後遺障害診断書の料金・費用負担|自賠責診断書の値段は?自腹になる!?
「自賠責の後遺障害の診断書を書いてもらおうと思うけど、料金はいくらくらい掛かるの?」
「後遺障害の診断書の費用は自分が病院の窓口で支払わなければいけないの?」
「後遺障害診断書料は非該当だと相手方保険会社に請求できないって本当なの?」
交通事故にあわれて後遺症が残ってしまい、後遺障害の申請を検討されている方は後遺障害の診断書の料金や費用負担が気になるのではないでしょうか?
交通事故に巻き込まれるというのは、はじめての方が多いでしょうから、後遺障害の診断書の料金について知らなくても当然かと思います。
しかし、後遺障害の診断書の料金や費用負担を理解しておかないと、損をしてしまう可能性があるんです!
このページでは、そんな方のために
- 自賠責の後遺障害の診断書の料金相場
- 後遺障害診断書の費用の窓口負担
- 後遺障害診断書料を相手方に請求できるか
といった事柄について、徹底的に調査してきました!
専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。
弁護士の岡野です。よろしくお願いします。
後遺障害の診断書の料金は、高額とまではいえないとしても、被害者なのに自分が負担しなければいけないのかどうかは気になるところかと思います。
少しでも有利な方向で交通事故の賠償の話を進められるよう、後遺障害の診断書の料金について、しっかり理解しておきましょう。
目次
そもそも、後遺障害の診断書の料金は一律に決められているのでしょうか?
一律ではないとしたら、料金の相場はあるのでしょうか?
まずは、料金について調査していきたいと思います!
自賠責の後遺障害の診断書の料金は?
診断書の料金は病院や医師により様々
あまり、病院に行かれたことのない方の中には、診断書の料金につき、はじめて以下のことを知る方もいるようです。
日本は診断書の料金が任意設定だなんて知らなかった。
— kiko໒꒱🌙 (@kikikokoi) November 7, 2018
実は、診断書の料金は一律ではなく、病院や医師により様々なんです。
「医療経営情報研究所」という会社の調査によると、料金格差は最大で約10倍もあり、患者からの苦情が寄せられることもあるようです。
民間の調査会社「医療経営情報研究所」が(略)、全国の病院を対象に行い、およそ400か所から回答を得ました。
それによりますと、保険会社や勤務先などに提出する詳しい診断書の作成、発行に係る料金は、最も安い病院では1000円、最も高い病院は1万500円で、およそ10倍の差がありました。
(略)
調査した研究所によりますと、医師の診断書は、病院が自由に料金を設定できるため、患者からは「ほかの病院と比べて診断書の料金が高い」などの病院に対する苦情も寄せられているということです。
出典:https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/149156.html
料金が気になる方は、通院前にいくつかの病院の料金を検証してから通院先の病院を決定するのも方法の一つといえます。
後遺障害診断書の料金相場は約6000円
後遺障害診断書 | 診断書 | |
---|---|---|
平均額 | 5,927円 | 4,763円 |
最高額 | 12,600円 | 10,500円 |
最低額 | 2,520円 | 1,500円 |
※医療経営情報研究所「医療文書作成業務・文書料金実態調査」参照
全国平均で5,927円ですが、病院や地域により、2,520円~12,600円まで料金の幅があるようです。
通常の診断書よりも後遺障害診断書のほうが若干高額なのは、後者のほうが記載すべき事項が多いからであると推察されます。
後遺障害の診断書の作成を依頼する際には、事前に通院中の病院に料金を確認しておいたほうがいいでしょう。
後遺障害診断書の費用は被害者が病院で窓口負担?
被害者請求の場合は一旦自己負担
後遺障害の診断書の料金相場がわかったところで、次に気になるのはその料金を誰が負担するのかということだと思います。
まず、病院に対する関係では、被害者請求という
被害者自身が直接相手方の自賠責保険に後遺障害の等級認定を請求する
方法の場合、被害者が後遺障害診断書料を病院の窓口で自己負担することになります。
そのため、以下のようなお気持ちになる方も多いようです。
診断書作成費用が10,800円😧たけ〜😲これで後遺障害保険が全く認定されなかったら凹む😫
— aka ぴぐ (@reggae0303) April 8, 2017
後ほど詳しく説明しますが、窓口で自己負担した料金を後日相手方に請求することができる場合があります。
事前認定の場合は保険会社が負担
一方、事前認定という
相手方任意保険会社が窓口となって、被害者の後遺障害の等級認定を事前に確認する
方法の場合、後遺障害診断書料は相手方任意保険会社が負担することが多いようです。
あくまで事前認定は相手方任意保険会社が主体となって相手方任意保険会社のために行う手続のため、費用負担に応じるものと考えられます。
ただし、病院との関係では、あくまで当事者は被害者のため、事前認定であっても、原則としては一旦窓口で自己負担することになります。
その場合、窓口で支払った際の領収証等を相手方任意保険会社に提出すれば、相手方任意保険会社から後遺障害診断書料を受領することができます。
一括対応中なら窓口負担もなし?
もっとも、交通事故では、加害者側保険会社が、被害者の治療費や診断書料を、治療機関に直接支払う
一括対応
をとっているケースがあります。
この一括対応の継続中に、後遺障害診断書の作成を依頼した場合、後遺障害の診断書料も直接保険会社が病院に支払うことが多いため、
被害者の窓口負担もなくなる
ことが多くなります。
窓口負担を避けたい場合には、任意保険会社が一括対応をしているうちに後遺障害診断書の作成を依頼する必要があるということになります。
最後に、ここまで見てきた後遺障害診断書の費用の窓口負担者を表にまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。
なお、下記の表はあくまで原則であり、例外もある点には注意して下さい。
被害者請求 | 事前認定 | |
---|---|---|
一括対応中 | 被害者 | 保険会社 |
一括対応してない | 被害者※ |
※領収証などを提出すれば保険会社支払うこと多い
後遺障害診断書料は非該当だと請求できない?
