交通事故の治療費|病院への支払いは保険会社?医療費控除は受けられない?

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交通事故の治療費|病院への支払いは保険会社?医療費控除は受けられない?

交通事故で怪我を負ってしまった場合、病院に入院通院をすることになります。

そうなれば、治療費医療費)が発生することになりますよね。

もしそうなった場合、

  • 交通事故による怪我の治療にかかる治療費は誰が負担するの?被害者が立替する必要があるの?
  • 治療費・医療費は加害者側に請求できるの?その請求方法とは?
  • 保険会社から治療費を払ってもらえる場合、打ち切りがあるってホント?
  • 交通事故による怪我の治療では、健康保険医療費控除を利用できるの?

など、わからないこともたくさんありますよね。

そこで今回このページでは、交通事故の治療費・医療費に関して、お悩みの皆さまと一緒に見ていきたいと思います。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

交通事故による怪我で入院や通院をすることになった場合、仕事も休まなければならず、治療費(医療費)の支払いや今後の生活費が非常に心配なはずです。

ここで、交通事故による怪我の治療費の支払いについて学び、いざというときのために備えておきましょう。

交通事故による怪我の治療の場合、加害者側に請求できるとは思うのですが…。

被害者の方から、治療費支払い立替が必要で苦しいという声も挙がっています…!!

後から加害者側の請求できるとしても、いったんは被害者の方が負担しなければならないのか…。

そして、後から請求する場合、その場合の請求方法はどうなっているのか、全額戻ってくるのか…心配が尽きませんよね。

よって、ここから一緒に勉強してみましょう。

交通事故による怪我の治療費の支払いは誰が!?被害者の自費負担?

交通事故による怪我の治療費の支払いは誰が!?被害者の自費負担?

交通事故で怪我を負い、病院に入通院することになった場合…。

まず気になるのは、その治療費誰が支払うのかという点ではないでしょうか。

治療費は被害者が立替?加害者に請求?

結論から言うと、交通事故による怪我の治療をする場合であっても、病院との関係では、治療費の支払義務は患者である被害者の方にあることになるそうです。

よって、原則的な治療費の支払い方法としては、被害者の方が病院に治療費を立替え、立替えた治療費を加害者側に請求するという形になります。

ただし、加害者側が任意保険に加入している場合、治療費を相手側の保険会社から治療機関に直接支払うという一括対応という手続きを取れることがあります。

この場合、被害者の方は病院の窓口で治療費を立て替える必要がなくなります

なるほど…。

被害者の方が立て替えて後から請求する方法と、最初から加害者側に支払ってもらう方法があるのですね。

では、それぞれの請求方法について、ここから一緒に見ていきましょう。

加害者側への治療費の請求方法について解説

被害者の方が立て替えて後から請求する方法と、最初から加害者側に支払ってもらう方法(一括対応)があるということでしたが…。

加害者側へ治療費(医療費)を後から請求する場合、まずは自賠責保険に請求することになります。

治療費の請求方法(被害者の方ご自身で)

自賠責保険への請求方法

治療費を自賠責へ請求する方法としては、

  • 支払請求書
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 診断書
  • 診療報酬明細書

といった書類の提出が必要になります。

この場合、支払請求書の「請求額」の欄は特に記載していなくても請求は可能ということです。

なお、治療費を自賠責に請求する場合には、領収書などの提出は特に不要です。

なぜなら、診療報酬明細書に被害者から受領した金額が記載されることになるからです。

ただし、自賠責保険はあくまでも事故被害者の方への最低限の補償を目的とした保険となっています。

よって、治療にかかわる損害賠償(治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料)に対する限度額が設けられており、合わせて120万円までとなっています。

重症の怪我を負ってしまった場合には、治療費(医療費)だけでもすぐに120万円を超えてしまうはずです…。

つまり、治療費全額が支払われない可能性もあるんですね…!!

そんなとき、加害者が任意保険に加入している場合には、任意保険にも治療費を請求することになります。

任意保険への請求方法

任意保険へ治療費を請求する場合にも、自賠責に提出するのと同じ書類を提出することになります。

ただし、自賠責の場合と異なり、任意保険会社に請求する際には、領収書などの提出も必要となります。

この場合、通常原本の提出が求められるようです。

そして、治療費を任意保険会社が請求に応じて支払うことになった場合、領収書は返却されないので、必要な方はコピーを取っておく必要があります。

治療費の請求方法(一括対応)

一方、一括対応の場合には、加害者が加入している任意保険が窓口となり、自賠責保険と任意保険の賠償金を一括して被害者の方に支払うことになります。

つまり、被害者の方は自賠責保険には治療費を請求しなくても良いことになります。

では、任意保険に一括対応の請求をする方法はどうなっているのでしょうか?

