保険会社と交渉する前に…知っておくべき死亡事故の慰謝料の計算・算出方法

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保険会社と交渉する前に…知っておくべき死亡事故の慰謝料の計算・算出方法

家族が死亡事故にあってしまったら…残された家族の皆様の悲しみや苦しみは計り知れないもののはずです。

その悲しみに対し、加害者や保険会社慰謝料を請求できることはわかっています。

しかし、実際に保険会社と交渉するにあたって、

慰謝料はどのように計算されているのだろうか?

保険会社から提示された示談金は適正なものなのだろうか?

任意保険自賠責の基準とは何なのだろうか?

など、わからないことがほとんどだと思います。

大切な家族を失った悲しみに加え、そのような悩みも抱えてしまっては、精神的な負担は非常に大きなものになってしまいます。

そこでこのページでは、死亡事故に対する慰謝料の計算方法について、お悩みを抱えている皆様と一緒に勉強していければと思っています。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

ご家族が交通事故で亡くなられてしまうのは突然のことで、お辛いことと存じます。

また、保険会社と連絡を取ることによる精神的な負担も非常に大きいものとお察しします。

そのような負担を少しでも軽減できるよう、具体例も交えながら、しっかりと解説していきたいと思います。

ところで、慰謝料の計算と言っても、実は基準が1つではないようなのです。

死亡事故の慰謝料算定には3基準(自賠、任意、裁判)あるそうですが、任意保険会社が遺族に提示するものは、任意保険基準ですか?

裁判基準で提示してもらうことはできないのでしょうか?

保険会社から提示されるのはどの基準のものなのか…。

どの基準の慰謝料を受け取れば良いのか…。

知らないと適正な慰謝料を受け取れないかもしれないのです。

大切な家族を失った悲しみに加え、そのような憤りを味わいたくはありませんよね。

ここで、それぞれの基準における慰謝料の計算について詳しくなっておきましょう。

【重要】死亡事故に対する慰謝料の計算方法について

【重要】死亡事故に対する慰謝料の計算方法について

死亡慰謝料は家庭内での役割によって決まる?

死亡事故のご遺族は、加害者やその保険会社に対し、民事上の責任追及として損害賠償請求をすることになります。

損害賠償では、

交通事故で出費せざるを得なくなった支出である積極損害

精神的苦痛に対する補償である死亡慰謝料

の2種類を請求することができるようです。

死亡慰謝料は、精神的苦痛を金銭で評価したものになるわけですが…。

では、その慰謝料の金額はどのように決められ、どのように計算されているのでしょうか。

死亡事故に対する慰謝料は、被害者の方の家庭内での役割に応じて計算方法が異なっています。

確かに、家族を養っている一家の大黒柱を失ってしまった場合、今後の家族の生活が非常に不安です。

その分を補うため、慰謝料を高くする配慮をしてくれているんですね。

つまり、精神的な辛さだけで金額が決まっているわけではないということです。

死亡慰謝料には、被害者本人の慰謝料と遺族固有の慰謝料が含まれます。

弁護士基準や任意保険基準の金額は両者を併せた金額であり、自賠責基準では両者を区別して規定しています。

相場としては、被害者の方が

一家の支柱の場合には2800万円

母親・配偶者の場合には2500万円

単身者子供の場合には2000~2500万円

というのが一般的です。

なるほど。

ここで、弁護士基準任意保険基準自賠責基準という言葉が出てきましたね。

最初にも、慰謝料の基準は1つではないという話がありました。

では、慰謝料の基準についてここから詳しく見てみましょう。

保険会社と示談する前に知っておきたい慰謝料計算の基準

すでにおわかりの通り、慰謝料には、

自賠責保険に請求する場合

任意保険会社が提示する場合

弁護士が相手側や保険会社に請求する場合

3つの基準が存在しています。

自賠責基準

自賠責保険会社の慰謝料とは、自賠法に基づく省令により設定されているものです。

自賠法は、交通事故の被害者が最低限の補償を受けるためのものであり、その金額は低く設定されています。

任意保険基準

保険会社でも、任意保険会社による慰謝料基準も存在しています。

ただし、任意保険会社は営利企業のため、加入者を増やすために保険料を安く設定しています。

その分、被害者の方に支払う慰謝料も少ない金額で済ませたいと考えているはずですよね…。

よって、自賠責の基準よりは高いものの、慰謝料の金額は少ないことが多いということです。

弁護士基準

保険会社の基準と検証して、最も高い基準となっているのが、裁判所や弁護士の基準です。

これは、裁判を行った場合や相手側と示談をする場合に用いられる基準のこと。

ただし、自分ひとりで裁判を起こし、相手側と争うのは、どう考えても難しいですよね…。

よって、高額の慰謝料を獲得するためには、弁護士に依頼をして示談や裁判を行うことが必要ということになるのです。

慰謝料金額の基準
自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準
内容 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの 営利企業の保険会社が支払うもの 裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの
金額 金額は低め 自賠責基準よりは高いが、金額は低め 自賠責基準や任意保険基準よりも高い