非該当だと原則自己負担
被害者請求などの場合に、後遺障害診断書料を被害者が窓口負担したときでも、後遺障害申請の結果、
後遺障害が認定されれば、相手方に請求可能
になります。
一方、後遺障害申請の結果、残念ながら非該当という結果になった場合には、原則として自己負担となり、相手方に請求できない事になります。
後遺障害が認定された場合には、後遺障害診断書は後遺障害による損害の立証に必要であったということで、損害として認定されます。
他方、非該当となった場合には、後遺障害による損害が発生していないことになるため、損害の立証資料とはいえず、損害として認定されません。
そうなんですね・・・
しかし、後遺障害の申請をしても、非該当だと診断書料が自己負担になるのでは、下記のツイートの方のように申請を躊躇するのではないでしょうか?
被害者請求の諸々準備してるんだけど、後遺障害診断書って、作成に1万かかって認定されなければ自費負担になるのか・・・(。-`ω´-)ンー
— ろぼ (@lobo_tokyo) November 28, 2014
被害者なのに、自己負担が発生する可能性があることにご不満のお気持ちを持たれるのはごもっともかと思います。
しかし、後遺障害の申請は必ずすべきものではなく、申請するかどうかは被害者の判断に委ねられています。
最終的には、診断書料が自己負担になるリスクを考慮した上で、後遺障害の申請をするかどうか判断せざるを得ないかと思います。
非該当でも請求できる場合も!
もっとも、後遺障害による損害が発生するかどうかは、後遺障害を申請しなければ確定しないことになります。
そのため、結果的に後遺障害が非該当であっても、損害額を確定する上で後遺障害の申請を行うことは必要不可欠であるとして、
診断書料についても、事故による損害を確定するために必要不可欠な事故によって発生した損害
であるとして、後遺障害診断書料を相手方に請求する余地があるようです。
また、相手方保険会社から後遺障害の申請をすすめられたような場合にも、後遺障害診断書料を相手方に請求する余地があるようです。
弁護士が交渉することにより、非該当の場合でも、後遺障害診断書料の相手方への請求が認められることもあります。
また、後遺障害が残存しない事案において後遺障害診断書取得費用が損害として認容された裁判例も存在します。
後遺障害診断書料を誰が負担するかで争われている場合には、一度弁護士に相談してみるのが良いかと思います。
異議申立の後遺障害診断書料は?
後遺障害の申請結果が非該当であった場合、再度の判断を求める異議申立という手続を取る場合があります。
この異議申立の結果、結論が変わり、後遺障害が認定された場合には、後遺障害診断書料を相手方に請求することができます。
異議申立により、後遺障害が認定された場合、結果的に後遺障害診断書は後遺障害による損害の立証に必要であったと判断されるものと考えられます。
最後に、後遺障害診断書料を相手方に請求できるケースを表にまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。
後遺障害認定 | 後遺障害非該当 | |
---|---|---|
被害者請求 | ○ | △ |
異議申立 | ☓ |
※一般的な傾向で例外あり
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最後に一言アドバイス
岡野弁護士、読者の方に、最後にアドバイスをお願いします。
弁護士の岡野です。よろしくお願いします。
見ていただいたとおり、後遺障害診断書の料金や費用負担については様々なケースが考えられます。
後遺障害の診断書の料金のような高額とまではいえないことについても、何か疑問があれば、まずは弁護士に相談してみましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
このページを最後までお読みの方は、
- 自賠責の後遺障害の診断書の料金は平均5,927円
- 後遺障害診断書の費用の窓口負担は原則被害者だが、一括対応中であれば窓口負担なしの場合もある
- 後遺障害診断書料は、原則後遺障害が認定されれば相手方に請求できる
という点について、理解が深まったのではないでしょうか。
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下にまとめてある関連記事も参考になさってください。
皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。
後遺障害診断書の料金についてのQ&A
後遺障害診断書の料金は?
診断書の料金は一律で決められているわけではなく、病院や医師により異なります。自賠責指定の診断書の場合、相場は後遺障害診断書で5927円、通常の診断書で4763円となっています。全国平均はこのようになっていますが、地域差を見てみると、後遺障害診断書では2520円~12600円の幅があるようです。 診断書料金の相場・地域の最高額と最低額
診断書の料金は被害者が払う?
診断書の料金は、①「被害者請求」という後遺障害等級認定の申請方法をとる場合は、一旦被害者が立て替え、後から保険会社に請求する②「事前認定」という後遺障害等級認定の申請方法をとる場合は、はじめから保険会社が払うということになります。また、治療費を保険会社が病院に直接支払っている期間に後遺障害診断書を作成する場合は、被害者請求か事前認定かに関わらず、保険会社が診断書料金を支払います。 診断書料金を病院に払うのは誰か
後遺障害等級非該当だと診断書料金は自己負担?
後遺障害等級認定で等級は該当しないという結果が出た場合、立て替えていた診断書料金を保険会社に請求することは難しくなります。しかし、事情によっては非該当でも診断書料金を払ってもらえた事例はあります。なお、等級認定の異議申し立てで非該当となった場合は、立て替えた診断書料金を保険会社に請求することはできません。 後遺障害非該当の場合の診断書料金負担
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。