【交通事故】刑事処分通知の流れ|刑事罰は罰金?不起訴処分はいつわかる?

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【交通事故】刑事処分通知の流れ|刑事罰は罰金?不起訴処分はいつわかる?

交通事故刑事処分はどうなるのだろうか…」

交通事故は誰しもが加害者になる可能性のある身近な事故です。

そんな交通事故における刑事処分についての疑問を特集しました。

トピック
  • 交通事故の刑事処分の結果が分かる時期はいつ?
  • 交通事故の刑事処分は…罰金
  • 交通事故の刑事処分がでるまでの流れは?

本記事の監修には、交通事故をはじめとする刑事事件をあつかう弁護士・岡野武志先生をお呼びしています。

author okano
岡野武志弁護士
交通事故と刑事事件を専門とするアトム法律事務所の代表弁護士。

交通事故の刑事処分が加害者に通知される時期はいつ?

交通事故の刑事処分が加害者に通知される時期はいつ?

交通事故をおこして、刑事処分の連絡を待っている…」

交通事故の刑事処分が通知される時期がいつなのか確認していきたいと思います。

交通事故の刑事処分が通知される時期の目安は?

「交通事故の刑事処分がいつ通知されるのか?」

今か今かと待ちわびていらっしゃるでしょうか。

刑事処分を求める起訴がされるのか、刑事処分のない不起訴となるのか…

通知される時期の目安などはあるのでしょうか。

在宅事件の場合は、起訴・不起訴の判断の時期に決まった制限はありません。

刑事処分が通知される時期の目安としていえるのは、

交通事故など事件捜査の進み具合による

このような回答になります。

交通事故の状況が複雑だと、捜査の進み具合が異なります。

交通事故の発生からいつごろ刑事処分が出る?
1ヶ月後
3ヶ月後
半年後

など、刑事処分が出るのは交通事故の捜査状況によってさまざまです。

交通事故をおこしたから何ヶ月後に刑事処分がでるとは、一律で決まっているわけではありません。

検察庁からの呼び出しで交通事故の刑事処分を知る?

検察庁から呼び出しを受けたら、交通事故の刑事処分が伝えられることになるのでしょうか。

交通事故で検察庁から呼び出しが来るのは、2つのパターンが考えられます。

  1. ① 取り調べがおこなわれる
  2. ② 略式罰金の承諾書へのサインが求められる
  3. ①と②が同時におこなわれることも多くなっています。

検察官は、起訴/不起訴の処分を決めるにあたって自ら捜査にあたることがあります。

検察庁から呼び出しを受けたら、どのような用件で呼び出されたのか確認しておいた方がいいでしょう。

交通事故の加害者、刑事処分は…罰金?懲役?

交通事故の加害者、刑事処分は...罰金?懲役?

交通事故を取り締まる法律は?

交通事故は、さまざまな法律によって取り締まられる刑事事件です。

交通事故を取り締まる主な法律は、

  • 道路交通法
  • 自動車運転処罰法

です。

このような法律で交通事故は取り締まられることになります。

道路交通法

道路における危険を防止し、交通の安全などをはかることを目的とした法律

自動車運転処罰法

悪質で危険な自動車の運転によって人を死傷させる行為を取り締まる法律

自動車運転処罰法は通称で、正式には「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」といいます。

交通事故の刑事処分を求めて起訴されたら…刑罰の可能性

交通事故の加害者にどのような刑事処分を求めるかは、検察官の判断にゆだねられます。

検察官が刑事処分を求めるかどうかの判断
✔起訴
✔不起訴

起訴/不起訴の判断は、検察官のみによっておこなわれます。

起訴

検察官が刑事処分を科すべきであると判断して、刑事裁判を開くよう裁判所に求めること

交通事故が起訴処分になると、刑事裁判を通して有罪/無罪の審理がおこなわれます。

有罪である場合は、

  • 刑罰の種類
  • 刑罰の程度

が、法律で定められた法定刑の範囲内で刑罰が決められることになります。

刑罰として法律に規定されている種類はこのとおりです。

刑罰の種類

犯罪の一つ一つに、刑罰の種類と程度が定められています。

では、交通事故において科される刑罰はどのような可能性があるのでしょうか。

道路交通法自動車運転処罰法、それぞれの主な刑罰について簡単にまとめてみました。

道路交通法違反の主な刑罰
刑罰
酒酔い運転 5年以下の懲役
または
100万円以下の罰金
酒気帯び運転 3年以下の懲役
または
50万円以下の罰金
無免許運転
自動車運転処罰法違反の主な刑罰
刑罰
危険運転致傷罪 2 15年以下の懲役
3 12年以下の懲役
危険運転致死罪 2 1年以上の有期懲役
3 15年以下の懲役
過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪 12年以下の懲役
過失運転致傷罪 7年以下の懲役・禁錮
または
100万円以下の罰金
過失運転致死罪

このような範囲のなかで、刑罰が決められることになります。

交通事故の刑事処分は行政処分と別物?その違いは?

