交通事故による膝の痛みが取れない…膝・下腿の後遺症(後遺障害)の種類は?

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交通事故による膝の痛みが取れない…膝・下腿の後遺症(後遺障害)の種類は?

交通事故に遭い、膝・下腿に怪我を負ってしまった。事故後しばらく経ったが、なかなか膝の痛みが治らないので、後遺障害等級の申請をしたい。でもどんな怪我なら、等級の認定がおりるのだろう?弁護士に依頼するメリットは何だろう?

ここでは、そんなお悩みをお持ちの方に向けて、膝・下腿の後遺障害慰謝料の相場について、わかりやすくご紹介します。

交通事故でよくある膝・下腿の怪我とは?

交通事故に遭ってしまいました。膝から下の部分が痛むのですが、これはどんな怪我でしょうか?
膝下を負傷すると、歩行も困難になり、生活に支障をきたしますね。どんな怪我があるか、見ていきましょう。
お願いします。

膝・下腿の構造

476px Osteochondroma MRI

は、ふとももの骨とすねの骨をつなぐ関節ですが、骨と筋肉だけでは関節がぐらぐらしてしまうので、それらを靭帯がつないで、安定させる構造になっており、その間にある軟骨や半月板が、クッションの役割をしています。

また下腿とは、膝から足首までの部分をいいます。

交通事故でよくある膝の怪我

交通事故でよくある膝の怪我としては、以下のものがあります。

膝の骨折

膝を打ってしまった際に(いわゆる膝のお皿が)折れてしまうことが多いようです。

膝の脱臼

膝の脱臼の多くは、膝蓋骨(いわゆる膝のお皿の骨)が外側に外れてしまうことで起こります。一度脱臼すると、癖になってしまい、何度も脱臼を繰り返すようになってしまうこともあります。

膝の捻挫

捻挫というと、軽い怪我というイメージをもたれがちですが、これは靭帯の損傷です。膝の捻挫は、レントゲン検査では異常がないので、患者さんも医師も軽く見ていたところ、損傷した靭帯が回復せず、関節の不安定や痛みが残ってしまった、いうことにもなりかねないので、注意が必要です。

膝の側副靭帯・十字靭帯・半月板損傷

これらの怪我は、レントゲン検査では確認できないので、MRI検査を行う必要があります。靭帯が完全に切れたり、半月板の損傷度合いが激しかったりすると、手術が必要になります。

膝の打撲

膝の打撲は、バイク、自転車や歩行者の事故で、多く発生します。自動車同士の事故でも、ダッシュボードに膝を強打して、打撲することがあります。レントゲン検査では異常が確認されないため、軽視される傾向にありますが、注意が必要です。

交通事故でよくある下腿の怪我

交通事故でよくある下腿の怪我としては、以下のものがあります。

下腿の骨折

膝から足首までの部分の骨折としては、と共に膝から下を支えているの骨折、脛腓骨骨折、脛骨近位部骨折、脛骨高原骨折、足の甲の骨である中足骨骨折などがあります。

下腿の脱臼

交通事故による下腿の脱臼というのは、そう多いものではありません。交通事故で強い衝撃を受けると、関節が外れる(脱臼)よりも先に、骨折してしまうからです。しかし、中には膝蓋骨(膝のお皿)の脱臼などもあります。

下腿の捻挫

捻挫は、レントゲン検査をしても骨に異常が見られないため、軽傷ととらえられてしまう傾向にあります。しかし後遺症を残す可能性もあるので、注意が必要です。下腿の捻挫としては、足首の関節である足関節の捻挫や、脛腓骨捻挫、それから下腿部挫傷があります。

下腿の打撲

筋や腱を打撲する場合と、骨膜を打撲する場合があります。筋や腱の打撲は内出血につながり、血が固まることでしこりができ、痛みが残ることがあります。

骨膜打撲は、骨の周りにある膜を傷つけた状態のことで、骨そのものは傷ついていないためレントゲンには写りませんが、超音波エコー検査により知ることができます。骨膜には神経も血管もたくさん通っているので、ここを打撲すると、強い痛みや内出血につながります。