一括対応は任意保険会社の義務ではなく、いわばサービスの一環として行っているため、一括対応を任意保険に強制する方法はありません。

もっとも、被害者に過失がない場合や過失が小さい場合には、任意保険は一括対応に応じてくれることが多いと考えられます。

そのため、任意保険が一括対応を行っていない場合、任意保険に連絡をして一括対応をするよう求めるということが考えられます。

なるほど、まずは任意保険会社に連絡をして、一括対応の了承を得る必要があるのですね。

了承が得られた場合は、保険会社指定の手続きを行えば、治療費の立替は必要なく、治療を続けられることになります。

ただし、相手側から支払われるといっても、以下の場合は支払いを拒否される場合があります。

治療費支払いの拒否されるケース
  • 交通事故以前から患っていた持病の治療費
  • 必要性または合理性がないと判断される診療の治療費
  • 特別な理由がないにも関わらず、通常よりも著しく高額な治療費

上記に当てはまらず、適正と認められる治療費については支払われますので、ぜひ請求してみてください!

治療費の請求に関して不安な点がある場合には、弁護士などの専門家に相談してみるのも良いかもしれません。

交通事故による怪我の治療は保険適用となるってホント?

ところで、一括対応が認められず、被害者の方が立て替える必要が出てきた場合…。

後から戻ってくるとしても、現時点で必要となる治療費(医療費)の出費は可能な限り抑えたいはずですよね。

そのような場合、実は、交通事故による怪我の治療であっても、健康保険を利用することが可能なのです!

厚生労働省も、以下のように交通事故でも公的医療保険を使えるという通達(通知)を出しています。

犯罪や自動車事故等の被害を受けたことにより生じた傷病は、医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律)において、一般の保険事故と同様に、医療保険の給付の対象とされています

保険が適用できれば、自己負担となるのは、1~3割の医療費と入院時の食事代の一部などのみとなります。

ただし、公的医療保険で診療を受ける場合には、「第三者の行為による傷病届」を、

  • 区市町村担当課
  • 全国健康保険協会の都道府県支部
  • 勤務先健康保険組合

などの各保険者に提出する必要があります。

第三者行為の届を出せば、保険適用となり、自己負担金額が減るため、非常にありがたいですね。

ただし、病院によっては、健康保険の使用を拒否したり、一括対応に応じてくれないところもあるそうです。

そのような場合、弁護士が介入することにより、病院の対応が変わった事例もあるとのこと。

病院での対応にお困りの場合にも、弁護士に相談だけでもしてみた方が良いかもしれませんね!

交通事故の治療費・医療費は200%請求があり得る!?

交通事故による怪我の治療では健康保険が使えるとわかった一方で…交通事故の治療費や医療費は200%請求されるという噂も聞いたことがありませんか?

交通事故での病院の治療は200%の請求されると聞いたんですが、どうゆうことですか?自由診療でも100%ならわかるんですが、なぜ200%になるんでしょうか。

これについては、健康保険を利用しなかった場合、実際にあり得ることなのだそうです。

ここで、健康保険を使った場合の保険診療と、保険を利用しない自由診療の違いについて見てみましょう。

自由診療と健康保険診療との比較
自由診療 健康保険診療
費用 高額 低額
治療方法 制限なし 制限有り

自由診療の方が、受けられる治療に制限はありませんが、保険診療よりも治療費の金額そのものが高くなっています。

というのも、保険診療よりも自由診療の診療報酬の点数単価が高いからです。

診療報酬の点数
  • 保険診療:1点あたり10円
  • 自由診療:特に制限なし(1点あたり12円~20円程度と設定している病院が多い)

たとえば、治療にかかった診療報酬点数が3万点だったとします。

健康保険を使った場合、3万点×10円=30万円が治療費として請求されます(実際には3割負担で9万円)。

しかし、自由診療の場合、1点あたり何円とするかは病院が決めることができるため、仮に1点=20円とした場合には60万円が治療費となります。

つまり、200%の請求がされるということになりますね…。

以上を考えるとやはり、後から請求して戻ってくるとしても、健康保険を使って治療費を立て替えた方が良いということになりそうです。

治療費・医療費が払えない場合には…

しかし、一括対応がしてもらえず、交通事故による怪我の治療が長引いた場合、健康保険を適用していても払えないという事態に陥ってしまうことも考えられます。

そういった場合には、どうすれば良いのでしょうか?