基準ごとの死亡慰謝料の計算結果を検証

3つの基準がわかったところで、基準ごとにおける死亡慰謝料の相場を見てみましょう。

まず、自賠責については、被害者が死亡した場合の支給額があらかじめ決められているそうです。

また、ご遺族に対しても決められた慰謝料が支払われることになります。

たとえば、亡くなられた被害者の方に、共働きの奥様とお子様が1人いた場合には、

本人慰謝料350万円+遺族2人の慰謝料650万円+被扶養者(子供)がいる場合の加算額200万円=1200万円

が慰謝料ということになるそうです。

自賠責基準による死亡慰謝料
被害者本人一律 遺族※ 被扶養者がいる場合
350万円+ 1人 550万円 +200万円
2人 650万円
3人以上 750万円

※ 被害者の両親、配偶者、子のみ

続いて、任意保険弁護士基準における死亡慰謝料の相場も見てみましょう。

死亡慰謝料は本来は誰に対しても同じ金額であるはずです。

しかし、たとえば、一家の大黒柱が亡くなってしまった場合、奥さんやお子様の今後の収入が失われてしまうことになります。

その分も考慮して、慰謝料の相場は高くなっているようです。

また、主婦が亡くなった場合にも、家事や育児など、家庭内での役割が大きい存在であるだけに、慰謝料の相場は高くなっているとのことです。

任意保険基準と弁護士基準による死亡慰謝料
任意保険基準 弁護士基準 任意保険基準との差額
一家の支柱 1700 2800 +1100
母親・配偶者 1400 2500 +1100
その他 1250~1450 2000~2500 +550~+1250

※1 単位:万円

※2 旧任意保険支払基準による

以上より、慰謝料の一般的な相場とは、弁護士基準のことを指しているのですね。

ただし、ご遺族の方だけで保険会社と交渉している限り、低い保険会社の水準の慰謝料しか提示してくれないそうなのです。

誤って低い金額で示談してしまう前に、弁護士に相談してみた方が良さそうです。

裁判では弁護士基準が適応される?

一方、実際の裁判例を見てみると、被害者とご遺族に対する慰謝料の合計額が、計算水準を大きく上回る事例も多くあるそうです。

というのも、死亡事故は非常に悲惨な事故です。

ご遺族の悲しみは極めて深いものであり、裁判官も相場以上の慰謝料を認めることにあまり抵抗がない傾向にあるとのこと。

とはいえ、ご遺族の方だけで裁判を起こすのは現実的には厳しいでしょう。

その点からも、弁護士に相談してみた方が良いと言えるかもしれません。

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ここまでお読みになって、自分の家族の死亡事故ではどれほどの慰謝料が受け取れるものなのか…。

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死亡事故の慰謝料の増額理由について

【注目】死亡事故の慰謝料の増額理由をご紹介

ところで、実際の裁判では、慰謝料が増額されるケースもあるということでした。

では、増額されるケースとはどのような場合なのでしょうか?

事故態様が悲惨であった場合

加害者に不誠実な態度があった場合

などは、慰謝料が大幅増額されることもあります。

実際に、3500万円~4000万円まで認められた事例もありました。

死亡事故の慰謝料額は、被害者本人や遺族の精神的苦痛の程度をお金に換算したものです。

お金ですべてが解決できるわけではありませんが、事故の内容が悲惨であった場合などは、その金額が増額されるということです。

増額理由①事故態様が悪質な場合

たとえば、

飲酒運転、信号無視、危険運転、居眠り運転

などにより、被害者が事故にあって死亡してしまうなど事故態様が悪質なケースもあり得ます。

埼玉県狭山市内の県道で、徒歩で横断歩道を渡っていた女性に対し、交差進行してきた軽乗用車が衝突する事故が起きた。

(略)

69歳の女性は徒歩で横断歩道を渡っていたところ、交差進行してきた軽乗用車にはねられた。

女性は近くの病院へ収容されたが、全身強打でまもなく死亡。

クルマはそのまま逃走したことから、警察は重傷ひき逃げ事件として捜査を開始(略)