下腿の肉離れ

肉離れは、打撲が原因で起こることもありますし、急に筋肉が引き伸ばされたことによって怒ることもあります。肉離れは、適切な治療を行わないと、筋肉が切れたままになって、筋力の低下や痛みを引き起こすので要注意です。

交通事故でよくある膝・下腿の怪我

骨折、脱臼、捻挫、打撲、肉離れなど

捻挫は軽くとらえてしまいがちなので要注意

後遺症が残りうるので等級申請の準備を

膝・下腿の後遺障害の種類

膝・下腿の怪我には色々なものがあるのですね。後遺障害として認定されるのは、どんな怪我ですか?
動揺関節のほかに、欠損障害、機能障害、変形障害などがあります。一つずつ説明していきますね。
はい、私の怪我が当てはまるといいんですが・・・。

膝の動揺関節

動揺関節とは、可動域制限があるというよりも、不安定な状態をいいます。交通事故で膝に怪我を負ったことで、膝がぐらぐらしてしまって安定しない、という場合があります。

症状の程度が軽ければ12級、重いと8級の等級認定が見込めます。

膝・下腿の欠損障害・短縮障害

欠損障害

欠損障害とは、下肢の全部又は一部を失った状態をいいます。これは画像により明らかである場合が多いので、後遺障害等級の認定自体が争いになることは滅多にないようです。

症状の程度が軽くても7級、重ければ1級の認定が見込めます。

短縮障害

短縮障害とは、骨折が治癒した際、骨折した脚が、健康な脚よりも短くなってしまう状態をいいます。どれくらい短くなったかが、後遺障害等級が認定されるか否かの分かれ目となります。

程度が軽ければ13級、重いと8級の認定が期待できます。

膝・下腿の機能障害

機能障害とは、下肢関節の可動域が怪我をしていない方の関節の可動域の一定以下に制限されている場合や、人工関節を入れた場合をいいます。

機能障害は、可動域がどれくらい制限されているかによって評価されます。程度が軽いと12級、重いと1級の等級認定が見込めます。

膝・下腿の変形障害

変形障害とは、骨の間のゆ合機転が止まって異常可動を示したり、骨などにゆ合不全を残したりするものをいいます。

ゆ合とは、傷や骨折が治るにつれて、損傷した部分がふさがったりくっついたりする過程をいい、この過程で問題が生じると、変形障害と診断されるのです。

これは、裁判で可動域が争いになることが多く、新たに測定するのはもちろん、事故による受傷から症状固定までの回復の過程に、不自然・不合理な点がないかといった点が、検討されます。程度が軽いと12級、重いと7級の等級認定が見込めます。

膝・下腿の後遺障害の種類
動揺関節 膝の関節が不安定 8-12級
欠損障害 下肢の全部又は一部を失う 8-13級
機能障害 可動域が健常時の1/2以下に 1-12級
変形障害 骨のゆ合過程に問題 7-12級

膝・下腿の後遺障害で慰謝料を獲得するためのポイント

膝・下腿の怪我に適切な後遺障害等級の認定を受けて、きちんと慰謝料をもらうには、どうしたらいいですか?
弁護士に相談するのが一番です。適切な等級認定を受けるにあたって、多くのサポートを得られます。
そうですね。迷ったら弁護士さんに相談ですね!

医師の検査、正確か?

交通事故の怪我においては、関節がどのくらい曲がるかによって、後遺障害等級が変わります。

たとえば、関節がまったく動かせない場合は8級、怪我をしていないときの1/2以下しか動かせない場合は10級、3/4以下しか動かせない場合は12級、といった様子です。

しかし医師の後遺障害診断書は、かならずしも正しいとはいえません。等級申請に不可欠な可動域(どれくらい動かせるか)の検査は、医師によってまちまちです。

ですから漫然と医師の診断結果を信用するのではなく、等級申請に際し必要かつ適切な診断書を書いてもらうよう、積極的に働きかける必要があります。弁護士に相談すると、そうした点のサポートが受けられます。

後遺障害等級が認定されない場合はどうする?

