まとめ
そしゃく機能障害と言語機能障害の後遺症認定基準
後遺症の内容 後遺症認定等級
そしゃく機能障害 言語機能障害
そしゃくに相当時間を要する 12級
固形食物の一部が十分そしゃくできない または 1種の語音が発音不可能 10級3号
固形食物の一部が十分そしゃくできない 及び 1種の語音が発音不可能 9級6号
粥食など以外摂取できない または ・2種の語音が発音不可能
または
・綴音機能に障害
6級2号
粥食など以外摂取できない 及び ・2種の語音が発音不可能
または
・綴音機能に障害
4級2号
流動食以外摂取できない または 3種以上の語音が発音不可能 3級2号
流動食以外摂取できない 及び 3種以上の語音が発音不可能 1級2号

③歯牙障害

交通事故の衝撃で、破折動揺脱臼が生じることも多いようです。

この場合の後遺症等級認定は、何本の歯が抜けたり欠けたりして補ったか(補てつ)により判断されるということです。

歯牙障害は、そしゃく機能や言語機能にも影響を与えるため、この2つと同時に認定されることもあります。

④味覚障害

交通事故時に、舌やその他の顎周辺組織、または頭部への衝撃を受けたことにより、味覚障害が生ずる場合もあります。

味覚障害も、

  • 完全に味が理解できなくなる場合
  • ある特定の味だけ理解できなくなる場合

など様々です。

後遺症の等級認定の際には、

甘味、塩味、酸味、苦味

基本4味質のうち、何種類が認知不可能かによって判断されるということです。

⑤舌の異常・嚥下機能障害

交通事故の衝撃で、

舌に何らかの異常が起こる

もしくは

食べ物を飲み込む動作が十分にできなくなる=嚥下機能障害

場合もあります。

その場合、そしゃく機能障害の後遺症等級に準じて、等級が定められることになるそうです。

保険会社からの示談金にOKする前に知っておきたい!口の障害に対する慰謝料相場

保険会社からの示談金にOKする前に知っておきたい!口の障害に対する慰謝料相場

過去の判例から学ぶ…口や歯の障害に対する慰謝料の金額とは

ここまでで、口の障害に対する後遺症の認定についてお分かりいただけたのではないかと思います。

では実際のところ、それぞれの等級における慰謝料相場は、どれくらいなのでしょうか?

慰謝料の金額についてはケースごとに異なり、決まった相場というものはありません。

たとえば、そしゃく機能障害の慰謝料では400万円500万円程度。

歯牙障害では150万円1000万円弱とかなり幅があります。

ここでは参考として、いくつかの裁判例をご紹介したいと思います。

まずは、そしゃく機能障害に関する判例から見てみましょう。

そしゃく機能障害に関する慰謝料請求の裁判例
後遺症の内容 後遺症認定等級 慰謝料
・そしゃく機能障害 12級 290万※
・頚部痛
・そしゃく機能障害
11級 420万※
・そしゃく機能障害
・開口障害
・歯牙障害
11級 450万円
・そしゃく機能障害
・開口障害
10級2号 550万※

※認定額不明により、損害賠償額算定基準から引用

もちろん、これらの判例よりも高い等級に認定されれば、慰謝料はさらに大幅に増額となります。

続いては、歯牙障害の判例についても見てみます。

歯牙障害に関する慰謝料請求の裁判例
後遺症の内容 後遺症認定等級 慰謝料
歯牙障害 13級4号 180万円
歯牙障害 13級4号 200万円
歯牙障害 10級4号 795万円
歯牙障害・外貌醜状 併合8級 1030万円

こちらも、同じ歯牙障害であっても認定される等級が異なっています。

また、慰謝料も非常に幅広い額となっています。

つまり!!

より多くの慰謝料を獲得するためには、障害について適切かつ十分な主張が必要不可欠ということです。

しかし、自分一人でそのような主張をすることは通常難しいでしょう…。

そんなとき、交通事故に詳しい弁護士さんに依頼をすれば、多くの慰謝料を獲得するための適切なサポートをしてくれるハズです!!

自分で後遺症慰謝料を計算してみたい

慰謝料の相場についてご紹介してみましたが、ケースにより様々ということでしたね。

ちなみに、このページでは、後遺症慰謝料だけでなく入通院慰謝料も含めた賠償金総額がわかる計算機を設置しています。

入院日数や通院日数、後遺症の等級など数項目を入れるだけで、弁護士基準の賠償金を計算できます。

自分の事故ではどれくらいの金額が請求できるのか…!?

登録などは不要なので、ぜひ一度お試しください。

慰謝料計算機

かんたん1分!慰謝料計算機

開く

通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!あなたが保険会社から提示されている慰謝料は正しいですか?

慰謝料計算機

慰謝料計算機 通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!

慰謝料計算機はこちら

しかし、より詳しく知りたい!!という場合は、やはり弁護士さんに直接相談してみるのが一番ではないかと思います。

交通事故弁護士費用について不安だ…という方はこちらの記事も読まれてみてはいかがでしょうか?

弁護士費用などがわかりやすくまとめられています。

口の後遺症や慰謝料について弁護士に無料相談したい方はコチラ!

口の後遺症や慰謝料について弁護士に無料相談したい方はコチラ!

24時間365日いつでもスマホから相談予約したいなら

口の後遺症について理解を深めていただけましたでしょうか。

しかし、実際に交通事故で口に障害が残ってしまった場合、後遺症認定されるか、等級が何級になるか、判断は難しいですよね。

また、もし後遺症と認定されても、保険会社に慰謝料を請求していくのはハードルが高いハズです…。

そんなとき、頼りになるのが、弁護士の無料相談サービス。

電話でも、LINEでも弁護士と無料相談できるので便利です!

弁護士に無料相談はこちら

※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。

こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。

いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。

電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。

仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

どんな感じなのか、イメージしていただける動画もご紹介しておきます!

地元の弁護士に直接相談したいなら

近くの弁護士事務所を見つけたい場合は、こちらをご利用ください。

交通事故に注力する弁護士に限定して、47都道府県ごとの弁護士事務所を紹介しています。

サーチアイコン弁護士を探す5秒で完了
都道府県から弁護士を探す
北海道
東北
北陸
甲信越
関東
東海
関西
中国
四国
九州
沖縄

都道府県をお選びください

都道府県をお選びください

都道府県をお選びください

都道府県をお選びください

弁護士費用も明瞭なので、安心してご相談いただけると思います。

とはいえ、最初から弁護士事務所に行くのは辛い…。

そんな方は、こちらのページで電話やメールでの無料相談に対応している弁護士を探してみてください。

最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、口や歯の後遺症でお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!

まずは、お大事になさってください。

それでも残念なことに口の後遺症が残ってしまった場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら、後遺症が残るようなケースでは、適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

  • 口や歯の障害の症状種類などの基礎知識
  • 口や歯の障害の後遺症認定の基準
  • 口や歯の障害に対する後遺症認定等級ごとの慰謝料

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

また、口に後遺症が残っているときは、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるでしょう。

自宅から出られない方や、時間のない方は、便利なスマホで無料相談を利用するのがおすすめです!

そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。

また、このホームページでは、交通事故の後遺症に関するその他関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください!

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

口・歯の関連記事

後遺障害/慰謝料のまとめ