交通事故による脳出血で受け取れる保険金|自動車保険だけでなく生命保険からも!?
ある日突然、交通事故の被害に遭い、脳出血の大怪我を負ってしまったとしたら…。
長い治療期間が必要となるかもしれないし、仕事もできなくなってしまうかもしれない…。
その間の治療費や生活費など、心配・不安なことしかありませんよね。
もちろん、事故の加害者側(相手側の保険会社)から損害賠償=保険金を受け取ることは可能です。
しかし、
それ以外に受け取れる保険金はないのでしょうか?
もしもあるのであれば、生活費の不安の軽減につながるかもしれません!
そこで今回このページでは、交通事故で脳出血となった場合の保険金について見ていきたいと思います。
なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
交通事故で脳出血の怪我を負われ、心身ともにお辛い日々を送られているとお察しします。
そのような場合、相手側の保険会社からの保険金を受け取るのはもちろん、他にもご自身が加入されている保険などからも保険金を受け取れる可能性があります。
このページをお読みの方に、少しでも参考になれば幸いです。
目次
脳出血とは、脳梗塞・くも膜下出血と合わせて脳卒中と呼ばれています。
脳内出血(脳出血):
脳の内部に出血すること。脳梗塞、くも膜下出血とあわせて脳卒中と呼ばれる
交通事故による外傷性脳出血による治療法や後遺障害、リハビリに関しては、こちらの記事をご覧ください。
交通事故が原因で脳出血となってしまった場合に受け取れる保険金については、ここから一緒に見ていきましょう。
交通事故で脳出血となった場合に受け取れる保険金
相手側の自動車保険からの保険金
交通事故が原因であれば、もちろん相手側の自動車保険から保険金を受け取ることができます。
まず、車を運転する人に加入が義務付けられている自賠責保険から、傷害、後遺障害、死亡に対する保険金を受け取ることになります。
その内訳や限度額については、こちらの記事をご覧ください。
また、加害者が任意保険にも加入している場合には、自賠責の限度額を超える分の保険金も受け取れることになります。
対人賠償保険金 |
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交通事故で相手側の車に乗っていた人や歩行者を怪我させたり、死亡させてしまった場合など、法律上の損害賠償責任を負担する場合に、自賠責保険の補償上限を超える損害賠償をカバーする保険金。 |
自分の自動車保険からの保険金
ところで、赤信号で停車中に後ろから追突された場合のように、相手側が100%悪いと明らかなケースを除いては、被害者の方にも過失割合が認められてしまうことがあります。
被害者側に過失がある場合には、その過失割合分は相手側に請求できる保険金から減額されてしまうことになります…。
被害者の方にも過失割合が認められるような場合には、被害者の方ご自身が加入されている任意の自動車保険から保険金を受け取れる可能性があります。
もちろん過失がない場合にも受け取ることは可能です。
ご自身の自動車保険から受け取れる保険金としては、以下のようなものが挙げられます。
人身傷害補償保険金 |
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過失割合に関わらず、保険会社の基準によって支払われる保険金(実損害額)。 同乗者の損害は、基本的に無条件に補償される。 |
搭乗者傷害保険金 |
自分の車に乗っている人(運転者・同乗者)が死亡、怪我をしてしまった場合に、自賠責保険や対人賠償保険などとは別に支払われる保険金。 |
無保険車傷害保険金 |
賠償能力が十分でない車の過失による事故に巻き込まれた場合に支払われる保険金。 |
自損事故保険金 |
運転手自身の責任で起こした事故により、運転手自身が死亡、怪我をしてしまった場合に支払われる保険金。 |
以上の保険に加入していれば、ご自身に過失がある場合や、相手が無保険だった場合、自動車運転中ではなかった場合にも、治療費の実費や休業損害などがカバーされる可能性があります。
一度、ご自身の自動車保険契約内容を確認してみるのも良いかもしれません。
ただし、ご自身の保険を利用すると次回からの保険料が上がってしまうこともあるので、その点は要注意ですね。
自動車保険から受け取れる保険金=示談金の内容や相場について詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧になってみてください。
その他の保険からも保険金が受け取れるってホント?