後遺障害等級の申請をしたけれども認定されない、ということも往々にしてあります。そこでまず考えられるのは、異議申し立てをして、再度等級の認定を目指すことです。

しかし、裁判になった場合、等級がおりていなくても、等級がおりたと同然の補償を受けられる可能性があります。後遺障害等級の有無は、裁判所の判断を拘束するものではないのです。

ただし、裁判で認められるためには、たとえばその怪我により膝下の動きが悪くなり、仕事に行けていないなど、適切な主張立証が不可欠です。弁護士であれば、その点も安心して任せることができます。

事故との因果関係が争われる場合

医師が「交通事故による怪我である」と診断書に書いてくれたところで、そのすべてが認められるわけではありません。

後遺障害等級の認定を担当している自賠責保険の調査事務所は、以下のような様々な観点から、事故と怪我との間の因果関係を判断します。

その怪我は

・交通事故より前からあったか

・交通事故の直後に発生したか

・交通事故の発生状況に照らし妥当か

・交通事故後に事故とは関係なく発症したか

事故と怪我の因果関係が疑わしいと判断されると、後遺障害等級の認定がおりません。

特に高齢者の場合、たとえば、もともと膝が弱いなど、既往症を抱えていることが多いため、しっかり記録をつけておかないと、その怪我が交通事故によるものかどうかの証明が困難となります。

また、可動域制限が自賠責保険の定める基準を満たしていたとしても、その可動域制限の原因と考えられる怪我の存在を証明できなければ、後遺障害等級は認定されないので、注意が必要です。

弁護士に相談してみよう

交通事故で膝・下腿に怪我を負い、思うように歩けず仕事や通学に支障が出ている。にもかかわらず、適切な後遺障害等級の認定がおりない、慰謝料がもらえない、となると、不安は増すばかりですね。

事故で怪我を負ってからの一連の手続きは、普段の生活になじみのない、やや複雑なもので、ストレスを感じることもあるでしょう。そんな時は、ぜひとも弁護士にご相談ください。

交通事故の経験豊富な弁護士が、お客様の望むタイミングと頻度と方法で、適切なサポートを致します。

適切な等級認定・慰謝料の支払いを得るポイント
医師の検査を鵜呑みにしない 医師によって診断も異なる
等級がおりなくても裁判で適切な主張立証 等級認定された場合と同様の補償を得られることも
事故との因果関係 ・特に高齢者は注意
・可動域制限の原因
弁護士に相談 適切なサポートを得られる

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いかがでしたか?

この記事をお読みの方には、「交通事故による膝の痛みが取れない…膝・下腿の後遺障害について知ろう!」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないかと思います。

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交通事故後の膝の後遺症についてのQ&A

膝・下腿の後遺障害の種類は?

膝の動揺関節、膝・下腿の欠損障害・短縮障害、機能障害、変形障害があります。健康な脚を基準にして、障害を負った側の長さや可動域を計測します。各障害によって等級基準が設けられていますが、裁判で争われるケースも少なくありません。 膝・下腿の後遺障害の種類

膝・下腿の後遺障害慰謝料を受けとるには?

まずは等級申請に必要かつ適切な診断書を、医師に書いてもらう必要があります。しかし診断書の内容が医師によってまちまちな場合が多いです。漠然と診断結果を受け入れるのではなく、認定に必要な内容を書いてもらえるよう、積極的に医師へ働きかける必要があります。 適切に後遺障害認定を受けることが重要

後遺障害等級が認定されない場合は?

まず異議申し立てを行い、再度等級の認定を目指します。また裁判になった場合は、等級がおりていなくても、等級がおりたと同然の補償を受けられる可能性があります。いずれにしても、適切な主張立証が不可欠となります。 後遺障害等級が認定されないときの対応

事故と怪我との因果関係が争われる場合は?

特に高齢者の場合、しっかりと受傷前の状況を記録しておくことが重要です。また可動域制限が自賠責保険の基準を満たしている場合でも、可動域制限の原因と考えられる怪我の存在を証明できなければ、後遺障害等級は認定されないので注意が必要です。交通事故前後の因果関係を事実として証明できる材料が必要です。 自賠責保険の調査事務所の観点

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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