逮捕された男の呼気からは酒気帯び相当量に満たないアルコール分が検出された。

警察では飲酒運転の発覚を恐れて逃走したものとみて、飲酒した場所や量の特定を急ぐとともに、事故発生の経緯を詳しく調べている。

こういった場合、加害者の責任は通常よりも重大ですよね。

よって、慰謝料を増額することによってバランスが保たれているとのことです。

また、事故後の加害者の行動が悪質な場合も、同じく慰謝料の増額理由となるということです。

被害者のひき逃げや、交渉・裁判での責任転嫁虚偽供述などが挙げられるそうです。

増額理由②被害者が妊婦であった場合

被害者の方が妊婦であった場合も、増額理由となるということです。

過去の事例で、交通事故に遭われた妊婦さんがお子様を出産された後に亡くなってしまった例や、妊婦も胎児も死亡してしまった例があったそうです。

ご遺族としては受け入れられないほどの事態のはずです。

しかし、胎児の死亡については慰謝料発生の根拠にならないそうなので、胎児の母親の死亡慰謝料を増額してもらうことで公平を維持しているそうです。

慰謝料の増額理由

事故態様が悪質:飲酒運転、赤信号無視、危険運転、居眠り運転など

事故後の行動が悪質:ひき逃げ、救護義務違反、証拠隠滅、被害者への不当な責任転嫁、虚偽供述など

妊娠中の女性が被害者:分娩後の死亡、胎児の死産など

死亡事故で慰謝料以外に支払われる損害賠償とは…

死亡事故で慰謝料以外に支払われる損害賠償とは…

ご家族が亡くなられてしまった場合、深い悲しみだけではなく、葬儀費用などの金銭的負担ものしかかってきます。

また、もしも亡くなられたのが一家の支柱であった場合には、今後の生活費なども心配です。

そういった交通事故で出費せざるを得なくなった支出に対しても、賠償を受けられるのですよね?

死亡事故では、死亡慰謝料以外に、

葬儀費用

逸失利益

入院中の治療費や傷害慰謝料

も支払ってもらえることになります。

死亡慰謝料以外にも、いろいろ補償してもらえるものがあるのですね。

では、それぞれについて見ていきましょう。

死亡慰謝料以外の賠償①葬儀費用

葬儀費用については原則、150万円を上限として、実際に支出した金額を請求することができるということです。

ただし、過去の裁判例では、150万円を上回り、170万円~250万円が認められた事例もあったそうです。

死亡慰謝料以外の賠償②逸失利益

逸失利益とは、被害者が交通事故で亡くならなければ得られていたはずの将来の収入や利益のことです。

被害者の方の年齢が若かったり、収入が高い場合には、逸失利益が高額になることも多いそうです。

死亡慰謝料以外の賠償③入院に関する費用

その他、被害者の方が亡くなられるまでの間に、入院治療を受けていた可能性も考えられます。

その場合には、

入院治療費の実費

入院期間に対応した傷害慰謝料

も請求することが可能ということです。

入院慰謝料に関しては、こちらのページで解説されていますので、良ければご覧になってみてください。

上記の損害も含めると、死亡事故に対する損害賠償額は非常に高額になることがほとんどだということです。

まとめ

死亡事故に対する補償

葬儀費用 被害者の葬儀費用として、原則として150万円を請求できる。
下回る場合は実費相当額。
逸失利益 被害者が事故で死亡しなければ得られたであろう収入等の利益。
治療関係費・傷害慰謝料 死亡するまでに一定期間の入院治療を受けていた場合。

ただし、上記の損害賠償についても、ご遺族の方だけで保険会社と交渉しては、低い金額しか支払われないようです。

最近では、無料相談を行っている法律事務所も多いです。

また、任意保険で弁護士費用特約に加入していれば、着手金・報酬を保険会社が負担してくれることも多いです。

さらに、裁判を起こせば、総損害額の1割分の弁護士費用が損害として認められる可能性も高いそうです。

交通事故の損害賠償請求のための弁護士費用は賠償請求できる?

交通事故の損害賠償請求は非常に専門的なものです。

それを法律の知識がない一般の方が、すべて本人だけで行うのはほぼ不可能です。

また、交通事故の裁判は被害者に対する適正な補償を目指すものです。

よって、被害者の方が適正な補償を受けられるように、弁護士に依頼することを前提としたものでなければならないはずです。

そこで、交通事故の損害賠償請求においては、その裁判のための弁護士費用も損害として認められる場合があるということです。

その場合、基本的には、総損害額(実際には、既払額や過失割合相当額を控除した請求額)の1割分が弁護士費用として認めてもらるそうです。

よって、弁護士費用特約での不足分は、そこから支払うことも可能です。

まとめ

以上より、適切な補償を受け取るためには、やはり弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

加害者や保険会社との煩雑で苦痛なやりとりからも解放されるはずです。

死亡事故の慰謝料計算について弁護士に無料相談したい方はこちら

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ここまでで、死亡事故に対する慰謝料の計算について理解を深めていただけましたでしょうか。

スムーズに交渉を進めるためには、弁護士に相談した方が良いと感じた方も多いはずです。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、死亡事故の慰謝料の計算についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

交通事故で大切なご家族を亡くされ、さらに保険会社との交渉で辛い思いをされていることと思います。

また、慰謝料の計算などについてわからないことも多く、お悩みでもあるはずです。

そんなときは、迷わず弁護士に相談することをお勧めします。

なぜなら、非常に辛い思いをした分、適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

精神的負担も大きい面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

このページを最後までお読みの方は、

死亡事故慰謝料計算方法

死亡事故の慰謝料が増額される理由

死亡事故で慰謝料以外に受け取れる補償

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

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皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。

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