【弁護士監修】交通事故による主婦の慰謝料・休業補償を徹底解説!

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【弁護士監修】交通事故による主婦の慰謝料・休業補償を徹底解説!

もし主婦の方が交通事故に遭いケガを負ってしまった場合、家事をするのも困難になってしまい、ご本人だけでなくご家族の方も困ってしまいますよね。

また、主婦の場合、現実的な収入がないため休業損害や逸失利益はどのように計算されるのか知らない方は多いのではないでしょうか?

このページでは、交通事故に遭った主婦の損害賠償金の計算方法について解説いたします。

主婦の慰謝料は働いている人と違うの?

事故に遭ったのが主婦だと、収入も無いし、慰謝料も大きく違ってくるんですか?
そんなことはありませんよ。家事労働も立派なお仕事ですから、多少金額の違いはあってもサラリーマンの方と同じように慰謝料を請求できます。
そうなんですね!家事もとても大変なお仕事ですもんね。

主婦が受け取れる慰謝料とは

主婦の方が受け取れる慰謝料にはいったいどのような種類があるのでしょうか?

入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、入院または通院をした苦痛に対する精神的慰謝料のことをいいます。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故により負ってしまった後遺症について、後遺障害等級の認定を受けたものに対して支払われる慰謝料のことをいいます。

死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、被害者の方が亡くなってしまった場合に支払われる慰謝料のことをいいます。

死亡慰謝料は、亡くなってしまったご本人に対する慰謝料と、その近親者に対する慰謝料の2種類あります。

これらの慰謝料は、「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つの基準によって金額の相場が決められています。

慰謝料の金額は、高い順で「弁護士基準」「任意保険基準」「自賠責基準」となっています。

主婦の慰謝料の計算方法

それぞれの慰謝料の計算方法は、主婦であるからといって異なるわけではなく、一般的な計算方法が使われます。

ただし、死亡慰謝料に関しては、亡くなった方が置かれている状況により金額は変わってきます。

弁護士基準によると、亡くなった方が一家の大黒柱であった場合2,800万円、母親・配偶者であった場合2,500万円、独身の男女・子ども・幼児であった場合2,000~2,500万円となっています。

大黒柱 主婦 独身男女・子ども
入通院慰謝料 同じ方法で計算
後遺障害慰謝料 同じ方法で計算
死亡慰謝料 2,800万円 2,500万円 2,000~2,500万円

主婦が請求できる休業損害とは?

主婦も休業損害を請求できるんですか?
はい、できますよ。現実的な収入が無いからといって請求できないということはありません。
なるほど!

それなら助かりますね。

休業損害とは

休業損害

休業損害とは、交通事故によってケガを負い、仕方なく仕事を休まざるを得なくなったときに、休まなければ得られたはずの収入のことをいいます。

休業損害の計算方法

計算方法は、

1日あたりの損害額×休業日数

となります。

自賠責基準では1日あたり5,700円、任意保険基準では自賠責基準と同様の金額が1日あたりの損害額が決められていることが多いです。

弁護士基準では、サラリーマンなどは事故前3ヶ月の収入の平均を基準に、自営業者の場合は事故前の確定申告などの情報を基準に1日あたりの収入(基礎収入)を出し、休業日数と掛け合わせます。

主婦の休業損害の計算方法

主婦は、サラリーマンなどとは異なり、給料も決められておらず、勤怠の入力などもありませんが、休業損害はどのように計算するのでしょうか?

専業主婦の場合

1日あたりの損害額は、現実的な収入はありませんが、厚生労働省が実施している賃金に関する統計「賃金センサス」の女子労働者の全年齢平均賃金の基準などを使い、金額を出します。

また、実際に入院していた日数と通院していた日数を休業日数とすることが多いですが、通院していない日(期間)も家事ができなかったことが証明できれば、その日数(期間)も休業日数に加えることができます。

兼業主婦の場合

パートタイムなどで週30時間未満働いているいわゆる兼業主婦の方は、実際に収入がありますが、その収入を基準に1日あたりの損害額を計算すると、専業主婦として計算した金額よりも低くなってしまうケースがあります。

そのため、実際の収入と「賃金センサス」を検証し、高い方を基準として使います。

弁護士基準による基礎収入
専業主婦 賃金センサス
兼業主婦 事故前3ヶ月の収入の平均or賃金センサスの高い方
自営業者 事故前(前年度)の確定申告等による情報
サラリーマン 事故前3ヶ月の収入の平均

主婦が請求できる逸失利益とは?

主婦であっても、慰謝料は変わらず、休業損害も請求できるって分かったんですけど、逸失利益はどうなんでしょう?
もちろん、主婦であっても逸失利益もサラリーマンと同様にもらえますよ。
そうなんですね!逸失利益についても詳しく教えてください。

逸失利益とは

逸失利益

逸失利益とは、交通事故により亡くなってしまった、あるいはケガで後遺障害が残ってしまった場合に、本来得られるはずだった収入の利益のことをいいます。

逸失利益の計算方法

計算方法は、

基礎収入×労働能力喪失率×ライプニッツ係数

です。

基礎収入は、休業損害の場合同様、事故前の収入あるいは賃金センサスに従います。

労働能力喪失率は、後遺障害による労働能力の喪失を数値化したもので、後遺障害の等級によって基準が決められています。

ライプニッツ係数とは、本来は月単位などで分割して支払われる収入を賠償金として一括で受け取るので、その際の中間利息を控除するために使われる係数のことをいいます。

亡くなってしまった場合は、労働能力は100%喪失されたものとしますが、生活費がかからないとして生活費を控除します。

生活費控除率は、一家の大黒柱は30~40%、女性は30%、男性は50%が基準となります。

労働能力喪失率
等級 喪失率 等級 喪失率
1級 100% 8級 45%
2級 100% 9級 35%
3級 100% 10級 27%
4級 92% 11級 20%
5級 79% 12級 14%
6級 67% 13級 9%
7級 56% 14級 5%

主婦の逸失利益の計算方法

それでは、主婦の逸失利益の計算方法を見ていきましょう。

専業主婦の場合

休業損害のときと同じく、「賃金センサス」を用い基礎収入を出し、労働能力喪失率とライプニッツ係数をかけます。

兼業主婦の場合

兼業主婦の場合も休業損害のときと同じく、実際の収入と「賃金センサス」を検証し高いほうを基礎収入として算出し、労働能力喪失率とライプニッツ係数をかけます。

賃金センサスによると、1日あたりの女性の全年齢学歴計の平均賃金は10,000円近くなりますが、自賠責保険だと5,700円です。

自分の基礎収入をきちんと把握し、また弁護士に相談することで納得できる逸失利益を得ることができます。

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いかがでしたか?

この記事をお読みの方には、「【弁護士監修】交通事故による主婦の慰謝料・休業補償を徹底解説!」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないかと思います。

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この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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