被害者ご本人が傷害保険に加入している場合、過失割合に関係なく契約に応じた保険金が支払われます。

また、加害者が加入している自賠責保険の仮渡金制度を利用するという方法もあります。

仮渡金制度とは、

損害賠償金の確定前に、被害者の方が相手側の自賠責保険会社に前もって治療費を請求できる

という仕組みのことです。

仮渡金の限度額
40万円/人
・脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる症状を有する場合
・上腕又は前腕骨折で合併症を有する場合
・大腿又は下腿の骨折
・内臓破裂で腹膜炎を起こした場合
14日以上入院を要する傷害で30日以上の医師の治療が必要な場合
20万円/人
・脊柱の骨折
・上腕又は前腕の骨折
・内臓破裂
入院を要する傷害で30日以上の医師の治療を必要とする場合
14日以上の入院を必要とする場合
5万円/人
11日以上の医師の治療を必要とする場合

ただし、最終的な賠償額よりも多い金額を受け取ってしまった場合には、差額を返却する必要がある点には注意が必要です。

もう一つ、傷害保険については、被害者の方が加入している任意保険に人身傷害補償保険が付いていれば、被害者の方の入院費用などの治療費であっても、被害者の方の保険会社が支払ってくれます。

他に、搭乗者傷害保険自損事故保険無保険車傷害保険金が付いていれば、治療費の実費が支払われるわけではありませんが、保険金を受け取れる可能性があります。

よって、その受け取った保険金を治療費として利用することも可能となりますね。

自分の任意保険からの保険金
人身傷害補償保険金
過失割合に関わらず、保険会社の基準によって支払われる保険金(実損害額)。
同乗者の損害は、基本的に無条件に補償される。
搭乗者傷害保険金
自分の車に乗っている人(運転者・同乗者)が死亡、怪我をしてしまった場合に、自賠責保険や対人賠償保険などとは別に支払われる保険金。
無保険車傷害保険金
賠償能力が十分でない車の過失による事故に巻き込まれた場合に支払われる保険金。
自損事故保険金
運転手自身の責任で起こした事故により、運転手自身が死亡、怪我をしてしまった場合に支払われる保険金。

加害者が無保険だった場合には…

ところで、残念ながら自動車保険に未加入の人もいるのが現実です。

もしも事故の相手が無保険、もしくはひき逃げや盗難車であった場合には、治療費・医療費を相手側に請求できなくなってしまうのでしょうか…。

その場合には、政府保障事業というものを利用することができます。

政府保障事業とは、政府が実施している交通事故の被害者の方に対する最低限の補償制度です。

  • 相手が自賠責保険に加入していない場合
  • ひき逃げなどで相手が特定できず補償をまったく受けられない場合

に利用することができるそうです。

政府保障事業による補償金の金額は、自賠責と同じ基準になるようです。

自賠責と同じく、十分とは言えないかもしれませんが、何ももらえないよりは良いに決まっています。

利用したい場合は、損害保険会社が窓口となって対応してくれるそうなので、お近くの窓口に相談に行ってみてください。

また、上でご紹介した被害者の方ご自身の任意保険を利用できる可能性もありますので、契約内容を確認なさってみてください。

治療費はいつまで支払われる?保険会社から打ち切りされることもある?

治療費はいつまで支払われる?保険会社から打ち切りされることもある?

以上、治療費の支払いや加害者側への請求方法がわかったところで…。

では、相手側から支払われる治療費はいつまで支払われるのでしょうか?

怪我が完治するまで、ずっと支払われるものなのでしょうか?

治療費はいつまで支払われる?

治療によって完治が見込まれる怪我の場合には、完治するまで支払われるのが通常ということです。

しかし、交通事故の怪我の場合、完治せずに後遺症が残ってしまう可能性も高くなっています…。

そのような場合、医師から症状固定の判断が下されることになります。

症状固定

医学上一般に認められた治療方法を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態

簡単に言うと、これ以上治療しても、良くも悪くもならなくなった状態ということですね。

症状固定後の治療費については、原則、相手側の保険会社からは支払われなくなります。

よって、症状固定後にも治療を続けたい場合には、後遺症慰謝料を使って治療費を支払うことになるでしょう。

これ以上治療の効果が見込めないとなった場合には、その後の治療費は自己負担となってしまうのですね…。

その場合は、後遺症に対する損害賠償を受け取って、それを治療費に充てる必要が出てきそうです。

後遺症に対する慰謝料については、こちらの記事をご覧になってみてください。

ただし、治療による回復は見込めなくても、治療をしなければ悪化してしまうような場合には、悪化させないための治療費は支払ってもらえる可能性もあるようです。

他に、症状固定後に義足を作るために入通院が必要な場合に、将来の治療費を認めている例なども存在しています。

しかし、被害者の方だけで交渉しても認められるケースはほぼないそうなので、ぜひ弁護士相談してみてください!