しかし、それだけではなく、実は他の保険金も受け取れる可能性があるんです。
自分の生命保険からの保険金
自動車をお持ちの方もお持ちでない方も、生命保険に加入されているという方も多いのではないでしょうか。
生命保険とは、実は病気だけでなく、不慮の事故などの災害によって死亡した場合などにも保険金が支払われるものとなっています。
また、相手側やご自身の自動車保険とは別に、保険金を受け取ることが可能なんですね。
死亡保険金 |
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被契約者が死亡もしくは高度の障害状態に陥った際に支払われる保険金。 |
医療保険金 |
入院時や手術時に支払われる保険金。 日本国民は基本的に健康保険に加入しているが、それではカバーされない差額ベッド代や、入院時の生活費、先進医療費などに備える保障。 |
生命保険であっても、治療費を受け取れるとは知りませんでした…!!
また、死亡以外に、脳出血により重度の障害が残った場合にも死亡保険金を受け取れる可能性があります。
もしもの場合に備えて、ご自身の加入されている生命保険の契約内容も確認しておいた方が良いかもしれませんね。
生命保険の特約
また、特約を付加すれば、交通事故による脳出血に対しても、より手厚い保障内容にすることができます。
災害入院特約 |
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怪我で入院した場合に入院給付金が支給されるもの。 |
災害割増特約 |
交通事故などの突発的で偶然起きる事故による死亡の場合に、死亡保険金を上乗せできるもの。 |
傷害特約 |
交通事故などの突発的で偶然起きる外来的な事故による死亡のときに、死亡保険金を上乗せできるもの。 交通事故などの突発的で偶然起きる外来的な事故によって所定の障害状態になった場合は、その障害の程度に応じて給付金が支払われる。 |
上記の特約は、交通事故での確率をもとに作られているため、年齢も関係なく、保険料も安価となっているようです。
ただし、特約を付けなくても、生命保険や自動車保険から怪我に対する補償を受け取ることは可能です。
特約に加入していれば、もちろん保険金を受け取ることはできますが、保険料の無駄が発生しているとも考えられます。
事故への保障に偏った保険となっていないか、検討してみるのも良いかもしれません。
【注目】交通事故による脳出血の場合、三大疾病特約からの給付金は支払われる?
ところで、生命保険に加入されている場合、三大疾病特約を付けられている方も多いのではないでしょうか。
契約内容にもよりますが、以下のような内容の特約を付けられている方が多いはずです。
三大疾病特約の具体例
- 三大疾病で「特定の状態になったとき」に保険金がもらえる
- 三大疾病になった場合、入院給付金の支払限度日数が無制限になる
- 三大疾病になった場合、以後の保険料が不要になる など
三大疾病と言えば、
- ガン(悪性新生物)
- 急性心筋梗塞
- 脳卒中
の3つですが、脳出血は脳卒中の中の1つということでしたね。
では、交通事故などの外傷による脳出血も、脳卒中として三大疾病特約からの給付金を受けられるのでしょうか?
脳卒中の対象は、くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞となっています。
ただし、疾病には一般的に外傷などは含まれません。
よって、交通事故が原因の場合、脳内出血であっても給付金は受け取れません。
交通事故が原因の場合には、疾病とは言えないため、三大疾病特約に加入していても、保険金は受け取れないのですね。
ちなみに、ここからは参考情報ですが、病気による脳内出血の場合であっても、特定の条件を満たさなければ特約の補償を受けることはできないようです。
特定の状態
脳卒中と診断確定されたその日から60日以上、言語障害、運動失調、麻痺などの他覚的な神経学的後遺障害および労働の制限を必要とする状態が続いたとき
よって、保険料のわりには使えないことも多いようです…。
特定疾病保障保険(三大疾病)という特約があるが、これが意外に使えない保険って知っていますか?これは、ガン、心筋梗塞、脳卒中に対する保険です。さらに細かく定義が決まっています。例えば、心筋梗塞は、心不全、狭心症、心筋症は対象外です。
— 長尾 義弘|保険・老後資金のプロ (@neo_sigh) May 1, 2010
交通事故による脳出血の場合、三大疾病特約は使うことができませんが、通常の生命保険からの保険金を受け取ることは可能なので、覚えておいてくださいね!