交通事故をおこしたときに、刑事処分とあわせて行政処分もどうなるのかという点が注目されます。

交通事故における行政処分と刑事処分の違いは何なのでしょうか。

刑事処分 行政処分
内容 刑罰を科すかどうかの処分 行政庁が法令にもとづき公権力を行使する
誰からの処分か 司法(裁判所) 行政(警察・公安委員会)
具体例 懲役、罰金など 違反点数、免許取消、反則金など

交通事故によっては、免許の停止・取り消しなどといった行政処分がおこなわれます。

交通事故における行政処分は、刑事処分とは別で審査されることになります。

交通事故では、

  • 刑事処分が不起訴により科されなかったから、行政処分がない
  • 刑事処分が科されたから、行政処分がある

とはかぎりません。

交通事故では刑事処分・行政処分のほかに、損害賠償などといった民事上の責任も負うことになります。

交通事故の刑事処分決定…不起訴までの流れを見る

交通事故の刑事処分決定...不起訴までの流れを見る

交通事故の刑事処分は、どのような流れ不起訴となり科されないことになるのか…

https://twitter.com/amot_mztmr/status/1059019256874979328

なかなか、普段の生活の中で不起訴までの流れを知る機会は少ないと思います。

くわしく解説していきたいと思います。

交通事故の刑事処分は、検察官が不起訴にすると?

交通事故をはじめとした刑事事件では、検察官のみによって起訴/不起訴の判断がなされていることは前述のとおりです。

起訴するという刑事処分を求める判断がだされると刑事裁判が開かれることになります。

では、不起訴の場合はどうなるのでしょうか。

不起訴

裁判を通して刑事処分を求めることは不要であると、検察官によって判断されること

交通事故など刑事事件では、不起訴が獲得できるかどうかは大きな意味を持ちます。

検察官が不起訴にするとどうなる?
✔刑事裁判が開かれることがない
✔有罪判決を言い渡されることがない
✔刑事罰を科されることがない

不起訴と一言で言ってきましたが、不起訴にはいくつか種類があります。

不起訴の理由とされる、主な3つを紹介したいと思います。

不起訴の主な理由
  • 嫌疑なし
  • 嫌疑不十分
  • 起訴猶予

こちらの3つが主な不起訴の理由です。

主な不起訴の理由
意味
嫌疑なし 犯人ではないことが明白だ
嫌疑不十分 犯人だと示す客観的な資料・証拠が足りない
起訴猶予 証拠上、犯人であることが明白でも、さまざまな情況で不起訴とされる

このほかにも、不起訴の理由とされるものはありますが代表的なものはこちらになります。

嫌疑なし、嫌疑不十分による不起訴は、その意味を見れば不起訴となる意味が分かると思います。

起訴猶予は、犯罪を犯したことが明白なのになぜ不起訴となるのでしょうか。

起訴猶予による不起訴の刑事処分が出されるには、さまざまな情況から決定されます。

ポイント
  • 被疑者の性格や年齢、置かれていた境遇
  • 交通事故によって生じた結果の軽重
  • 反省や被害者への謝罪がおこなわれたか
  • 被害者との示談が成立しているか
  • 賠償が尽くされているか