保険会社からの治療費が打ち切りになったら…

完治が見込まれる怪我の場合、完治するまで治療費を支払ってくれるのが原則という話でした。

しかし、

  • 被害者の方が立て替えて後から請求する
  • 相手側の保険会社から治療機関に直接支払う一括対応

いずれの方法を選択するにせよ、最終的には相手側の保険会社が治療費を支払うことになるんですよね。

営利企業である保険会社としては、当然支払う金額を抑えたいと思うはずです。

そのため、相手側の保険会社が治療の打ち切りを通告してくることがあるそうなのです。

実際、保険会社の中にはDMK136という言葉があって、打撲では1ヶ月、むちうちでは3ヶ月、骨折では6ヶ月で打ち切りとするのが目安となっているそうです。

しかし、まだ症状が残っているのに、治療費を打ち切られては非常に困りますよね。

打ち切りの通告が来た場合の対応については、こちらの記事で詳しく解説されていますので、ご覧になってみてください。

交通事故の治療では、治療費を支払ってもらいながら、後遺症が残らないように完治させることが重要です。

治療を続けられるか心配な方は、ぜひ弁護士に相談してみてください!

治療費の損害賠償請求に関するその他の疑問

治療費の損害賠償請求に関するその他の疑問

治療費・医療費への過失割合の影響は?

ところで、交通事故の場合、赤信号で停車中に後ろから追突された場合のように、明らかに相手側が悪いケース以外では、被害者の方にも過失割合が認められることがあるそうです。

過失割合

交通事故の結果に対する責任割合のこと

もし被害者の方にも過失が問われた場合、その過失分に関しては加害者側に損害賠償請求することはできません。

よって、支払った治療費から、過失分が引かれてしまうことになります。

具体的には、治療費が100万円かかった場合、被害者の方に30%の過失割合が認められてしまった場合には、治療費の100万円から30%(30万円)が引かれて、70万円だけが支払われる計算になります。

過失分が引かれてしまうのは、結構大きな影響ですよね…。

自分の任意保険からの保険金を利用する

そのようなときに非常に役立つのが、先ほども紹介したご自身の加入されている任意保険になります。

人身傷害補償保険などに加入していれば、ご自身に過失がある場合や、相手が無保険だった場合、自動車運転中ではなかった場合にも、治療費の実費などがカバーされる可能性があるのです。

ただし、ご自身の保険を利用すると次回からの保険料が上がってしまうこともあるので、その点は要注意ですね。

また、過失割合について争いがある場合には、損害賠償の金額にかかわる非常に重要な問題ですので、ぜひ弁護士に相談してください!

整骨院に通院した場合は治療費を請求できない?

車の事故の場合、むちうちの怪我を負う方が非常に多くいらっしゃいます。

怪我としては軽視されがちですが、実際には辛い症状もありますし、後遺症が残ってしまう可能性も考えられます。

後遺症を残さないためにも、しっかりと治療を行うことが重要です。

ところで、むちうちの場合、病院(整形外科)よりも整骨院接骨院で治療したいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのように、病院以外で治療を受けた場合にも、治療費を請求できるのでしょうか?

整骨院・接骨院の費用は自賠責保険に請求できる!

調べてみたところ、自賠責保険の保険金の支払い基準には、以下のように記載されていました。

柔道整復等の費用

免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。

つまり、整骨院・接骨院に通院した際の費用は、加害者側に請求できるということになります。

整骨院のみはリスク!?整骨院・接骨院の治療費を支払ってもらえる条件

では、任意保険に関してはどうなのでしょうか。

任意保険に関しても、場合によっては認められるケースがあるようです。

  • 整骨院への通院について、事前に病院で医師の同意が得られている場合
  • 症状により、整骨院や接骨院での治療が有効かつ相当であると認められた場合

のいずれかに当てはまるケースでは、整骨院や接骨院での治療費(施術費)が認められる傾向にあります。

要は、病院からの指示により整骨院に通っているという体であれば、治療費が認められるということですね!