自分の傷害保険からの保険金
生命保険ではなく、傷害保険(損害保険)に加入されている方もいらっしゃるかもしれません。
傷害保険についても、相手側やご自身の自動車保険とは関係なく、保険金を受け取ることが可能ということです。
また、傷害保険も、不慮の事故による死亡・傷害・怪我を保障するためのものであり、契約内容に応じて死亡保険金や障害保険金、入院保険金などが支払われます。
ただし生命保険とは違い、傷害保険の保障対象は「不慮の事故によって発生した損害」に限定されており、病気による死亡・障害については一切保障されません。
もっとも、交通事故が原因の脳出血の場合には、保険金を受け取れることになります。
傷害保険から受け取れる保険金としては、以下のようなものが挙げられます。
死亡保険金 |
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不慮の事故によって被契約者が死亡した場合に支払われる保険金。 |
後遺障害保険金 |
不慮の事故によって所定の後遺障害状態に陥った場合に支払われる保険金。 |
入院保険金 |
不慮の事故によって傷害を負った場合、入院日数に応じて支払われる保険金。 支給条件として、事故から入院までの経過日数に制限が設けられている。 |
通院保険金 |
不慮の事故によって傷害を負った場合、通院日数に応じて支払われる保険金。 支給条件として、事故から入院までの経過日数に制限が設けられている。 |
手術保険金 |
入院保険金が支払われる場合に、その怪我の治療のために所定の手術を受けた場合に支払われる保険金。 支給条件として、手術の種類や1事故あたりの保険金の支給回数に制限が設けられている。 |
以上、交通事故で脳出血となった場合に受け取れる保険金について見てきました。
自動車保険 | 他の保険 |
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車乗車中 | |
対人賠償保険、人身傷害保険、無保険車傷害保険、搭乗者傷害保険など | 生命保険、傷害保険、生命保険の特約など |
自転車乗車中・歩行中 | |
対人賠償保険、人身傷害保険、無保険車傷害保険 | 生命保険、傷害保険、生命保険の特約など |
保険は、ただ入っているだけでなく、いざというときに請求してこそ役に立つものです。
もしも交通事故の被害に遭い、脳出血となってしまった場合には、相手側からの損害賠償だけでなく、請求できるものはするに越したことはありません。
交通事故に遭わないことが一番良いのは間違いありませんが、いざというときのため、
- 自分が加入している保険の種類や内容
- どのようなケースで保険金を受け取ることができるのか
などについて、ご家族と共有しておくことも大切ではないかと思います。
困った時に慌てないように、今のうちに情報を整理しておきましょう。
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以上、脳出血に対する保険金について理解を深めていただけたでしょうか。
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最後に一言アドバイス
それでは、最後になりますが、交通事故による脳出血の保険金についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!
交通事故の場合、相手側保険会社からの保険金以外に、自分の自動車保険や生命保険、医療保険などからも補償を受けられる可能性があります。
よって、どのような補償内容の保険に加入していて、どのような時に保険金が受け取れるのか、きちんと確認し、整理しておくことをお勧めいたします。
一方、自動車保険からの保険金に関しては、被害者の方だけで交渉しても、思ったよりも低い保険金しか受け取れない可能性もあります。
しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。
そうなる前に、適正な保険金を受け取れるよう、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただけた方には、
交通事故が原因の脳出血で受け取れる保険金
について、理解を深めていただけたのではないかと思います。
また、自動車保険からの保険金に関して少しでも不明な点がある場合には、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
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この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。