検察官はこのような点から不起訴の刑事処分を総合的に判断しています。

被害者に誠実な対応をおこなっているかなどをもとに、不起訴の処分が決められます。

不起訴までの流れ…交通事故における刑事処分

交通事故などの刑事事件は、2つのパターンに分けられて刑事手続きが進められる流れとなります。

交通事故における刑事手続の流れ

留置場などに入れられているかどうかという違いがあります。

これらをそれぞれ、

  • 在宅事件
  • 身柄事件

と呼んでいます。

在宅事件と身柄事件
在宅事件 自宅などで生活しながら、事件の捜査をうける
身柄事件 警察署の留置場など刑事施設で入れられ生活しながら、事件の捜査をうける

在宅事件と身柄事件では、まず「身体拘束の有無」という点に大きな違いがあります。

このような違いをのぞいて、起訴/不起訴の処分が出るまでの流れは同じになっています。

不起訴の流れ

在宅事件も身柄事件も、警察の一次的な捜査を受けて、検察官による捜査がおこなわれる流れとなります。

身柄事件では、逮捕・勾留されてから起訴/不起訴の処分がでるまでに「最大で23日間」という時間制限が設けられています。

このような点も、刑事手続きの流れのなかで大きな違いといえると思います。

身体拘束があるかどうかの違いはあるが、刑事処分がでるまでの大まかな流れは同じということが分かりました。

交通事故の刑事処分が不起訴だと連絡が来ない?

交通事故の刑事処分が不起訴だと連絡が来ない?

交通事故における刑事処分は不起訴だと、連絡が来ないということがあるようです。

https://twitter.com/eigo00001/status/937173347170885632

連絡してもらわないと、起訴されたのか、不起訴になったのか分かりません。

不起訴だと連絡が来ないというのは、本当なのでしょうか。

交通事故の刑事処分が求められず不起訴…書面で確認する方法は?

交通事故において不起訴という処分が検察官から出されると、

「不起訴になりました」

このように、わざわざ連絡は来ません。

不起訴になった旨を伝える法的な義務は、検察官には課せられていません。

ただ、被疑者には「不起訴処分告知書」を検察官に請求する法的な権利があります。

不起訴処分告知書を請求できる権利についての根拠はこのとおりです。

検察官は、事件につき公訴を提起しない処分をした場合において、被疑者の請求があるときは、速やかにその旨をこれに告げなければならない。

不起訴になったかどうか確認できないと不安だと思います。

不起訴処分告知書があれば、事件が終了したという確認が得られます。

不起訴処分告知書

不起訴になった旨が示される証明書

書面上で「不起訴」の文字を認識できるので、安心だと思います。

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最後に一言アドバイス

最後に弁護士から一言アドバイスをいただきたいと思います。

交通事故と一口に言っても、事故の内容はさまざまです。

被害者に与える被害は、軽症なものから死亡に至るものまで幅広いです。

交通事故の内容に軽重があるとはいえ、被害者の方に対する誠実な対応が求められます。

弁護士がついていれば、刑事処分が出されるまでにできる対応方法についてアドバイスがもらえます。

刑事事件をあつかう弁護士に相談し、適切な対応をおこない刑事処分を乗り切りましょう。

まとめ

「交通事故の刑事処分」について、レポートをお届けしました。

いかがでしたでしょうか。

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これらを活用して、弁護士を探してみましょう。

交通事故の加害者となりお悩みの方は、関連記事もあわせてご覧ください。

交通事故の刑事処分についてのQ&A

交通事故の刑事処分が通知される時期はいつ?

刑事処分が通知される時期は、交通事故など事件捜査の進み具合によって変わります。在宅事件の場合は、起訴・不起訴の判断の時期は決まっておらず、交通事故を起こしたから何ヶ月後に刑事処分が出るとも決まっていません。また、検察から呼び出された場合は、取り調べが行われたり、略式罰金の承諾書へのサインを求められたりします。そのため、検察の呼び出しに応じた時に刑事処分が判明するということもあります。 交通事故の刑事処分の通知の時期

交通事故の加害者の刑事処分は罰金?懲役?

交通事故の刑事罰は、例えば道路交通法違反となる酒酔い運転では、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。酒気帯び運転・無免許運転では、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。危険運転致死傷や過失運転致死傷など自動車運転処罰法違反に当たる場合は、15年以下の懲役が科せられることが多く、罰金が科せられることは少ないです。 交通事故の刑事処分は罰金?懲役?

交通事故の不起訴までの流れってどうなってるの?

交通事故後、在宅事件とされれば自宅で生活しながら、身柄事件とされれば刑事施設で生活しながら捜査を受けます。そして検察が、起訴すべきかどうか検討します。そこで、①嫌疑なし(犯人でないことが明白)②嫌疑不十分(犯人であるという証拠が不十分)③起訴猶予(犯人であることは明白だが様々な事情を考慮し起訴しない)のどれかに該当すると判断されると、不起訴処分となります。 交通事故の不起訴までの流れ

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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