後遺障害7級の交通事故慰謝料|7270万円の判例を弁護士が解説
このページでは、後遺障害7級の判例についてご紹介します。
7級は、部位や症状によって1~13号に分けられています。
場合によっては、介護が必要になってくることもあります。
もし7級の後遺障害が残ってしまった場合、どのくらい慰謝料や示談金が支払われるのか気になりますよね。
この判例では、総額7270万円の損害賠償金が認められましたが、金額算定のポイントはどのような点だったのでしょうか。
法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。
目次
それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。
障害等級7級(男・症状固定時22歳)損害額7270万1341円の判例
こちらは、名古屋地方裁判所の民事第3部の判決、平成22年(ワ)5225号・平成22年(ワ)6121号事件です。
この事故による主な怪我の内容は、脳挫傷となります。
交通事故の基本情報
事故の内容は「被害者運転の原付自転車が、片側1車線の道路を走行中、右折のために道路中央に進路を変えたところ、後方から加害者運転の普通自動車が追突した。」というものです。
交通事故の基本情報は?
属性 | 大学生 |
---|---|
性別 | 男 |
年齢 | 症状固定時22歳 |
事故の内容 | 被害者運転の原付自転車が、片側1車線の道路を走行中、右折のために道路中央に進路を変えたところ、後方から加害者運転の普通自動車が追突した。 |
傷害の内容 | 脳挫傷、頭蓋骨骨折、気脳症、頸部挫傷、内耳震盪症 |
後遺障害等級 | 7級4号 |
入院 | 18日 |
この事故の過失割合は、被害者6割、加害者4割とされたようです。
判例で認められた賠償金・慰謝料
それでは、認められた損害額を見てみましょう。
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 | 7270万1341円 |
---|---|
うち慰謝料 | 1090万円 |
うち付添看護費 | 185万2480円 |
うち逸失利益 | 5971万8063円 |
損害総額は7270万1341円でした。
ざっくりまとめると…
被害者の損害額は総額7270万1341円になりました。
- 慰謝料としては、傷害慰謝料が90万円、後遺障害の慰謝料が1000万円認められました。
- 付添看護費としては、被害者の症状から付添看護が必要であることから1日当たり6300円、入院雑費などについては1日当たり1500円、交通事故証明取得料600円が損害として認められました。
- 逸失利益としては、5971万8063円が認められました。
弁護士による解説
弁護士先生、こちらの男子大学生は高次脳機能障害によって7級4号が認定されたようですが、この判例のポイントはどのような点になりますか?
本件のように高次脳機能障害で7級4号と認定される場合、まずは交通事故による脳の異常がレントゲン等で確認できること、事故後意識障害があったこと等が前提になります。
また、高次脳機能障害の症状は多様ですが、本件では記銘力低下、知的機能低下や情緒不安定といった点があげられています。
これらの症状は周りからもなかなか障害とはとらえられず見逃してしまうことも多いので、事故後これらの症状が現れたら弁護士に相談してみるとよいでしょう。
交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい
はじめての慰謝料計算
交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。
ポイントを整理すると、
- 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
- 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
- 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。
の三点が重要です。
慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。
記事の構成は、
- 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
- 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
- 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?
となっています^^
慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利
また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。
計算ソフトの利用をおすすめするのは、
- 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
- 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
- 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい
といった人たちです。
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思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。
保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。
弁護士に無料相談してみてはどうでしょう?
こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。
いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。
電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。
※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。
広告主:アトム法律事務所弁護士法人
代表岡野武志(第二東京弁護士会)
仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。
後遺障害7級の慰謝料計算の特徴は?
7級の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?
一口に7級と言っても各号ごとに症状は様々ですが、原則として慰謝料は等級に応じて定められ、7級の場合、裁判基準では1,000万円となっております。
特に争いになりやすいのは逸失利益の項目であり、7級12号の外貌醜状や7級13号の睾丸喪失の場合、仕事には支障がないとして、逸失利益を保険会社が否定してくることも多いです。
また、7級の場合、自賠責基準では計算の基礎となる労働能力喪失率を56%としていますが、実際にはそこまでの仕事への支障がないとして、保険会社が自賠責基準よりも低く主張してくることもあります。
そのような場合には、職務内容や職務にどのような支障が出ているかを具体的に主張する必要があることがポイントです。
なお、7級4号の高次脳機能障害については、後遺障害申請の際に提出する書類の記載内容によっては、実際に残存する障害に見合った等級よりも低い等級として認定されている可能性があるので、注意が必要です。
また、7級4号の高次脳機能障害であっても、症状により、家族等による看視が必要な場合には、看視費用を請求する余地があります。
ただし、以上のポイントは一般的な話であり、上に挙げられている裁判例のように、事故に遭われた方の事情によって妥当な金額が異なります。
まずは専門家である弁護士に相談してみるのがよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
後遺障害7級の交通事故慰謝料について、弁護士の岡野先生と一緒にお送りしました。
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