車対自転車の事故で後遺障害等級5級とされた事例

ISHR 2016年11月8日 | CRPS
kagaisha3 2
認容額 6200万円
年齢 32歳
性別 男性
職業 不明
傷病名

左肩脱臼,左肩関節炎, 左肩関節脱臼,腱板損傷,左腋窩神経損傷, 左肩関節亜脱臼(腱板損傷),左腋窩神経麻痺,外傷後反射性交感神経ジストロフィー(RSD)

障害名 CRPS
後遺障害等級 5級
判決日 平成17年6月24日
裁判所 甲府地方裁判所

交通事故の概要

本件交通事故は, 平成13年11月22日午後3時30分頃, 山梨県内の路上で発生したものである。信号の設置されていないT字路交差点において,Tの字の縦棒にあたる道路から横棒にあたる道路(優先道路)へと左折しようとした加害者運転の普通乗用自動車が,横断歩道上を進行していた被害者運転の自転車の右側面中心部に衝突し,同自転車をその場に転倒させた。

被害者の入通院治療の経過

本事故で負った左肩の傷害のために, 被害者は, 20日間の入院および38日以上の通院による治療を受けた。

後遺障害の内容

医師らの所見を総合的に考慮すれば,本件交通事故の結果, 被害者にはRSDの後遺障害が残ったとものと判断されるのであり, この症状は自賠責等級第5級6号に該当するということができる。

なお, 加害者らは,被害者に左肩脱臼の既往症があることがRSDに影響を与えていると主張するが,本件等級認定は,この既往症があることを前提として,被害者のRSDを交通事故による後遺障害と評価しているのであるし,ほかの医学的証拠を検討しても,左肩脱臼の既往症とRSDとを結びつけて論じているものは皆無であるから,加害者らの主張を採用することはできない。

判決の概要

加害者は左方向をまったく見ずに交差点を左折しようとしたのだから,過失がある。一方,被害者も,加害者運転車両が横断歩道の手前あたりまで迫っているのを見ながら,そのまま横断歩道上を進行して 加害者運転車両の前を横切ろうとした点で, 注意を欠いたところがあった。優先道路に進入しようとした加害者と,優先道路にそった歩道上を進行してきてそのまま横断歩道上を進行しようとした被害者とを比較すると,加害者側の過失の程度がかなり大きいことは明らかである。したがって,本件においては5%の過失相殺をすることにする。

認容された損害額の内訳

治療関係費 475万9930円
入院雑費 34万500円
通院交通費 39万80円
休業損害 311万6500円
逸失利益 5605万6830円
慰謝料 1670万円
介護費 16万 4862円
損害の填補 - 2166万 3129円
弁護士費用 537万5863円
過失相殺 - 324万1435円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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