バイクで当て逃げされた!犯人は捕まらない!?修理費は誰が支払う?

Q1.バイクで当て逃げされた!犯人は捕まる?

ご自身の車やバイク、自転車など「物」の被害が出てしまったこと、ご不安なことと思います。

まず気になるのが、当て逃げ犯が捕まるかどうかということでしょう。
こちらについては、残念ながら全員が必ず捕まるとは言い切れません。

たとえば相手のバイクのナンバープレートが分かっていること、目撃者がいることドライブレコーダー・防犯カメラの記録などの証拠がどれだけ集まるかにかかっているでしょう。

事故直後は気が動転しているかと思いますが、当て逃げされたら、まずは警察へ連絡をして現場確認をしてもらいましょう。
そして、落ち着いて状況を説明してください。

Q2.修理費用は誰に請求できますか?

当て逃げ犯が捕まるまでは、もちろん相手に請求することはできません。
被害者の方が取れる方法は2つです。

①自身の加入している車両保険などを使う
②自身で費用を出して犯人逮捕を待つ

くわしくみていきましょう。

①自身の保険を使う

①自身の加入している保険を使って修理できるケースがあります。
契約内容によっては「当て逃げ」被害に使えないこともありますので、一度ご自身で加入されている保険を確認してみてください。

ちなみに、自分の保険を使って修理した場合には当て逃げ犯が捕まっても、犯人に修理費用は請求できないことを覚えておきましょう。
当て逃げ犯への修理費用の請求は、被害者の保険会社がおこなうことになります。

一方で、保険を使うと保険等級が下がり、保険料が上がることとなります。
この「上昇した保険料分」を相手方に求めることはできません。
なぜなら、保険を使うか使わないかは被害者の選択の結果だから、とされています。

②自身で費用を出して犯人逮捕を待つ

ご自身の保険を使わず、自分のお金で修理して犯人逮捕を待つ方法もあります。
犯人が捕まりしだい、犯人に対して損害賠償を請求することが可能です。
修理にかかった費用の領収書などはなくさず保管しておいてください。

もっとも、損害賠償請求権には時間の制約があります。
当て逃げ犯が見つかったら犯人特定後3年、当て逃げ犯が見つからない場合は当て逃げ発生の翌日から20年間です。

Q3.慰謝料は請求できる?

ご自身の保険を使って修理することはできても、保険会社に対して慰謝料を求めることはできません。

また、犯人逮捕を待って慰謝料を請求するということも、現実的には認められないと考えておきましょう。

交通事故の損害は、
・人的損害(人が死傷すること)
・物的損害(物が壊れること)
の2つに分かれています。

このうち、人的損害については慰謝料の対象となりますが、物的損害については慰謝料の対象とはなりません。過去の判例を見ると、一部の事例で物的損害への慰謝料が認められたこともありますが、まれなケースと言えるでしょう。

人身事故と物損事故のちがい
人身事故 物損事故
人的損害 あり なし
慰謝料 認められる 原則認められない

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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