また、病院の医師の同意を得て整骨院に通われている場合には、整骨院・接骨院への通院期間も慰謝料に含めることが可能ということです。

ちなみに、入通院慰謝料は、通院期間により算定されるようなので、これは非常に重要なポイントですね。

通院慰謝料の算出については、こちらのページでも詳しく解説されていますので、良ければご覧になってみてください。

朗報としては、整骨院であっても健康保険を使うことができ、保険適用となった場合の費用負担は3割のみの自己負担となります。

整骨院の治療費の相場としては、初回は初診料等を含め3000円前後、2回目以降は治療の内容によりますが、500~1000円程度となっているそうです。

交通事故で医療費控除が申請できる?損害賠償との関係は…

交通事故で医療費控除が申請できる?損害賠償との関係は…

以上、交通事故による怪我の治療費について、だいぶ詳しくなってきましたね。

しかし、もしも大きな怪我を負った場合、高額な医療費がかかることがあります。

医療費控除とは?

そのように医療費をたくさん支払っている場合、確定申告時に「医療費控除」を申請することで、所得税や住民税の金額を減額することができるってご存知でしたか?

ただし、会社の年末調整では医療費控除を受けることはできません。

医療費控除を受けるには、ご自身で確定申告をするようにして下さい。

所得税や住民税が減額されるというのは、非常にありがたい制度です。

医療費控除の対象となる医療費は、以下の通りとなっています。

医療費控除の対象
  • 納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費
  • その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費

つまり、自分の医療費だけではなく、同一生計のご家族の医療費を支払った場合にも、医療費控除が受けられるんですね。

損害賠償金と医療費控除の関係

そのような制度があるとわかったところで…病気や通常の怪我とは違い、交通事故では加害者側から損害賠償金の一環として治療費を受け取れるということでした。

損害賠償で治療費を受け取っている場合でも、医療費控除は受けられるのでしょうか?

治療費を損害賠償として受け取った場合のように、医療費の一部について補填された場合は、「保険金などで補填される金額」に該当し、補填された金額を支払った医療費から差し引く必要があります。

やはり、損害賠償として受け取った分は差し引かれるのですね。

医療費控除の計算方法は、以下の通りとなっています。

医療費控除の計算式

医療費控除=(実際に支払った医療費の合計額-①)-②

  1. ① 保険金などで補填される金額
  2. ② 10万円(例外:総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%の金額)

ちなみに、「総所得金額等」とは以下の金額を指します。

総所得金額等
  • 純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額
  • 特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額
  • 上場株式等に係る配当所得の金額
  • 先物取引に係る雑所得等の金額
  • 山林所得金額及び退職所得金額

の合計額

以上、改めてわかった通り、治療費を加害者側から受け取った場合は、医療費の領収書があったとしても医療費控除は受けられないということになります。

具体的に医療費控除の計算をしてみよう

では、具体的な計算例を見てみましょう。

たとえば、総所得金額300万円の方が、交通事故による怪我ではなく、病気の治療などで医療費20万円を支払った場合、

医療費控除金額=200,000−100,000=100,000円

となり、10万円の医療費控除が受けられることになります。

一方、総所得金額が150万円の方の場合には、

医療費控除金額=200,000−(1,500,000×5%)=125,000円

となり、12.5万円の医療費控除が受けられることになります。

しかし、交通事故による怪我の治療で、治療費20万円を損害賠償などで受け取っている場合には控除は受けられません。

ただし、治療費が非常に高額で、自賠責の上限を超えてしまい、任意保険からも回収できていない場合には、医療費控除を受けられる可能性があります。

たとえば、総所得金額300万円の方が、医療費1000万円を支払い、自賠責の上限120万円しか回収できなかった場合には、

医療費控除金額=(10,000,000-1200,000)-100,000=8,700,000円

となります。

ただし、控除の限度額が200万円となっていますので、200万円の医療費控除を受けられることになります。

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以上、交通事故治療費医療費について理解を深めていただけたでしょうか。

治療費を受け取りながら、完治するまで治療を受けるためには、弁護士に相談した方が良いと思われた方もいらっしゃるはずです。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、交通事故の治療費・医療費に関してお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!

交通事故の被害に遭われ、病院での治療、治療費の支払いの心配、さらに保険会社との交渉もしなければならず、辛い思いをされていることと思います。

そんなときは、迷わず弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら、辛い思いをした分、しっかりと適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社から条件を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

  • 交通事故による怪我の治療にかかる治療費負担加害者側への請求方法
  • 保険会社から打ち切りの連絡がきた場合の対応
  • 交通事故の怪我であっても健康保険を使える点
  • 交通事故による怪我の治療における医療費控除損害賠償の関係

などについて、理解を深めていただけたのではないかと思います。

完治するまでしっかりと治療を受けるためには、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

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そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。

また、このホームページでは、交通事故の治療費など損害賠償の請求に関するその他関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください!

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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